fetishiSM

第六の嗜好



啓人君とはセックスをするような仲になった。
あのじゃんけんがきっかけだったんだけど・・・まさか、こんなに上手くいくとは思わなかった。いや、正直、ここまでは考えていなかった。
啓人君のお尻を見たい、触りたい。ただそれだけだった。最初は。

でも、あの啓人君のきれいなお尻を見て、その奧のピンク色の穴を見て、僕の中の何かが変わった。そこに挿れてみたい、そんな衝動が湧き上がったんだ。そして、その結果、僕と啓人君は恋人みたいな関係になった。

正直、男に興味があったという訳じゃない。女子にも興味はあるし、あ、この子かわいいな、って思うような人もいる。付き合えたらな、なんて思ったりもする。そういう意味では、啓人君だってそうだ。よく知っていて、親友で、お互い隠し事なんてする必要がない関係。だから、啓人君とも付き合えたらな、なんて思ってた。ぼんやりと、だけど。
今から思えば、僕は男でも女でもどっちでも良かったんだ。そんなことよりも、気が合って、信じ合えて、わかり合える相手。そういう相手と僕は付き合いたい。そして、それが啓人君で、たまたま男だったってだけだ。

でも、今はもう、啓人君しか考えられない。
僕が好きなのは啓人君だ。それは、もう間違いない。

「おはよう」
朝、学校に行く時はいつも一緒だ。
「おはよう」
啓人君の顔を見る。
(昨日、あんなに喘いでたのにな・・・)
僕はそう思う。僕に入れられて、顔を真っ赤にして喘いでいた啓人君。最近は、どっちかというと啓人君の方が積極的にセックスをやりたがっている。
「なんだよ」
「別に」
僕ははぐらかす。はぐらかすように見せかけて、昨日の話をする。
「気持ち良さそうに喘いでたなぁって思ってさ」
啓人君が真っ赤になる。
「い、いいだろ、別に」
「うん。別にね」
そう言いながら、啓人君に軽く体当たりする。でも、ホントに軽く、だ。
「だって・・・気持ちいいんだから、しょうがない」
少し回りを気にして、小さな声で啓人君が言った。
「気持ち良かったの?」
僕はわざと大きな声で聞き返す。すると、啓人君は慌てる。この慌てた啓人君がまた可愛い。
「ちょっ、誰かに聞かれたらどうすんだよ」
僕は笑う。
「いいじゃん、別に」
あの啓人君が少し小さく見える。僕の啓人君。僕のセックスの相手の啓人君。僕の大好きな啓人君。そして、僕の奴隷の啓人君・・・

あれから、何となくセックスの時は、啓人君は僕の命令を聞くって感じになった。今でもそれは続いてる。でも、それはセックスの時だけだ。普段は一番仲のいい友達であることは変わりない。他の奴の目から見たら、どっちかと言えば啓人君が主で僕が従。それが二人だけのときは逆転する。セックスの時は僕の奴隷になる。そんな啓人君が可愛く思えて仕方がない。だから、啓人君を虐めてあげたい。でも、嫌なことはしたくない。そういう意味では、前より微妙な関係になったのかも知れない。でも、前よりずっと濃い関係であることも確かだ。


