fetishiSM

第二の嗜好 
その後の彼等

武井先輩と光樹

最初は気にしてなかった。
なんとなく気になり始めたときも、たぶん偶然だと思っていた。
でも、そうじゃなかった。光樹の肘が、手が、指が、俺の股間に触れるその瞬間。

「ね、先輩」
光樹が俺を見る。俺と光樹は、俺の家の俺の部屋の俺のベッドに寄り掛かって、一緒にスイーツの雑誌を見ていた。
最近は、お店巡りの頻度が減っていた。この街のスイーツ屋さんはだいたい一廻りしたし、このところ、あまり新しい店が出来たりもしていないからだ。以前・・・初めてキスした頃・・・に比べたら、その頻度は半減って感じだ。
でも、俺は残念だとは思っていない。その分、こうして光樹と二人でいる時間が増えている。俺の部屋か、光樹の部屋のどちらかで、こうして二人で顔を寄せ合って、一緒にスイーツの雑誌を見て、そして時には少し遠出して、二人で雑誌に載っていた店に行ってみたり。
そして、光樹は気に入った味を再現しようとする。俺は、一応味見役。でも、光樹の方が味に敏感だ。あの初めてキスをしたときだって、ほんのわずかな甘さの違いにあいつはこだわった。俺には分からないその差を確かに感じていたし、そして実際、それが全体の味に何か影響しているようだ。
そんな同じ趣味を持った光樹と俺がお互い好きになったのは必然だったのかもしれない。スイーツに関しては本当に真面目な光樹。俺は光樹ほどじゃないけど、スイーツ好き男子であることは認めている。もう友達にも俺がスイーツ好き男子だとバレている。けど構わない。俺は自他共に認めるスイーツ好き男子で、同じスイーツ好き男子である2個下の光樹とは学年を超えた親友、ということも回りのみんなは知っている。だから、俺と光樹が学校で、登下校で一緒にいても、誰も俺達の関係を疑う者はいない。スイーツの神に感謝だ。

そんな光樹と一緒にいると、ふとした時に、光樹の手や肘が俺の股間に触れることがある。最初は余り気にしなかった。でも、けっこうそれが頻繁に起こる。ただの偶然だと思っていた。
でも・・・
「ね、先輩」
二人で雑誌を見ていたら、急に光樹が言った。目線は雑誌に落としたままだ。
「ん?」
俺も雑誌を見たままだ。
「その・・・先輩の、触っていいですか?」
最初は何のことか分からなかった。雑誌に何か俺が持ってる物でも載ってるのかとも思った。でも、隅から隅まで見ても、それらしいことは何も書かれていない。
「え? 何を?」
光樹に尋ねられてから、かなり時間が経ってから俺は聞き返した。
「その・・・あれ」
光樹は雑誌から顔を上げない。
(あれって・・・何だ?)
俺はそんな光樹の横顔を眺める。チラリと俺を見て、すぐに視線を落とす。その仕草。
(なんだ?)
「先輩の・・・あれ・・・触らせて下さい」
光樹が視線を動かす。俺を見る。俺の・・・
(あ、あれって・・・)
ようやく理解出来た。
「あ、あれって・・・あれ?」
間抜けな質問だ。でも、今この瞬間はこの質問でちゃんと意味を分かってくれる。
「はい・・・その、あれです」
光樹が横目で俺を見ていた。俺は頷いた。光樹がまた視線を落とす。手がぴくっと動く。でも、すぐに止まる。
「いいよ」
俺は声に出した。光樹の手がゆっくりと、少し震えながら伸びてくる。その手が俺の太ももの付け根辺りに置かれる。
「いいよ」
俺はもう一度言った。
光樹の手が少しずつ上がってくる。そして、あそこに触れる。もちろん、ズボンの上からだ。
「先輩・・・」
光樹の視線は俺の股間から離れない。少しずつ、光樹の手に力が入っていくのを感じる。

