「あれ、いなくなった?」
誰もいない檻を見ながら、少年が正一に尋ねた。
「ああ、あれか・・・」
正一は、騎乗位で自分に乗っている少年の、腰を揺さぶりながら言う。
「売り飛ばした」
「へぇ」
少年は短くそう言う。そして、正一が掴んだ腰を持ち上げ、落とすのに合わせて自ら腰を動かす。
「正一さん・・・気持ちいい」
喘ぐように言う。少年は目を閉じて腰を上下させながら、自らのペニスを扱く。
「いきそう・・・」
少年が言うと、正一は動きを止め、少年からペニスを引き抜く。
「四つん這いだ」
正一の言う通り、少年は動く。丸見えになった少年の肛門は、すでにヌメりながら少し口を開いたままだ。
「ケツの穴が欲しがってるぞ」
正一は少年の尻たぶを平手で叩く。乾いた音が部屋に響く。
「欲しいよ、正一さんの」
「じゃあ、おねだりしろよ」
すると、少年が体の向きを変え、正一に向かって土下座した。
「僕に、正一さんのチンポ、入れて下さい。お願いします」
少年はためらいなく言う。
「お前は俺のなんだ?」
「僕は、正一さんのペットです」
正一は、土下座したままの少年の髪の毛を掴んで顔を上げさせる。
「ほら、入れて欲しかったらしゃぶれ」
少年は、さっきまで自分の肛門に入っていたそれを口に含み、舌を這わせる。
「美味しいです、正一さんのチンポ」
自分のペニスを扱きながら言う。
「入れて欲しいです」
まるで、正一のペニスに頬ずりするかのように頬を押し付ける。
「しょうがない奴だな」
正一のその言葉を聞いたとたん、少年は体の向きを変え、正一に突き出した尻を自ら手をかけて開いた。
「お願いします、正一さん」
正一はその開いた肛門に一気に奥まで差し込んだ。
和夫のペニスが引き裂かれてから1ヶ月が経とうとしていた。そのペニスは根元から二つに引き裂かれ、亀頭のすぐ手前で再び一つになっている。そんな状態だから、小便するのも一苦労だ。普通にすると、太ももを伝って流れ出る。もう和夫には立ち小便はおろか、小便器を使って小便することも出来なくなっていた。小便をするときは、必ず大便器の方で、しかも下半身裸になってしゃがまなければ、服が小便塗れになる、という屈辱的な状態にされていた。
それだけではない。引き裂かれたペニスの根元の尿道はそこにペニスを挿入出来るほどに拡張されていた。そして、実際、そこを女のように犯されるようになった。
尿道セックスは、和夫にとって苦痛でしかなかった。挿入される時の痛み。動いた時の痛み。そして、セックスが終わった後、小便するときには激痛が走り、思わず呻き声を上げてしまう。それでも男は和夫を女のように犯した。
和夫は天井の梁から垂れ下がったロープで両手首を縛られ、全裸で吊り下げられている。足はかろうじてつま先が床に着く程度だ。そんな和夫の前と後ろに男とその仲間が立つ。そして、二人同時に和夫の前後の穴に挿入する。肛門は正一に開発され、そこに挿入されることは和夫にとって気持ちのいいことだ。が、尿道はそうではない。快感と苦痛。その狭間で和夫の体は揺れ、その意識も朦朧とする。
何人もの男が和夫をいたぶった。夜になっても、日付が変わっても和夫は手首を縛られ吊り下げられたままだった。仲間とともに、和夫を前後から、いや、それに加えてペニスの裂け目を使って3人で同時に犯したりもした。
「ああっ」
少年の肛門に正一のペニスが入っていく。ゆっくりと奥まで進める。二人の体が密着する。
「突いて・・・」
少年が正一の方に顔を向けて言う。正一は動かない。
「正一・・・さん?」
少年が言う。そして、気が付く。
「突いて下さい、正一さんのチンポで」
すると、正一がゆっくりと腰を動かす。
「もっと、もっと激しくお願いします」
少年がまるで土下座をするように両手を突き、その手の間に頭を下ろす。やがて、二人の交わる部分からパンパンと音がし始める。と同時に、少年の喘ぎ声が漏れ始めた。
「ぐぁ」
両手を縛られ、吊り下げられたまま、ペニスの裂け目にフックを引っ掛けられ、和夫の体が持ち上げられている。尿道には巨大な張り型が根元まで差し込まれ、その張り型を伝って血が床にぽとぽとと滴り落ちていた。
和夫の肛門には男の腕が入っている。その腕を動かすたびに和夫の体が揺れる。
「どうだ、気持ちいいんだろ?」
和夫は返事しない。ただ、苦痛に顔を歪めている。
「どうなんだ!」
