fetishiSM
第八の嗜好
肆
僕は啓人君と仲直りをしようと思った。謝りたいと思った。 でも、一旦あんなふうになっちゃったら、なかなか謝ることが出来ない。そもそも、顔を合わせづらい。啓人君が気になってチラチラ見てるんだけど、でも、啓人君が僕の方を見ようとすると、あわてて目を反らしてしまう。 (啓人君の方から話し掛けてくれないかな) そんな身勝手なことも考える。普通に見たら、啓人君が動、僕は静なんだから、なんて。 そして、実際にきっかけを作ってくれたのは啓人君の方だった。 帰り道、僕は一人で歩いていた。それがここ最近ずっと続いていた。川の土手をずっと歩いて、電車の鉄橋のところに差し掛かったときだった。鉄橋の太いコンクリートの足の影から啓人君が急に現れた。 「これ」 手を突き出す。 「な、なに」 僕はどぎまぎしながら差し出された手に握られていた紙を受け取る。すると、啓人君は背を向けて走り出し、土手から下りて行った。僕は一人、土手に取り残された。 その紙には一行だけ書いてあった。 「雄ちゃんの家の前で待ってる」 つまり、あのまま走って僕の家に行って、僕が帰ってくるのを待って、そして、たぶん、話をするってことだ。 (どうしよう) 正直、どうすればいいのか分からなかった。鉄橋の足の、啓人君がいたあたりに行ってみる。もちろん、そこになにかあるわけじゃない。僕はしゃがみ込んで考えた。 (もし、僕が思ってるようには思ってなかったら) 自分の方から距離を置いておいて、啓人君の手紙が仲直りしようとしてるなんて思うのは身勝手だと思う。でも、きっと啓人君は僕のことを好きでいてくれるに違いないと思う部分もある。要するに、僕は家の前で待っている啓人君に会うのが怖かった。特に、自分の気持ちがはっきり分かった今は。 そこにどれ位いたのかはよく分からない。ようやく僕は立ち上がり、家に向かった。あわよくば、啓人君が諦めて帰っていることを期待しながら。でも、まだ待っていてくれることも望みながら。 そして、啓人君は待っていてくれた。 「お帰り」 啓人君が言ったのはその一言だけだ。「遅い」とか「何してたんだよ」なんて言わなかった。僕はそんな啓人君を無言で家に入れた。 僕の部屋に入ってからは、お互い顔を伏せたまま、何も言わなかった。でも、僕は内心焦っていた。もうすぐお母さんが帰ってくるかもしれない時間だ。普通はもうちょっと遅いけど、早いときはそろそろ帰ってくる。それまでに、ちゃんとしないと。何をちゃんとすればいいのかまだ分からなかったけど。そして、きっかけを作ってくれたのは啓人君だから、今度は、まず僕が何か言わないと。 「あの・・・」 取りあえず、口を開いた。 「ご、ごめん」 考えてた訳じゃない。自然と口から出てきた。 「なにが?」 啓人君は顔を伏せたままだ。 「その・・・あんなことして」 啓人君は何も言わなかった。 「僕・・・」 何から言えばいいのか分からない。 「啓人君が、僕のこと嫌いなんじゃないかって思って」 「なんでだよ」 初めて啓人君が顔を上げた。目が怒っている。 「だって・・・僕に入れようとしたら、萎えちゃうでしょ」 それを言うと、啓人君はえっというような顔をした。 「だから、実は嫌われてて、だから嫌いな奴に入れようとしたら勃たなくなるのかなって、そんなふうに思って、啓人君に嫌われてたんだって思って」 「そんなわけ・・・」 僕は顔を上げた。啓人君は俯いている。 「その・・・」 僕はまた顔を伏せた。 「好きに決まってんだろ」 啓人君が言った。僕は顔を上げた。啓人君が僕をまっすぐ見ていた。手は拳を握っている。 「好きに決まってんだろ。だから、抱いて欲しいって、抱かれたいって」 握った拳を太ももに振り下ろした。 