豪2
大会役員があわてて駆け寄ってきた。 「いったいなにやってるんだ、早く道着を着なさい」そう言うと、豪の足下に落ちている道着をつかんで豪の腕に押しつけた。しかし、豪は受け取らなかった。役員は業を煮やすと、道着で豪の下半身を覆い、豪を会場から抱きかかえるかのように連れ出した。 「こんな馬鹿なことは初めてだ。全く、道場を何だと思ってるんだ」役員は豪をなじった。そして、そのまま豪を役員の控え室に連れていった。途中で道着が廊下に落ちたが、役員はそれを拾おうともしなかった。豪は全裸で廊下を引きずられていった。会場からは、ざわめきと笑い声が聞こえていた。会場の半分はなにが起こったのか理解できず、残りの半分は豪を嘲笑していた。ほんの少し前まで、彼らの試合を熱く応援していた人までもが豪の異常な行動を笑っていた。 豪は役員室の隅でパイプ椅子に座っていた。別の役員が全裸で座っていた豪の肩に、役員用の青いブレザーを掛けてくれた。しかし、それは豪の下半身までは覆い隠してはくれなかった。 やがて、豪の前に3人の初老の男が現れた。その3人は、この大会の責任者と思われた。彼らは口々に豪に質問した。 「君はいったい、なにを考えているんだ」 「なにがしたかったんだ、君は。なにが気に入らないんだ、え?」 「君がしたことは、我々を、そして柔道そのものを愚弄する行為だということはわかっているね?」 豪はなにも答えなかった。自分でもよくわからなかった。あいつらに幸太が捕まっていた。だから・・・あいつらの命令に逆らえなかった。ほんとに逆らえなかったの? 僕は、何で・・・勝っちゃったの? なんで・・・ 「そうか。君がそういう態度ならば仕方がない。君は失格だ。君の本大会でのすべての成績は抹消されることになる」 「今、ここでなぜあんなことをしたのか、我々に納得のいく説明をしてもらえないなら、それも仕方あるまい。どうするね、福原君?」豪はなにも答えなかった。 「そうか。それでは仕方がない。君の本大会でのすべての成績は抹消する。そして、君が今後柔道を続けるにふさわしい者かどうかにつても協議させてもらう。追って連絡があるまで、一切の柔道に関係する活動を禁止する。いいね」有無を言わせない決定だった。男たちは、それでもなにも言わない豪を後に残して席を立った。 責任者が去っていった後も、豪はずっと椅子に座っていた。このまま消えてなくなりたい、そう思った。この部屋に出入りする大人たち、彼ら全員が自分を嘲笑しているような気がした。豪はうつむいて、誰の目にもとまらないように、とにかくじっとしていた。みんなが自分を無視してくれればいいと感じた。 「はぁ、あん、あっ、はぁ、あ、ぁあ・・・」幸太のボーイソプラノのような声が、3階のトイレに響いていた。 「おい、そんなにでっけぇ声出すなよ、聞こえちまうじゃねーか」幸太を後ろから犯している男が幸太の口を押さえながら言う。 「なんか、いつもより感じてるみたいだけどよ、場所考えろよな」そういって、別の男が幸太の前に自分のペニスをつきだした。幸太はそれを夢中でくわえる。 「どうしちまったんだ、こいつ。いつもの数倍淫乱してるぜ?」3人目の男が幸太のペニスをしごきながら言う。幸太はその男のペニスをつかむと、さっきの男のペニスと交互に口に含んだ。その間もずっと、幸太は大きな声を上げていた。 (誰かに見られてもいい。見られたい。僕もたけ兄ィみたいに、恥ずかしいところ、見られたい) (僕が犯されて、恥ずかしいことしてるとこ、見られたい)幸太は思っていた。幸太の脳裏に、大勢の観客の前で下履きを脱ぐ兄の姿が浮かんだ。いや、それは豪ではなかった。幸太自身だった。幸太は観客の視線を痛いほど感じながら、下履きを、下着をゆっくりと下ろしていった。