Starring
「おお、来たな」 プロダクションの社長が大きなデスクの向こうで僕を見上げた。 「おはようございます」 社長は机の上に置いてあった紙を僕に突き出した。 「お前、赤澤監督を尊敬してるって言ってたよな」 「はい」 赤澤丁次監督。日本だけじゃなくて、海外でも評価が高い映画監督だ。 「その赤澤監督からウチの事務所にオファーが来た」 「えっ」 僕は社長の手からその書類をもぎ取ると、急いで目を通した。メールを印刷したその紙には、確かに赤澤監督の名前が書いてある。 「ぜ、ぜひ僕に」 「そう言うだろうと思って、もう先方に連絡済みだ。テレビドラマの人気子役、藤木清心の映画デビューだ。赤澤監督の作品なら、お前の映画デビューにもってこいだからな」 「はい、ありがとうございます」 こうして僕は、あの憧れの、赤澤監督の映画に出演出来ることになった。本当に信じられない。クランクインが待ち遠しかった。 「カントク〜モリプロからなんかメール来てますよぉ」 俺が声を掛けると、カントクはボロいソファから体をむくっと起こして、俺の近くにやって来た。 「うわっ酒くせぇ。昨日何時まで飲んでたんすか、もう」 「うっせぇな」 カントクは俺の頭を押しのけて、事務所に1台しかないノートパソコンの画面を覗き込んだ。 「お、こいつぁすげぇ」 「え、何が起きたんすか、カントク」 カントクの肩越しにメールを覗き込んだ。 「え? 藤木清心君?」 「俺様の作品に是非出演したいんだとよ」 「マジっすか?」 今度は俺がカントクを押しのけて、メールに目を通す。間違いなく、カントクの作品への出演の話だ。 「すげ〜っ!! ってか、これ、絶対間違えてますよ、カントク」 この事務所・・・といっても俺とカントクの二人しかいないけど・・・の社長である、自称映画カントクの赤澤T次は、はっきり言ってゲスい奴だ。唯一の社員の俺が言うんだから間違いない。グロいゲイビデオを撮らせたら日本一だ。 「間違いなもんかよ。あの藤木清心が俺の作品に出たいって言って来てるんだ」 「これ、絶対、赤澤丁次と間違ってますって」 「いいからあっちの気が変わらないうちに、さっさと契約交わしちまえ」 「ま〜たグロいこと考えてる・・・相手はまだ小学せ・・・中学生になったんだっけ?」 「いいんだよ。演技力でなんとかなる」 「なりませんよ、法律違反ですよ」 「大丈夫。あっちはプロだ」 この人と話しているといつもこうなる。行き当たりばったりというか、お気楽というか・・・ 「良いからとっとと契約結んじまえ」 カントクに命じられ、しぶしぶさっきのメールへの返信を作る。 「絶対間違ってるのになぁ」 ぶつくさ言いながら契約書のファイルを添付していると、カントクが背後に立って言った。 「絶対途中で逃げられないように、契約で縛り付けとけよ」 「はいはい」 (どうせリアルでも縛り付けるくせに) なんて思いながら、契約書のファイルを添付したメールを送信した。この契約書には普通ではあり得ないくらいにこっちに有利なことが並んでいる。 (ま、あの大手のモリプロさんなら、こんな契約書に騙される訳ないか) 最近主婦層の間で人気急上昇中との噂を聞くが、それでも藤木清心はまだまだ中学生の子供だ。どっかで誰かが気が付いて、こんな馬鹿げた話は消えて無くなるだろう、そう思っていた。 それなのに、驚いたことに清心君はやって来た。 「初めまして」 カントクはヨレヨレのシャツにくたくたのズボン、それにサンダル履きという、誰がどう見ても世界の赤澤とは全くの別人だということがバレバレの格好で、清心君に手を差し出した。 「は、初めまして。藤木清心です。よろしくお願いします」 清心君が両手でカントクの手を握りしめた。 (こいつ、馬鹿じゃん) 心の中でそう思った。今、清心君が手を握りしめている男は、道ばたでいかにも怪しい時計とか売ってそうなうさんくさい男だ。どんなにひいき目に見ても、真っ当にお天道様の下を歩けそうには見えない。でも、この人気子役はそんなカントクを本物の世界の赤澤だと信じ込んでいるようだ。 「あのねぇ、清心君」 「おっと、お前はさっさと他の共演者連れてこいや」 カントクは俺に本当のことを言わせないつもりなんだ。 (はいはい、分かりましたよ) 俺は他の男優3人を呼びに行く。これまでも何度か一緒に仕事をした奴等だ。こいつらがどんな男なのかはよく知っている。こいつらはカントクよりゲスな奴等だ。だから、カントクはこいつらを喜んで使ってる。