「それなのに・・・」 啓人君が黙る。辛そうな、悲しそうな、今にも泣き出しそうな顔をしていた。 「僕・・・浮気した」 僕は顔を伏せた。そして、正直に話し始めた。 「啓人君に嫌われてるって思って、それでも僕に入れられたいって思ってるって、だったら、入れられるのってどんなに気持ちいいのかなって、それでネットで男の人見つけて」 「だから・・・」 啓人君が口を開いた。でも、僕は話を続ける。 「最初、入れられた時は、痛くて、違和感しかなかった」 「俺だって」 「でも、そのあと、その人と話した。啓人君のこと」 啓人君は口を閉じる。僕の話を聞こうとしてくれてるんだと思った。 「もちろん、僕の彼氏としか言ってない。そして、僕の彼氏は気持ち良さそうにしてて、でも、僕が入れてもらおうとしたら勃たなくて、だから、僕は嫌われてるんだって。気持ち良さそうにしてたのも、嘘だったんじゃないかって」 僕は一旦話を区切って、息を吐く。 「そしたら、その人が自分がこうだから相手もこうなんだなんて決めつけたら駄目だって言ってくれて、入れられるのが好きな人とか入れるのが好きな人とか両方好きな人とかがいて、中には啓人君みたいに入れる方は出来ない人もいるって。だから、きっと啓人君は僕のことが嫌いなんかじゃないし、嘘を吐いたりもしてないだろうって」 そこまで一気に話をした。 「その後、もう一回入れられた。そしたら、凄く気持ち良かった。それで、啓人君の気持ちも少し分かった気がして・・・」 上目遣いで啓人君を見た。啓人君の表情は分からなかった。 「その、もちろん、入れられる方の気持ちだけど・・・」 そして、顔を上げた。 「やっと気が付いた。僕はやっぱり啓人君が好きで、抱き締めたくて、セックスしたいって」 啓人君が顔を上げた。啓人君が泣いていた。僕は啓人君に抱き付いた。その口に口を押し当てた。今までしてなかった分を取り戻すかのように強く啓人君を抱き締め、強く唇を押し当て、舌をその口に突っ込んだ。 「ぐふっ」 啓人君が呻く。でも、僕を抱き締める。固く、強く僕等は抱き締め合った。 玄関のドアが開く音がした。お母さんが帰ってきたんだ。それでも僕は啓人君を抱き締めてキスしたままだった。啓人君が僕の身体を押し戻す。僕等は見つめ合った。 「よかった」 啓人君が言った。そして、もう一度、今度は軽くキスをした。 「そうだ、今度、その人と一緒に会わない?」 啓人君は一瞬考えた。 「うん、まぁ、いいよ」 そして立ち上がる。 「今日は帰る」 お母さんも帰って来ちゃったからセックスもできないし、仕方がない。僕は啓人君の頬を両手で押さえてもう一度キスをして、そして玄関まで啓人君を見送った。 ホテルで再びあの人と会ったのは、それから3週間くらい経った土曜日の午後だった。 啓人君はその日が近づくと少し渋ったけど、僕と啓人君の仲直りのきっかけをくれた人なんだからと僕は説得した。別に啓人君を連れて行かなくてもいいんだけど、仲直りできたことをちゃんと報告したかったし、僕の彼氏を自慢したかった。もちろん、あの気持ち良さをもう一度感じたい、というのもあったけど。 ホテルの部屋には、あの人だけだった。僕が部屋を見回していると、その人は言った。 「俺のパートナーは少し遅れるってさ」 僕はベッドの上に座り込む。啓人君は立ったままだ。 「緊張してる?」 啓人君が頷いた。 「この子が君の彼氏なんだね」 僕に尋ねる。頷いた。 「見た目は彼の方がタチっぽいな」 やっぱりなぁ、そう心の中で思う。その人は、ベッドの横の小さなテーブルの上に置かれていたコンビニの袋からペットボトルを取り出して、啓人君に差し出した。 「どうぞ」 「ありがとうございます」 啓人君が少しかすれた声で言った。 「雄大君もどうぞ」 「ありがとう」 僕は受け取り、少し飲む。 