ペニスが露出する直前で少し手を止める。観客の視線が幸太の股間の一点に集まっているのを感じる。そんな視線のなか、幸太はさらに下着を下ろす。幸太のペニスが露出した。そのペニスは完全に勃起し、先走りで濡れていた。 「んあぁ・・・」一段と大きな声とともに、幸太の精液がほとばしった。今までにないほどの量だった。放出してしまったあとは、足に力が入らなかった。立っていることもできなかった。男たちは幸太を抱きかかえ、一人は幸太の手の中で、一人は幸太の口の中に、もう一人は幸太のアナルにそれぞれ放出した。その瞬間、幸太のペニスから、再び精液が噴出した。先ほど出したばかりとは思えない量だった。(僕はこいつらに犯されている。たけ兄ィを犯したこいつらに。僕も、たけ兄ィみたいに・・・堕とされたい。たけ兄ィと一緒に堕ちていきたい。一緒にどん底まで堕ちて・・・たけ兄ィに犯されたい!)自分の精液と、男たちのそれにまみれて、幸太は三度目の絶頂を迎えた。 学校では、誰も相手にしてくれなくなっていた。柔道部も退部させられた。もう、豪には柔道をやることは許されなかった。せっかくできた友達も、まるでケダモノでも見るかのような目でしか見てくれなくなった。何度もあのときの写真がばらまかれた。もう校内には、豪の異常な行動を知らない者はだれもいなかった。 豪は再び孤独になった。友達なんていらない、そう思っていた時も孤独だった。だが、一度友達が出来かけて、毎日が楽しくなりかけたあとの孤独はつらく重苦しかった。そんな豪の相手になってくれる数少ないなかの一人が幸太だった。幸太は毎日あの時のことを謝っていた。もう、いいから、と言ってもやめなかった。本当は、もうそのことには触れられたくなかった。だが、きっと幸太も辛いんだ、そう思うと、それ以上は言えなかった。幸太の気が済むまで、我慢して聞いてやるしかなかった。豪は幸太を抱きしめ、幸太を慰めた。 そして、あいつら。あの男たち・・・ 豪はあいかわらずあの男たちに犯されていた。あれから、ますますエスカレートしていた。しかし、豪にとって・・・彼らに犯されている間は孤独を感じずにすんでいた。そんな思いが、豪を彼らとの行為に駆り立てた。豪は進んで男たちに抱かれるようになっていた。その行為に喜びすら感じるようになっていた。 男たちの言いなりにどんどん堕ちていく兄を、そんな兄と男たちの行為を、幸太はいつも見ていた。猿ぐつわをかまされ、涎を垂らしながらけつをふる豪の姿を、豪に気づかれないように、物陰からそっと、勃起したペニスを握りしめながら見ていた。 幸太はそんな兄の変わりようにぞくぞくしていた。兄に謝り、兄の前で泣き、兄が抱きしめてくれる。そんな兄の背中で、幸太は薄笑いを浮かべていた。 (もっと、堕としてやる。ずっとずっと、あのときのことを思い出させてやる)そう思っていた。兄の堕ちていく姿に身震いするほどの興奮を感じていた。 (とことん堕ちるとこまで堕としてやる。そして・・・)幸太はそんな兄に犯されることを夢見ていた。 男たちは、深夜の公園に、全裸の豪を連れ出した。豪が身につけているのは、首輪とアナルに入ったバイブだけだった。ペニスは勃起していた。歩きながら、ずっとしごいていた。首輪についた鎖を引かれ、豪は夜の公園で犯されていた。 「おい、今日はごちそうがおちてるぞ」男が地面を指さしていった。豪は、自ら四つん這いになると、男が指さしたものを口にくわえた。それは犬の糞だった。豪は犬の糞を半分くわえ、かみ砕いた。男たちのさげすんだ目の中で、犬の糞を食べながら、豪はオナニーした。そして、大量の精液をぶちまけた。 「元日本一が、情けねー姿になっちまったもんだな」男はそういうと、豪のアナルに入っているバイブに足をかけ、それを押し込んだ。 