自分の想像以上の事をしてくれるから。 「カントクが呼んで来いってさ」 3人の控え室のドアを開けて言った。中には警察官と自衛官と医者がいた。もちろんみんな偽物、ただのコスプレだ。しかも何の脈絡も無い。どうせすぐに脱ぐんだし。 「あいつ、来たのか?」 警察官が俺に尋ねた。涎を垂らさんばかりだ。 「ああ、来てる。いいか、相手は人気子役なんだから・・・」 誰も俺の言うことなんか聞いていない。3人ともどたどたと俺の横をすり抜け、カントクが待つ部屋に向かう。 「はぁ・・・知らねぇぞ、どうなっても」 俺は、溜め息と一緒に彼等の後を追った。 その部屋ではすでに撮影準備が進んでいた。と言ってもいつも通り、俺のカメラと三脚に付けられた照明が並べられているというだけだが。少しだけいつもと違うのは、そこに一人、可愛らしい中学生が混じっているということだ。 「浩介、お前もとっとと準備しろよ。時間ねーんだぞ」 カントクが俺に言う。 「はいはい」 俺はさっきの控え室に戻る。ドアを閉める。他には誰もいない。俺は用意された服に着替えるため、全裸になった。 「あ〜あ、ホント、捕まっても知らねーぞ」 そんなことを言っている俺。中学生の、しかもあんな可愛い子がこれから巻き込まれるグロい現場を想像して、俺はまた溜め息を吐いた。 「でも、なぁ・・・」 俺の股間は既に大きくなっていた。あの藤木清心がこの現場に来たというだけで、俺の股間は猛り狂っている。まさしく俺の上半身と俺の股間は別の生き物だということを改めて思い知った。 「まだかよ、浩介」 カントクの声が聞こえる。少し怒っている様子だ。 「今行きま〜す」 そして、俺はダブルのスーツを身に着けた。 「今日は、取りあえずカメラテストだけど、本番と同じようにやる」 「はい、赤澤監督」 この子は映画の現場を見たことがあるんだろうか、俺はそんな疑問を抱いた。確かにテレビドラマとかではよく見掛けるが、映画に出ているのを見た記憶がない。 「えっと・・・君は捉えられた父親を救いに、犯人のアジトに一人で潜入した」 「は・・・い」 清心君が少し怪訝そうな声を出す。さすがにおかしいと思い始めたんだろうか。 「あの、台本は・・・」 「あるよ、台本。送っただろ?」 カントクがしらを切る。もちろん、送ってなんかいないし、それどころが俺の知っている限り、このカントクが台本なんてものを準備していたことは一度もない。 「いえ・・・頂いてません」 「え、そうかぁ・・・送った筈なのになぁ」 白々しい口調でそう言いながら、俺の方を見る。 「送ったよなぁ」 俺は曖昧に頷く。 「ごめんな、手違いがあったみたいだ」 「じゃ、どなたか台本見せて頂けませんか?」 清心君はカントクを見、回りの人達を見回した。が、みんな目を反らす。 (仕方ないなぁ) 俺は清心君に声を掛けた。 「まあ、今日はカメラテストだし、そんな難しいシーンじゃないから、カントクの言う通りにしてもらえれば」 「そうそう」 カントクが調子を合わせる。 (ホント、この人適当なんだから) 「君は自分のイメージで演技すればいい。むしろ君のナチュラルな演技を期待している」 (な〜にがナチュラルな演技だ) 心の中で毒づく。この人は何も考えてないくせに、こんな感じでいろんなことをくぐり抜けてきた。その図太さは一流品だ。 「そう・・・なんですか」 納得しかねるって様子だ。まぁ、当然だ。 「清心君は、映画の現場は初めてかい?」 俺は清心君に尋ねた。 「実はそうなんです」 「そう思ったよ」 思った通りだった。俺は清心君に話す。 「カントクはね、その場その場で考えてシーンを積み重ねていくんだよ。だから君もそれを感じて感性で演じて欲しいかな」 まあ、嘘じゃ無い。本当というわけでも無いけど。清心君が俺を見上げる。 「あの・・・」 言いよどんだ。 「ああ、自己紹介まだだったね。助監督の玉田浩介です。みんなからは玉ちゃんって呼ばれてます。今日は一応犯罪組織のボス役ってことで」 そう言って俺はダブルの上着をマントの様に広げて見せた。清心君の顔の曇りが晴れた。 「そうなんですか。藤木清心です。よろしくお願いします」 俺にもちゃんと礼儀正しく挨拶してくれる。 (こんなに可愛いのになぁ) 「じゃ、いつものように行こうか」 3人の男優が清心君を取り囲んだ。 「用意・・・スタート!」 カメラを回す。もう、こうなったら後には引き下がれない。警察官が清心君を羽交い締めにし、奥の部屋に連れ込んだ。