「じゃあ、待ってる時間ももったいないし、始める?」 啓人君が僕を見た。僕は啓人君の方に両手を伸ばす。啓人君がベッドに上がった。 「じゃ、まずは君と彼氏から」 男の人は椅子に座った。僕は啓人君を軽く抱き締めてキスをした。啓人君も僕の背中に手を回す。僕は啓人君の背中を抱き締めながら、耳元で囁いた。 「ちゃんと言うこと聞いてる?」 啓人君は頷いた。僕は2つ、啓人君に言っていた。 「じゃ、脱いで」 僕は啓人君に命じる。啓人君は素直に上半身裸になる。ベッドの上で立ち上がり、ズボンに手を掛ける。ちらっとあの人を見る。 「脱いで」 そう言いながら、僕も立ち上がった。僕も上を脱ぐ。啓人君が少し恥ずかしそうにしているのを見ながら、僕はズボンを脱いだ。啓人君はそれを見て、決心したかのようにズボンを下ろした。パンツは履いていなかった。そして、毛もない。僕はパンツを下ろす。二人の勃起したちんこがあの人の目の前に晒された。 「ちゃんと剃ってきたんだ」 僕は啓人君のちんこの少し上を撫でながら言った。 「だって、雄ちゃんが剃れって言ったから」 僕は啓人君の顔を手で挟んでキスをする。啓人君の顔を僕の股間に導きながら膝立ちになる。啓人君は四つん這いになって僕のちんこを口に含んだ。男の人が啓人君の後ろに近づく。そして、そのお尻に手を掛けて、そこを開いた。 「中学生なのに、この穴で感じるんだね」 啓人君は身体を少し硬くして、何も答えなかった。 「どうなの?」 僕が尋ねた。 「はい、感じる・・・感じます」 啓人君が答えた。 「そうか」 そして、その人は啓人君の穴を舐め始めた。 僕は四つん這いの啓人君の身体の下に潜り込んで、啓人君のちんこを口に含んだ。すぐ目の前で、あの人が啓人君の穴を舐めている。啓人君も僕のちんこをフェラしている。 「僕に舐めさせて」 男の人に言うと、その人は啓人君の穴から顔を上げた。僕は身体をずらして頭を持ち上げ、啓人君の穴に舌を伸ばす。啓人君は僕の太ももを撫で、そこに頬ずりし、舐める。僕等を男の人が見ている。僕等は見られながら舐め合っている。 と、ドアをノックする音が聞こえた。 「来たようだ」 男の人は立ち上がり、ドアの方に向かう。僕等は舐め合ったままだ。啓人君のちんこから先走りが垂れている。僕のちんこもそうだろう。あの人のパートナーという人が部屋に入ってきても、僕等は構わずお互いを貪るように舐め合っていた。 「この子達?」 パートナーという人の声がした。 「そう。中学生のカップルだそうだ」 男の人とパートナーという人が抱き合い、キスをしているのが目の隅で見える。強く抱き合い、激しいキスを交わす。僕は啓人君のちんこを口に含む。啓人君も僕を舐める。見せつけるように舐め合う。そのまま身体を横に倒す。男の人とパートナーの姿が目に入った。 「え、お前」 「あっ」 僕等は同時に声を上げた。 「せ、先生」 啓人君が後ろを、先生の方を見ていた。 「なに、知り合い?」 あの男の人の声だ。 「生徒だよ、よりによって俺の生徒だ」 本条先生が言った。 「はぁ、お前等だったとはなぁ」 先生があの男の人から離れてベッドの端に腰掛けた。 「これって、やばくない?」 あの人が先生の横に座る。 「ヤバいよ。ものすごくヤバい」 舐め合っていた時の姿勢のまま固まっていた僕と啓人君は、二人ともベッドの上に身体を起こす。そして、今更ながら股間を手で隠した。 「お前等なぁ・・・」 先生が言った。 「いや、まぁ、俺も言えた義理じゃないか。中学生と4Pなんて言われて喜んでここに来たんだからな」 あの人の手が先生の太ももに置かれている。 「どうする?」 「そうだなぁ・・・」 二人で話をしている。 「あの、先生も、ゲイだったんですか?」 