俺は光樹が好きだ。キスして、こうして二人でいる。二人だけで、二人の趣味を一緒に楽しんで、それ以外でも一緒にいる。たまには手を繋いだりもする。それで幸せだった。十分幸せだ。だから、それ以外のこと・・・普通、恋人同士だったら考えるようなこと・・・は特になにも考えていなかった。
そういや、俺はオナニーだってあんまりしない。なんていうか、興味がないというか・・・それ以外で、光樹がいてくれることで俺はいろいろ満足していたから。
だから、光樹がそういうことを考えている、ということに全然気が付いていなかった。

光樹はズボンの上から、俺のあれの形を確かめるように、摘まむようにして手を動かしている。なんだか息が荒い。俺はそんな光樹の横顔をずっと見ている。
「先輩・・・」
光樹が俺を見る。そのまま顔を寄せてきてキスする。光樹が俺の口を吸う。唇を吸う。俺は光樹がしたいようにさせる。光樹が俺の身体を押し倒す。ベッドの横で俺は仰向けになり、俺の上に光樹が重なる。手はずっと俺のを擦っている。
光樹が俺の太ももに身体を押し付けてきた。その部分が熱かった。熱い部分を俺に押し付けてくる。
「先輩・・・触りたい」
そう言いながら、光樹は自分のそこを俺に押し付ける。チラリと俺を見る。そして、俺のズボンのボタンを外した。チャックを下ろす。俺は少し腰を浮かせた。
光樹が俺のズボンを降ろした。ボクブリの上から俺を擦る。そして、光樹も自分のズボンを下ろした。
光樹のボクブリのその部分が突っ張っていた。
「勃ってるの?」
光樹がこくっと頷く。光樹にとって、俺は勃つ対象なんだなって思った。そう思ったとたん・・・
「あ、先輩・・・」
俺のも勃起した。光樹に触られながら、むくむくと勃起した。
「あ、ごめん」
俺がそう言うと、光樹が俺を見上げた。
「お前をそんな目で見ちゃって・・・」
光樹がキスしてくる。そして、顔を離す。
「先輩にとって、僕ってそういうのじゃなかったんですか?」
「うん」
俺は正直に言った。
「そうなんだ・・・」
光樹が俺のあれから手を離した。そして、俺の右手を掴んで自分の股間に当てる。熱くて固くなっている。
「僕は・・・」
少し言いよどんだ。
「そういうの、駄目ですか?」
そういうの、というのがどこからどこまでなのかよく分からない。でも、今、たぶん俺は光樹に求められているんだろう。俺は光樹がそうしたように、光樹のそれの形を確かめた。
「駄目っていうか・・・今まで考えてなかった」
今度は俺からキスをした。
「でも・・・」
俺は光樹のボクブリに手を入れた。それに直接触れた。熱かった。
「あっ」
光樹の身体が小さく震えた。
「嬉しい」
そして光樹が呟いた。光樹の手も俺のボクブリにもぐり込んできて、俺を直接触る。
「あっ」
俺も声が出た。光樹に触られてる。光樹が触ってる。光樹を触ってる。光樹が触らせてくれている。
俺は身体を起こした。光樹が驚いて俺を見る。少し不安そうな顔をしている。俺は着ていた服を乱暴に脱ぎ捨てた。ボクブリも脱いで投げ捨てる。そして、まるで襲いかかるようにして光樹の服を剥ぎ取った。全裸にした。お互い全裸になった。そして、光樹に覆い被さってその身体を抱き締めた。
「ああ、先輩」
光樹も俺を抱き返す。お互い、固くて熱いあれを押し付け合う。擦りつけ合う。
「先輩・・・」
「光樹」
キスし合う。
「嬉しい・・・」
光樹が呟く。
「俺も・・・嬉しい」
俺も呟いた。光樹が身体をずらす。俺のその部分のところに頭を置く。そして、光樹が俺のあれを握り、そこにキスをした。
「そんなとこ、汚いだろ」
でも光樹は止めない。それどころか、俺のそれを口に咥えた。
「だ、だめだって、光樹」
光樹が俺のあれを口に入れたまま、頭を動かす。唇でそれを押さえ、そのまま顔を押し付ける。光樹の口の中で俺の皮が剥ける。光樹の舌が俺のそれの頭の部分を撫でるように包み込む。
「あっ」
身体がびくんとなる。光樹は俺の先の方から根元の方まで頭を動かしながら咥え続ける。そのまま、上目で俺を見ている。無意識に俺は両手でその光樹の頭を押さえていた。
「ぐふっ」
光樹の頭を俺のその部分に押し付けた。光樹の奧に俺が入っている。俺は更に頭を押し付ける。もっと奧に行きたかった。もっと光樹と一緒になりたかった。
光樹が俺の手を押しのけるようにして頭を離した。そして、咳き込む。また俺のを舐める。また俺は頭を押さえ付ける。
「ああ、光樹」
さっきよりも力を入れる。光樹がまた俺の手を押しのけようとする。でも、俺は強く頭を押さえる。そのままでいて欲しい。そのまま、もっと奥まで、光樹の中に・・・
「ああっ」
俺は光樹の中でその時を迎えた。慌てて手を離す。光樹の口の中に出してしまった。
「ぐふっ」
光樹が咳き込んだ。口から俺が出したものが垂れる。
「ご、ごめん、大丈夫?」
「もう、先輩、強引なんだから」
咳き込みながら、でも、笑顔で光樹が言った。
「ごめん」
俺はティッシュを差し出す。
「いいですよ、先輩」
光樹が口の周りをティッシュで拭く。
「飲んじゃいました」
口を開いて俺に見せる。
「あんなの・・・飲んで大丈夫?」
「大丈夫ですよ、先輩」
そして、俺の股間に手を伸ばした。
「まだ勃ってますね」
そして、それを扱き始めた。

