僕は洋輔とともに、堕とされることを望んだ。洋輔には悪いと思った。本当に? 自分の心に問いかける。違う。僕は、望んで洋輔を裏切ったんだ。洋輔の泣き叫ぶ姿が見たかったんだ。洋輔が犯される姿が見たかったんだ。これが、僕のホントの気持ち。僕にとって、洋輔は、快感を感じるための道具だったんだ。 ご主人さまに命令されて、僕は洋輔を犯した。洋輔の目が快感だった。必死に逆らおうとする洋輔を、僕は容赦なく殴った。何度も、何度も・・・ ぐったりした洋輔を、僕は犯す。洋輔の顔が苦痛でゆがむ。もっと痛い思いをさせたい。もっともっと苦しめたい。そうすれば、僕はもっと気持ちよくなる・・・ 僕は、洋輔の首に手をかけた。 息絶えた洋輔の顔面に、僕は射精した。ご主人様は、すでにいない。ここには、僕と洋輔しかいなかった。いや、少し前まで洋輔だったもの・・・ 洋輔を縛っていた縄をほどく。洋輔の顔面に付いた僕の精液をなめてきれいにしてあげる。洋輔にキスをする。そして、僕は縄を梁にかけた。部屋のすみに転がっている古ぼけた椅子を運んでくる。縄を輪状にする。もう一度、洋輔にキスをする。僕は、椅子にあがり、縄に首を通した。 「洋輔、愛してる」 そう小さく言うと、僕は足の下の椅子を蹴飛ばした。縄が、僕の首にゆっくりと食い込んだ。 僕は洋輔は僕を愛してくれてると思ってた。ずっと恋人だと思ってた。だけど・・・ 二人の関係が少しづつ変わっていった。あいつのせいだ、と思う。あいつのせいで・・・僕はホントの自分に気が付いたんだ。洋輔をおもちゃにして、犯して、苦しめて・・・そして洋輔と同じように犯されたいと思う、ホントの自分の気持ちに・・・ そして僕らの人生は砕け散った。 <裏・ホントの気持ち 完> |