男は一旦腕を引き抜き、そして拳を握ったまま、和夫の肛門の奥まで突き入れ、そしてその腕を床に向けて押し下げた。
「ぐあああ!!」
ペニスの裂け目から血が滴る。さらに男が腕を動かす。やがて、和夫の呻き声が途切れた。
男は和夫の体を床に下ろした。
少年の奧で射精した正一は、ベッドの上で少年を背中から抱き締めていた。
「あいつ、もう帰ってこないんでしょ」
空の檻を見て少年が言う。
「ああ。売り飛ばしたからな」
「なんで売っちゃったの?」
正一は少し考えた。
「そうだな・・・飽きたから、かな」
少年が正一の腕に手を絡める。
「僕も・・・飽きたら売り飛ばす?」
「そんなことはしないよ」
それは嘘だ、ということは、正一も少年も分かっていた。
「僕は・・・」
何かを言いかけて、少年は口を閉じた。
「奴隷として売ったの?」
しばらくして、少年が口を開く。
「いや」
正一はそれだけ答える。少年は何も言わない。
「便器として売った」
やがて、正一が続きを答えた。
「う、うぐっ」
和夫が意識を取り戻した。しかし、顔の上に何かがのしかかり、息が出来ない。
「気が付いたか?」
男の声がした。顔に押し付けられる力が、少しだけ弱くなる。
「ケツの穴舐めろ」
再び顔に押し付けられる。男の尻だ。そして、口の前に男の肛門がある。
「ほら、早く舐めろ」
男の声が苛立っているのを感じる。和夫は舌を伸ばして男の肛門を舐め始めた。
「あいつ、お前をなんだと言って売ったか、知ってるか?」
和夫は一瞬舐めるのを止める。
「いいえ」
そしてまた舐め始める。
「そうか」
男が腰を上げた。そして、和夫の顔を見る。
「お前は便器だとよ」
ニンマリ笑う。そして、再び和夫の顔の上に尻を下ろした。
「お前は便器なんだから、しっかり口を開けとけ」
和夫の目の前で、男の肛門が開いた。
「うえっ」
少年が顔をしかめる。
「なんだ、不満か?」
「ううん」
少年が口を横に振る。
「おしっことか飲んでたもんね、便器がちょうどいいよ」
正一は体を起こし、少年をベッドの上に押さえ付ける。
「便器なんだから、小便だけじゃない」
そして、少年の顔の上に尻を下ろした。
「お前も食ってみるか?」
尻を少年の顔に押し付けた。
和夫は思わず顔を背けた。しかし、男は構わず和夫の顔の上で力み続ける。男の大便がもりもりと排泄され、背けた和夫の目の下辺りにポトリと落ちた。
酷い臭いだった。何を食ったらこんな臭いがするんだろう、そう思うような臭い。そして、その感触。全身に鳥肌が立つような感触。胃が痙攣を起こしたかのように何かが口の中に押し寄せる。それはなんとか我慢した。が、男は和夫に命じる。
「ほら、お前は俺の便器なんだから、とっとと食え」
少し尻を上げて和夫の顔を見る。
「そこの糞もちゃんと食え」
和夫は涙目で男を見上げた。
「ちゃんと手で掴んで、口に入れろ」
胸が嘔吐く。が、男の物に、男の便器に成り下がった和夫は、その命令に従わなければならない。恐る恐る手を上げる。顔の、生暖かく感じる部分に触れる。柔らかい感触に吐きそうになる。
「なにしてるんだ、この便器が」
意を決してそれを掴んだ。目を閉じる。臭いが凄まじい。
「ほら、口を開け」
命じられるまま、口を開いた。手を口の前に持ってくる、ただそれだけの動作にこれほど抵抗を感じたのは初めてだ。
「ほら、食え」
ぎゅっと目を瞑り、少し息を止めてそれを口の中に入れた。とたんに腹が波打ち胃がひっくり返りそうになる。
「吐くことは許さん」
そんなことを言われても、意思ではどうにか出来そうにない。口をぎゅっと閉じて、なんとか吐き出さないようにする。胃の中からこみ上げてきた物が口の中で男の糞と混じり合い、溶け合う。涙が出る。また胃からこみ上げる。少し飲み込む。いや、飲み込んでしまう。苦さと酸っぱさが混じり合う。また吐きそうになる。涙が頬を伝い落ちる。口から少し漏れる。少しだけ飲み込む。
(糞、飲み込んだんだ)
また吐き気。無理矢理飲む。糞が喉を通っていく感触。無理矢理飲み下す。そうやってなんとか口の中の物を飲み込んだ。
「ほら、口開けろ」
男が跨がった。口を開く。その口の中に、男の糞がなだれ込む。今度はさっきのような少量じゃない。口の中いっぱいに糞がひり出され、さらに口に入りきらなかった分が顔に落ちる。
「ちゃんと噛んで味わって飲み込め」
必死になって飲み込もうとする。が、喉が受け付けない。息が出来ない。飲み込まなければ死ぬかもしれない、そんな気さえする。少しずつ、丸呑みする。
