♂ meets ♀
僕はセックスが好きだ。 と言っても、もちろんまだしたことない。でも、したくてしたくてたまらない。 学校や大人の人は、子供がセックスなんて言うと、おかしい奴だとか決めつける。でも、それって変だと思う。だって、そもそも僕が今ここにいるのはお父さんとお母さんがセックスしたからだ。いくらなんでもコウノトリが運んできたなんてのは今時誰も信じてない。人類がこうしてずっと繁栄して来たのもセックスして子供を作ってきたからだ。セックスは人間、いや、生物にとって必要なことなんだ。 それなのに、なんで大人は悪いことのように言うのか、僕には理解できない。 そうやって、小さいときからセックスは悪いことだって教えられて、ネットとかでもそういうサイトは有害サイトだって見れなくされて・・・ それって、ショウシコウレイカの原因なんじゃないのって思う。 セックスは悪いことで、そういうのしちゃダメって育てられるから、大人になってもセックスしない人が増えてるんじゃないかなぁ・・・僕はそう思う。生物にとって必要なことを「悪いこと」って決めつけてるから、ショウシコウレイカなんて、良くないことが起こってるんだって思わない? だから、僕はセックスしたい。 いろんな人といっぱいセックスしたい。 そして、子供をたくさん作って、ショウシコウレイカを無くすんだ。そのために、誰とでもセックスできる時代が来て欲しいと願ってるんだ。 と言いながら、やっぱりなかなかセックス出来ない。そりゃ、中学生だもん。周りはみんなセックスは悪いことみたいに教え込まれた奴らばっかりだし、なかなか相手が見つからない。大人の女の人でもいいんだけど・・・そんなことしたら、警察に捕まっちゃう。セックスしたら警察に捕まるなんて、馬鹿げてる。ほんと、今の大人は馬鹿ばっかりだ。僕等みたいな子供がいっぱいセックスして子供をたくさん作れば、近い将来ショウシコウレイカは解決するのに・・・大人は自分の首を絞めてるってわかってない。 でも・・・実は、狙ってる女子がいる。この子ならセックスさせてくれるかなって女子が。 その子は、僕の一番の友達、望(のぞむ)の妹の光(ひかり)ちゃんだ。 光ちゃんは、色が白くてとってもかわいい。兄貴の望が坊主頭で真っ黒に日焼けした、いかにも野球少年って感じなのに対して、光ちゃんはほんとにかわいい。しかも、たぶん僕のことを気に入ってくれている。僕が望の家に遊びに行くと、大抵は光ちゃんがいて、わざわざ僕に挨拶するために望の部屋に来てくれる。またその挨拶がかわいいんだ。なにより声がすっごくきれい。望の家の血筋なのか、望も声がちょっと高いんだけど、光ちゃんはほんとに鈴のような声をしてる。そんなきれいな声で僕に話しかけてくれる。ジュースを持ってきてくれたり、時には一緒に遊んだりもする。それも、僕や望が誘ったから来るっていうんじゃなくて、光ちゃんの方から来てくれるんだ。 一度、望に聞いたことがある。 「光ちゃんって、誰にでもあんなに優しいの?」 って。 望は即答したよ。 「お前以外の誰かが来ても、絶対顔出さない」 って。 つまり、僕だけなんだ。それって、僕のこと、好きだってことじゃない? 前に、3人で夏休みに花火を見に行ったことがある。 その時、光ちゃんは浴衣だった。まぁ、僕も望も浴衣だったけど。 光ちゃんの浴衣は大きな花柄で、なんていうか・・・凄くきれいだった。かわいいっていうより、きれいだと思った。その時、望はお腹が痛いとか言って、先に一人で帰った。まぁ、かき氷を3杯も食べまくったから自業自得だろうけどね。そして、花火を見終わって、僕と光ちゃんは二人で帰ったんだ。なんでだったか忘れたけど、僕と光ちゃんは手を繋いでた。どっちからかも覚えてないけど、ずっと僕等は手を繋いで歩いたんだ。 ね。それって絶対・・・・・ ちょっと前に望に聞いてみたことがある。 「ねぇ、光ちゃんって好きな男子とかいるのかな?」 「お前じゃね?」 望もそう言ってたし・・・だから・・・ だから、僕は望がいないときに遊びに行くことにした。 望はリトルリーグに入ってる。だから、練習のある時は家にはいない。それは僕もよく知ってる。何時くらいに帰ってくるかも知ってる。