俺は全裸のまま横になり、目を閉じて光樹に身体を任せていた。
光樹は俺を扱き、俺の腹を触り、腕を触り、太ももを触る。毛を撫でて、臍を撫でて、乳首も撫でる。そのまま俺にキスをする。俺が目を開くと光樹は笑う。俺を握ったまま、俺の身体を跨ぐ。光樹の太もも、そしてお尻。光樹が少しお尻を突き出すようにすると、その奧に光樹の肛門が見える。
(肛門って、きれいなんだな)
初めて人のそこを見た。それが光樹で良かったと思う。光樹が俺の胸の上に座り込んだ。そのまま身体を倒して俺を口に含む。光樹の背中に手を沿わせる。そのまま手を下げてきて、お尻に滑らせる。すべすべのきれいな肌。きれいなお尻。少し光樹のお尻を持ち上げると、光樹は腰を浮かせる。また肛門が見える。そこを拡げてみる。俺のを口で扱いていた光樹の動きが止まる。
「どうした?」
すると、小さな声で答える。
「恥ずかしい」
俺は光樹のお尻を顔の前まで引き寄せる。肛門が目の前にある。
「きれいなんだな、肛門って」
「肛門って言わないでよ」
「じゃ、なんて言えばいい?」
「んっと・・・アナルとか」
「光樹のアナル、きれい」
そこを指で触れてみた。光樹の身体がピクッと動く。
「先輩・・・キスしたい」
光樹が呟く。俺はそのお尻を持ち上げる。光樹が俺の身体の横に膝立ちになって、口を押し付けてきた。俺も押し付ける。光樹の頭を抱き締める。右手で光樹のあれを弄る。固い。そのままその下を手探る。光樹の玉。そして、その奥に手を入れると、さっきの肛門、アナルだ。
「ああ、先輩」
また光樹が俺の身体を跨ぐ。今度は俺の顔の両側に膝を突き、そのまま俺を咥える。俺の目の前に光樹のあれがある。勃起した光樹。俺は光樹がしてくれたのと同じように、それを口に含んだ。
「あっ 先輩」
光樹の身体が一瞬仰け反った。
(おしっこが出るところを舐めてるんだ・・・)
でも、嫌じゃない。全然嫌じゃなかった。光樹の身体を抱き締める。手を下ろして光樹の頭を押さえる。股間に押し付ける。俺が光樹の口の奥に入る。光樹が頭を持ち上げる。そして少し咳き込む。俺はまた光樹を押し付ける。光樹に奥まで咥えてもらえるのが嬉しい。いつのまにか、腰を動かして、俺を光樹の奧に突き入れていた。俺を包み込む光樹。その根元は光樹の唇で、先は光樹の喉で包まれる。
(もっと奧で包んで欲しい)
光樹の頭を股間に押し付け、腰を上げて光樹に押し付ける。
「うぅ」
光樹が声を出す。
「ああ、光樹」
光樹の奧で2回目の射精をする。
「ぐふっ」
光樹が頭を上げる。
「ごふっ、ごほっ」
光樹が咳き込む。
「大丈夫か?」