恐らく、清心君が見たことも無いような部屋、SMルームってやつだ。その一角にある、スポットライトが当たった2畳ほどの大きさの檻に押し込まれる。そして、3人の男もその中に。さすがに4人も入るとかなり窮屈だ。3人は清心君を押さえ付けた。 「や、やめろ!」 清心君が抗った。恐らくこれは演技だろう。お構いなしに3人の手が清心君の服の上から体を這い回る。 (そういえば、この服って清心君の私服なんだっけ) 俺はビデオカメラを片手に4人に近づく。清心君はそれこそナチュラルに嫌がっている演技をする。いや、本当に嫌がっているんだろう。やがてその手が清心君の服に掛かる。それを体から引き剥がそうとし始める。 「あ、ちょ、ちょっと」 清心君が俺を見上げる。目が合うが、俺はあえて無視する。 「あ、あの、これ」 すでに上半身はほぼ脱がされて、その残骸が首に掛かっているだけになっている。もちろん、次は下半身だ。 男の手が清心君の私服のハーフパンツにかかる。 「あ、ちょ、ちょっと、とめ・・・止めてもらえませんか?」 また俺を見る。俺が無視すると、その目がカントクを探して漂った。その間に清心君のハーフパンツのチャックが下ろされ、ボクサーブリーフがチラチラと見え始めた。 「いいよ、そのまま続けて」 カントクは薄笑いを浮かべている。その目は清心君の股間を見つめている。俺もそこにズームする。よく見掛けるメーカーのロゴ、そしてゴムの部分にそのメーカー名が入っている。見る間にハーフパンツが下ろされる。もちろん、上半身に絡みついていた服は既に無い。ハーフパンツが剥ぎ取られる。 「や、やめてください」 清心君は控えめに抵抗している。それは演技なのか、本気なのかわからなかった。これはカメラテストだとは思っている筈。だから、こういうシーンなんだと思っている可能性もあるだろうけど、だとしてもいきなり説明もほとんど無しで、しかも私服をこんなに乱暴に剥ぎ取られるのはおかしいとも思っている筈だ。よっぽどの馬鹿じゃなかったら、だけど。 そして、そのよっぽどの馬鹿でもそろそろ気が付くだろう。 清心君はボクサーブリーフ1枚になっていた。いつの間にかスニーカーもショートソックスも脱がされ、ブランド物の少し派手目なストライプのボクサーブリーフ1枚だけが、清心君の体を覆っている。そして、それにも男達の手が掛かる。 「いや、ホントに、だめ、ダメです」 それでも、カントクに・・・世界的監督の赤澤さんだと思い込んでいるこのゲスいカントクに遠慮しているのか、少し控えめな抵抗だった。そして、そんな抵抗には何の意味も無かった。 「や・・・」 やめて、と言う暇すら与えられなかった。すでに清心君のボクサーブリーフは、その足下に丸まって落ちている布きれになっていた。清心君は手で股間を覆おうとするが、男達はそれを許さない。その手をひねり上げ、無毛の脇を晒す。そこに舌を這わせ、また別の男が乳首にキスをする。もう一人は清心君の頬を両手で押さえ、そのままチラリと俺を見る。俺は清心君の横に回り込んで、その顔をアップにする。すると、その男が清心君の唇にキスをしようとする。もちろん清心君は顔を背ける。が、男の力から逃れられない。その可愛い口に吸い付かれ、舌をねじ込まれる。 「んん〜」 無理矢理キスをされることに気を取られた清心君のペニスを別の男が咥えた。 「ん!」 清心君が目を見開く。股間の男は清心君のペニスを咥え、手でしごく。もう一人が股間の奥に手を伸ばし、睾丸を握りしめる。 「ふぐぅ!」 キスされながら清心君は叫ぶ。目が大きく見開かれ、怯えた光が宿る。その目で俺を見る。目で訴えてくる。俺はそんな清心君の顔を、脇を、乳首を、臍を、股間のまだまばらな毛を、そして咥えられたペニスと睾丸を撮影していく。 「いいねぇ、そそる画だ」 カントクが俺の背後にいた。手にはいつものように縄を持っている。男達は清心君の手足を押さえ付けながら、清心君を立たせる。その正面にカントクが立つ。そして、縄を清心君の首に回し、そのきれいな体を縛り始めた。 「や、ダメです。やめて下さい、監督」 体をひねって、今度は本気で抗っている。が、カントクは手慣れた手つきでいつものように縛り上げていく。 「これって、カメラテストですよね」 まだそう思っているらしい。カントクは無視している。仕方ない。俺が説明してやることにする。 「本番だよ、清心君」 清心君が唖然とした表情で俺を見た。その表情を撮影する。本当にそそる表情だ。 