- URA HON-KIMO Natsuyasumi Special-


裏・第12話 入れない部屋 洋輔サイド

暗い部屋で僕は目が覚めた。
「ここ・・・どこ?」体が痛かった。両手はしびれてたし、足も痛かった。でも、体を動かすことができない。
「どうなってんの・・・これ」少しずつ、記憶がよみがえり始めた。
あの公園での出来事・・・たっちゃんが・・・犯されてた。それを喜んでたたっちゃん、それを見て感じちゃってた僕・・・そして。
そうだ、あのとき、公園から走って逃げようとしたとき、誰かに肩つかまれて・・・なんか顔に押し当てられたんだ。そして・・・
(いったい、なにがどうなったの?)
(なんでたっちゃんは僕を呼びだしたの? なんで犯されてるの? なんで、僕がここにいるの?)
(ここ、どこなの?)

ようやく目が慣れてきた。広い、コンクリートの部屋に僕はいた。僕は、その部屋の柱に縛り付けられてるみたいだった。柱の角が腕に食い込んで痛かった。
(誰か・・・お願い、ほどいてよ・・・)

目の前に現れたのは、公彦と男だった。男は体が大きく、服の上からも筋肉質な体つきが何となくわかった。
「き、公彦、なんで、公彦がここにいるの? 僕、いったいどうなっちゃったの?」
「洋輔を犯したいってやつがいてね。で、悪いけど、来てもらったんだ」
「な、なに言ってるの、公彦」
「洋輔って、かわいいんだね。まだ全然毛も生えてなくて」
「な、なんの話?」そして、僕は初めて自分が全裸であることに気が付いた。
「いやだ、見ないでよ」でも、公彦は僕のあそこに顔を近づける。
「ほんと、お子ちゃまのおちんちんって感じだな。オナニーはしたことあるんでしょ?」
恥ずかしい・・・顔が熱かった。なにも答えられなかった。
「まぁ、いいや。そのうちすぐわかるから」公彦達はそういってこの部屋から出ていった。僕はまた暗い部屋に一人で取り残された。

僕は目をつぶった。これは夢なんだ、きっと目を開けたら、僕は自分のベッドで寝てるんだ。そうであってほしいと願った。無駄だと思いながら・・・

いつの間にか、僕はうとうとしてたみたいだった。こんな時に眠るなんて・・・自分でも変だと思った。何か物音がしたような気がした。そして・・・ドアをたたくような音がした。僕はその音で反射的に目を開けた。
ドスン、ドスン・・・その音は5回位続いただろうか。単にたたくというような音ではなく、何かがドアを破ろうとしているみたいだった。
(今度はなんなの・・・もう、やめてよ、お願いだよ)僕の目から涙がこぼれた。

ドアの音がやむと、今度は窓ガラスをたたく音がした。僕は窓の方に目をやった。そこには・・・
(たっちゃん!!)
僕を助けにきてくれたんだ! たっちゃん・・やっぱりたっちゃんだ!

たっちゃんが必死な顔で窓ガラスをたたいていた。でも、窓ガラスはびくともしなかった。そして、男が僕の前に現れた。さっきの男だった。今度は一人きりだった。男は、手に持っていた棒のようなものを僕に見せ、そしてそれを床に振り下ろした。ムチってやつだった。鋭い音がこの部屋にに鳴り響いた。僕は怖くて・・・また泣きそうになってた。お願い、たっちゃん、助けて!

男は、腕を振り上げ、僕に向かって振り下ろした。
体に火が付いたような痛みが僕を襲った。
「いぃ・・・」僕はうめきながら、また男が腕を振り上げるのを見つめていた。
(たすけてたっちゃん!!!)再び腕が振り下ろされた

死ぬんだ・・・そう思った。それほど激しい痛みだった。
(たっちゃん・・・たすけて)でも、たっちゃんは、窓の向こうでなにもできず、僕を見ていた。そして、たっちゃんの姿が見えなくなった。

男はムチを振るう手を止めた。

窓の向こうに公彦が現れた。と、たっちゃんの姿も見えた。2人が何か話してる。時々僕の方をみながら。なんか、言い争ってるみたいな・・・僕のこと? でも、じきにたっちゃんが公彦に頭を下げる。
(なんで、頭なんかさげてんだよぉ)そして・・・
(なにしてんの、たっちゃん、なんなんだよぉ、いったい)僕の目の前で、公彦の目の前で、たっちゃんは服を脱ぎ始めた。さらに、たっちゃんは・・・公彦のものを口でしていた。まるで僕に見せつけるかのように。そう、あのときのように、僕の方をちらちら見ながら・・・
(たっちゃん・・・そんな・・・)僕の希望が崩れていった。

そして、また僕はむちで打たれた・・・痛みが少しずつ遠のいていく。目の前が赤く染まる・・・そして暗くなった。


僕は・・・気絶してたんだと思う。目が覚めたとき、僕は床の上にいた。両手が横にのばした状態で縛られてた。その手首に、左右の足首も一緒に縛られてた。口にはなにか押し込まれていた。息が苦しかった。背中が痛かった。でも、まだそのときはましだった。

たっちゃんが、公彦と一緒に僕の前に現れた。たっちゃんは裸だった。そうだ、さっき・・・たっちゃんは、公彦としたんだ。僕に見せつけたんだ。僕は縛られて、ムチでたたかれてるのに、たっちゃんは・・・

「さあ、はやくやっちゃいなよ」公彦が言った。そのとき、前に公彦が言った言葉を思い出した。『洋輔を犯したいってやつがいてね。』それって・・・ま、まさか・・・
「洋輔を犯したいんだろ、さあ」たっちゃんが、僕の前にひざまづいた。
(嘘だろ、たっちゃん、やめてよ、嘘だって言ってよ!!)
たっちゃんは、僕のお尻を広げると、お尻の穴をなめ始めた。

たっちゃんは、僕のお尻の穴に舌をねじ込んできた。
(たっちゃんが・・・僕を、犯したかったなんて・・・信じてたのに・・・信じていたかったのに・・・)僕の目から涙があふれた。
(僕・・・こんなやつを信じてたんだ・・・僕って・・・馬鹿だ・・・)
たっちゃんは一瞬僕の涙を見た。でも、そのあと、また僕のお尻に顔を埋めた。

まず、指を入れられた。何度も何度も出し入れして、唾つけて、また出し入れして・・・お尻の穴がひりひりしていた。僕はもう、誰も信じられなくなっていた。

お尻がさけるような痛みが走る。たっちゃんが無理矢理僕に入ってくる。涙がぽろぽろ出てきた。お尻が痛かった。手も、足も、背中も腰も痛かった。でも心が一番痛かった。たっちゃんを信じられなくなったことが、たっちゃんに裏切られたことが一番痛かった。涙が止まらなかった。

それでも、たっちゃんは僕を犯し続けた。


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