ハムラビ法典大賛成 by白き竜さま

−第一部−


「ほらっー早くしろよ〜」
『…』
「お前、オレに逆らったらどうなるかわかってるよな?」
『…はい』
「なら早くしろよ」
僕は今、教室の黒板側つまり教壇のある所に立たされ、その周りをクラスメイトに囲まれ、完全に逃げ場を失っていた。

今、僕に命令しているのは松野と言って、大きなグループ会社の会長の息子。 かなりの資産家で、この学園にも多額の援助をしている上に、大半の生徒の親族が松野のグループ会社に所属していることから、生徒だけではなく教職員含め学園関係者全てが松野を特別扱いしていた。
僕は転校生で、父親も松野のグループとは関係ない小さな会社に勤めているので、松野の顔色を伺う必要などはない。
会長はとても息子に甘く、松野に目をつけられた者は、例え松野の親族であろうと会長の力で辱しめに遭わされたり、精神的に追い込まれたりして、やがて消されていった。

会社だけではなくこの学園からも解雇や左遷は起こる。その後は生死の有無も判らない。まるではじめから存在していなかったかのように…

逆らえばどうなるか…そんなことは、中3になった今身をもって思い知る事になる。


「なぁ【乾(いぬい)】今回の罰ゲーム内容はなんだっけ?」
『そ…それは…』
「あぁ〜ん?聞こえねえよ。皆に聞こえるようにデカイ声で言えよ」
皆の視線が一気に僕に注がれる。

授業中に回覧と称して手紙が皆に回っていた。それが僕にだけ届かなかったことから、僕がこれから何をさせられるか知って集まったんだと思う。

『全裸で…的になります』僕がそう言うと周りが静かににやついた。


話は、僕が松野の奴隷になる事になったある事件にさかのぼる。

【罰ゲーム】と称したイジメが始まったのは、二学期の中間試験の結果からだった。

僕の家はそんなに裕福ではないから、高校は学費が安い公立へいくつもりで、夏休みには図書館へ通い必死に勉強した。
この学園に居れば高校や大学へは受験せずとも行けるのだが、多額の資金を要する。
その為、僕は普通に受験をするつもりで考えていた。結果、クラスでトップになったのだが、今まで松野より成績が上になったことなかったから、松野を陥れる陰謀だと怒りの矛先は完全に僕へ向けられた。
担任や学年主任からも
【バカなことを】と言われてしまい、クラスの規律を乱したとの言いがかりから【罰】を受ける事になってしまった。

担任から呼び出され、皆の前で松野に謝罪するよう言われた。
『うちは裕福ではないから勉強して、学費が安い公立へ行きたいと考えて何故いけないのですか?』
「乾、君の気持ちは解る。だが、松野を怒らせたら君はこの学園にいられなくなるかも知れない、私や乾のお父様にも飛び火するかも知れない。ここは大人しく松野に謝罪をしてくれ。なっ?」
そんなことを言われたら…僕は不本意ながらクラスの皆が見守る中、松野に謝罪をした。

「何、その眼?お前本気で謝罪する気あんの?」
『…あります。すみませんでした』
僕は拳を強く握り耐えた。「何か態度が気に入らないから、ここでパンツ一枚で土下座をしろよ。そしたら許してやるよ」
『…』
僕は怒りで体が震えた。今にでも殴りかかりそうだった。
【私や乾のお父様にも飛び火するかも知れない…】
担任の言葉がよみがえる。
僕はYシャツのボタンを外しTシャツを脱ぎ、制服のズボンベルトを緩めチャックを下げた。
そして…一気にズボンを脱ぎ白ブリーフ一枚の姿で土下座をした。
『すみま…せん…でした』
にやけるものや目を背けるもの反応は様々だった。
「ふんっ、今日はこれで許してやる」
なんとか落ち着いたけれど、僕が標的になったのはクラス中が悟っていた。
そして、僕が完全に松野の奴隷になったのは体育祭後のある事件からである。

【体育祭当日】
僕の出場する種目は、まぁそれなりの順位で特に目立つことはなかった。団体競技も普通だった。
問題は最終種目の【リレー】だった。
目立ちたがり屋で体育が得意な松野はアンカーに立候補していた。
運命の最終滑走で松野は転んでしまい、惜しくも優勝を逃した。
誰が悪いわけでもない。松野が転んでしまったのは仕方がない…誰もがそう思っていた。
でも、松野だけは納得しなかった。
それどころか…

「オレに恥をかかせたのは乾のせいだ。だから罰ゲームだ」

流石にそれはないだろうと皆が首をかしげた。

『誰も恥だなんて思っていないよ。だから松野が気にする必要はないよ』
「何だその言い方!気に入らねぇ。転けたオレが悪いが気にするなってことか?随分上からものを言ってくれるじゃねぇか」
『そんなつもりじゃ…』
「脱げよ。この前みたいにパンツ一枚で土下座しろ」
『だから、そんなつもりじゃないんだって…』

何とか松野を説得しようとしたが…無理だった。

「お前ら乾を押さえてろ」
僕の両脇にいたのが、僕の両腕を掴む。そして、松野が僕のジャージと短パンを一気に脱がし、ブリーフ姿を晒すと、今度はマジックを取り出し前穴のちょっと上の部分に【奴隷】と書いた。