「手」 カントクがそう言うと、男達が清心君の手をバンザイしているように持ち上げる。カントクはその手に縄を掛け、檻の角のフレームに結びつけていく。清心君は両手を左右に広げて、Yの字のように檻の奧に拘束された。 一方で、男達は檻から出て、清心君の正面、両側面の鉄格子の壁を外し始めた。この檻は、それぞれの面が取り外せる組み立て式だった。やがて、フレームに縛り付けられた清心君だけが残った。 カントクと男達が引き下がる。俺はカメラを構えたまま清心君に近づいて、その体の隅々までじっくりと撮影する。柔らかそうな髪の毛、まつげ、目、鼻、鼻の穴も。そして、男に貪られた口。頬、首から肩へ、浮き出た骨に沿ってカメラを這わせる。無毛の脇ももう一度じっくりと。細い腕。肘、手。きれいな指と爪。 そこで頭に戻って耳を撮影する。そのまま体を舐めて、胸、乳首、お腹、臍。背中に回って背骨に沿って撮す。そのまま降りていってお尻の割れ目、きれいなお尻の双丘。その中心に隠れたお尻の穴の辺り。残念ながら、アナルは見えない。その奧に見える睾丸。腰を回って下腹部。毛の生え際。毛のアップ。そこを下りる。そして、中学生の人気子役、藤木清心君のペニスをじっくりと。少しだけ亀頭が見えている。手を添えて皮を剥き下ろしたいという誘惑と戦いながらその向こうの睾丸を撮し、カメラを引いて、清心君の可愛い顔と、縛られた美しい体をビデオに納める。下腹部と太ももの境目の斜めのライン。太もも。体の横に回って横からお尻の膨らみを。ゆっくりと太ももから下がって膝、膝の裏、産毛しか生えていないすね、足。足の指の1本1本。そしてまた全身。清心君の、口をぎゅっとつぐんで俯いている顔をもう一度アップ。何を考えているんだろう。何を言いたいんだろう。よく見ると、微かに眉間に皺が寄っている。そんな顔も可愛い。縄で縛り上げられた可愛い清心君の全てを余す事無く撮影する。 次は、お尻の膨らみの奧に隠された清心君のアナルだ。男が左右から双丘を広げる。その奧にライトが当たる。ピンク色の美しいアナルが曝け出される。アップにする。アナルのしわの1本1本に沿うように撮す。カントクがその奧に鼻を突っ込む。 「さすが清心君は良い匂いだ」 清心君の顔をアップにする。顔が真っ赤になっている。そして、カントクが清心君のペニスに手を掛けた。ゆっくりと皮を剥き下ろす。それをアップでじっくりと撮す。美しい亀頭が露出する。 「本当にきれいな体だな。誰にも犯されていないきれいな体だ」 俺は頷いて同意した。じっくり撮影している間に全裸になった男達も同様だ。 「そして、こんなきれいな体を食えるんだからな」 カントクが舌なめずりをした。いや、実際にそうしたわけじゃない。でも、そう見えた。 それは、カントクも、男達も、そして俺も心の中でそうしていたからだ。 「監督・・・やめて下さい」 清心君は弱々しくそう言った。自分がこれから何をされるのか分かっているんだろうか。 まぁ、中学生なら想像は付くかも知れない。犯されるんだ、と。でも、何と言ってもあの赤澤T次カントクだ。恐らく、この人気子役の想像を超えたことをするに違いない。 そんなカントクは、清心君のお尻を後ろに突き出させる。そして、細くて長いロープの真ん中辺りで、清心君の陰嚢の付け根を縛り上げる。 「くっ」 その痛みは生まれて初めて味わうものだろう。そして、これから他にもいろいろと生まれて初めてを経験することになる。 男が一人ずつ、清心君が挙げている手が縛り付けられている両側のフレームの後ろ側に立つ。陰嚢を縛ったロープの両端を、それぞれの側に立つ男に渡す。男はそれを頭上のフレームに引っかけて、引っ張る。清心君の陰嚢が、突き出したお尻の後ろ側で上の方に引っ張られる。 「うぅ」 足が持ち上がるんじゃないかと思うほどに引っ張って、それをフレームに結びつける。お尻を突き出し、陰嚢を後ろに引っ張られた状態で身動きできなくなった清心君の正面にカントクが立つ。そして、ペニスを引っ張り出した。 「舐めろ」 清心君はカントクを見上げる、少し涙目になっている。 「舐めろ」 もう一度カントクが言った。しかし、清心君には理解できないのか、カントクを見上げたまま動こうとしない。カントクが清心君の頬を平手で打った。 「うぐぁ!」 清心君の体が揺れる。すると、陰嚢が更に引っ張られる。恐らく、頬の痛みより陰嚢の痛みで声を出したんだろう。清心君が体勢をなんとか立て直すと、カントクは三度言った。 