あの日以降、毅彦の前の席に慎輔が座ることはなくなった。それどころか、毅彦と慎輔が一緒に学校に来ることも、二人が話していることもなくなった。
「もう、慎輔はお前のこと、友達だなんて思ってないよ」
あの洋館で男達に犯されたあと、繁樹は鬱憤をはらすように毅彦の体をもてあそぶようになっていた。
「お前には、俺しかいないんだよ。お前みたいな変態にはね」
繁樹は毅彦をさげすむ言葉をささやきながら、毅彦のアナルを犯し続ける。
「お前は俺の奴隷として生きるしかないんだよ。それ以外にお前にはなんの意味もないよ」
本当は違うことは二人とも分かっていた。彼ら二人は男達の奴隷であり、男が連れてきた"客"の性処理に使われるための生き物だった。しかし、そんな性処理道具のうちの一人である繁樹に、さらに下層に位置する生き物として、毅彦は扱われていた。
「はい・・・」
でも、毅彦にはどうでもよかった。大好きだった慎輔に嫌われ、一緒に歩くことも、言葉を交わすことも拒否された自分に、もう生きる意味はないと思っていた。
「ほら、口あけろよ」
繁樹が毅彦のアナルからペニスを引き抜く。毅彦が口を開くと、その中に射精した。苦い、繁樹の味がした。
「今日はちょっとハードだ」
毅彦の携帯にメールが来る。毅彦はそれを繁樹に見せる。
「悪りい、今日、ちょっとさぼり」
繁樹がそう言って、掃除が始まった教室から毅彦の手を引いて逃げ出した。
「最近、毎日じゃん」
「いいかげん先生にちくるぞ」
クラスメイトたちの非難が背中に飛んでくる。しかし、慎輔は一人黙々と掃除を続けている。
そんな非難から抜けだした二人は洋館に向かった。
洋館にはまだ誰も来ていなかった。
「ハードって、どんなことするんだろ」
少し不安げに繁樹が言った。不安であっても、男達の命令は絶対であり、拒むことは許されない。
「別にいいよ、どんなことされても」
毅彦は少し気のない返事だった。慎輔に嫌われてから、いつも毅彦はこんな調子だった。
「お前・・・ほんと、変態になったな」
繁樹はそう言った。本気でそう思っていた。
あの日以来、毅彦の男達とのプレイが変わった。今までは、男達に犯されることは決して楽しいことではなかった。もちろん、少しずつ「嫌なこと」から「気持ちいいこと」に変わってきている部分はあった。繁樹にとって、初めは引き裂かれるような耐え難い痛みしかなかったアナルセックスも、最近は少し違う。痛いのは痛いけど、入れられてると思うと、体の奥の方がうずくような、そんな感じがするようになった。
でも、毅彦の場合は違う。単に気持ちいいって感じだけじゃなくて、痛いことされるということを期待しているというか、ひどい目にあうことを喜ぶようになったというか・・・自分が壊れていくことにたった一つの生き甲斐を見つけているというか・・・自暴自棄というか。「自分を捨てた」という表現がぴったりとくるような、そんな感じだった。
それまで、毅彦と繁樹は男達によって同じように開発されてきた。しかし、繁樹は最近の毅彦にはついていけなくなっていた。
「早いな」
男が大きな荷物を抱えて来た。その後ろに大男が続く。屈強そうな、同じアナルを掘るにしても、激しく掘りそうな、そんな男だった。
「よく逃げ出さずに来たもんだ」
その客が二人を見ながら言った。
(今までにも逃げたいと思ったことはある)
繁樹は男の視線を感じながら思った。
(でも、今日は・・・逃げられない)
毅彦が大男の前にひざまづいたいた。なにもまだ命令されていない。ただ、大男に見つめられただけだった。しかし、繁樹には毅彦の気持ちが分かった。繁樹も同じ気持ちだった。彼も毅彦の横にひざまづいた。
「どうしたんだ、お前ら」
男がいつもと様子が違う少年達に向かって言った。
