男の屋敷に20人程のゲストが招かれていた。
彼等の中にニュースなどで見掛けるような顔は一人もいない。彼等は皆、そういう政財界の表側の者達を裏で操っている、この国の本当のトップだった。
彼等は皆、男と親しげに会話し、屋敷の庭を愛で、調度品や美術品についてあれこれ語り合っていた。
やがて夕食の時間となり、屋敷の中で最も広い部屋に皆が移動した。
その部屋には大きなテーブルがいくつか並べられていたが、中央部分は少し広く空いていた。その空いている部分を取り巻くようにテーブルが設置され、ゲストは皆、中央部分に向かうように座る形で椅子が配置されている。
男の簡単な挨拶から夕食は始まった。
食事の内容は、和食を中心としながらも世界中の食材や調理法を取り入れたものであった。
彼等はそれを食しながら歓談する。時々、中央の空いたスペースに彼等が持ち寄った美術品や工芸品が運び込まれ、それらを鑑賞したり、時には売買の話をしていた。
そうやって、夕食の時間はゆったりと流れていった。
やがて、メインの料理に差し掛かったところで、男が皆に声を掛けた。
「では、私の最近のコレクションを皆様にお目に掛けます」
皆、手を止めて男を見る。すると、部屋の大きな両開きの扉が開いて、使用人の男が4人がかりで丸いテーブルを、中央の空いたスペースに運び込んだ。
テーブルの上には何やら置かれているようだが、白い大きな布が被せられており、何があるのかは見ることが出来ない。
「さて、今回は久しぶりに面白い物を手に入れました」
男がその丸いテーブルの近くに立った。
「では」
白い布を掴んでそれを引き剥がした。分厚い、木製の丸いテーブルが露わになった。
その天板は二重になっており、上の少し小さい丸い天板は自由に回るようになっている。
「おお」
何人かのゲストが声を上げた。そのテーブルの真ん中に、少年が全裸で座っていた。
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