「舐めろ」 清心君が口を開く。俺はそこをアップにする。舌を出して、ちろっとカントクの亀頭を舐める。そして、それで勘弁して下さいとでも言いたげにカントクを見上げる。 「舐めろ」 カントクは同じ声のトーンで言う。こういうところが不気味だ。このカントクは普通にしていたと思ったら、次の瞬間には人が変わっている。そして、こうやって同じ声のトーンで話しているときは、そういうグロモードになりやすい時だということを俺はこれまでの付き合いで知っている。 「ほら、カントクのを口に含んで舐めろ」 俺は清心君に言う。この清心君を、あのカントクの餌食にはしたくない。特にグロモードのカントクの餌食には・・・ すると、そんな俺の気持ちが通じたのか、清心君が恐る恐る口を開いた。カントクは仁王立ちのままだ。清心君は少し首を伸ばす。そして、目をぎゅっと瞑ってペニスを口に含んだ。 「頭を動かせ」 命じられるままに頭を動かす。カントクは、少しずつ後ろに下がる。清心君はそんなカントクのペニスを咥え続ける。体が前に出る。すると、陰嚢が更に引っ張られることになる。 「ぐっ」 喉の奥で呻き声を上げる。 「もっと奥まで咥えろ」 まだ同じトーンの声だ。清心君が体を前に出そうとする。すると、カントクが腰を引く。 清心君がカントクの股間から顔を上げた。 「無理です。もうやめて下さい」 カントクはすっと振り向いて立ち去る。 (来たっ) そして、鞭を持って戻ってきた。俺と3人の男は清心君から離れた。 カントクは、お尻を後ろに突き出して、上半身を少し前に倒している清心君の背中に鞭を振り下ろした。 「くあぁ!」 足が一歩前にでる。陰嚢が痛む。踏みとどまろうとする。しかし、カントクはそんな動作の暇も与えず鞭を連続して振り下ろした。 清心君が前につんのめるようにして倒れ込んだ。両手と、陰嚢だけで体が支えられている。 (うわぁ・・・痛そう) そんな様子を撮影しながら、俺は自分の股間を押さえたくなる。そして、カントクはそんな辛い状態の清心君の背中に更に鞭を振り下ろす。 「た、たすけ、助けて」 清心君は、うめきながら、悲鳴を上げながら、助けを乞う。カントクが手を止める。そして、清心君の前に立つ。 今度は何も言わなくても、清心君はカントクの股間に顔を埋めた。少しずつ後ろに下がるカントクの股間を追う。顔を苦痛に歪ませながら、カントクのペニスを咥え続ける。 そんな清心君のお尻に男が手を添える。清心君は目だけ後ろを見ようとする。が、そんな清心君の頭をカントクは押さえ付ける。俺は清心君の後ろに回って、その尻をアップにする。清心君のアナルにローションが塗り込まれる。そして、ローションで濡れたように光るピンク色のアナルに指が突っ込まれるところをしっかりと撮影する。 「うぐっ」 それでも清心君はカントクを咥えたままだ。さすが、人気子役だけあって根性はありそうだ。カメラのファインダーの中で、きれいなアナルが指に犯されている。清心君は呻いている。アナルの刺激に、なのか、それとも陰嚢に加えられる苦痛に、なんだろうか。もう一人の男が清心君の股間に手を突っ込み、ペニスを握る。皮を剥き下ろし、亀頭を乱暴に刺激する。もちろんそこもアップで撮る。 「くっ」 清心君は腰をひねる。が、それはまるで俺達におねだりをしているかのようだ。中学生の少年が、何も知らずに見せるセクシーな痴態だった。 指が2本に増える。そして、俺はカントクの横に並んでペニスを出していた。清心君はカントクと俺の2本のペニスを代わる代わる咥えている。清心君のペニスは別の男に刺激され続け、すでに勃起していた。もう一人の男が、清心君の陰嚢を固定していたロープを外した。その途端、清心君は俺とカントクのペニスを咥えたまま、少しだけしゃがんだ。カントクが清心君の頭を押さえて腰を引く。俺も清心君から一歩離れた。清心君の股間を刺激し続けていた男も脇に離れる。清心君は床にへたり込もうとするが、手は上で縛られたままなのでそれもできない。肩を交互に上げる。手を挙げて縛られたまましゃぶらされていたので、肩の関節が痛むんだろう。カントクが清心君の背後に回る。途端に清心君が不安な表情を浮かべて後ろを覗き込もうとする。そして、その不安は的中した。 カントクは、ローションが塗り込まれた清心君のアナルにペニスを当て、そのまま押し込んだ。 「いぃたいっ」 清心君が前に逃げようとする。でも、カントクは腰をがっちりと抱え込んで離さない。そして、その一瞬で無理矢理清心君の中に入っていた。 