「味わえって言ったろ」
しかし、そんな余裕はない。飲み込むので精一杯だ。いや、飲み込むのさえ無理だ。吐きそうになる。今度は意思の力で抑え込んだ。飲み込む。口の中の糞は半分くらいは減っただろうか。苦い味。激しい臭い。吐き気。胃が痙攣する。それでも和夫は飲み込むしかない。便器なのだから。
「早く食え。まだ終わってないんだぞ」
そんな和夫に男は容赦なく告げた。
「無理!」
正一が気張ったところで、少年は正一の下から逃げ出した。
「そんなの、出来る訳ないって」
少年はベッドを飛び降りる。正一はベッドの上で笑っている。
「あいつは・・・食べたの?」
恐る恐る、という感じで少年が尋ねた。
「さあな。それはお前には関係ない」
「はぁ」
少年が大きく溜め息を吐いた。
「無理に決まってるって、糞なんて」
正一はベッドを降り、少年に近づく。
「無理だからね」
少年は手を前に突き出して拒否した。
「分かってる。大丈夫だ」
正一は少年を抱き締める。少年も正一の体に腕を回した。
「でも小便くらい飲め」
そして、少年の頭を押し下げた。
口いっぱいに糞をされ、和夫は嘔吐きながらその糞と格闘していた。無理矢理飲み込もうとしても胃が受け付けない。でも、食べなきゃならない。舌を動かす。ぐにゅっとした感触。また吐き気が湧き上がる。それに耐える。口を動かす。歯にへばりつく感覚。それでも目をぎゅっと閉じて口を動かす。
「そうだ。じっくり味わって食べろ」
男が言う。が、味わうことなんて出来ない。とにかく無理矢理飲み込む。少しずつ飲み込んでいく。
「食い終わったら、ちゃんとごちそうさまでしたって言えよ」
ある意味拷問だ。が、逆らう事は出来ない。和夫は男に便器として買われた身なのだから。
「ご、ごちそうさまでした」
なんとか飲み込んだあとにそう言ったときの、その糞の臭いがする息でまた吐きそうになる。
「そうか。じゃ、お代わりだ。さっきみたいに横になれ」
ついに胃が暴れ出した。和夫はさっき食べた男の糞を吐き散らかした。
「おい、吐くなって言ったろ」
男が和夫の腹を踏みつけた。和夫は男の糞の混じった吐瀉物に塗れて床に転がった。
「い、嫌だよ」
正一に頭を押さえ付けられたが、少年は抗った。
「咥えろ」
目の前に正一のペニスがある。
「嫌だ」
少年は正一の手を振りほどいた。
「そうか」
正一しゃがんだままの少年を立ち上がらせた。そして、何も言わずにその頬に拳を叩き付けた。
「んぐっ」
少年の体が吹っ飛ぶ。床に倒れた少年の横に近づき、その体に蹴りを入れる。2回、3回、4回と蹴り続ける。少年が体を丸めると。後頭部を蹴りつけ、側頭部を踏みつける。手で顔を庇おうとすると、その手を掴み、顔面を蹴りつける。少年が鼻血を出す。それでも顔を蹴る。血しぶきが飛び、少年が動かなくなる。
「俺の玩具のくせに」
正一は動かなくなった少年を抱き起こす。まだ息はある。そのまま、今は誰もいなくなった檻に運び入れた。
「なぶり者にしてたっぷり遊んでやるからな」
檻の扉を閉め、鍵を掛けた。
その音で、少年の体がビクッと小さく動いた。
和夫は口を閉じられなくされていた。金属の輪のような物を咥えさせられ、それに付いている皮ひもが首の後ろで結ばれている。顎が外れそうなくらいに開かされたその口に、何人もの男が糞をひり出した。
和夫は男が開いたパーティで玩具にされていた。いや、それはパーティというにはあまりに凄惨なものだった。集まった男達は皆、互いの体に糞をし合い、それをなすり付け合い、舐め合っていた。もちろん、和夫もそれを強制されていた。そして、開口器で開かされた口を全員に便器として使われていた。
激しい臭いで頭が朦朧とする。それに加えて、男達は何かを注射し合っている。和夫も注射されていた。自分が自分じゃなくなる感覚。便器として使われている自分を眺めているもう一人の自分。そして、それを見ている自分。和夫の意識が分裂していた。口に糞をひり出されながら、他の男に肛門を使われる。尿道に誰かの糞を詰められ、それをペニスで奧に押し込まれる。体中糞塗れ。それは和夫だけじゃない。あの男も、他に参加している男達も全員糞まみれだ。そんな中にいると、完全に意識が麻痺する。臭いも感じなくなる。ただのセックス。ただの変態的な嗜好。ただの食べ物と飲物。それに慣れてしまうと、それを美味しいとすら感じるようになる。人による味の違いも感じるようになる。それは和夫が完全に便器になったということだ。何人もの男が和夫の口の上を通り過ぎていく。何人もの男が和夫にペニスを咥えさせ、小便を飲ませる。和夫自身の糞も食べさせられる。それが一番不味いと感じる。和夫自身の小便も飲まされる。クスリを使われながら、そんな凄惨なセックスが繰り広げられていた。
