裏・ホントの気持ち


第12話 入れない部屋

洋輔が、ゆっくり後ずさり、そして走り去った。
(もう、洋輔に軽蔑されたんだろうな)そう思いながら、それでも達也は2人の男に犯され続けた。

ようやく解放されたのは、夜が明け始めたころだった。家に向かってとぼとぼと歩いていた。さんざんアナルを犯されて、歩くのもつらかった。今日は祭日で学校休みだから・・・昼過ぎまで寝てよう。そう思った。そして、家に帰ると布団にもぐり込んだ。

携帯の音で目が覚めた。公彦からのメールだった。時計を見る。もう夕方に近い時間だった。達也はあわてて飛び起きると、携帯メールの命令に従って、近くの、いまは使われていない古い建物に向かった。
メールに従って、建物の3階にあがる。窓には板が打ち付けられ、建物の中は薄暗かった。一番奥の部屋に向かう。その部屋で待つよう、メールに書かれていた。ドアに手をかける。開かない。廊下を回り込んで、室内が見える窓からのぞき込む。暗くてよくわからないけど・・・
誰かがいる。ようやく目が慣れてくる。洋輔? 洋輔だ。しかも・・・裸で柱に縛り付けられていた。

(なんで洋輔が、しかも、なんで裸で縛り付けられてんだ?)そして、達也は洋輔も奴らの罠にはまったことに気が付いた。
(だめだ、洋輔はだめだって)達也はなんとかドアを開けようとした。体当たりしてもびくともしない。あきらめて、廊下を回る。さっきの窓ガラスを割ろうとした。しかし、手でたたいた位では歯が立たない。近くに落ちていた角材でたたいてもひびすら入らなかった。どうやら、特殊なガラスのようだった。

窓ガラスをたたく音で、洋輔が達也の方をみた。そして、達也に気づく。
(早く、早く洋輔助けないと・・・僕みたいになっちゃう!)達也は焦った。しかし、その部屋に入るすべはなかった。

窓ガラスの向こうの洋輔の前に男が現れた。男は手に何か持っていた。男が腕を振り上げる。次の瞬間、部屋の中から、その音が漏れ聞こえた。音は遮られ、小さな響きしか聞こえなかった。しかし、それは明らかに洋輔の体を傷つける鞭の音だった。
それは何度も何度も聞こえた。

洋輔の目が、達也に助けを求めていた。
(洋輔!)無駄とわかっていながらも、何度も窓ガラスをたたいた。達也は自分の無力さを思い知った。
(ぼ、僕・・・なにもできない・・・洋輔、助けてあげられない・・・)達也は窓のそばで膝を折り、目をつぶり、耳をふさいでしゃがみ込んだ。しかし、洋輔に加えられる苦痛の音、鞭の音は達也の耳から消えることはなかった。

急に鞭の音がやんだ。達也は目を開けた。自分の前に人が立っていることに始めて気が付いた。
「約束したじゃないか、洋輔には手を出さないって」目の前の公彦につかみかかった。
「僕は、なにもしてない。約束をやぶってなんかいないさ」公彦は平然と言った
「だ、だましたな、公彦!」
「それより、この手はなんなの? 奴隷のくせに、こんなことしていいと思ってるの?」公彦が達也の手をつかんで言う。
「せっかく洋輔を助ける方法を教えてあげようと思ったのに」
「うるさい、おまえなんか・・・」達也は完全にキレていた。しかし、公彦の次の言葉が達也を押しとどめた。
「じゃ、このままここで洋輔が犯されるの見てれば?」(お、犯される・・・ 洋輔が犯されるって?)
「ま、まって、洋輔助けてよ」達也はうろたえた。洋輔にはそんなことされたくなかった。
「じゃ、まず、僕に向かって失礼なこといったの、謝ってもらわないと」
「わ、わかった。ごめん」何とか怒りを抑えていった。でも、声は震えていた。
「ごめん? それであやまってるつもり? いいよ、別に僕はあやまってもらわなくても」
「ど、どうすればいいの?」(洋輔のためだ・・・)自分に言い聞かせる。
「そうだな。まず、裸になって」
「ここで?」
「別に外で裸になってもらってもかまわないけど?」僕は逆らわなかった。逆らえなかった。公彦の前で、洋輔の前で裸になった。
「じゃ、僕の、口でして」公彦は、ズボンのチャックを下ろした。

洋輔が見ている前で、僕は公彦のものを口に含んだ。早くいかせないと、早く洋輔を助けないと・・・洋輔の目の前ですることには抵抗を感じた。屈辱だった。でも、洋輔を助けるには、こうするしかなかった。
公彦が口の中で放出した。僕はそれを当然のように飲み込んだ。
「だいぶうまくなったじゃない。それじゃ、洋輔を助ける方法を教えてあげるよ」

「達也が洋輔を犯すんだ」僕は公彦の言葉が一瞬理解できなかった。
「な、なんで・・・洋輔、助けるのに・・・」
「このままだと、あいつらにいじめられて、最後には犯されるんだよ、洋輔は。でも、達也が洋輔を犯せばそれで終わりにしてあげる。あいつらにさんざん痛めつけられて犯されるか、それとも達也が犯すか、好きな方を選べば良いよ。ぼくはどっちでもかまわない」
「そ、そんな・・・」
僕はどうすれば良いのかわからなかった。そんな僕の目の前で、再び洋輔に鞭が振り下ろされた。


僕は洋輔の前に立っていた。洋輔は、あのときの僕のように、仰向けに、足を広げて縛り付けられていた。僕は、洋輔を犯すことを選んだ。あいつらに犯させることなんて絶対できないと思ったから・・・

「さあ、はやくやっちゃいなよ」僕の横で公彦がいう。
「洋輔を犯したいんだろ、さあ」
僕は、洋輔のまえにひざまづき、洋輔のアナルをなめ始めた。洋輔が猿ぐつわの奥でうめいた。

ローションもなにもないまま、僕は洋輔を犯した。なるべく痛くないように、アナルを十分なめたつもりだったけど・・・洋輔の苦痛にゆがむ顔から目がはなせなかった。涙を流す洋輔。それでも僕は洋輔を犯し続けた。


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