「いたあああぁ」 苦痛に歪む表情を撮影し、その体を犯しているペニスと、犯されているアナルを撮す。すぐにカントクは腰を振る。清心君は歯を食いしばって痛みに耐える。目尻からは涙が流れ落ちる。もちろんそれもアップで撮影する。そして、カメラを片手で抱えたまま、清心君の頭を押さえて股間に導く。カントクが清心君のアナルを、そして俺が清心君の喉を犯す。目で合図し、同じリズムで腰を振る。清心君の肩の関節が軋んでいる。アナルの痛みと喉の苦しさ、そして肩の痛み。それに加えて、男が火の点いた赤い蝋燭から、熱い蝋を清心君の背中に垂らす。 「ふぐあぁ」 (何の呻きだろうな) 恐らく、清心君にも分からないだろう。生まれて初めて味わういろいろな痛み、苦しみが一斉に清心君を襲っている。そして、清心君は更に生まれて初めての経験をした。 俺は清心君の口の中に、カントクは清心君のアナルの奧に射精した。清心君は俺の精液を口で味わい、アナルの奧でカントクの熱い精液を感じたはずだ。 体と腕を縛っていた縄を解いてやると、清心君は床にうずくまった。泣いている。人気子役が肩を震わせ、アナルからカントクの精液を垂れ流しながら泣いていた。 そんな清心君にカントクが近づいて優しい声で言った。 「よく頑張ったな。いいカメラテストが出来た」 すると、清心君は泣きながら頷いた。 「よし。じゃあ、これから2本目だ」 清心君が顔を上げた。カントクを見て、俺を見て、そして他の3人を見た。 「いやだ」 小さい声だった。 「いやだ・・・いやだぁ!!」 そして、清心君は全裸のまま走り出した。 中学生の少年の俊敏さは、まさか全裸で逃げだそうとするなどとは全く思っていなかった俺達を出し抜いた。追いかけようと思ったときには、すでに清心君はこのSMルームのドアにたどり着いていた。もちろん、このSMルームのドアは、プレイ中に部外者が入って来ることが無いよう、内側からも鍵が掛けられる。清心君はそのことに最初は気が付かず、ドアを開けようと必死でガチャガチャやっていた。俺達がもう少しで清心君に手が届く、というところでようやく鍵が掛かっていることに気が付いた。サムターン式の鍵は、見ればすぐに開け方がわかる。清心君が鍵を開ける。そしてドアを開いた瞬間、男の一人が追いついて背中から羽交い締めにする。俺は開きかけたドアを急いで閉めて、再び鍵を掛ける。 「助けて、助けて!!」 清心君が大声で叫んだ時は、もうドアは閉まっていた。この部屋の性格上、ドアが閉まっていれば簡単に音が外に漏れたりはしない。たぶん清心君の叫び声も漏れてはいないだろう。男は清心君を抱きかかえて部屋の奥、フレームの所に戻る。その間も清心君は足をバタバタさせながら、手を振り回している。 「まるでガキだな」 カントクが笑った。 (いや、ガキでしょ、中学生だし) 足をバタバタさせる度に、その股間でペニスが揺れている。 男はさっきの檻があった所に清心君を押さえ込んだ。他の二人が両方の手にそれぞれ手錠を嵌め、それをフレームに繋ぐ。今度は両手を広げて寝そべった形で拘束された訳だ。 「2本目だって言っただろ」 カントクが、床に横になっている清心君の胸を跨いで立ち、見下ろしながら言った。 「こんなの・・・」 何か言いかけた清心君をカントクが遮った。 「プロだろ? 契約したろ?」 「こんなの・・・僕を騙したんだ!」 「契約書も読まずにサインしたってのか、ああ?」 カントクが凄んだ。この人がやる気を見せるのは、こういうときだけだ。 「契約してんだよ。こっちはもう、ギャラも振り込んでる。契約不履行で訴えられたいのか?」 「こ・・・こんな撮影・・・」 正直に言えば、可哀相に思う。確かに契約は交わしたが、もちろん撮影する作品の内容までは契約書には書いてないし、そもそもモリプロは赤澤丁次の作品の出演契約と思っている訳で・・・まぁ、勘違いしてそのまま契約までしてしまった落ち度はあっちにあるわけだけど。 「諦めな」 俺は口を出した。 「こんな撮影、はっきり言えば違法だ。でも、そっちも契約不履行。まあ、お互い臑に傷ある身って訳だ」 「契約したって、でも、こんなの詐欺だろ」 今度は俺がカントクにかわって清心君の胸を跨ぐ。そのまましゃがんで顔を近づけた。 「そうさ、詐欺だよ。訴えたいなら訴えなよ。でも、そうなったら君がどんなこと撮影されたかとか、全部公になるわけだ」 清心君が口を開いた。その口が動く。が、何も声は出て来ない。俺は続ける。 