「お邪魔します」
いつものように、僕の部屋に入る啓人君。その一歩手前までは、いつもの関係だ。
「じゃ、脱いで」
でも、部屋に一歩入ると関係が変わる。
「はい」
啓人君は僕の言うことに従う。ゆっくりと、1枚ずつ上半身から脱いでいく。少しだけ筋肉が付いた身体が露わになる。次は靴下。そして、ズボン。ボクブリは盛り上がっている。そして、いつもの通り、その盛り上がりの頂点にシミが広がりつつある。
「ベッドで四つん這い」
僕が言うと、啓人君はそのままベッドに上がって、僕にお尻を向けて四つん這いになる。
「今日は、なんとなくお尻をじっくり見たい気分だな」
そう呟く。すると、啓人君が言う。
「脱がせて」
時々、脱がせて下さい、ご主人様、なんて言わせたくなる。でも、僕等の関係はそういうのとは少し違う気がする。だから言わせない。僕等はあくまで友達で対等だ。ただ、セックスの時は僕の言うことを聞くってだけだ。
僕は啓人君の左足の所に座る。啓人君の太ももが目の前にある。少し焼けた感じの色。そこに手を這わせる。
「うっ」
啓人君はこれだけで感じる。すべすべの足をなで回す。そして・・・
「うひっ」
僕が背中を軽く撫でると、啓人君は身体をよじってくすぐったがる。
「ほら、我慢」
啓人君の背中の左側を、腰の辺りから脇の近くまですっと撫でる。
「んふっ」
啓人君は頑張って我慢している。でも、身体が動く。声が出る。そして、シミが広がる。
今度は手を伸ばして背中の向こう側に手を滑らせた。そのまま背中を横切るようにして、右の脇腹を撫でる。
「あぁ」
啓人君は感じている。ボクブリのシミから、少し先走りがしみ出している。脇腹から脇まで指を滑らせる。
「ひあっ」
身体をよじる。啓人君は脇腹が弱い。それが分かってるから、何度も撫でる。身体をよじる度に、ボクブリに包まれたお尻が左右に揺れる。
「そんなに気持ちいいの?」
「くすぐったいんだよ」
そう言いながらも啓人君は身体を動かす。その動きは、まるで僕にお尻に入れてくれと懇願しているかのようだ。
「啓人君っていやらしいね」
ボクブリの上からお尻を撫でる。すると、さっきまでの身体の動きがピタッと止まる。
「雄ちゃんほどじゃないし」
(奴隷のくせに生意気なことを言う)
(友達だから僕のことをよく分かってる)
心の中で二つの声が同時にした。僕は、啓人君のボクブリの上から、お尻の丸みに両手を当てた。啓人君の息が少し荒くなる。
「なに興奮してるの?」
啓人君は何も言わない。でも、頭をベッドに押し付けて、僕にお尻を突き出す。僕は、ボクブリの上からお尻を開く。きっと、このボクブリの下にはあのきれいな穴が見えてるんだろう。そう思うと興奮する。今すぐボクブリを剥ぎ取ってあの穴を見たい。でも、それを我慢して、自分自身を焦らす。ボクブリの、その部分に顔を近づける。少し、鼻の奥に何かを感じる。それは、きっと・・・
僕は、啓人君のボクブリの上から、啓人君のお尻の谷間に鼻を押し当てた。

「何してんだよ」
そう尋ねる啓人君を無視して、僕はその谷間の奧に鼻を押し当てた。そのまま、息を思いっきり吸う。匂い・・・啓人君の匂いがする。
「匂いがする」
僕は鼻を押し当てたまま言った。
「あ、当たり前、だろ」
照れたような啓人君の声。
「何が当たり前?」
更に鼻を押し付ける。深呼吸する。
「ケツの・・・ケツの穴なんだから、匂いするに決まってる」
この匂い。啓人君のお尻の穴の匂い。
「これ・・・啓人君のお尻の穴の匂いなの?」
「そう・・・だよ」
なんだか泣きそうな声に聞こえた。僕は顔を離して啓人君を見た。一瞬だけ、こっちを見ていた啓人君と目が合った。啓人君はすぐに顔を背ける。
「恥ずかしい・・・」
小さな声で啓人君が言った。僕は黙って啓人君のボクブリをずり下げた。
案の定、啓人くんのちんこからたくさんの先走りが出ていた。