だから、行くとしたら、その日だ。そして、今日がその日だ。 僕は、望の家の近くから、望が出かけるのを見張ってた。望はいつもの時間、いつもの通りに大きいバッグを肩から下げて、真っ白いユニフォームで家を出ていった。 「よし・・・行くぞ!」 僕は小さく言って、自分の両手で頬を叩いた。なんたって、光ちゃんとセックスするんだから。 家の前に立つ。胸がどきどきする。手が少し震えてた。そして、思った通り、光ちゃんが出てきた。 「お兄ちゃん、今日は野球なの」 「知ってる」 喉がからからだ。 「その・・・今日は光ちゃんと遊びたくて」 変じゃないだろうか、いきなりそんなこと言って。 「どうぞ」 光ちゃんはいつもの通りだった。いつもの通り、僕を望の部屋に通してくれた。 「ちょっと待っててね」 そう言うと、部屋から出ていく。 (やっぱり、自分の部屋には入れてくれないかな) なんと言っても男と女だ。多少、警戒するんだろう。 しばらくすると、ドアが開いて、光ちゃんが顔を出した。 「いいよ」 光ちゃんが手招きした。そして、光ちゃんは僕を自分の部屋に入れてくれた。 きれいな部屋だった。白い壁、薄いピンク色のカーテン、白いベッド・・・ (ここで光ちゃんは寝てるんだ) なんだかそう思っただけで僕のどきどきが2倍に跳ね上がった気がする。 「ベッドの上にでも座って」 「え、いいの?」 いきなりベッドの上って・・・ 「だって、他、座るところないし」 ない訳じゃない。床の上にも十分座れる。クッションもあるし。でも、せっかくなんだから・・・僕は光ちゃんのベッドに上がった。 改めて部屋を見渡した。写真がいくつか置いてある。光ちゃんと望、そして僕が写っている。あの花火の日の写真もあった。3人とも浴衣を着て、この家の前で撮った写真だ。 「あ、あの写真」 浴衣の写真を指さした。 「花火のときの」 「うん、覚えてる。光ちゃん、浴衣似合ってるよね」 「ありがとう」 少しはにかんでうれしそうな顔をする。 (やっぱ、かわいい) なんて思ってたら、光ちゃんもベッドに上がって僕の隣に座った。 「なにする?」 一瞬、どきっとした。 (ま、そんなわけないか) でも、女の子の遊びなんてわからない。 「スマホのゲームの続きしよう」 前に望の部屋で3人でしたことがある。あれなら、光ちゃんも一緒に遊べる。 「うん」 そして、僕等二人は隣に並んでゲームを始めた。 お互いの画面を見ながらゲームを進めていく。つまり、光ちゃんが僕のスマホの画面を見るときは、僕の目の前に光ちゃんの顔がある。僕が光ちゃんの画面をのぞき込むと、すぐ近くに光ちゃんの体がある。簡単に抱きつける距離だ。 でも・・・なかなかそれ以上はできなかった。 (セックスしに来たのに) そう思うけど・・・こうしてるだけでいい、そうも思う。でも、それじゃ、意味がない。 「ね・・・」 からからになった口の中で舌がうまく動かない。 「なに?」 光ちゃんはゲームの手を止めない。僕はもうゲームを進められない。 「光ちゃんって・・・か、彼氏・・・いる?」 こんな簡単なことを言うのがすごく難しかった。 「いないよ」 でも、光ちゃんはすらっと答えた。そして、しばらく沈黙・・・ 「あ、あのさ」 「なに?」 光ちゃんが手を止めた。 「ぼ、僕・・・」 それ以上言えなかった。スマホを掴む。メールアプリを立ち上げて、入力する。 『光ちゃんがすき』 そう入力して、光ちゃんに手渡した。 「知ってるよ」 光ちゃんは普通に言った。 「え、なんで?」 今までそんなこと言ったことないし、そんなそぶりも見せてなかった・・・と思う。 「お兄ちゃんに聞いたから」 望のやつ・・・ 光ちゃんが僕のスマホを操作して僕に返してきた。 『光もすき』 思わず光ちゃんの顔を見つめる。光ちゃんは壁にもたれて少しうつむいた。僕は、そんな光ちゃんの唇に顔を近づけた。初めてのキスだった。 キスしたあと、どうすればいいのか・・・いざとなると、全然わからない。とりあえず、光ちゃんの肩に手を掛けて、光ちゃんをベッドに横にする。光ちゃんは全然嫌がらない。もう一度キスをした。服の上から光ちゃんの体に触れてみた。ゆっくり手を胸に当ててみる。