「ふん・・・なかなかいい奴隷じゃないか」大男は毅彦の首のあたりをなでながら言った。まるで、犬をなでるように・・・
あの日、慎輔が毅彦達を変態とののしって去っていった日、片づけを終えて二人は帰ろうとした。
「あ、先帰ってて」
繁樹はそう言って、毅彦を先に帰らせて、一人で洋館に残った。あの部屋のクローゼットを開く。そこに入って、扉を中から閉めた。そして、思った通りのものを見つけた。
「やっぱり・・・」
それに顔を寄せてにおいをかいでみた。まちがいない、精液のにおいだった。かなりの量が、扉の内側に飛び散り、扉にそって滴っていた。
「立てよ」
大男の命令で、二人の少年は大男の前に立ち上がった。
「向こうを向け」
命令通りにする。男達は二人を後ろ手に縛り始めた。
(怖い・・・でも・・・)
繁樹はすでに勃起していた。ハードなこととはどんなことか、怖くもあったが、それ以上にどきどきしている自分が、本当に変態になってしまった自分がそこにいた。それは毅彦も同じだった。服の上から体を縛られる。足も動かないように縛られる。そのままソファの前に運ばれる。
「べつに大したことするつもりはないよ」
大男がそう言う。しかし、その目は、今までの"客"の目とは違っていた。
「ほら、口開けて」
男がマスクを付ける。そのマスクには、チューブが2本つながっていた。
「待てよ、その前にこれを飲ませないと」
大男が大きめのペットボトルを2つ、カバンから取り出した。
「先にこれを飲み干せ」
二人の少年は命令に従った。
繁樹は一人でソファに座って、慎輔が去っていく時のことを思い出していた。
(たぶん、毅彦はそれどころじゃなかったから、気が付かなかったんだろうな)
あの時、二人を変態とののしったとき、慎輔のズボンの股間部分は明らかに盛り上がっていたのに繁樹は気付いていた。
(人を変態とか言いながら、俺達のしてること、変態がしてること、最後まで全部見てたんだから・・・そういうことを見ながら・・・)
繁樹は立ち上がって、再びクローゼットの扉の裏を見た。そして、携帯を取り出して、その滴っている液体を撮影した。
(こんなことしてたんだからな・・・)
ソファに座って画像を確認する。はっきりと、扉の液体が写っている。
「さて、どうしようかな・・・」
しばらくソファの上で考え込む。やがて立ち上がると、そのまま洋館を後にした。
「うぅ」
繁樹は身もだえしていた。口を塞いでいるマスクからのびたチューブが、毅彦のペニスにつながっていた。毅彦の口にも同じようにマスクがついていて、そのチューブは繁樹のペニスにつながっている。
学生服を着たまま縛られた二人は、学生ズボンからペニスだけを出した状態で、今、つながっていた。そして、大男に飲まさせられた液体・・・それを飲むと、すぐに小便がしたくなった。しかし、大男は放尿することを禁止した。
「そろそろしたくなってきたか?」
大男は繁樹の様子を見ながら言った。
「ふぐ」
マスクで口を塞がれているために、言葉を発することができない繁樹は、頭を縦に何回も振ることで、今の切迫した状況を伝えようとした。
「まだ我慢できるだろ?」
大男はそう言うと、マスクにつながっているもう1本のチューブを手に取った。
「ふぐ・・・ふぐ」
繁樹は今度は頭を横に振る。大男はそんな繁樹の様子を見て、カバンから別のペットボトルを取り出した。その飲み口をチューブにつなぐ。
「ふが・・・ふが」
繁樹の懇願は大男には届かない。大男はペットボトルを持ち上げた。中の液体がチューブを伝って繁樹の口の中に入る。飲み込まなければ息が詰まりそうだった。
「うぐ・・・うぐ・・・」
繁樹はそれを飲み込んだ。すでに4本めだった。膀胱が破裂しそうなくらい、尿がたまっていた。しかし、それを出してもいいという命令はまだ下っていなかった。
