翌朝、窓から入る明るい光で二人は目を覚ました。
「お正月だ」
牧野はつぶやくように言った。
「うん、そうだね」
三田は、昨夜よりは興味がありそうだ。
「サンタクロースのお正月って、どんなんだろうね」
二人揃ってリビングに向かった。
「ええ?」
テーブルが巨大な炬燵に変わっていた。そこには、羽織袴を着たサンタクロースと少年達が少し窮屈そうに座っていた。炬燵の上には豪華なおせち料理が並んでいる。
「起きたね」
ルドルフが言った。
「座って」
ルドルフの隣の席が二つ空いている。彼等が座ると、ルドルフが言った。
「みんな揃いました」
サンタクロースが咳払いする。
「じゃ、みんな、明けましておめでとう」
「おめでとうございます」
みんなが会釈のように頭を下げる。三田と牧野もまねをする。
「今日は、お前等二人のために、いつもの行事を日本風にする」
サンタクロースがおせちに箸を付ける。
「たまにはこういうのもいいものだ。Ho−Ho−Ho!」
ダッシャーがお雑煮を運んできた。
食事が済んで一休みすると、サンタクロースが皆を庭に呼び寄せた。
「餅つき始めるぞ」
「餅つきって、年末にするんじゃなかったっけ?」
牧野が三田に耳打ちした。
「君達、いなかったから」
ルドルフが言った。牧野が驚く。
「彼、僕等の考えてること、分かるらしいよ」
三田が言う。彼等の前に、大きい臼が2つ運ばれてきた。
「よし、じゃ、お前等、全部脱いでそこに頭突っ込め」
サンタクロースが三田と牧野に言った。
「え?」
牧野が声を上げる。
「ほら、早く」
ヴィクセンが牧野の服を引っ張った。
「ごめんね。僕達、結局あいつには逆らえないんだ」
小さくささやく。牧野が全裸にされ、臼に頭を突っ込んだ。隣の臼には、三田が全裸で突っ込まれた。
「じゃ、突くぞ」
二つの臼から、彼等の尻が出ている。その脇にそれぞれ一人ずつ、少年が控える。控えた少年が、彼等二人のアナルにローションを塗った。サンタクロースが、まず、三田が入った臼に近づき、太いペニスをそのアナルに突っ込んだ。
「うぐっ」
そのまま奥まで突っ込み、ゆっくりと掘り始める。パン、パンと大きな音がする。
牧野の臼の方にはプランサーが立つ。サンタクロースほどではないが、プランサーも巨根だ。
プランサーはサンタクロースの動きに合わせて、同じように牧野のアナルを犯す。
「Ho−Ho−Ho! ほら、ケツつきされて気持ちいいだろ」
確かに、二人が犯されるパン、パンという音が、餅つきのぺったん、ぺったんという音に聞こえなくもない。
「ほら、お前等も順番に餅をつけ」
周りで見ていた8人の少年達が、どちらかの臼に別れて並ぶ。サンタクロースとプランサーは次のつき手に交代する。次はダッシャーとヴィクセンだ。そして、ダンサーとドンダー。その次がコメットとキュー。小柄な彼等は少し背伸びをしながら臼の少年達のアナルに入れる。最後がルドルフとブリッツだ。
「ごめんね」
ルドルフはそう一言声を掛けて三田に挿入する。
「んんっ」
三田のアナルはすっかり拡がり、何の抵抗もなくルドルフを受け入れた。牧野も同じだった。それぞれ4人ずつに挿入され、臼の中であえぎながら、体中でその気持ち良さを感じていた。
全員が餅をつき終わっても、三田と牧野はしばらく臼から出られなかった。体に力が入らない。勃起したペニスを臼の淵に擦りつけるように体を動かしている。
「Ho−Ho−Ho! イきたいのか? イきたいんだな?」
サンタクロースが楽しそうに笑う。
「イきたです」
そう答えたのは牧野の方だった。
「Ho−Ho−Ho! じゃ、次は羽子板だ」
臼に頭を突っ込んだまま、足を広げさせられ、そのまま足首を固定された。彼等の尻の下に、睾丸が見えている。
サンタクロースがどこかから羽子板を取り出した。羽子板といっても、その表面には鋲がたくさん付いている。
「ほら、行くぞ」