啓人君が先生に尋ねた。 「ああ、ご覧の通り。この人は俺のパートナーだよ」 「そうだったんだ」 僕は裸のまま立ち上がって、さっきもらったペットボトルを手に取り、少し口に含んだ。 「お前等もゲイだったとはな」 先生が全裸の僕等を見る。僕等は先生に見られている。 「どうする?」 あの人が僕等を見ながら言った。 「今日見たことは」 先生が言い掛けた。 「やりたいです、僕は」 そんな先生を遮って僕は言った。そして、啓人君の手を握った。 「そのために来たんだし、別に先生でも構わないです」 「いや、そっちはそうでも、俺は・・・」 今度はそんな先生の口を、あの人がキスで塞いだ。 「せっかくの機会だし、お互い、今日のことは絶対に口外しないって約束で」 「駄目だって」 僕は渋る先生の背中に抱き付いた。 「いいでしょ、先生」 そして、手を股間の方に伸ばす。先生はその手を掴んで引き離す。 「駄目だ。お前等は俺の生徒だろ」 「じゃ、してくれないなら、今日のことバラすから」 僕はその手を振り払って先生の股間に手を這わせた。そこは熱く、固かった。 「だってさ。どうする、先生」 その人が少し冗談っぽく言った。 「生徒とする訳にはいかないだろ」 「生徒じゃなかったらいいんだ」 「いや、それは」 男の人が僕を見る。僕はピンときた。 「君達はこの人知ってるのか?」 男の人が改めて僕等に尋ねた。 「いえ、初対面です」 僕は言った。 「啓人君も、この人知らないよね?」 「知らない」 「だってさ」 僕はベッドを下りて、先生の・・・いや、初めて会った人の股間にしゃがみ込んだ。そこに顔を寄せて頬ずりする。 「すごい、熱い、固い」 「高橋・・・」 僕は顔を上げた。 「なんで僕の名前、知ってるんですか?」 「そうだよな、初対面なのにな」 男の人は立ち上がり、服を脱ぎ始めた。 「ほら、お前も脱げよ」 そう言って、先生の服を脱がし始めた。 先生は抵抗しなかった。立ち上がり、その人に脱がされるまま裸になる。ボクブリの股間は大きく盛り上がっていた。 「ほら、大人のペニスだ」 僕等に見せつけるように、先生のボクブリを少しずつずらして下ろしていく。太いちんこがピンと勃ち上がっていた。 「ほら」 僕は先生の右側からそれににじり寄る。啓人君が左側からにじり寄った。先生のちんこの両側で、僕等はそれを舐め始めた。 「お前等・・・」 先生のお尻に手を這わせる。そのまま、お尻の下から玉を握る。先生のちんこの根元から先まで舌を這わせる。そして、そのちんこの先で、啓人君とキスをする。キスをして、先生のちんこの先を舌で舐め、またキスをする。男の人も裸になっていた。先生を背中から抱き締め、ベッドの上に二人で座る。男の人の手が先生の乳首を触り、抓り上げる。 「あぁ」 先生が声を漏らす。 「ほら、乳首感じるもんね」 「や、やめろって」 すると、男の人が先生の膝の裏を抱えた。ベッドの上で、先生のちんこと穴が丸見えになる。 「ほら、よく見せてやれよ」 僕は四つん這いになって先生の股間ににじり寄った。 「先生、太い」 さっき啓人君と舐めていたそれは、こうして目の前で見ると凄く太い。そして、その先から先走りが垂れている。僕はそれにキスをして、先走りをすすった。 「こ、こら、高橋、止めろって」 僕は先生を見上げた、そして、にこっと笑う。そのまま、先生の太いちんこを口に咥え、頭を動かし始めた。 「お、おい、こらっ」 しかし、そんな先生の顔を横に向けさせ、その口をあの人が口で覆う。啓人君も先生に這い寄って乳首を舐めている。 「いいよな、二人に責められて」 先生の口から荒い息と少しの喘ぎ声が漏れ始める。 「二人で足を抱えてくれ」 僕と啓人君が、それぞれ先生の左右の足を抱え上げた。