檻に入れられた少年には、水も食べ物も与えられなかった。そして、乾きに苦しむ少年の前に、正一が仁王立ちしていた。
「喉渇いたろ」
檻の前で腕組みしながら正一が言う。
「はい・・・」
少年はかすれた声で言った。
「そろそろ飲む気になったか?」
少年は答えない。
「そうか」
正一は少年に背を向けて、檻から離れかけた。
「ま、待って」
少年は檻を掴んで腰を浮かせると、正一の背中に言った。正一は立ち止まる。が、振り向きはしなかった。
「の・・・・・」
少年の顔に苦悶の表情が一瞬浮かぶ。そして、その場に正座し、正一に向かって頭を下げた。
「飲ませて・・・下さい」
正一はゆっくりと振り向いた。そして、腕を組み、少年を見つめる。
「あ、あの・・・」
正一は何も言わない。少年は、正一に向かって土下座した。
「飲ませて下さい、お願いします」
そして、頭を下げたまま正一を待つ。が、正一は動かない。少年が頭を上げた。正一の顔を見る。そして、はっとした表情を浮かべた。
再び少年が土下座した。
「正一さんのおしっこ、飲ませて下さい、お願いします」
かすれた、しかしこれまでで一番大きな声で少年が懇願した。正一が檻に近づいた。
「ありがとうございます」
少年が口を開いた。その口に正一のペニスが突っ込まれる。やがて、少年は小便器になった。
(なに・・・してたんだっけ)
和夫は目を覚ました。その途端、激しい臭いにむせ返る。
(そうだ、糞まみれになって)
その途端、吐き気が湧き上がる。が、それをなんとか抑える。自分の体を見る。乾いた糞が体にこびりついている。回りを見回す。糞まみれの男が何人も横たわっている。ソファで横になっている者、床に横になっている者。その誰もが全く動かない。
(そうか・・・クスリやってたから)
もう一度回りを見る。服やシーツが床に散らばっている。もちろん、糞も。和夫は糞を踏まないように気を付けながら、四つん這いで部屋の壁の方に移動する。途中、手当たり次第に服やシーツをかき集める。
部屋の隅で、自分の体をシーツで拭う。シーツが茶色く染まる。腕の臭いを嗅いでみる。激しい悪臭がする。シーツで擦ってみる。少しはマシになった気がした。
体をシーツでゴシゴシと擦る。肌がヒリヒリするくらい強く擦った。そして、誰かの服、糞が付いていない服を選んで部屋の隅で身に付ける。その間も男達から目を離さない。誰も動かない。皆、眠っているか、気を失っているようだ。
(まさか、死んでないよな)
そんな考えも頭をよぎったが、和夫にとってはどうでも良かった。適当な服を身に着ける。だぶだぶだけど、糞まみれの裸よりはマシだ。そのままそっとドアの方に這って行く。誰も動かない。そっとドアを開ける。そのまま這い出る。そっとドアを閉じる。そこで体を起こして左右を見る。どこかの裏通りみたいだ。ゆっくりと立ち上がり、辺りを見回しながら歩く。恐らく体中から凄い臭いがしているだろう。こんな状態で誰かに会う訳にはいかない。
(どうしよう・・・どこかで体を洗えるといいんだけど)
取りあえず公園か川を探す。数人とすれ違った。皆、振り返って和夫を見た。そんな時は逃げるようにして路地に駆け込む。そしてまた歩き出す。
しばらく歩いて小さな橋を見つける。土手を降りて、橋の下に隠れるようにして座る。
(暗くなるまで待つか・・・)
しかし、あの男達も目を覚まして追いかけてくるかもしれない。あんまりのんびりとはしていられない。たぶん、今は夕方少し前くらいの時間だ。和夫はもう少しだけ待つことにした。
辺りが暗くなってくると、和夫は意を決して全裸になって川に入った。何人かが土手を歩いている。その人達に見つからないように急いで体を洗って橋の下に戻る。あの服を着る。が、服自体から臭いがしている。
(まあさっきよりはマシか)
それを身に着け、足早に橋から離れる。和夫の目指す先は決まっていた。
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