「それともネットで流してやろうか、今日の映像。どうなるだろうなぁ」 「そ、そっちが捕まるだけだろ」 「ああ、捕まるだろうね。だけど、俺達はいつも法律すれすれのことをやってるから、いつも腹を括ってる。お前はどうだ?」 清心君は口を噤む。でも、その目は何か言いたそうだ。 「いいよ、試してみよう。映像をマスコミに送って、ネットでも公開してさ。まぁ、死なば諸共って奴だ」 清心君はさっきから何も言わない。 「黙ってるってことは、ちゃんと契約通り仕事するって受け取っていいんだな?」 多少強引だが、さっさと続きを撮ってしまいたかった。赤澤T次カントクらしい、グロい作品を。 清心君は何も答えなかった。ただ、目から涙が一筋こぼれ落ちた。演技ではない、真の涙だった。俺達はそれを合意と受け止めた。 俺のカメラの中で、清心君は両手を拘束されたまま、足を持ち上げられ、男にアナルを犯されている。 「あ、あぁ」 喘いでいるのは清心君だ。もちろん、契約通り、納得して演技している・・・と言うわけでは無い。これが赤澤T次の作品だ。薬で感情を高ぶらせ、普段ならあり得ないような痴態を晒させる。真面目そうなリーマンや、学校の先生や、体育会系の青年や、そして人気子役でさえも。清心君のペニスも勃起している。ついさっきまで処女だった清心君のアナルも、既に性感帯となっている。男に代わる代わる掘られながら、何度か射精していた。学生服を着せられては犯され、スクール水着を引き裂かれては犯され、半ズボンにTシャツ姿でマワされた。そして、体に縄を掛けられ、開口マスクを着けられる。その可愛い顔が鼻フックで歪む。そんな人気子役の足が持ち上げられ、アナルに太いペニスが入って行く。犯される清心君の横に男が並ぶ。一人は顔の横。一人は腹の横辺り。 「行けるか?」 カントクが声を掛けると、3人が頷いた。 「よーし。じゃ・・・用意」 清心君のアナルを掘っていた男が体を止める。顔の横に立っていた男が清心君の開口マスクの栓を外した。 「スタート!」 カントクの合図に合わせて、顔の横の男は清心君のマスクの開口部に、体の横の男は清心君の胸に、そしてアナルに入れていた男は清心君のアナルの中に一斉に放尿を始めた。 「おごぁ」 清心君が呻く。しかし、その口に、その体に、そのアナルに大量の小便が注ぎ込まれる。その惨めな姿はあの人気子役とは思えない。しかし、清心君のペニスは勃起したままだった。 体中、そしてその内側も小便まみれになった清心君はぐったりと床に横たわっていた。両手は拘束されたままだ。 「次、行けるか?」 カントクが男の一人に声を掛ける。男は頷く。カントクが俺を見る。俺も頷いた。 「よし。じゃ、次のシーン。用意・・・スタート!」 さっき頷いた男が清心君の胸の上にしゃがみ込んだ。別の男が清心君の足を押さえる。俺は清心君の顔にズームする。清心君が目を開く。そして、顔を少し上げて、自分の胸の上にしゃがんだ男を見た。 と、急に清心君の目が大きく見開かれた。突然体を左右に揺らして抗い始める。が、両手をきつく拘束され、足を押さえられているため、動くことができない。俺は清心君の頭の方に回り込む。胸の上でしゃがんでいた男が立ち上がり、清心君の体の横に立った。男がしゃがんでいた辺りの清心君の胸の上には、男の排泄物が2つ、ごろんと転がっていた。 「ふお、ふご」 清心君はなにか呻いている。排泄した男が、清心君の横にしゃがみ込む。清心君はその男を見つめる。男は清心君に手を伸ばす。俺はその手にズームした。 男の手が、清心君の体にその排泄物を塗り広げ始めた。胸、腹、肩の辺り、下腹部、ペニス、そして太もも。さらに顔にも塗り付ける。 男は、清心君の胸の上の小さな固まりをつまんだ。それを清心君の顔に近づける。清心君は顔を背ける。男が清心君の開口マスクの栓を外す。 「えあ、えあぁ」 その固まりを清心君の口の中に入れ、再び栓をした。清心君の目から涙がこぼれ、胸が脈打った。 そのまましばらく清心君を放置する。ずっと涙を流し、嘔吐いていている清心君をじっくりと撮影する。体中糞塗れ、小便塗れで、尻からは中に出された小便とともに、清心君自身の排泄物も漏れている。そんな様子も撮影する。清心君自身の排泄物も口に入れてやる。その目はもう、どう見ても怯えた、ただの中学生の少年だった。 糞と小便まみれの清心君から開口マスクを外し、彼のボクサーブリーフを履かせる。糞がシミを作り、小便でボクサーブリーフが体に貼り付く。