白い、きれいな曲線。今となってはもう見慣れた、でも全然見飽きないきれいなお尻が露わになった。その膨らみに両手を当ててなで回す。でも、今日はその奧が気になる。いつも気にはなってるけど、なんだか今日は特別だ。さっきの匂いを思い出す。あの時のあの匂い。あの時のあの啓人君の恥ずかしそうな顔。
僕は啓人君のお尻を両手で開く。その奧のピンク色の穴を見つめる。
「匂い、嗅ぐよ」
そして、今度は直接その谷間に鼻を突っ込んだ。息を吸う。さっきよりも匂いがはっきりしている。はっきりと、香しい匂い。鼻の奥にそれを感じる。啓人君の匂い。啓人君のお尻の穴の匂い。
「この、変態」
小さな声で、ほんのわずかに抵抗を試みる啓人君。でも、ちんこはしっかり勃起している。僕は一旦顔を離す。
「そうだよ。僕は変態だ」
そして、啓人君の股間を覗き込んだ。
「でも、啓人君だって勃ってる」
そして、それを軽く握って人差し指で先の部分を撫でる。
「こんなにヌルヌルになってる」
すでにそこは啓人君の先走りが溢れていた。
「人のこと変態って言うけど、啓人君も一緒だよ」
啓人君は目を瞑って顔を背けている。そんな啓人君の恥ずかしそうな顔を見たい。啓人君の顔を見ながら、お尻の穴の匂いを嗅ぎたい。
「仰向けに寝て」
四つん這いだった啓人君が、そのまま仰向けになった。僕は足に引っかかっていたボクブリを脱がせて、それを裏返す。前の部分にヌメヌメしたものが付いている。
「これ、なに?」
そこを啓人君に見せる。
「・・・先走り」
「なんでこんなに先走り出してるの?」
啓人君は何も言わずに顔を背けた。
「ちゃんと僕を見て。そして答えて」
啓人君が僕を見た。いつもの啓人君とは違う表情。誰にも見せない、弱い啓人君。そして、僕に答える。
「・・・恥ずかしいから」
「何が恥ずかしいの?」
もちろん、僕は質問する。
「匂い・・・」
小さくそう答えた。
「何の匂い?」
「ケ・・・ケツの・・・」
啓人君が真っ赤になって、また顔を背ける。僕はそんな啓人君の身体の上に跨がって、顔を両手で挟んで僕の方に向けさせた。
「ちゃんと答える」
なんとなく、啓人君の目が潤んでいる。でも、それはきっと気のせいだ。
「ケツの、穴の、匂い」
「それが恥ずかしいの?」
すると、啓人君が頷いた。
「違うでしょ、穴の匂いが恥ずかしいんじゃないでしょ?」
一瞬だけ、啓人君の表情が曇った。僕が何を言っているのか分からなかったのかもしれない。
「ケツの穴の・・・匂い・・・嗅がれてるから・・・雄ちゃんに」
「だから?」
「だから、恥ずかしい」
僕は右手を後ろに回して啓人君の勃起してるちんこを掴んだ。
「恥ずかしいと、こんなにヌルヌルになるんだ」
「わかんないけど・・・たぶん、そう」
「ふうん」
僕は啓人君の身体の上から下りる。服を脱いで、ボクブリだけになる。そして、啓人君の両足の間に座って、足を持ち上げた。
「自分で足抱えて」
啓人君は僕の言う通りにする。
「もっと、強く抱えて」
啓人君は膝の裏に手を回して、腕を引き寄せる。啓人君のお尻の穴が上の方を向く。
「ふぅ」
啓人君が息を漏らす。少し、ちんこが揺れている。
「興奮してる?」
啓人君は頷く。
「これからされることに?」
また頷いた。
「僕も興奮してる」
そして、顔をその穴に近づけた。
「どうして欲しい?」
分かりきったことだ。でも、僕は質問する。
「匂い、嗅がれたい」
「変態だね、お互い」
僕は笑う。そして、その穴に鼻を押し当てた。

さっきより匂いが強い気がする。でも、いい匂いだ。大きく息を吸う。吐く。また思いっきり、音がするくらい思いっきり息を吸う。頭がクラクラするような、いい匂いだ。チラリと上目で啓人君の顔を見る。啓人君は僕を見ていた。目が合った。その目を見ながら。僕はまた息を吸う。
「はあぁ」
大きく息を吐いた。
「すごくいい匂い。さっきよりいい匂いがするよ」
そしてまた息を吸う。目の前の啓人君のちんこから先走りが溢れている。
「啓人君も気持ちいい?」
啓人君が頷いた。
「啓人君のお尻の穴の匂い嗅げるなんて、幸せ」
僕は呟いた。そして、顔を上げた。啓人君の顔が真っ赤になっていた。
「だって、僕以外、絶対誰も嗅いだことがない、啓人君の匂いなんだから」
そして、またお尻の穴に鼻を押し当てた。

