ななちゃん

とあるジャーナリストの取材メモ

被害者:海老原 楓真(享年28才)

・国立先進医療センターで医療AI技師として勤務
・医療用AI分野では、日本有数のスペシャリスト
・自宅マンションにて、中学時代の後輩である中原誠也に撲殺される。


加害者:中原 誠也(事件当時27才)

・住所、職業ともに不明。
・2024年の大震災で重傷を負うも、後年回復して退院。
・その後、海老原被害者のマンションにて同棲している(海老原被害者と同性愛関係)。
・本人の自供によると、殺害の動機は二つ。
 @海老原被害者から突然、一方的に関係解消されたことを恨んで
 A海老原被害者に性格を改造された事に腹を立てていた
・性格改造とは? それについては自供内容が支離滅裂であり、詳細は不明。
・海老原被害者により何らかの精神的な虐待あるいはマインドコントロールを受けていた可能性?
・そのせいか、中原誠也の精神状態は非常に不安定である。


二人の関係性

・少年時代(小〜中学生時代)にテニスサークル及び中学校、中学のテニス部で先輩後輩の関係であった。
・当時は非常に仲が良く、十数年後にこのような事件が起きるとは思えなかった(複数の元テニス部員の証言)。
・2024年の大震災時も二人は少年Aの家で一緒にいたとのこと。
・そこで地震が発生し、家屋の倒壊に巻き込まれたが、海老原被害者はほぼ無傷、中原誠也は瓦礫に挟まれ、かなりの重傷を負った。
・少年Aは海老原被害者と中学で同じクラスの友人。大震災にて重傷を負い入院している。
・中原誠也が治療のため入院していた際、海老原被害者は何度もお見舞いに来ていた(看護師B談)。
・二人の関係は、ただの先輩・後輩の関係、あるいは友達関係ではなく、それを越えたものであったように思えた(看護師C談)。
・この頃から同性愛関係にあったのではないか?
・2035年頃、海老原被害者はマンションを購入(現場となったマンション)。また、そのマンションにて中原誠也と同棲を開始。
・当時、近所のスーパー等で二人仲良く買い物をしている姿が目撃されている。
・2039年頃、自宅マンション付近で二人の目撃情報が突然なくなる。
・二人ともマンションに帰っていないのでは?(近隣住人D談)
・2039年XX月XX日、海老原被害者が自宅マンションに帰宅。
・海老原被害者が自宅マンションに帰宅したことを受け、中原誠也が凶器を持参して海老原被害者宅を訪問。
・警察の捜査によると、海老原被害者が殺害されたのは、中原誠也がマンションに入ってから2〜3時間後とのこと。
・2、3時間、何をしていたのか?
・その日の夕方、返り血が着いた服で中原誠也が道を歩いているのが目撃され、警察に通報され、拘束された。
・中原誠也は現場マンション近くのアパートを借りており、そこから海老原被害者の自宅マンションへの人の出入りを見張っていたものと思われる。


海老原楓真の少年A(七瀬陸斗氏)殺害疑惑

・事件の後、警察は海老原楓真が少年A(七瀬陸斗氏)名義で家を建てていた事実を掴んだ。
・自宅マンションに戻らなかった時期、海老原楓真はその少年A(七瀬陸斗氏)名義の家に住んでいたと思われる。
・警察が事情を聞くために七瀬陸斗氏に連絡を取ろうとしたが、消息不明で連絡は取れなかった。
・七瀬陸斗氏は震災後長期間入院しており、海老原楓真が主治医となっていた。
※事件当時、七瀬陸斗氏は成長が止まっており、震災時の容姿(13才の少年の容姿)のままとのこと。
・消息不明であることから、警察が七瀬陸斗氏名義宅を家宅捜索したところ、
 @七瀬陸斗氏名義宅で、少年の遺体が発見された。
 A少年の遺体は2階で発見されたが、その部屋には所謂SMの道具と思われるものが多数あった。
 B少年の遺体は、檻に鎖で繋がれた状態であった。
 C少年の遺体は七瀬陸斗氏であることが確認された。
 D七瀬陸斗氏の死因は脱水症による衰弱死と思われる。
 E鑑識の結果、SM道具には海老原楓真の指紋が付着しており、七瀬陸斗氏名義宅に海老原楓真がいたことが確認された。
 これらのことから、海老原楓真は七瀬陸斗氏を虐待し、死亡に至らしめたと推測される。
・また、七瀬陸斗氏名義宅には隠し部屋ともいえるような地下室が存在していた。
・地下室から白骨化した遺体が3体発見された。
・この3体の遺体とは別に、頭蓋骨だけの遺体も1体確認された。
・地下室からは海老原楓真と、その他に4人分の指紋が検出された。
・これらの指紋は、七瀬陸斗氏のものとは一致しなかったことから、白骨化した遺体のものと推定された。
・鑑定の結果、これらの遺体は全て10代男性のものであると断定された。


以上のことから導き出される推測

@海老原楓真は加虐嗜好の持ち主、いわゆるサドであった。
A海老原楓真は七瀬陸斗氏名義宅で10代の少年(少なくとも)計4名を虐待した上で殺害し、遺体は地下室に隠した。
Bうち1人は頭部を切断され、身体部分はどこかに遺棄された。
C中原誠也に対しても加虐嗜好による行為を行っていたものと思われる。
Dこの加虐行為により、中原誠也の言う「性格を改造された」のではないか?
E海老原楓真は七瀬陸斗氏に対しても加虐嗜好による性的虐待行為を行っていた。
F海老原楓真は意図的に七瀬陸斗氏を死亡させたか、あるいは七瀬陸斗氏を監禁した状態で一時的に自宅マンションに戻ったところを中原誠也に殺害されたため、結果的に死亡させることになったのではないか。
G即ち、海老原楓真は中原誠也に殺害されたという点では被害者ではあるが、海老原楓真により少年4人及び七瀬陸斗氏が殺害され、かつその加虐嗜好により中原誠也の性格を歪ませたのではという観点では加害者であり、またこの一連の事件の根源なのではないだろうか。



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