それでまず三田の尻を叩いた。
「ぐあっ」
三田が臼の中で叫び声を上げる。
「ほら、お前等もやれ」
他の少年達も手に手に羽子板を持ち、臼から出ている尻に打ち付ける。
「一人100回だ」
皆、口々に回数を数える。臼の尻が揺れる。叩かれ、その衝撃で尻の肉が波打つ。やがて赤くなり、腫れ上がる。
「Ho−Ho−Ho!」
サンタクロースが笑う。笑いながら三田の尻を打ち、牧野の尻を打つ。鋲が尻を傷付ける。少しずつ、血が流れ始める。
「Ho−Ho−Ho!」
サンタクロースはそれでも打つ手を止めない。他の少年達は皆、すでに100回ずつ打ち終え、少し離れてその様子を見ている。誰も、サンタクロースを止める者はいない。それどころか、皆、さっき射精したばかりなのに、勃起させている。
「Ho−Ho−Ho!」
ようやくサンタクロースが手を止めた。
「次は・・・他になにがあった?」
「お手玉とか」
ブリッツェンが言った。
「Ho−Ho−Ho! お手玉というのは、こういうのか?」
サンタクロースが両手で三田と牧野の睾丸を握った。その手の中で揉みしだく。
「うぐっ」
「ぐあっ」
臼の中で声が上がる。
「どこまで耐えられるかな、Ho−Ho−Ho!」
徐々に手に力を込める。臼の中から呻き声が聞こえる、やがて、その尻が小さく震え始める。
「Ho−Ho−Ho!」
さらに力を込める。
「があああ」
二人揃って悲鳴のような声を上げた。
「Ho−Ho−Ho!」
サンタクロースが手を離す。
「じゃ、次だ」
少年達が、臼の中から三田と牧野を引っ張り出した。二人とも口から泡を吹いて気絶していた。
三田と牧野は十字架に磔にされ、そのまま地面に突き立てられた。十字架は高さが数メートルあり、彼等の足は地上から2、3メートルほど離れている。そんな彼等の陰嚢の根元には紐が結びつけられていて、紐の先は地上から1メートルほどの所まで垂れていた。
「最初はキューとコメットだ」
小柄な二人がそれぞれの十字架の下に立った。その場で彼等を見上げる。
「よし、やれ」
キューとコメットは、彼等の股間から垂れ下がっている紐の先を掴んだ。軽く引っ張る。
「うう」
陰嚢が引っ張られ。牧野が声を上げた。それを確認した後、キューとコメットがその紐にぶら下がった。
「ぐああ」
三田と牧野が悲鳴を上げる。二人の睾丸は紐に締め付けられ、引っ張られる。キューとコメットは彼等の股間の紐にぶら下がり、まるでブランコで遊ぶかのようにそれを揺らす。
「あがぁ」
そのまま数分。そして、キューとコメットがルドルフとプランサーに入れ代わる。一番小柄な二人から、少年達の中では大柄な二人に。
「ぐあああ」
ルドルフとプランサーが紐にぶら下がると、三田と牧野の悲鳴が大きくなる。紐にぶら下がって体を揺らす。さらに、ルドルフ、プランサーの体にダッシャーとダンサーもしがみつく。
「いぎぃぃぃ」
その重さで陰嚢が伸びる。10センチ位は伸びているだろうか。サンタクロースは笑いながらそれを見ている。
「引きちぎれて、玉が落ちるかもな」
さらに、ドンターとブリッツェンにもしがみつかせた。
「Ho−Ho−Ho! さあ、おとし玉してみろ」
サンタクロースが紐にぶら下がっている少年達の体を押す。陰嚢から伸びている紐に3人ずつ少年がぶら下がっている。そのまま、大きく揺れる。頭上からは呻き声や悲鳴が聞こえている。
「Ho−Ho−Ho!」
サンタクロースは少年達の体を揺らし続けた。
「下ろしてやれ」
1時間ほどそうしていただろうか、サンタクロースが彼等に声を掛けた。
それは、彼等を思いやったのではなく、ただ、飽きたからだった。
「最後、福笑いだ」
「あれか・・・」
誰かが小さくつぶやいた。十字架のような磔台が倒され、三田と牧野が地上に降ろされた。が、体は磔にされたままだ。
「ヴィク、準備しろ」
ヴィクセンがサンタクロースの家に走って行く。サンタクロースと残った少年達は、三田と牧野の周りを取り囲む。
