豪を征す
「あ、あいつだよ。ほら」 「へぇ〜。案外ちっこいじゃん」 「あれで県大会優勝するんだぁ」 豪はそんな噂も聞き流せるようになった。先月の柔道県大会決勝で昨年の県大会覇者を開始早々あっさり大外刈り一本で倒し、全国大会出場を決めたときから彼の周りには常に噂がつきまとっていた。地元の新聞にも期待の新人と書き立てられ、はじめはやたらと気になったが、そのうち気疲れし、今はもう平気で聞き流せるようになった。 昨年は大会には出場しなかった。柔道部にも入っていなかった。彼はそういうのが嫌いだった。自分が好きなことをやるのに大会も部活も必要ないと思っていた。しかし、豪の新しい父親は、そんな豪を説得し、柔道部への入部と県大会への出場を勧めた。 豪はつい1年ほど前まで、母親と二人だけで暮らしていた。彼の父は、彼に柔道を始めるきっかけを与えると、まだ小学校低学年の豪とその母親を残して事故死した。それ以来、豪は母親以外の人とは親しくなろうとしなかった。そんなかたくなな豪の心に入り込んだのは、母親がずっと世話になっていた男だった。その男は豪を単に少年としてではなく、男としてあつかった。時には厳しいことも言った。そんな男の態度を、いつしか豪は父親とだぶらせるようになった。男と母親が再婚を決める時も、豪は心から賛成した。「僕のお父さんになってください。」普段はぶっきらぼうな豪のそんな言葉に男と彼の母親は決心した。豪が中学1年生のときのことだった。 中学2年になったとき、新しい父親に勧められて、それまでは毛嫌いしていた部活という物に入部してみた。思ったより楽しかった。それまで友達がいなかった豪にも、友達ができそうな気がした。 男も再婚だった。男にも子供が一人いた。幸太。中学1年生、豪の一つ年下、弟になる存在だった。豪にとって、幸太の社交的な明るい性格は、はじめはうっとおしかった。しかしながら、「たけ兄ィ」と呼ばれ慕われるのは悪い気がしなかった。今までいなかった兄弟もできた。いつしか豪は弟思いの兄になっていた。 そして、県大会優勝。豪にとって、今までとは違う世界のような気がした。 ある日、幸太の帰りが遅かった。豪は心配して探しに行ってみた。学校の周りには幸太の姿はなかった。いつも遊んでいる友人宅にも行ってみたが無駄だった。弟の姿を求めて歩き回るうちに、近所の廃屋から幸太の声がしたような気がした。その家の周りは高い塀があり、外から中は見えなかった。そっと忍び込んで、ガラスの割れている窓からのぞいてみると、男たち4人が全裸の幸太を押さえつけていた。男たちも裸だった。おそらく高校生くらい、豪の見たことがない顔だった。幸太の顔は涙で濡れていた。 豪は思わず窓から中に入り、男の一人に体当たりした。「やめろぉ!! 幸太に何してんだ!!」そう叫びながら。一人目は豪の体当たりをまともに受けて転倒した。豪は次の男に襲いかかろうとした。が、別の男に羽交い締めにされた。柔道で1対1なら高校生にも負けない自信があった。しかし、さすがの県大会覇者も4人の男にはかなわなかった。豪は男たちに押さえつけられた。 豪は柱に縛り付けられた。そして、その男たちは再び幸太を犯し始めた。 「助けて、たけ兄ィ!」幸太は泣き叫びながら、豪の方を必死で振り返っていた。 「やめろ、幸太に手をだすな。やるなら、俺をやれ!」 男たちは幸太を犯す手を止めた。豪は男たちに取り囲まれると、あっというまに全裸にされた。男たちの手が豪のペニスやアナル、乳首をもてあそぶ。豪は男たちに犯された。幸太の目の前で。 男たちはもう幸太には手を出さなかった。その代わり、豪の未開発のアナルを何度も犯した。豪は幸太のために歯を食いしばり、アナルの激痛に耐えた。涙を流しながら。 「ごめん、たけ兄ィ、僕のために」男たちから解放されると幸太はそういった。 「このことは、僕とたけ兄ィだけの秘密にしよう。絶対に、誰にも言わないでおこう」 「いいのか、幸太?」 「だって、たけ兄ィ、こんなことされたなんて人に知られたら・・・」 「わかった、俺たちだけの秘密だ」豪は幸太を抱きしめた。 それで終わるかと思っていた。しかし、それから豪は男たちに毎週呼び出され、犯された。幸太には言わなかった。毎週呼び出され、幸太の代わりに自分が犯されていると知ったら、幸太がつらいだろうと思った。