脂汗をにじませながら小便をこらえる繁樹の横で、同じように毅彦も耐えていた。毅彦の方はもっと辛そうだった。身もだえを通り越して、体がふるえていた。限界が近かった。
繁樹は画像をメールで慎輔に送ってみた。
「こんなの見つけた。毅彦にも教えてやろうかな」
そんな簡単な文章とともに。返信はすぐに送られてきた。
「これが何だっていうの?」
(生意気な)
繁樹はなぜかそう思う。すぐに返信する。
「最後まで見て、オナニーして、勃起させてたくせに」
今度は返信は返って来なかった。
突然、繁樹の口の中に液体が流れ込んできた。ついに我慢できなくなった毅彦が小便を漏らした。それがチューブを伝って繁樹の口の中に勢いよく入ってくる。繁樹はそれを飲むしかなかった。そして、それと同時に繁樹の我慢も限界を越えた。毅彦の小便を飲みながら、繁樹も放尿した。二人の少年は、お互いの小便を飲み合った。男達の見ている前で、学生服のまま。
「誰が漏らしていいって言った?」
大男が二人を見下ろしながら言う。
「命令に背いたら、罰を受けるってことくらい、わかってるよな?」
大男がにやりと笑った。その笑顔を見て、繁樹の体に鳥肌が立った。
昼休み、繁樹は慎輔と二人っきりになる機会をずっと待っていた。何日かはそんなチャンスはなかった。でも、根気よく待ち続けて、ようやく次の授業の準備のために、先に理科室に行っていた慎輔と二人きりになった。
「変態で悪かったな」
慎輔の背後からそう声をかけた。慎輔は驚いた様子で振り返った。
「お前か・・・変態に変態って言ってなにが悪い」
「そんな変態がしてるとこ、最後まで見ながらオナニーしてたのは誰だよ?」
繁樹は慎輔に近寄る。慎輔は一歩後ずさった。
「変態にそんなこと言われる筋合いはない」
「変態変態って・・・お前も変態だろうが」
繁樹は慎輔を理科室の壁際まで追いつめた。
「僕はお前らとは違う。変態なんかじゃない」
「じゃ、なんであんとき勃起してたんだよ」
そして、手を伸ばして慎輔の股間をつかんだ。
「やめろっ変態」
慎輔はその手を払いのける。
「じゃ、こんなことされたらどうする?」
そして、繁樹は慎輔の腕をつかんで、無理矢理キスをした。
「ん、ん〜」
慎輔は抗う。繁樹はキスをしながら、自分の勃起した股間を慎輔のそれに押しつけた。一瞬、慎輔の動きが止まる。繁樹は腰を使って、自分のペニスを慎輔のそれにこすり合わせる。そして、慎輔のペニスが徐々に熱くなるのを感じた。片手を離す。慎輔はその手で繁樹の体を押し戻そうとする。しかし、繁樹は慎輔の股間に再び手を伸ばしてそれをつかむ。案の定、勃起していた。
「ふぐ・・・や、やめ」
声を出そうとする慎輔の口を再びキスでふさぐ。慎輔のズボンのチャックをおろして、ペニスを引きずりだす。
「ぷは・・・」
慎輔の口から顔を離し、素早くしゃがみ込んで、勃起した慎輔のペニスを口に含んだ。
「やめろ!」
しかし、繁樹はやめなかった。慎輔の腰を腕でかかえこんで、ペニスを奥までくわえこんだ。頭を動かして刺激を与える。
「やめろぉ」
なんとか繁樹をひきはなそうとした。しかし・・・
「あっ!」
次の瞬間、慎輔は繁樹の口の中に放出してしまった。繁樹は慎輔の精液を飲み込んで、立ち上がった。
「無理矢理されて、いっちゃうなんて、やっぱお前も変態じゃないか」
そして、またキスをした。今度は慎輔も抗わなかった。
「ぐぼ・・・ぐぼ・・・」
口からそんな音がしていた。頭が痛い。喉が痛い。お腹が痛い。苦しい。