「乾、その格好でシコって射精しろ。そしたら許してやる」
『何でそんなことしなければいけないんだ』

僕は松野に反発した。これが恐ろしい事態を引き起こす序章になってしまうとは…。

「お前、オレに逆らったらどうなるか解ってるよな?」
『えっ…』
「まぁいいや。今日は見逃しておいてやるよ。お前には…なっ」
『ど…どういうこと?』
「オレのパパが動けば、どうなるか解るか?」
『ま…まさか』
「オレがパパに言えば、お前の親父さんだって好きに扱えるんだぜ」
『ま…待って。父さんは…関係ない』
「あるね。子どもの不手際は親が責任とるものさ」
『松野…許してください。今から…射精するから』
「ふんっ、もう遅いんだよ。後悔して苦しめ」
松野は笑いながら去っていった。
松野が去って皆も散り散りになっていった。

僕は家に着くと【奴隷】と書かれたブリーフを脱ぎ自分の部屋のゴミ箱へ投げ捨てた。松野の去り際の台詞が気になったが、父さんはいつもと変わらない様子だった。今思えば平静を装っていただけなのかもしれない。

地獄の光景を目の当たりにしたのは、あれから2日後の事だった。

「乾くんちょっと…」
僕をこっそり呼んだのは、同じクラスで、お父さんが松野の会社に勤めている、【菅(すが)】だった。
『どうしたの?』
「あのね…僕のお父さんから送られて来たのだけれど…これ、乾くんのお父さんだよね」
そう言って見せてくれた動画には、信じられない光景が映っていた。

【動画再生】
「乾くん、約束の物は身に付けてきたかね」
『…はい…会長』
父さんは会長と呼ばれた人の前でスーツのズボンを脱ぐ、普段は穿かないブリーフ姿の父が映っている。サイズが小さいのか、ちょっときつそう
「確かに…私の息子の字体だ」
(えっ?)
ブリーフの前穴のちょっと上の部分に【奴隷】と書いてあるブリーフ
(な…なんで)
あれは…松野が書いた僕のブリーフ。確かに捨てたはずなのに…
「では、解っているね」
『…はい…』
父は身なりを整えると、皆が集まる会場へ…
再度スーツを脱ぎブリーフ一枚になりオナニーをさせられている。
【奴隷】と書かれたブリーフは、僕のだからサイズが小さい…
段々大きくなり、前穴からモノを取り出し、勢いよく扱く。
クチュクチュといやらしい音が響き渡り
『うっ…イきます』
多量の精液が辺り一面に飛び散った。
それを…父は膝間付いて舐めていた。
「私が本気になれば、君の勤めている会社を潰すことなど赤子の手を捻るようなものだ」
『申し訳ございませんでした。どうか…どうか…』
精液を舐めながら謝罪する姿を見て僕は涙が止まらなかった。

「乾くん大丈夫?」
『菅くん…見せてくれて…ありがとう。松野の会社ってやっぱり…』
「でも、乾君のお父さんは、松野グループに居るわけでもないのに…」

まさか…父さんにそんなことをさせるなんて…
僕は怒りと恐怖に震えた。
そして…更に僕は、地獄へ突き落とされる…

「お〜い。今日から罰ゲームのターゲットは…裏切り者の菅に決まったぞ」

菅がターゲットにされ理由は簡単だった。
誰かが僕にあの動画を見せたことを松野にリークしたのだ。

菅は震える手で何かをさせられていた。
「罰ゲームが決まったぜ」
『…』
菅の顔は青ざめていた。
菅はクラスの皆に囲まれ、一枚ずつ服を脱いでいく。全裸になり、透明のコップにオシッコをして、それを飲まされた。その後コップに射精もさせられ精液も飲まされた。
菅は嫌がりながらも泣きながら罰を実行した。
僕は、父さんだけではなく菅にまで酷い目に遇わせてしまい、後悔の涙が出た。
更に今回は、罰を受けたのにも関わらず、同じ罰内容を菅のお父さんも会社でさせられた様だった。
菅のお父さんが恥辱を受けている動画は、あっという間に流出していた。
菅は日を追う毎にやつれていった。

菅に対する【罰ゲーム】はしばらく続いた。
松野がいびる部活の部室で菅は射精させられたり、ライターでち○毛をやかれたり、授業をブリーフ一枚で受けさせられたり…
更に射精用のブリーフを作らされた。射精用のブリーフは段々黄色く強烈な匂いを放ち、それを口に含ませたり頭から被らされたり段々過激ないじめに発展していった。

担任は菅がいじめられていることを知りながら、何もしようとはしなかった。
それどころか、松野の機嫌を損なわせた菅が悪いと…そんな風に言っていた。

やがて菅は不登校になり、菅のお父さんも会社を退職し、気がつけば二人は何処かへ消えてしまったが、誰も心配などせず普通だった。まるで菅と言う存在が存在していなかったように…

「菅ぁ?んな奴のこと知らねぇよ。仮に居たとしても誰かさんのせいで学園にいられなくなったんじゃねぇの?」

胸が苦しくなった。
僕に関わった人が…ついに消された。
やっぱり僕が【奴隷】になるしかない
菅の受けた苦しみを僕が背負うと決めたんだ。

<第二部に続く>



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