でも、光ちゃんは嫌がらない。服の裾から手を入れてみる。光ちゃんの肌に直接触れた。光ちゃんの体温を直接感じる。それだけで僕は興奮する。胸に手を当てる。まだ小6の光ちゃんの胸は、全然膨らんでない。僕等と変わらない。それでも光ちゃんの胸に触ってることにどきどきする。光ちゃんは目を閉じている。手は体の横、ベッドに置いたまま。 (このままいっちゃっていいのかな?) 光ちゃんが無抵抗だったから、逆に不安になる。 またキスをした。そして、小さくささやいた。 「いいの?」 光ちゃんは何も言わない。そのかわり、僕の腕に軽く触れた。それは拒否じゃなかった。 「光ちゃん」 僕は光ちゃんの服をたくし上げた。胸が露になる。小さな乳首。白いお腹とおへそ。僕もTシャツを脱いで、上半身裸になった。そのまま光ちゃんに抱きつく。肌が直接触れ合う感触。光ちゃんも僕の背中に手を回してくれる。 僕は夢中だった。夢中で、光ちゃんの足を撫でた。短いパンツから出ている太股は、きめ細かくてとってもすべすべで気持ちいい。そして、その付け根に手を移動させる。いよいよその部分・・・光ちゃんのその部分・・・ 「え?」 その部分には、熱い突起があった。 一瞬、女の子も興奮するとこうなるのかと思った。でも、すぐに違うと気が付く。この感触、なんだかすごく触り慣れた感触だ。 僕は光ちゃんの顔を見た。光ちゃんは顔を真っ赤にして、目をぎゅっと閉じていた。光ちゃんのパンツを持ち上げてみた。光ちゃんの下着が見える。女の子らしい下着。パンツをずらす。下着の真ん中が盛り上がっている。下着の端に指を掛けて、持ち上げて中をのぞき込んだ。そこには、やっぱりあれがあった。 「光・・・ちゃん・・・これって・・・」 見慣れたもの。もちろん、光ちゃんのを見るのは初めてだけど・・・ 「お、おちんちん?」 光ちゃんは顔を手で覆った。 「あ、あの・・・」 (見間違いじゃないよね) 自分の目が信じられなかった。それを確認するために、僕は光ちゃんの下着を脱がせた。 やっぱり、それはそこにあった。 「な、なんで?」全裸の光ちゃんの体を見ながら僕は混乱していた。 「やっぱり・・・」 光ちゃんがつぶやいた。 「いやだよね、こんなの」 僕から顔を背け、さらに両手で顔を覆ったまま言った。 「光ちゃんって・・・男だったの?」 光ちゃんは何も言わなかった。 (ひょっとして、泣いてる?) 僕は聞いちゃいけないことを聞いたのかも知れない。でも、まさか、あの、光ちゃんが、男だったって・・・いや、まさか・・・でも、おちんちんあるし・・・おちんちんあるのは男だよね。 「ごめん・・・ごめんね」 顔を覆ったまま、光ちゃんが言った。でも、僕は・・・ 「なんで謝るの?」 光ちゃんの手をどけて、その顔をまっすぐ見た。やっぱり、涙が溜まっている。 「だって、おちんちん付いてるんだよ?」 「そんなの・・・」 僕は立ち上がって、ズボンとボクブリを一緒に下ろした。 「僕にだってあるし」 そう、僕にはおちんちんがある。そして、僕は男だ。光ちゃんにもおちんちんがあった。だから、光ちゃんも男だ。でも、それがどうした! 「光ちゃんが好きだ」 僕は光ちゃんの上にまたがった。そして、また顔を覆っている手を掴んで顔の前からどける。光ちゃんが顔を背けようとしたけど、僕は強引にキスをした。 「男だからだめなの? 光ちゃん」 光ちゃんを抱きしめる。光ちゃんのおちんちんが僕の体に当たってる。それはすごく熱い。熱くて気持ちいい。 「だって・・・男同士だし」 「光ちゃんは光ちゃんだ」 僕はその口をふさぐようにキスをする。そのまま頭を下げて、光ちゃんの乳首にもキスをする。おへそにも、そして、おちんちんにも。 「光ちゃん、僕が嫌い?」 首を左右に振る。 それを見て、僕も心が決まった。 「光ちゃん、大好きだよ」 そして、光ちゃんのおちんちんを口に含んだ。 光ちゃんが小さな声を上げた。その瞬間、僕の口の中に光ちゃんの精液がはじけ飛んだ。あの臭いを感じた。でも、嫌じゃなかった。むしろ、光ちゃんを飲みたいと思った。だから、僕はそれを全部飲み込んだ。 「光ちゃんの、おいしい」 僕がそう言うと、光ちゃんは少し恥ずかしそうに笑う。 