自分の胸だけにしまって、自分が幸太の身代わりになろうと決意していた。 男たちに呼び出されると、豪は男たちの言いなりになった。彼らにアナルを犯され、口でくわえさせられた。そんなことがずっと続いた。 そして、全国大会の日がやってきた。 豪は観客席に両親の姿を認めると、笑顔で軽く手をあげた。父親が立ち上がり、何か豪に向かって叫んでいた。聞き取ることはできなかったが、それでも「お父さんも見ていてくれるからがんばれ」と応援してくれていることはよくわかった。その期待通り、1回戦、2回戦は危なげなく一本勝ちで順調に勝ち進んだ。 3回戦はそうはいかなかった。相手は3年生、体格の差は歴然だったが、それ以上に力の差は大きかった。相手に振り回されながら、しかし冷静に足を払った。このとき奪った技ありでなんとか判定で勝ち進んだ。「やっぱり県大会とはレベルが違う」豪はそう思った。しかし、優勝できる自信はあった。 「豪、ちょっとこいや」3回戦が終わり、控え室で足をマッサージしていた豪が顔を上げると彼らが立っていた。控え室は出場者と関係者以外立入禁止のはずだった。豪はこんなところでもめ事を起こしたくなかったので、男たちに素直に従った。男たちは、豪を3階に連れて行った。そこは役員以外立入禁止のフロアのはずだった。そして、トイレに連れて行かれた。トイレのドアには「清掃中」の札がかかっていた。 「下を脱げ。」男の命令に豪は逆らえなかった。下履きを脱ぎながら、男たちにお願いした。 「まだ試合があるんです、今は勘弁してください。」 「壁に手をついてけつを突き出せ。」命令だった。逆らえなかった。男たちは、豪のアナルをなめ、指で十分に広げると、バックを掘り始めた。4人全員が豪の中に放出した。そのまま男たちは豪に柔道着を着用させた。 「このまま試合に出るんだ。俺たちがお前の中に出してやったものを絶対に漏らすなよ。もしも少しで漏らしたら、おしおきだからな。」 豪は4回戦に望んだ。試合どころではなかった。必死でアナルをしめ、何とか彼らの精液を漏らさないように努力した。そのために体が思うように動かない。技もなかなか出せず、指導を受けた。何とか技を放っても有効止まりだった。それでもかろうじて判定で勝ち進んだ。試合が終わると、男たちが待っている3階のトイレに向かった。漏らしていないかどうか、確認されるために。しかし、豪にはわかっていた。おしりのあたりががぬるぬるしていた。お仕置きを覚悟していた。 男たちのお仕置きは張り型だった。豪は男たちの前に再びアナルをさらすと、そこに今まで入れられたことがないような太い張り型をはめられ、さらに抜けないようにひもで固定された。もちろん、そのまま試合に出場させられた。 5回戦、今度の相手は強かった。アナルを気にして動きのよくない豪は相手の投げ技を食らった。なんとか体をひねって技ありに押さえたが、受け身をとった瞬間、張り型が豪のアナルにめり込んだ。自分の体がさけるのを感じた。苦痛を押し隠してなんとか技ありを取り返し、時間ぎりぎりで再び技あり、合わせ技一本で勝利した。豪の顔から脂汗がにじみ出ていた。 試合後、豪はアナルの痛みで普通に歩くことができなかった。周囲の人は足か腰を痛めたのかと心配したが、豪は大丈夫と笑顔を作りながら控え室に向かった。そのまま控え室を通り過ぎると、3階へと階段を上がって行った。 次の試合はコックリングだった。豪にとって、もう試合は中学生相手の柔道の試合ではなくなっていた。男たちに与えられる苦痛、お仕置きとの戦いだった。そして、準決勝は恥ずかしさとの戦いになった。「あと2つ」そうとなえるようにつぶやきながら、豪は少し前屈み気味で、コックリングをつけられ勃起している股間をなんとか気付かれないように試合場に向かった。 股間を隠そうと不自然な構えの豪には、技はなかなか放てなかった。相手の投げ技をくいそうになる。何とかこらえたが、相手の手が豪の股間に触れる。やばい、そう思った瞬間、足を払われて寝技に持ち込まれた。主審が相手の効果を宣言している。相手は豪の股間に気が付いていた。寝技に持ち込みながら、確かめるように股間をさわってきた。そして、耳元で相手がささやいた。 「なに考えてんだ、この変態。」 