ハーフパンツとショートソックス、スニーカーも履かせる。右手の拘束を解き、その腕と首を清心君が着ていたTシャツとパーカーに無理矢理通す。次は左手だ。小便と糞に塗れた体に清心君の服を着せる。服を着終わるのを待って、俺は言った。 「これでクランクアップになります」 カントクと3人の男が拍手をした。清心君は床に転がったまま動かない。 「ほら、撮影終了だ。もう帰って良いぞ」 カントクは男に目配せする。男が清心君の腕を掴んで立ち上がらせる。そのまま後ろから肩を押して、あのドアに向かう。 「ま、待って」 清心君が振り返ろうとする。男はそんな清心君の体をドアに押し付け、サムターンを回す。 「待って、待って下さい!」 そのまま清心君の体をドアの外に押し出し、ドアを閉め、鍵を掛けた。 ドアがどんどんと外から叩かれる。叫び声は遮ることが出来たが、直接ドアを叩く音は中まで響いて来る。 「じゃ、撤収」 俺が言うと、男3人は檻やらフレームやらを片付け始める。その間もドンドンとドアを叩く音は鳴り続く。 「お疲れぇ」 カントクがいつもの軽い調子で右手を挙げる。男達が順番にその手を叩く。俺も叩く。でも、ビデオは回したままだ。ドアに近づく。鍵を開ける。すると、清心君が飛び込んできた。辺りを見回し、カントクを見つけると、まっすぐにカントクの前に行き、頭を下げた。 「お願いします、シャワー浴びさせて下さい」 清心君は何度も何度も頭を下げた。体からは凄い臭いがしている。可愛い顔にも糞がこびりついたままだ。 「もう終わったんだ。とっとと帰れ」 カントクは冷たく言い放った。 「お、お願いします」 清心君がカントクの前にしゃがみ込み、土下座を始めた。 「こんなんじゃ帰れません、お願いします」 「だけどな・・・お前はもう用済みだしな」 「お願いします。後片付けでも何でもしますから」 カントクがにやっと笑った。 清心君は、その部屋の奥にあるシャワーブースから出て来ると、全裸のまま、俺達の前で土下座した。俺はカメラを回す。 「ど、どうか僕の・・・」 小さな声がそこで途切れる。カントクは腕組みして清心君を見下ろしたまま、何も言わない。 「ぼ、僕の・・・」 急に清心君は膝立ちになると、体を反転させ、頭を床に付けてお尻を持ち上げ、両手でそこを開いた。 「僕のお尻を使って下さい!」 大きな声だった。散々犯された後でも、清心君のアナルはきれいなピンク色だった。 カメラのファインダーの中のアナルに、ペニスが入っていく。清心君は喘ぎ声を出している。薬を打たれ、アナルを犯される。自ら進んでそれを望み、体を俺達に捧げることが、シャワーを浴びる条件だった。人気子役が今、俺達の目の前で性処理道具に成り下がっている。しかも、自ら進んで、だ。 用意してあったとある学校の制服であるブレザーを着せると、いかにも普通の中学生だった。まぁ、人気子役も素顔は普通の中学生なんだから当たり前と言えば当たり前だが。そして、制服を脱がされ、犯される。それを撮影する。次は女の子用のスクール水着だ。アナルの部分にだけ穴を開け、そのまま犯す。更に法被に褌。更に半ズボン。エロい下着を身に着けた姿も撮影する。そして、全裸に縄。清心君の体中で性処理させる。それをくまなく撮影し、ようやく終了となった。撮影終了時間は29時を過ぎていた。 精液が染みついた学生服を着せられた清心君を、俺は道路まで連れて行った。清心君は、まるで夢遊病者のようにふらふらと歩いて行く。それがどっちの方向に向かう道なのかも恐らく分かっていないだろう。俺はそんな清心君が見えなくなるまで見送った。白々と夜が明けてきていた。 「藤木清心、芸能界引退」 「清心君、学業に専念」 カントクがボロいソファに転がって広げていたスポーツ新聞にはそんな見出しが躍っている。 「カントク〜そろそろ撮影行きますよ〜」 相変わらずこの人はいい加減だ。今日の撮影だって、自分で決めたくせに時間が迫っても全然動こうとしない。 「ほら、みんな待ってますよ」 カントクはソファに寝転がったまま大あくびをする。 「儲からない作品撮っても仕方ないんだよなぁ」 「仕方ないでしょ。おおっぴらには売れないんだから」 俺はビデオカメラの予備バッテリをカバンに詰める。 「もう動物プロダクションから大型犬も借りちゃってるんだし」 カントクは渋々、という感じでソファから体を起こした。 清心君引退・・・その本当の理由を知っているのはカントクと俺だけだった。 <Starring 完> |