「僕・・・光ちゃんに入れたい」 正直、入れるというのがどういうことかわからなかったし、どうすればいいのかもわからない。ただ、光ちゃんとセックスしたいという気持ち、それが入れたいという言葉になっただけだった。 「ちょっと待って」 光ちゃんはベッドの枕元から何か取り出した。小さな容器だった。 「これ、ローション。使って」 僕に渡す。でも、どうすればいいのかわからない。 「それ・・・お尻の穴に塗って、佑ちゃんの、入れて」 (ア、アナルセックスだ!!) 動画で見たことある。でも、僕がそれをするなんて。 光ちゃんが足を抱えて僕にお尻の穴を向ける。人のお尻の穴なんて、初めて見る。しかも、それは光ちゃんのだ。 「あ、あのさ」 僕は自分が変態なんじゃないかと思った。こんなこと、光ちゃんに頼もうとするなんて。 「お尻の穴・・・舐めさせて」 恥ずかしさから、光ちゃんの答えを聞く前に、僕はそこに顔を埋めた。光ちゃんのにおいを嗅ぎ、そしてそこに舌を伸ばす。きれいなピンク色の穴、なぜか僕はあの花火の日の浴衣を思い出していた。 「あぁ」 光ちゃんが気持ちよさそうな声を出す。僕は夢中で光ちゃんのお尻の穴を舐める。光ちゃんが手でお尻を広げると、お尻の穴が少し開く。僕はその中に舌を入れる。光ちゃんの秘密の部分、それを僕は手に入れたんだ。 「佑ちゃん、入れて」 光ちゃんにそう言われて、ようやく僕は光ちゃんのお尻の穴から顔を上げた。光ちゃんがローションの入った容器を差し出していた。 光ちゃんに言われるままに、僕はローションを自分のおちんちんと光ちゃんのお尻の穴に塗った。 「入れるよ」 光ちゃんが頷いた。僕は、おちんちんを光ちゃんのお尻の穴に差し入れた。 「ううっ」 光ちゃんがちょっと顔をしかめる。 「だめ?」 「大丈夫、入れて」 僕は光ちゃんのお尻の穴におちんちんを根本まで差し込んだ。そこは暖かくて、僕を優しく包み込んでくれた。僕は本能的に腰を動かした。初めは遠慮がちに、そして、だんだん早く。 「あ、佑ちゃん・・・気持ちいい」 光ちゃんの顔を見ながら、僕は光ちゃんのお尻の穴におちんちんを出し入れし続けた。 「気持ちいいよ、光ちゃん」 そして、すぐに僕は光ちゃんの中で射精してしまった。 「あ・・・ごめん、出ちゃった」 光ちゃんのきれいなお尻の穴の中に出しちゃったのが、すごく悪いことをしたように思えた。 「ううん・・・うれしい」 光ちゃんが腕を伸ばした。僕は光ちゃんのお尻の穴に入れたまま、光ちゃんを抱きしめた。 (幸せな気持ちってこういう感じなのかな?) 僕は、光ちゃんを抱きしめながら思った 僕と光ちゃんは裸のまま、光ちゃんのベッドに横になっていた。腕を絡ませ、手を握っていた。絡んだ腕から光ちゃんの体温が伝わってくるのが気持ちよかった。このまま、何も言わないでいればいい、と思う。でも、どうしても、あの疑問が頭から離れない。 「ねぇ・・・」 光ちゃんは何も言わない。たぶん、僕が何を言うのかわかっているはずなのに。 「どうして・・・女の子の恰好してるの?」 「わからない・・・」 すぐに光ちゃんは答えた。 「わからないって?」 「小さい頃からこうだったから」 そういえば、僕と光ちゃんが初めて会ったのって、何年くらい前だろう。思い出せなかった。それくらい前だ。そして、その頃から光ちゃんは女の子だったっけ。 「それって・・・光ちゃんは女の子の恰好したくないってこと?」 「違う・・・わからない。でも、女の子として育てられてるから」 「じゃ、お父さんがさせてるってこと?」 光ちゃんは答えなかった。 「望は知ってるの? 光ちゃんが男だってこと」 「知らないと思う」 (そうなんだ・・・) 僕は、望すら知らない、望の家の秘密を知ってしまったのかな。 「でも・・・僕は光ちゃんが好きだよ」 腕を光ちゃんの頭の下に差し入れる。光ちゃんは少し頭を起こして、僕の腕の上に頭を乗せる。 「初めてのセックスの相手が光ちゃんでよかった」 腕を曲げて、光ちゃんを抱き寄せる。 「光ちゃんもそうでしょ?」 光ちゃんは何も言わなかった。僕は光ちゃんを見た。そして、感じた。 「僕が初めてじゃないんだ・・・」 少しショックだった。光ちゃんはすでに誰かとセックスしたことがあるんだ。