「はあぅ」豪が反応する。 「好きな柔道ができなくても、こうして堕としてもらえればおまえは幸せだもんな」豪は相変わらず勃起したペニスをしごいていた。 彼らが去っていった公園に、人影が現れた。幸太だった。幸太は豪が犯されていたあたりにしゃがみこんだ。目の前の地面には、豪が放出した精液があった。四つん這いになり、それをなめた。その少し先に、豪が食べた犬の糞の残り半分が落ちていた。幸太はそこまで四つん這いのまま這っていくと、その犬の糞をくわえた。かみ砕く。咀嚼する・・・幸太は四つん這いのままズボンと下着をずりさげてオナニーを始めた。 「はぁ・・・たけ兄ィ・・・」幸太は自分のアナルに指を入れる。1本、2本・・・そして3本。 「あぁ、たけ兄ィ・・犯して・・・犯して・・・」まもなく、幸太は絶頂を迎えた。 男たちは、自分たちが豪を堕としていると思っていた。しかし、彼らを操っているのは幸太だった。幸太は男たちに抱かれることで、彼らを操っていた。豪を堕とす筋書きも、幸太が彼らにそれとなく与えたものだった。そして、幸太は男たちに提案した。それは幸太の秘密の計画だった。 豪はあの廃屋で、いつものように男たちに代わる代わる犯されていた。涎を垂らしながら男たちの言いなりになるのはいつものことだった。しかし、今日は少し違っていた。いつもなら、男たちに犯された後、彼らの目の前でオナニーして放出するはずだった。しかし・・・ 男たちは、豪の中に放出したあと、豪に目隠しをした。そして、壊れかけたソファの上に仰向けに横になるように命じた。豪は手探りでソファに横たわった。誰かが豪のペニスを愛撫する。暖かい感触に包まれる。誰かが口でしてるんだ・・・そう思った。人にされるのは初めてだった。 自分の体の上に誰かがいるのを感じる。その男は豪の上にしゃがみ込んでいるようだった。誰かペニスを握りしめる。そしてなにかあたたかいけど、、口でされた時とは違った感覚・・・ 「どうだ、豪。初めてひとのけつにいれた感想は?」そう訪ねられても、猿ぐつわのために答えられない。アナルにつめたい感覚が走る。誰かがアナルにローションを塗っている。豪のアナルになにか進入してくる。小さな電動音・・・バイブが豪のアナルに押し込まれていく・・・ 「う、うぅ、ん、うぐ、んぐ・・んん・・・」男たちは豪の”ツボ”を心得ていた。バイブで刺激を受けた豪の体が、少し赤味をおびてきた。バイブの刺激にあわせて豪の腰が上下する。すると、豪の上にまたがっている者のアナルに豪のペニスが食い込んでいく。豪はアナルの快感に身をゆだねた。自然と腰の動きが早く、激しくなる。豪は本能のまま、夢中で腰を突き上げた。 そして、男が豪の目隠しをはずした。 豪の上には、豪と同じように猿ぐつわをかまされた少年がいた。その少年、幸太のペニスは勃起していた。幸太自身も腰を動かしていた。 幸太だとわかった瞬間、豪は幸太の中で射精した。同時に、幸太のペニスからも白いものが勢いよく飛び出した。それは、豪の顔面にまで達した。 (僕の精液にまみれたたけ兄ィ。あいつらに縛られ、もてあそばれているたけ兄ィ。そんなたけ兄ィに犯されている・・・僕はクズだ。堕ちたたけ兄ィに犯されて喜んでいるクズだ・・・)そう思ったとたん、誰にもふれられていない幸太のペニスから、再び白いものがあふれでた。 豪は、このときの幸太の表情、男に犯されて喜んでいる表情、自分に入れられて感じている幸太の表情を一生忘れることができなかった。 これを境に、いままで男たちを操っていた幸太が、男たちの奴隷となった。豪と2人、とことんまで堕とされていった。それは幸太にとっては、無上の喜びであった。 これが、2人の血のつながらない兄弟に与えられた「つながり」だった。 (完) |