二人は全裸にされて、天井から吊されていた。しかも、足を上にして、逆さまに。そのままアナルに大量の浣腸液を入れられ、太いプラグで栓をされていた。お腹がぐるぐると音を立てている。頭には血が逆流して、まるで顔が膨れ上がっているように感じた。そんな状態で、毅彦は大男の、繁樹は男のペニスで喉を犯されていた。呼吸が止まりそうになりながら、さっき飲んだお互いの小便を吐きながら、そして涙を流しながら、二人は喉を犯されていた。吐いた小便が鼻に入ってむせそうになる。でも、男達は容赦しない。縛られ、吊され、抵抗できないまま、少年達は苦しみ続けていた。
「漏らしたら、もっと苦しいお仕置きだからな」
大男がそう言った。
「んぐぉ・・・」
毅彦の声が聞こえる。
(なにかされたんだ)そう思ったとたん、繁樹のアナルからプラグが引き抜かれた。いままでプラグに押さえつけられていたものが、一気に出そうになる。
「お前も漏らしたらお仕置きだぞ」
自分の意志で漏らさないようにするしかなかった。しかし、二人が自らの排泄物にまみれるのは時間の問題だった。
理科の授業が終わって、慎輔は片づけのために一人理科室に残った。また繁樹が来るのは分かっていた。そして、案の定、繁樹が理科室に入ってきた。
「気持ちよかったか?」
それだけ言って、繁樹は慎輔に近づいてきた。慎輔は片づけの手を止めて、机に両手をついて、少し前屈みになった。そんな慎輔の背後から、繁樹は慎輔の股間に手を回す。慎輔は動かなかった。
「もう抵抗しないの?」
それでも慎輔はなにもせず、なにも言わなかった。
「ふぅん・・・やっぱりされたかったんだ」
そして、そのまま慎輔のズボンのベルトをはずす。ズボンを足首のところまでずり下げる。
「へぇ・・・慎輔って、ブリーフなんだ」
慎輔の体が少しだけ動いた。繁樹は慎輔の顔をのぞき込んだ。慎輔は目をつぶった。
「お前も変態だね」
そして、繁樹は慎輔の後ろにしゃがみ込んで、股間から手を入れて、ブリーフの上からペニスをさわる。
「ん・・・」
慎輔が声を出す。
「なに? 感じてるの?」
慎輔はなにも答えない。そのまま顔を慎輔のお尻に近づけて、ブリーフ越しにアナルにキスをする。
「あっ」
慎輔の体がびくっと動く。
「感じてるの?」
繁樹が質問を繰り返す。
「ほら、答えろよ」
繁樹の手が、慎輔のペニスを乱暴に握りしめた。
「ん・・・うん」
繁樹は急にペニスから手を離し、慎輔のお尻を平手で叩いた。
「あぁ!」
「奴隷はちゃんと敬語で答えろよ」
そして、もう一度叩く。
「は、はい」
「やっぱりそうなんだ。変態!」
さらに叩く。
「ひっ」
二人きりの理科室に、何度か乾いた音が響いた。
「ったく・・・」
少年達は排泄物にまみれて床に横たわっていた。
「もう少しくらいは命令に従えると思ったのにな、期待はずれだぜ」
大男は涙と涎と、吐いた繁樹の小便にまみれている毅彦の顔を靴で踏みつけた。男も同じように繁樹の顔を踏みつける。
「お仕置きだ。お互いの体、舐めてきれいにしろ」大男が命じた。
「そ、そんなこと・・・」
繁樹が思わず口走った。お互いの小便を飲むことまでは我慢できたが、排泄物を舐めるなんて、とても出来そうになかった。
「べつにいいんだぜ、出来ないなら」
大男が繁樹の顔の前にしゃがみ込んだ。
「でも、そんときは、そのまま学生服着て帰ることになるってことくらい、わかるよな?」
そして、体を見る。
「そんな糞まみれのまま、学生服着て歩きたいのなら、それでも俺はかまわないぜ」
「で、でも・・・それだけは・・・」
「それだけは、なんだよ?」
今度は男が言った。
「それだけは勘弁してください」
繁樹が弱々しく言った。
「じゃ、こいつで体拭くか?」
大男は繁樹の学生服を拾い上げた。
学校では、相変わらず慎輔は毅彦や繁樹とは口をきかなかった。あれからなにも変わっていないように見えた。登校時も、授業中も、そして、下校時も。