「Ho−Ho−Ho! 玉、伸びたな」
少年達がぶら下がっていた時ほどではないが、三田と牧野の陰嚢はだらんと垂れ下がっていた。
「もうちょっとでお年玉だったかな、Ho−Ho−Ho!」
サンタクロースが牧野のその部分を足で踏みつける。
「うぐぅっ」
牧野は十字架に磔になったまま、体をねじって逃れようとする。
「Ho−Ho−Ho!」
サンタクロースが楽しそうに笑う。
「準備出来ました」
ヴィクセンが戻ってきて、サンタクロースに告げた。
「さあ、始めよう」
サンタクロースが言うと、皆で三田と牧野を磔から解放し、その体を抱えて家に運んでいった。
「Ho−Ho−Ho!」
その一番後ろで、サンタクロースが楽しそうに笑った。
その部屋はカーテンで区切られ、奧側は見えない。手前側の床にはさっきと同じような十字架が二つ、床に横たえられていた。そこに三田と牧野が仰向けに拘束される。
「あ・・・」
三田が天井を見上げて声を出した。天井には鏡が貼られていて、彼等の姿が映っている。
「Ho−Ho−Ho!」
サンタクロースが彼等の頭の側に立つ。その傍らに、ヴィクセンが箱を抱えて立っている。
「さて」
サンタクロースが箱の蓋を開く。その中に入っている物が、鏡越しに三田や牧野にも見える。目に付いたのはのこぎりだ。ナイフのような物もある。
「なに・・・するの?」
三田が震える声で尋ねた。
「だから、福笑いだと言っただろ」
サンタクロースがナイフを手に取った。
「まずは、ここだ」
牧野の横にしゃがみ込み、ペニスを握る。サンタクロースの傍らに、二回りほど大きい箱を抱えたドンダーが立っている。
「な、なにするの?」
今度は牧野が尋ねた。同じように声が震えている。サンタクロースは何も言わずに牧野のペニスの根元にナイフを当て、それを切り取った。
「うぎゃああ」
牧野が悲鳴を上げる。切り取ったペニスを、ドンダーが持っている箱に入れた。牧野の体を跨ぎ、次に三田の横にしゃがみ込む。
「や、止めて」
そんな声はまるで耳に入っていないかのように、ペニスを掴んでそれを切り落とした。
「ぐああ」
そのペニスも箱に入れる。
「次は、どこがいい?」
それは独り言のように聞こえた。サンタクロースがのこぎりを掴む。
「ルドルフ」
それをルドルフに差し出す。ルドルフはそののこぎりを受け取って、三田の向こう側にしゃがんだ。
「じゃ、左足」
太ももの付け根辺りにのこぎりを当てる。
「待って、止めて」
ルドルフは三田に笑顔を向ける。
「大丈夫。なるべく痛くないようにするから」
笑顔のまま、のこぎりを引いた。部屋の中に三田の絶叫が響き渡った。
何度も何度も悲鳴が上がる。左足が切り取られ、箱に入れられる。次は右足。プランサーに交代し、今度は両腕。三田が終わると、次は牧野だ。同じ順番で手足が切り落とされる。それが終わると、のこぎりがサンタクロースの手に戻る。
「じゃ、首な」
牧野の首にのこぎりが食い込む。何かを言っていたが、ごぼごぼと血が溢れる音に紛れて分からない。三田の首も同じように切り離された。
「よし、準備完了だな」
ヴィクセンが、箱の中から黒い布をサンタクロースに手渡す。それをサンタクロースは自らの顔面に、目を覆うように巻き付け、結んだ。
そのまましゃがみ、手探りで手足と首がなくなった二人の少年の体の位置を確かめる。
「よし」
ドンダーがサンタクロースの横にしゃがんだ。サンタクロースはドンダーが持つ箱に手を突っ込む。そして、それを取り出す。
「これは・・・足・・・かな」
取り出した物を撫で回す。
「どっちの足だ?」
手で体の位置を確かめ、その足を体の近くに置いていく。
「次」
次に箱から取り出したのは、腕だった。それを手探りで何か確かめ、体の近くに置く。それを繰り返す。
「これは頭だな」
すると、サンタクロースはその頭部とおぼしき物体を、股間に置いた。