押さえ込みで効果が有効になった。早くはずさないとと焦る豪は、相手に股間を押しつけることになるのを覚悟して体を反転させ、相手の体の上になった。勃起した股間が相手の胸に当たった。相手はすぐに手足を縮めて防御の態勢をとった。「待てっ」主審が試合をとめた。 相手の視線が痛かった。自分の顔と股間を交互に見つめられる。「始めっ」豪は一気にけりをつけようと相手の懐に飛び込んだ。 試合後の礼のとき、相手にさげすんだような目でにらまれ、豪は赤面した。勝者ではあったが、逃げ帰りたかった。相手は仲間と何事か言葉を交わしていた。時々豪の方を振り返る。きっと、勃起してたことを言ってるんだ。豪は激しい羞恥心に顔を真っ赤にしながら、もう一度あの男たちのいる3階のトイレに向かった。 トイレで男たちにコックリングをはずしてもらうと、豪は彼らの目の前でオナニーして果てた。 さっきの恥ずかしさに比べれば、この男たちの前でのオナニーなど大したことはなかった。 「あと一つで終わる、今度の決勝さえ勝てば・・・」 そう思っていた豪に彼らは意外なことを言った。 「決勝は実力を出せるように、何もしない。その代わり、必ず勝つんだ。わかったな。」 「は、はい」男たちの意外な言葉に豪の顔がほころんだ。しかし、その後男たちは続けて言った。 「主審がお前の勝ちを宣言したら、お前はその場で柔道着を脱ぎ捨てて全裸になるんだ。」 思わず赤面して、豪は叫んだ。「そ、そんなこと、できません!」 「そうしなければ、こいつがどうなっても知らないからな。」そういうと、男はトイレの個室のドアを開けた。そこには服の上からロープで縛られた幸太がいた。 「たけ兄ィ、助けて・・・」 幸太はそう弱々しくつぶやいた。 時間が迫っていた。豪は迷った。迷ったまま、最後の戦いに挑んだ。そして、決勝戦の相手と向かい合った瞬間ひらめいた。 「そうだ、俺が負ければいいんだ。俺が負けたときのことなんてあいつら何も言わなかった。そうだ、負けよう。」 「始めっ」 ふっきれた豪の体の動きはよかった。本来の豪の動きだった。 「負けるのにもあっさり負けると怪しまれるから、一応がんばったふりはしておかないと・・・」 そう思うことで余裕もできた。相手は強かった。組み合った瞬間それがわかった。 白熱した決勝戦となった。技の掛け合いに場内がわいていた。特に小さい体の豪が責めると歓声が上がった。豪が有効と効果、相手は技ありと有効をとっていた。 「このままいけば怪しまれずに負けられる」そう思った瞬間、豪の注意が一瞬自分を応援してくれる人たちに向けられた。その隙を相手は見逃さなかった。小外刈りを仕掛けてくる。本能的にかわす豪。次の瞬間、相手の懐ががら空きだった。豪が考えるより先に体が反応していた。 「だめっ」すでに豪の腕は相手の奥襟をつかみ、足が飛んでいた。大外刈り、豪の得意技だった。 豪は半ば放心状態で相手の体に自分の体を重ねていた。相手が自分の下にいた。主審の声が会場に響いた。 「一本、それまで!」 「うぉー」歓声がどよめいた。好勝負を、勝者を、そして敗者をたたえる拍手が巻き起こった。 「そ、そんな・・・」 歓声と拍手の中で豪は放心状態だった。 主審に促され、試合場の中央で相手と向かい合った。主審の手が上がり、豪を指した。 「勝者、福原 豪」 再び歓声がわき上がった。しかし、豪の耳には入らなかった。 その宣言は、豪にとってまさに死刑の執行を宣言するものだった。 震える手で帯をほどき、上着を脱いだ。 歓声とどよめきの中、豪は下履きのひもをほどくと、一気に下着ごとずり下ろした。どよめきが一瞬静まりかえった。 「本当に脱いじまったぜ、あいつ。」 男たちが通路の陰からその光景を眺めていた。男の後ろの少年が言った。 「柔道しか能のない馬鹿だからな、たけ兄ィは。」 「しかし、始めからお前が俺たちとつるんでおとしいれたなんて知ったらショックだろうよ。」 「大丈夫だよ。たけ兄ィ馬鹿だから気付きゃしないよ。それより、ねぇ・・・続きしようよ。」 少年の手が男の股間にのびた。 「まだやりたりねえのか、このスケベが。さっき入れてやったばっかだろうが」 そういうと、男たちは幸太を連れてトイレに向かった。 柔道場では全裸の豪が立ちつくしていた。彼の頬を伝って涙が流れ落ちていた。 (完) |