光樹が身体の向きを変え、俺を見る。涙目で、口からは俺の精液を滴らせる。それをすすり上げ、そして小さい喉仏が上下に動く。
「先輩、気持ち良かったですか?」
俺は答える代わりに光樹の顔を引き寄せ、キスした。精液の匂いがする。変な味がする。たぶん、これが俺の精液の味。光樹が飲んでくれた精液の味だ。
すると、光樹は俺の頭を押さえて口を離す。
「せっかく先輩が僕にくれた精液、取らないで下さいよ」
そして、また喉仏が上下する。
「変な味だった」
「そんなことないですよ。先輩のだから美味しいですよ」
そう言いながら、光樹は自分の勃起したものを扱いている。俺はそこに手を伸ばす。光樹がそこから手を離す。
「いい?」
光樹はこくんと頷く。俺は光樹を握る。
「熱い」
光樹は照れたように顔を伏せる。俺はそんな光樹の顔を見ながらゆっくりとそれを扱き始めた。
「先輩・・・気持ちいい」
ほとんど聞こえないような小さな声で言う。
身体が熱い。光樹は身体を俺にもたれかけている。息も荒い。
「先輩・・・舐めて・・・」
俺は熱い光樹を口に入れた。上目で見上げると光樹は目を閉じている。そのままずっと見ていると、光樹が目を開いた。俺が見ているのに気付くと慌てて目を閉じる。俺は笑った。
「なんですか、先輩」
「見たいなら見てればいいのに」
「なんか・・・ちょっと、恥ずかしい」
「やっぱり光樹、かわいいな」
そう言うと、光樹は両手で顔を覆う。その手を強引に引き剥がし、キスをする。
「先輩、意外と意地悪ですね」
光樹の手を押さえたまま、俺は再び光樹を口に含む。
「ああ、先輩」
「ん?」
咥えたまま返事をする。
「イきそう」
「ん」
そのまま、口でし続ける。
「あ、先輩、イきます」
光樹が俺の口から抜こうとする。でも、俺はそのままやり続ける。
「あ、ダメっ、イくっ」
光樹が腰を持ち上げ、俺の口に押し付けた。そして、俺の口の中で射精した。
さっきの光樹とのキスを思い出すような匂いと味。飲み込むには少し抵抗を感じた。でも、光樹は飲んでくれた。あれを美味しいと言ってくれた。だから、俺もそれを飲み込んだ。
光樹が俺にキスしようとした。が、俺は顔を横に向けてそれを拒否する。
「光樹の精液は俺だけのもんだよ」
飲み込んでから、そう告げた。
それでも光樹は俺にキスをした。



これが俺と光樹の初めてのフェラチオだ。
そして、光樹とアナルセックスをするようになるまでに、それほど時間は掛からなかった。

<第二の嗜好 接 その後の彼等 武井先輩と光樹 完>


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