「最後は・・・」
箱の奥に手を突っ込む。残りは小さな肉片が二つ。
「これは、流石に分かる」
それを頭があった所に置く。
「これでどうだ」
手をかざす。すると、みるみる切断されていた体が繋がっていった。サンタクロースが目隠しを外す。そこには、手足が入れ代わり、頭部にペニスがあり、股間に頭がある奇妙な生き物がいた。その奇妙な生き物は、天井の鏡に映った自らの姿を凝視していた。
「いやだ・・・戻して・・・」
そんな姿でも、その生き物は言葉を発した。
「Ho−Ho−Ho! 失敗失敗」
サンタクロースは笑って言った。
「よし、やり直しだ」
また、少年達が2体の奇妙な生き物をバラバラに切断した。
次に出来上がったのは、片方は手とペニスだけの化け物、もう片方は両肩に頭が生え、頭と股間に足が生えている化け物だった。
両肩にあるその顔面は、口は開いたが何も言わなかった。
「またやり直しだ」
またもやバラバラにされる。化け物が作られる。切断される。
何度繰り返されただろう。三田と牧野は何度死に、何度生き返らさせられたのだろう。いや、生き返ったのは化け物であり、三田と牧野としては、これまで一度も生き返ってはいなかった。それが、数十回目にしてようやく生き返ることとなった。
切断される痛み。化け物にされる恐怖。それでも生きていることへの恐れ。そういったものが、彼等の精神を押しつぶそうとする。サンタクロースはまるで悪魔のようにその限界を見切り、ぎりぎりのところで復活させた。
「どうだ、楽しいか、お正月は」
もちろん、三田にも牧野にもそれに答える気力も体力も残っていない。
「Ho−Ho−Ho!」
サンタクロースは笑う。
「よし。それじゃあ」
部屋の真ん中で前後を仕切っていたカーテンを開いた。その奥には、数々の調教用具、拷問道具が置いてあった。
「今年のクリスマスまで、じっくり、たっぷりと調教してあげよう」
そして、雄叫びを上げた。
「Ho! Ho! Ho!!!」
「はい、出来たよ」
ダッシャーが食事を運んできた。
「なに、これ」
それを見たコメットが尋ねる。
「七草粥だよ、あいつらの住んでた日本では、今日はこういうのを食べる日なんだってさ」
皆、同じ方向に目を向けた。
「まだ続いてるもんなぁ」
「毎日だよ」
「夜もずっとだよ」
微かに悲鳴が聞こえる。
「なんだか気になって眠れないよ」
「悲鳴もうるさいし」
「やっと静かになったと思ったら、すぐまたうるさくなるんだよな」
あれから6日。サンタクロースによる、三田と牧野に対する調教・・・いや、拷問、もしくは肉体破壊・・・は、昼夜を問わず、今も続けられていた。
その間、悲鳴が途切れる事はなかった。一瞬途切れたとしても、すぐにまた悲鳴が上がる。彼等は何度もサンタクロースによって命を奪われた。が、それと同じ回数、サンタクロースによって復活させられた。
「そろそろ心が壊れる頃かな」
「普通はもう、壊れてるだろ」
少年達は口々に言う。
「僕等だって、あれ、乗り越えてきたんだからな」
「うん」
「壊れたらトナカイにされて食肉だもんな」
「うん」
「そんなことより、冷める前に食べてよ」
「そうだな」
「じゃ、せーの」
「いただきま〜す」
彼等は七草粥を食べ始めた。彼等が粥をすするその間も、二人の悲鳴はずっと続いていた。
サンタランドのサンタクロースの家で、三田と牧野はいたぶられ続けた。
死ぬことも、歳を取ることも出来ず、ただサンタクロースの玩具となり、時に少年達の玩具にもなり、そうしていたぶられることを快感だと心と体に刷り込まれ、人である事を忘れ、道具に成り果てるその日まで。
その年のクリスマス、立派なトナカイとなって、ムチ打たれながらサンタクロースの乗る橇を引くその日まで。
サンタクロースの奴隷となり果て、痛みを幸せと思えるようになる日まで。
<Sack boy 完> |