しかし、たった一つだけ変化した時間帯があった。昼休み、繁樹は誰とも遊ばなくなった。昼休みになると、繁樹は校舎の一番隅にあるトイレに向かう。そして、一番奥の個室の扉を3回ノックする。ドアが内側から少しだけ開かれる。そのドアを手で押して全開にする。個室の隅には、全裸の慎輔がいた。勃起させた慎輔の首には、犬の首輪が付いていた。しばらくその様子を見て、繁樹は個室に入ってドアを閉める。ズボンをおろす。慎輔が繁樹の前にひざまづき、繁樹のペニスを口に含む。しばらくそうしてくわえたあと、慎輔は立ち上がり、後ろを向く。自ら手でお尻を広げる。
「入れて下さい、ご主人様」
そして、すでにローションが塗られているその穴に、繁樹は挿入する。
「ん・・・」
あまり声を上げないようにする慎輔に対して、繁樹は激しく挿入して、声を上げさせようとする。
「気持ちいいんだろ? 変態」
それが彼らの密かな日課になっていた。かつて変態とののしった相手に変態とののしられながら、性処理道具として扱われることが、慎輔の日課になっていた。
「ほら、どうするんだよ、え?」
大男は繁樹の学生服を排泄物まみれの体に近づけた。繁樹がどうすることも出来ずに固まっていると、その体に柔らかいなにかが触れた。
「た、毅彦」
毅彦は繁樹の太股のあたりを舌で舐めていた。四つん這いになって、繁樹の体にまとわりついた排泄物を舐め取り、飲み込んでいた。
「ほら、こいつはちゃんと命令に従ってる。お前なんかよりよっぽど優秀な奴隷だぜ」
毅彦が顔を上げる。その口のあたりには、繁樹の排泄物がまとわりついている。それを舌で舐め取って、また顔を繁樹の体に近づける。
「や、やめろよ」
思わず繁樹はそう毅彦に言った。しかし、毅彦はやめなかった。それどころか、自分の体を繁樹に近づけてきた。
「ほら、舐めてほしいんだとさ」
男が毅彦の体を足で踏みつける。毅彦の股間のあたり、一番汚れている部分が繁樹の顔に押しつけられた。繁樹は顔を背けて拒否する。
「こいつ・・・従わないつもりか」
大男は毅彦に命じた。
「こいつの顔の上に馬乗りになれ」
毅彦は命令に従う。いやがる繁樹の顔を大男が押さえつける。そして、繁樹の鼻を男がつかむ。
「ほら、糞するんだ」
毅彦はアナルを繁樹の口に押し当てて、排泄した。繁樹の口の中に、毅彦の排泄物が流れ込んできた。
「結局こうなるんだから、素直に命令聞けばいいのにな・・・馬鹿な奴だ」
繁樹は毅彦の上で四つん這いになって、毅彦の体を舐めていた。排泄物の臭いとその味で吐きそうになりながら、それでも命令に従っていた。毅彦も繁樹の体を下から舐めていた。
「ま、こうして奴隷が命令に従えるように調教するのも楽しみの一つだし」
男がそう言う。男達は、ソファに座ってお互いの排泄物を舐め合う二人を眺めていた。
「今日はここまでにしてやるか」
そして、男達は帰っていった。体を舐め合う奴隷2匹を残して。
男達に犯されたあと、繁樹は毅彦を犯す。いつもはそれで満足だった。しかし、その日はなにか物足りなかった。繁樹は携帯でメールする。
「今、どうしてる?」
すぐに返信があった。
「塾から帰るとこ」
それからしばらくたったころ、洋館にほど近い公園のベンチに繁樹は座っていた。その前に慎輔がひざまづき、繁樹の股間に顔を埋めていた。
「おいしいか?」繁樹は慎輔の頭をなでながら尋ねる。慎輔はこくっと頷く。
「お前も俺達と一緒に犯されたい?」
その質問には、慎輔は答えなかった。
「じゃ、この前みたいに、俺達が犯されてるとこ、見てみたい?」
こくっと頷く。
「そっか・・・やっぱり変態だな、お前は」
そして、慎輔は口の中に繁樹が放出した精液を飲み干して、顔を上げた。
「僕は、ご主人様に犯されたい」
「百年早いよ」
繁樹は慎輔の頭を軽く叩いた。