その人も、男の子の光ちゃんを受け入れたんだろうか。 「お父さん」 小さくつぶやいた。 「え?」 すぐには理解できなかった。 「お父さんと・・・毎日」 「毎日?」 「ほとんど毎日」 光ちゃんは言い直したけど、僕にとって違いはなかった。 「な、なんでお父さんとしてるんだよ?」 少し声が大きくなっちゃった。 「お母さんの代わりだって。よく似てるんだって」 そう言えば、望にはお母さんがいない。確か、光ちゃんが生まれてしばらくして亡くなったって聞いた。 「だからって・・・それじゃ、お父さんが光ちゃんを女にして、お母さんの代わりに毎日セックスしてるってこと?」 僕は体を起こした。光ちゃんは顔を背ける。 「ねえ、そうなの?」 光ちゃんが小さく頷いた。 怒りがわいてきた。光ちゃんに対する怒りもほんの少しある。でも、ほとんどは光ちゃんのお父さんにだ。 「そんな、自分勝手な」 「怒らないで」 光ちゃんも体を起こした。 「そんなのでいいの?」 「私は・・・お父さんが好きだから」 頭の中が真っ白になった。 それから、どういう話をして、どう言って光ちゃんと別れて、どうやって光ちゃんのところから帰ってきたのか覚えていない。気が付いたら、僕の家のベッドで、布団をかぶって泣いていた。光ちゃんが本当に好きなのは、僕じゃなくてお父さんなんだ。お父さんと毎日セックスして、光ちゃんはそれでいいんだ。 そんなことばかり繰り返して考えて、その度に僕は泣いた。 そして、数日が過ぎた。 光ちゃんからメールが来た。 『今日はお兄ちゃんいないから、家に来て』 行く気はなかった。でも、僕は望の、光ちゃんの家の前に立っていた。光ちゃんがドアを開けてくれた。 その気はなかったはずなのに、僕と光ちゃんはまたセックスした。セックスしてから、光ちゃんの方から話し始めた。 「お父さん、お母さんがいなくて寂しいって。だから、私とセックスするんだって」 「そんな話、聞きたくない」 「お父さんを怒らないで」 つまり、やっぱりお父さんが好きだってことじゃないか。僕の怒りは収まらない。でも・・・ 「それを言うために、今日、僕を誘ってセックスしたの?」 「違う・・・」 「じゃ、なに? お父さんと毎日セックスしてるんだよね? 僕をからかってるの?」 「違う!」 光ちゃんの目から涙がこぼれ落ちた。 「私は・・・佑ちゃんが好きだから。お父さんも好きだけど、佑ちゃんも好きだから」 「それって全然嬉しくない」 「でも、光をひかるとしてセックスしてくれるの、佑ちゃんだけ」 「ひ、ひかる?」 「私のホントの名前。男の子としての名前」 「ひかり・・・ひかる・・・」 僕はその名前を反芻する。 「お兄ちゃんも知らない名前だよ」 「だからどうだって言うんだよ」 「お父さんはお母さんの代わりとしてしか光を愛してくれない。でも、佑ちゃんは、佑ちゃんなら光をひかるとして愛してくれるって思ったから・・・」 光ちゃんが、いや、ひかるが体を起こして自分の服を手に取った。 「やっぱり、だめだよね、こんなの」 女の子の服を壁に投げつけた。 「もう、だめだよね、私なんか」 しゃがみ込んで泣き出した。泣きじゃくった。 (きっと・・・いろいろあるのかな) 女の子の恰好をさせられて、女の子として育てられる。その間、どんなことがあったんだろう。男の子だって言いたいときもあったんだろう。僕と初めてセックスした時も、男の子だってバレるの、すっごく怖かったんじゃないだろうか。それでも、僕とセックスしたかったのかな。だとしたら、僕は・・・ あれこれ考えるのをやめることにした。光ちゃんの、いや、ひかるのお父さんのことも考えるのをやめよう。今、僕の目の前にいる光ちゃん・・・ひかるのことだけ考えよう。そう思うと、自然に体が動いた。ひかるを背中から抱きしめた。 「僕は・・・ひかるが好きだ」 一瞬、ひかるの嗚咽が止まった。でも、また泣き出す。そんなひかるを僕は抱きしめて、ゆっくりと押し倒した。ひかると一つになりたかった。ひかるもきっと同じ思いだったんじゃないだろうか。 それから、僕は何度もひかるとセックスをした。僕とひかるは愛し合っていた。 時々、僕はひかるを家に呼んだ。