その間に男の人が這い寄り、先生の穴を舐め始めた。 「あ、や、やめ・・・ろ・・・」 先生の声が少しずつ小さくなる。僕と啓人君は空いた手で先生の乳首を触り、抓る。そして、僕と啓人君が代わる代わる先生にキスをする。先生の口に舌を入れ、先生の唾液をすすり上げた。 「じゃ、いつもみたいに気持ち良くしてやるよ」 男の人が僕等に代わって先生の足を持ち上げる。僕と啓人君は二人の左右に座ってその様子を見る。男の人のちんこが、ゆっくりと先生の中に入っていくその様子を。 「あ・・・あぁ」 男の人のちんこが奥まで入る。 「ほら、いつもみたいにもっと喘ぎなよ」 男の人が動き始める。先生は目を閉じ、まるで歯を食いしばっているかのようだ。 「ほら、どうした?」 男の人がそんな先生にキスをする。濃厚なキス。先生の穴をちんこで犯し、口を舌で犯している。 「あ、み、見るな」 僕等に目を向けて言う。 「違うだろ、見て欲しいんだろ」 男の人の腰の動きが速くなる。 「ほら、いやらしい音立てて掘られてよがってるとこ、生徒に見られて嬉しいんだろ?」 「あぁあ・・・」 先生の上半身が仰け反る。ちんこがびくびくと揺れている。 (僕が入れられた時みたいに、先生も気持ち良くなってるんだ) 啓人君を見た。啓人君が先生と男の人が繋がっている部分をじっと見つめている。啓人君のちんこからも先走りがだらだらと垂れている。僕は立ち上がって、啓人君の後ろに回った。手を回して啓人君のちんこを握る。啓人君が振り向く。僕はその口にキスをする。啓人君が身体を前に倒す。先生と男の人が繋がっている部分の向こう側に手を突いて四つん這いになる。僕は啓人君のお尻を広げて穴を舐める。そして、その穴に入れた。 「ああ」 啓人君が呻く。僕はゆっくりと腰を動かす。すると、男の人も僕の動きに合わせるようにゆっくりを腰を振る。徐々に僕と男の人の腰の動きが速くなる。啓人君と先生の喘ぎ声がシンクロしている。そして、僕は啓人君の中で射精した。 そこはシンクロしていなかった。 僕が啓人君のお尻から離れた時も、男の人はまだ先生のお尻で腰を振り続けていた。啓人君はベッドの隅で仰向けになって荒い息をしている。でも、ちんこは勃起したままだ。まだ射精もしていない。 「気持ち良かったか?」 僕は頷く。 「まだこれからだよ」 そして、先生からちんこを引き抜いて、僕の足を持ち上げた。 「次は君の番だ」 男の人が先生を見て頷く。先生が僕に近づいた。 「ここまで来たら、もう、やるしかないな」 そう言いながら僕ににじり寄る。先生の太いペニスが僕の穴に押し当てられる。 「いくぞ、いいな」 僕は頷いた。そして、先生の太いものが僕をこじ開け、入ってくるのを感じた。 「あぁぁ」 僕は喘ぎ続けていた。あの太いもので犯されていた。あの時みたいに身体の奥で何かが起こっていた。それは全身に広がって、身体中で感じていた。身体が勝手に動く。上半身は仰け反り、腰は動き、左右に捻り、手はもがくように宙を掴んでいる。啓人君がそれを見ている。あの男の人も見ている。僕がもがき、感じ、よがるのを見ている。もちろん先生も見ている。男の人が先生の横に来る。先生は僕のお尻からちんこを抜く。入れ替わる。今度は男の人が僕に入ってくる。すぐに腰を動かす。また気持ち良くなる。そうやって二人で交代で僕に入れる。僕は喘ぎ続ける。啓人君の前で喘ぎ続けた。 啓人君が僕に近づいた。今は先生に掘られて喘いでいる僕を、そんな僕の顔を不思議そうな表情で見つめている。 「気持ちいいんだ」 僕に向かってそう言う。一瞬、僕は我に返る。その言葉の意味を考える。でもすぐにまたよがり始める。もう何も考えることは出来ない。ただ、お尻が気持ち良かった。 「先生、どいて」 啓人君が先生に言った。