なんとなく、啓人君のお尻の穴が湿ってきたような気がする。
「穴も、気持ち良くなるとぬめってくるのかな」
顔を上げて啓人君に聞いたけど、啓人君にも分からないようだ。僕はまた穴に顔を近づける。でも、今度は匂いを嗅ぐのではない。舌を出して、そこをペロッと舐めてみた。
「何すんだよ」
「見えてる?」
啓人君には、僕が穴を舐めたのが見えてるんだろうか。
「なんとなく」
僕はまた穴を舐める。
「汚いって」
「そんなことないよ。きれいだし、いい匂いだし」
そして、今度は少ししつこく舐めてみた。何となく味がする。その味は・・・よく分からない味だ。そして、僕は顔を上げて啓人君を見た。
「それに美味しいし」
本当に美味しいのかどうかはよく分からない。でも、啓人君の穴だから、それだけで僕には美味しく思える。また顔を埋めて穴を舐める。舌を伸ばして穴の回りを舐めてみる。
「ひっ」
啓人君の身体がピクリと動く。僕は穴の回りから、穴の真ん中に舌を動かす。舌の先を穴の中心に押し当てる。そのまま力を入れてみた。啓人君が力を抜いて、そして入れられるときみたいに軽く力んで穴を開いた。僕の舌がその中に入る。残念ながら、長さが足りないから先っちょがほんの少しだけだ。でも、僕はそこで舌を動かす。鼻にはあの匂い。啓人君は目を瞑って荒い息をしている。僕は片手でボクブリを脱ぎ去った。啓人君の穴の匂いを嗅いで、啓人君の穴を舐めて、その味を感じて、そして啓人君の恥ずかしい顔を見ている。僕のちんこもずっと前から先走りでヌルヌルになっているのは分かっていた。片手で自分のちんこを扱きながら、啓人君の穴を舐め続ける。
「あ、やばい」
いきそうになる。
「一人でいくなよ」
啓人君が気が付いて言った。
「じゃ、さ」
僕は啓人君のお尻から離れて、隣に仰向けになった。
「僕に入れてみてよ」
そして、足を抱えた。
「まじかよ」
啓人君が身体を起こした。ちんこが完全に上を向いている。
「僕の穴、舐めてから入れて」
啓人君が僕の股間に座り込んだ。そして、足を抱えている僕のお尻を持ち上げた。
「ほんとだ、きれいなピンク色してる」
そして、顔をそこに埋めた。
(ああ、啓人君に穴舐めさせてる)
僕は顔を上げて啓人君を見続けている。僕のちんこがビクビクと揺れている。
「じゃ、入れるよ」
啓人君が顔を上げた。僕は頷いた。啓人君が僕ににじり寄る。膝立ちになる。
「あ、あれ」
啓人君のちんこが、さっきまであんなに硬くなってたちんこが下を向いていた。
「ちょ、ちょっと待って」
啓人君が自分で扱いて勃起させようとする。
「なんだよ、僕に入れるのは嫌なの?」
「そ、そうじゃないんだけどさ・・・」
しばらく待っても全然固くならない。
「いいよ、じゃあ」
僕は身体を起こして啓人君を押し倒した。そして、その穴にずっと勃起し続けている僕のちんこを押し込んだ。
その途端、啓人君のちんこも勃起した。

その日は何度か挑戦してみたんだけど、その度に啓人君のちんこは萎えてしまって、結局入れてもらうことは出来なかった。
「なんで・・・」
なんだか残念な気持ちだ。せっかく穴の匂いを嗅いで、穴を舐めたのに・・・
「なんか、ごめん」
啓人君が僕に謝った。
「じゃあ、罰として、僕に入れるまでオナニー禁止ね」
そういうと、啓人君は大げさに嫌そうな顔をしてみせる。でも、きっと言うことを聞いてくれる。僕にはその確信があった。
「わかった」
小さな声だった。僕はそんな啓人君を抱き締めて、キスをした。

啓人君は、僕に入れようとすると萎えてしまう。その理由は僕には分からない。
なんだか心の奥に微妙なもやもやみたいなものが残っていた。

<第六の嗜好 匂 完>


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