そして、僕の服を着せて、一緒に遊びに行ったりした。女の子の恰好をしている光ちゃんは、女の子としてとってもかわいい。でも、男の子の恰好をしたひかるは、どっちかというとかっこいい感じだ。僕の服じゃ、小6のひかるには少し大きい。そこがまたかわいい。髪の毛が男の子としては少し長めなので、僕の帽子をかぶせて隠す 。すると、もうあの光ちゃんだとは思えないような、かっこいい男の子の出来上がりだ。初めは男の恰好をするのを恥ずかしがっていたひかるだったけど、今はそれが楽しみになっている。そして、僕の服を着たひかると二人で遊園地デートしたり・・・普通に、普通の男の子であることを楽しんでくれていた。 そう言えば、一度、ひかると望がニアミスしたことがある。男の恰好をしたひかると近所の公園で遊んでいたとき、たまたま通りかかった望が僕に声を掛けてきたんだ。 「あれ、誰?」 たまたまひかるは少し離れたところにいた。 「あれ、近所の小学生」 それだけ答えて、僕は望の肩に腕を回して、話しかけた。 「最近、光ちゃん、どう?」 そして、さりげなくひかるから遠ざける。さすがに近くで見たら、兄弟だったら気が付くだろうし・・・そうなると、いろいろヤバい。 「どうって?」 「僕のこと、何か言ってない?」 「別に」 自分がさっき見た奴が実は光ちゃんだなんて全く気付いてないようだった。このことは、僕とひかるの間で、しばらくネタになっていた。 ひかるとは、一緒にプールに行ったこともある。僕が前に使ってた水着を持って、一緒に男の更衣室で着替えて、一緒に泳いだ。もう、ひかるは男の子だ。僕と一緒だ。そして、そんなひかるが大好きだ。 でも・・・ 僕はセックスが好きだ。ひかるとは会う度にセックスしてる。でもそれって・・・どんなにがんばっても子供はできないセックスだ。だって男同士だし。 やっぱ、女の人ともしてみたいよなぁ・・・なんて思ったりもする。それはひかるにも話した。ひかるは僕が女の人とやりたいのならやってもいいって言ってくれた。 でも・・・・・・ 男だから、女だからって意味がある? ひかるは女の子としてもかわいいし、男の子としてもかっこいい。だったら、男だから、女だからなんて関係ないじゃん・・・とも思う。 ああ、僕、女が好きなんだろうか、男が好きなんだろうか・・・ひかるは男の子だけど、光ちゃんも好きだし・・・訳わかんないよ。 そんなことを思い始めたとき、何となく・・・ほんとに何となくだけど、望のことも好きかも知れない、なんて思い始めた。だって、基本的にひかるの兄弟なんだから、ちょっと似てる訳だし、僕の一番の友達だし・・・ひかるを除いて。 もし、僕が男も好きになれるのなら、たぶん、望のことも好きになれるんじゃないか、なんて思い始めたんだ。いや、浮気じゃなくて・・・その、いろんな人とセックスしてみたいじゃん? だから、僕は望のことが気になりだしたんだ。 「僕、最近光ちゃんと付き合ってるの、知ってるよな?」 「うん、聞いた」 さりげなく、僕は切り出した。 「望は誰か好きな奴いないの?」 「俺か? 俺は・・・」 「リトルリーグの誰かとか?」 「男じゃん」 「別に男でもいいんじゃないの?」 「ん〜いねぇな」 ここまでの流れの中で、別に男を好きになることにはそんなに抵抗がないように思える。 「光ちゃんのことが好きだったりして」 冗談っぽく言ってみる。 「馬鹿、妹だぞ。変態か、俺は」 「じゃ・・・僕とか」 あくまでも冗談っぽく。 「まぁ、お前なら我慢してやってもいいかな」 あれ・・・ちょっと意外な答えだ。 予想外の答えにあわてた僕は、急いで話題を変えた。 そんなことがあっても、僕と望は相変わらず普通に遊んでいた。 望の家に行って、光ちゃんが顔を出して、望が光ちゃんを閉め出して、二人でゲームして遊ぶって感じだ。どうやら最近、望は僕が光ちゃんと、ほんとはひかると付き合ってるのがなんだか気に入らないみたいな感じだ。だから、最近は二人で遊ぶときは、光ちゃんを部屋から閉め出そうとする。もちろん、ひかるとは、望が知らないところで遊んでるけど。でも、僕と望が二人で一緒にいるときは、望は機嫌が良い。 ひょっとしたら・・・望は光ちゃんに嫉妬してるんじゃないだろうか。