先生は、僕を掘りながら顔を啓人君に向けた。 「どけよ!」 啓人君が大きな声を出した。 「雄ちゃんは」 そして、先生を押しのける。 「雄大は俺のもんだ!」 啓人君のちんこが勃起していた。勃起してびくびくと揺れている。それを僕に押し付けた。 「啓人君・・・」 その瞬間、先生も、男の人も僕の視界から消え去った。僕には啓人君しか見えなかった。そして、その啓人君が僕に入ってくるのを感じた。 「ああっ」 身体中が喜んでいる。啓人君が少しずつ僕の中に入ってきている。 「雄大の中、すっげぇ暖かい」 そのまま入ってくる。 「ああ、啓人君・・・」 僕は手を伸ばした。啓人君が僕を抱き締めるようにして更に奧に入ってくる。 「ああ、気持ちいい・・・啓人君、すごいよ」 僕は啓人君・・・啓人に抱き付いた。啓人が僕の中で動いている。その熱さを感じる。硬さを感じる。激しさを感じる。 「はあああぁ」 身体が仰け反る。お尻を啓人に押し付ける。もっと啓人を感じたい。もっと啓人と一つになりたい。僕の身体の全ての感覚が、啓人と一つになる。僕の気持ち良さは啓人の気持ち良さ。そして、啓人の気持ち良さは僕の気持ち良さになる。二人の気持ち良さが一つに混ざり合い、僕は、啓人は射精した。二人同時に、一つの意識となって、僕等は射精した。 「おい、大丈夫か?」 繋がったままぐったりと動かなくなった僕等を先生とあの人が心配そうに見ていた。 「ああ、大丈夫です」 先に答えたのは啓人だった。そして、僕はまだ啓人が僕の中にいること、そして、まだ勃ったままだってことを感じた。啓人を見る。啓人も僕を見た。そして、僕等は僕等の望みを理解した。啓人はゆっくりと腰を動かし始めた。 「まだやるのか」 先生が少し呆れたような声を出した。そして、僕等を見ている。あの人も見ている。二人の大人に見られながら、担任の先生に見られながら、僕等はもう一度セックスをする。 「凄い中学生だな」 「学校では普通の中学生なのにな」 そんなことを言われながら、僕は啓人に入れられる。また感情が高ぶり、身体が仰け反る。身体だけじゃなくて心も繋がる。啓人が僕を愛しているその気持ち。僕が啓人を愛している気持ち。それが伝わり合い、一つに溶け合う。そしてまた、二人同時に絶頂を迎えた。 「こんな奴等だったとはなぁ」 僕はあの人に掘られていた。その僕の隣で啓人が先生に掘られている。さっきは僕が先生に掘られていた。そして、二人は入れ替わる。そうやって代わる代わる僕等は犯され、やがて二人は僕等の中で射精した。その間、僕と啓人はずっと手を繋いでいた。 「また、しましょうね」 2人ずつシャワーを浴びて、4人とも服を着終えたところで僕は言った。 「もう勘弁してくれ」 そう言ったのは先生だ。 「拒否するとバラしますよ」 今度は啓人だ。あの人はそんな僕等を笑顔で見ている。 僕にとって、今日は人生最高の日になった。愛する啓人に初めて入れてもらえて、そして、人生で一番気持ち良かった。先生に入れてもらったのも、あの人に入れてもらったのも気持ち良かったけど、啓人程じゃなかった。それが嬉しい。やっぱり啓人は僕にとって最高だ。啓人に入れるのも入れられるのも大好きだ。それが分かって僕は本当に幸せだ。啓人だって同じことを思っている。それは言わなくても感じる。たぶん、先生とあの人もそんな感じの関係なんだろう。同じような二組。だから、一緒にセックスすると、こんなに気持ち良くなるんだろうな。 「お前等、そんなことを言うんなら、覚悟できてるんだろうな」 僕は二度と啓人を疑わないと決心した。この先もずっと啓人と一緒に、啓人と愛し合って生きていく、そう決心した。啓人もそうだ。だから、僕等は今日、覚悟したんだ。 先生の言葉に僕等は頷いた。 <第八の嗜好 肆 完> |