ようやく解放された二人は洋館をあとにした。さすがに男達が帰ったあと、二人だけでする気にはなれなかった。まだ体から排泄物のにおいがしているような気がした。すれ違う人が、そのにおいに気が付くんじゃないかとどきどきした。どきどきしながら勃起していた。
「ね・・・銭湯寄って行こうか」
いつもは無言で帰る二人だったが、珍しく繁樹が毅彦に声をかけた。
「うん」
毅彦は小さく頷いた。
二人が去った後の洋館は静まり返っていた。先ほどまでの少年達のうめき声や男達の「ののしり」がまるで嘘のように思えた。
しかし、そんな静寂を打ち破るような物音がする。
ごとっ・・・・・
クローゼットの扉が少し開いた。その隙間から部屋の中をうかがう目が、かすかな光に照らされる。そして、クローゼットの中から慎輔は出てきた。全裸だった。そのまま四つん這いになってきょろきょろとあたりを見回す。まるで、何か落ちていないか探すかのように。
そのまま、慎輔はソファの前に這っていく。ソファの上のディルドに手を伸ばした。「責め具」は同じ物が2つずつあった。二匹の奴隷を調教するために、同じ物が2つ・・・慎輔は両手に一つずつ握りしめ、それをぺろぺろと舐め始めた。そして、一つをアナルに挿入する。
「あぁ・・・」
もう一つのディルドを口にくわえたまま、アナルに根本まで押し込む。そして、それを一気に引き抜く。
「はっ」
ぬぼっと音をたててアナルからディルドが引き抜かれる。すかさず口にくわえていたもう一本をアナルに入れる。
(どっちがが繁樹の中に・・・そして、もう一つは毅彦の・・・)
1本入ったままのアナルに、もう1本をあてがう。息を吸い込んで、止める。手に力を込めて、もう1本をさらにアナルにねじ込んだ。
「くっ」
アナルが裂けるような痛みに苦痛の声をあげる。しかし、慎輔は力を緩めない。
「いぃぃぃぃ」
歯を食いしばって、もう一本を入れようとする。
「あぐっ」
そして、2本目が慎輔の中に入った。
「くっ」
慎輔は苦痛に顔を歪めながら、それでも2本のディルドをさらに押し込む。
「あ・・・・はっ」
しかし、根本まで入らないまま、慎輔は射精してしまった。アナルからぽろりと2本のディルドが床に落ちて転がった。
「はぁ・・・はぁ・・・」
ソファに飛び散った精液を指ですくい取って舐める。
やがて、慎輔も洋館から帰っていった。ソファにはディルドが2本そろえて置いてあった。
銭湯の客は少なかった。急いで二人は服を脱いで、股間を手で隠しながら体を洗う。二人とも陰毛はそり落とされていた。よく見ると、縛られていた跡がまだ残っている。二人は無言で体を洗い終えると湯船に並んで入った。体を洗ったことで、少し冷静になった繁樹は、いつものように毅彦をいじめたくなった。
「勃起させなよ」
湯船の中で、毅彦の耳元にささやいた。毅彦がペニスをしごきはじめた。水面に波紋が広がる。繁樹は毅彦のペニスを握って勃起していることを確認すると毅彦に言った。
「出よう。隠すなよ」
そして、自分は股間を隠して立ち上がる。その後ろで、毅彦はうつむきながら、まだ座っていた。
「早くしろよ」
足で毅彦の体を突っつく。毅彦は観念したように立ち上がる。手が股間を隠そうとするかのように動きかけて止まった。陰毛がない股間から、毅彦のペニスがそそり立っていた。
「行くよ」
繁樹はゆっくりと歩いた。ときどき振り返って、毅彦が隠していないことを確認する。洗い場にいた何人かが、視線をこちらに向ける。明らかに、毅彦を見ていた。繁樹も勃起しそうになったのを手で押さえる。そして、ゆっくりと脱衣場に向かった。
体を洗っても、学生服に臭いがしみこんでいるようだった。
「明日、学校でバレないかな」
繁樹はそれが心配だった。
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