それって、つまり・・・ 僕の中で、望を好きになれるどうか、望と男同士のセックスができるかどうかって思いはだんだんと膨らんでいた。ひかるには正直に話している。望ともしてみたいって。別にだめだとは言われなかった。むしろ、ひかるも望と僕がセックスするのに興味があるみたいだ。それに、どうやら望は光ちゃんに嫉妬している。それって、僕のこと気になってるってことだよね。 だから、少し強引にやってみようと思った。 野球を終えて、望が家に帰ってきたころを見計らって、僕は遊びに行った。望はシャワーを浴びたあとのようで、Tシャツに下はジャージだ。 「佑ちゃん、光なら部屋だぞ」 望は僕の顔を見るなりぶっきらぼうに言った。相変わらず嫉妬しているようだ。 (かわいいやつ) 僕は内心笑顔になる。 「違うよ。遊ぼ、二人で」 「疲れてんだよなぁ・・・」 そんなことを言いながら、望が喜んでいるのが分かる。 「いいだろ、なぁ」 僕は望の肩に手を回した。 「ったく・・・」 僕等は望の部屋で二人きりになった。そして、一緒にゲームを始めた。 いつもは僕が圧勝するゲームも、今日は少し手を抜いて、望と2勝2敗になるように仕向けた。案の定、望は上機嫌だ。 「よぉし、次、俺絶対勝つし」 望はゲームに集中する。その横顔は、やっぱりひかるに似ていた。僕は望が勝つようにわざとミスをした。その結果、望の勝利だ。 「ほら、どうだ。俺様の勝ちだ」 両手でガッツポーズをする。 「たまたまだよ、たまたま」 僕がそう言うと、もう一回勝負を挑んでくる。計画通りだ。 「次も絶対、勝つ!」 望は立ち上がって、画面に向かってそう意気込む。それがいつもの望だ。興奮してくると、すぐに立ち上がって、拳を握る。 そんな望の後ろに、僕はさりげなくにじり寄った。 「望」 声を掛ける。僕の方を振り向く。望は全く警戒していない。僕は素早く望のジャージの腰の辺りをつかんで、引っ張り下ろした。すると、ボクブリまで一緒に膝までずり落ちた。 「うわっ」 「うわっ」 望が声を上げた。ほとんど同時に、僕も声を上げた。 僕の目の前で、望の股間が露わになった。その股間の少し生えた毛の下、おちんちんがあるはずのところに・・・そこに望のおちんちんはなかった。その代わりに割れ目があった。 「な、なにするんだ、馬鹿野郎」 僕が呆然としている間に、望はあわててジャージを引っ張り上げる。 「え、あ、あの・・・・・ごめん」 望は背中を向けて、座り込んでしまった。 (どうしよう・・・) 僕は焦った。こんなことになるなんて、思ってもみなかった。 「あ、あの・・・さ」 「うるさい」 望を怒らせちゃったようだ。でも・・・さ。 「さっき・・・見た・・・見ちゃった」 「うるさい、黙れ」 「なかった・・・よね」 「黙れって言ってんだろ!」 望が殴りかかってきた。僕の頬に望の拳が入る。一発だけ殴ると、また望は背中を向けた。そして、小さな声で言った。 「見間違いだ」 「ごめん、望・・・でも、あの、ひょっとして・・・女なの?」 「見間違いって言ってんだろ」 望がどう言い張っても、僕ははっきりと見た。思わずつぶやいた。 「望も・・・光ちゃんと一緒なんだ」 「光・・・なんで光も一緒なんだよ」 (しまった) もう遅かった。 「言えよ!」 望が振り返ってまた拳を振り上げた。 「ま、待てって。落ち着け」 僕は両手を前に突き出した。望は拳を下ろした。 「ちゃんと説明しろ」 望は怒りで真っ赤な顔をして、僕に言った。 (落ち着け、僕) 自分に言い聞かせてから、僕はなるべく冷静に、声を抑えて言った。 「ちゃんと説明するから・・・その前に・・・望はどうなの?」 「見たんだろ、その通りだよ」 「それって・・・女って認めるってことだよね」 望はまた背中を向けた。何も答えなかった。 「望・・・」 僕は、そんな望の背中に向かって説明を始めた。 案の定、望はひかるのことは全く知らなかった。途中からひかるを呼んで一緒に話したけど、ひかるも望が女だったなんて全然知らなかった。もちろん、光ちゃんがお父さんとセックスしてるなんてことは言わなかった。 「お前らの家、どうなってんだ?」 「ほっとけよ」 まだ望は怒っているようだ。 「怒るなよ」 「お前が悪いんだろ、人の服脱がせやがって」 まぁ、それはその通りだ。ましてや、望は女の子だったんだし・・・ 「ごめん」 僕は素直に謝った。僕のせいで、この家の、この兄弟の秘密が知れてしまったんだから。 「お兄ちゃんも、お父さんにそうやって育てられたの?」 ひかるの問いかけに、望は無言で頷いた。 「まさか、お父さんに・・・その・・・されちゃったとか?」 「何を?」 女の子の望にそれは言えなかった。 「セックス」 ひかるがそれを口にした。 「そんな訳あるか」 望の答えに少しほっとした。 「僕、さ・・・」 「なに」 望が面倒くさそうに言う。 「意外と・・・望のこと、好きなんだよね」 「なんだよ、今度は人を馬鹿にしやがって」 「こんな時に馬鹿になんかできるかよ」 僕は結構本気だった。そもそも、出来れば望とセックスしようと思って今日遊びに来たんだし・・・まさかこんなことになるとは思わなかったけど。 「望がもし嫌じゃなかったら・・・キスさせて」 「嫌に決まってんだろ」 即答だった。でも・・・心なしか、望の顔が赤くなっている。 「頼む、キスさせて」 僕は顔の前で両手を合わせた。このまま何もせずに帰ったら、きっと僕と望の友情が終わってしまうと感じていた。 「好きにしろ」 たぶん、望なりの精一杯の答えだったんだと思う。僕は望の両肩に手をかけた。そして、顔を引き寄せた。望は逆らわなかった。 そのままキスをする。体を抱きしめる。そして、Tシャツの上から望の胸に触れる。いつの間にか、ひかるは部屋からいなくなっていた。気を利かせてくれたんだと思った。 望の上半身は日に焼けて真っ黒だ。胸も女の子らしくない。でも、そんな望の体を抱きしめられることをうれしいと思った。僕のおちんちんが勃起していた。望の手がそれをズボンの上から握っていた。 僕は望を床に押し倒した。 「いい?」 望は頷いた。僕はジャージの上から望の股間をさわる。指を上下に動かす。たぶん、割れ目があるあたりに沿って。 ジャージの下に手を潜り込ませる。ボクブリの上からはその部分を感じることができた。ゆっくりとなでる。望が僕のズボンを脱がそうとする。僕は立ち上がって、服を全部脱いだ。望は下からそれを見上げている。 「これ・・・すごく熱い」 僕のおちんちんを握りしめた。僕も望のジャージとボクブリを一緒に脱がせる。さっき見た通りの、望の大切な部分が見えた。 「やっぱり、見間違いなんかじゃなかった」 僕等は自然にシックスナインの体勢になった。望に舌を這わせる。ひかるの時にも感じた幸せを感じる。望は僕のを舐めてくれている。 「望に入れたい」 望が僕のおちんちんから手を離した。僕は体勢を変える。望の股間に座って、そこに指を入れる。 「いい?」 「初めてだから・・・」 望はそれだけ言った。僕は望に覆い被さった。そしてキスをして、望の中に入った。 望は少し痛そうだったけど・・・それでも僕等は抱きしめ合った。 すぐに、僕は望の中でいってしまった。 「ね、ひょっとして、望(のぞむ)って名前は男用? 光ちゃんみたいに」 「のぞみ・・・ホントは」 「やっぱりね。じゃ、のぞみちゃんだ」 なんとなく、少し笑ってしまった。 「うるせぇ、ばーか」 いつもの望だ。 「でも・・・望ものぞみちゃんも、光ちゃんもひかるも大好きだよ」 「きもっ」 「いいよ、きもくても」 「ったく・・・しゃあねぇな。もう1回させてやるよ」 坊主頭ののぞみちゃんが言った。 「3Pとか、どう?」 のぞみの答えを待たずに、僕はのぞみの手を引いて、ひかるの部屋に行った。ひかるは自分の部屋で全裸で待ちかまえていた。 「二人とも、愛してる」 僕は心を込めて言った。そして、のぞみちゃんにキスをしようとした。 でも・・・・・ 「ふざけんなっ」 望のびんたが僕の左頬に入った。そして、僕がひるんだ隙に、望が乱暴にキスしてきた。 そんな望を背中からひかるが抱きしめた。 (ったく、この姉弟は・・・) 左頬がじんじんしている。僕のおちんちんもじんじんしている。 (もう、二度とゲームで負けてやらないからな) そして、のぞみちゃんに、次にひかるにキスをした。 <♂ meets ♀ 完> |