2.任務

「そろそろ時間だよ」
兵舎のベッドでうとうとしていた僕にクラウスが言った。
「分かった」
このところ、睡眠不足だ。本当は少し寝ていたい。でも、体を起こす。
「今日は何人?」
「3人だよ」
クラウスが即答した。
「じゃあ、少しゆっくり寝られるのかな」
体を起こし、食堂に行く。
「あら、能美君。これから?」
「はい」
食堂を切り盛りしているおばさんと少し会話する。
「じゃあ、少し多めにしておくね」
料理を盛ったトレイを僕に差し出す。それを受け取って、食堂の席を見回す。まだ人はまばらだ。何人か、友達が座って食事をしている。みんな無言だ。僕もそんな友達とは少し離れて一人で座る。
部屋に戻って歯を磨いて服を着替える。こぎれいな、学校に着て行くのとは違う服だ。少しベッドに座って待つ。
部屋のドアの上のライトが光った。来客を示すライトだ。
「さあ、始めるか」
僕は立ち上がって部屋を出た。

兵舎の玄関まで行くと、軍曹ともう一人、男の人が立っていた。初めて見る顔だった。その向こうには伍長も誰かと立っている。こっちの男の人には見覚えがある。
(どっちだろう)
取りあえず、二人の間を見て、軽く笑顔を作る。
「能美、こちらが今日のお客さんだ」
軍曹が僕に言った。軍曹の横の男の人に近づいて手を差し出した。
「初めまして。能美将馬です」
「今日はよろしく」
男の人が顔を伏せがちに言った。向こうで見覚えのある男の人が僕を見ていた。
「じゃあ、僕の部屋に」
男の人の手を握る。緊張しているのか、少し汗ばんでいる。
「初めてですか?」
「分かるのか?」
「緊張されてるみたいですから」
男の人が僕の手を放し、慌てた様子で手のひらをズボンに擦りつけた。
「大丈夫ですよ」
僕は笑顔で言った。

部屋に入って僕はベッドに座る。隣を手で指し示し、男の人をそこに座らせた。枕元ではクラウスが見ている。
「君は、能美さんの息子さんなんだろ?」
男の人が小さな声で言った。
「はい。父をご存じなんですか?」
「学校の同期だった」
「そうなんですか」
少しだけ驚いた。お父さんよりも若く見える。
「今日は、よろしくお願いします」
僕は男の人にもたれ掛かった。

よく来る人なら、ここで僕をベッドに押し倒したりする。でも、この人はそのまま動かなかった。
「お名前、教えていただけませんか?」
「有田」
男の人はそう短く答えた。
「有田さん、ですね」
手を有田さんの膝の上に置く。
「緊張しなくても大丈夫ですよ」
有田さんの顔を見る。その顔に顔を近づける。
「キスしても、いいですか?」
有田さんが微かにうなずく。
「ありがとうございます」
そして、僕は有田さんの口に口を押し付けた。



キャンプ苫谷(とまや)は小さな基地だった。今は情報収集と分析が主な任務だ。昔は、お父さんがここの責任者だった頃はもう少し大きい、中規模程度の基地だったそうだ。今は基地の統廃合で一部の施設だけが残っていて、空いた施設が幼年学校として使われていた。
この基地に勤務する人は、かつては数百人いたそうだけど、これも今は100人くらいまで減ってしまった。だから兵舎も空きが多くなり、僕等のような、父親が他の基地に転属したりして一人になった者を収容し、幼年学校で教育するという、教育施設の役割も持つようになった。



「んん」
しばらくキスをしていると、有田さんが遠慮がちに僕の体に手を当てた。僕はベッドに座る有田さんの上に跨がり、口を押し付けた。体を抱き締める。舌で有田さんの唇をなぞる。
「はぁ」
一旦口を離し、またすぐに押し付ける。有田さんの口が少し開く。そこに舌を入れる。有田さんが舌を絡めてくる。僕の背中に手を回し、僕を抱き締める。
「ああ」
僕が声を出す。有田さんが体をひねり、僕の体をベッドに倒す。僕の顔の横に手を突き、まっすぐ僕を見る。
「能美・・・君」
「将馬って呼んで下さい」
僕は少し笑顔になる。
「いや、あの、能美の息子とこんなこと・・・」
僕は下から有田さんの首に両手を回した。
「僕は、お父さんのお友達の方にしてもらえて」
ぎゅっと有田さんの首を抱き締める。
「うれしいです」
耳元で言った。



しかし、幼年学校を併設したことにより問題も発生した。軍から支給される基地の運用資金は、基地の規模に見合った額に削減された。そのため、幼年学校の運営までは資金が回らなくなっていた。生徒数も20人程度。これで運用を続けて行くためには、何らかの策が必要だと考えられた。

基地に勤務する人数は数百人から100人前後に減った。それに伴って、兵舎も空室ばかりになっていた。その空室を埋めるために幼年学校の生徒の宿舎とした。基地に勤務する者は兵舎の3階以上に居住し、2階には兵舎を管理する部門が置かれた。そして1階が食堂や浴室、生徒達のための部屋になった。空室はたくさんあるので、他の兵舎とは違い、一人一室があてがわれている。
つまり・・・幼年学校とその生徒のための宿舎である兵舎、これらの運用資金が足りない、ということだ。

そこで、兵舎に住む幼年学校生徒自らに、自分達の兵舎と幼年学校維持の為の資金を稼がせることとなった。それが、つまり、僕等の『任務』だ。



ベッドで仰向けになった僕の上に、有田さんが体を重ねている。僕の顔を見て、僕の髪を撫でている。
「似てるな、能美と」
僕を見ながら言った。
「そんなこと言われたの、初めてですよ」
「若い頃の能美にそっくりだ」
そして、有田さんがちらりとクラウスを見た。僕はクラウスに声を掛ける。
「ね、しばらくスリープしてて」
クラウスは何も言わずに目を閉じた。
「ありがとう」
有田さんが言った。
「なんだか、能美に見られてるような気がしてね」
僕は少し笑った。でも、内心は驚いていた。クラウスがお父さんと繋がっていることはほとんど誰も知らない。和仁(かずひと)だって知らない。
(この人、ひょっとして)
僕は有田さんの体に腕を回す。
「キスして」
甘えた声を出す。有田さんがキスをしてくれる。手が胸を這い、下半身の方に移動していく。その部分をズボンの上から撫でられる。
「もう硬くなってるんだね」
僕はうなずく。そして、有田さんの股間に触れる。
「有田さんも」
有田さんはその部分を僕の股間に押し付けてきた。そのまま体を左右に動かす。
「ああっ」
僕の股間に有田さんの硬くなったそれがグリグリと押し付けられる。
「能美」
キスされる。
(やっぱり、たぶん・・・)
きっと、学生時代にお父さんを能美と呼んでいたんだろう。そして、お父さんのことが好きだったんだろう。だから、僕を昔のお父さんとして抱きたいんだろう。名前を呼んでもらえないのはそういうことなんだろう。僕は少し賭けをしてみることにした。
有田さんの頭を抱き締める。髪の毛を軽くかき回し、撫でる。
「有田」
有田さんがはっとしたような顔で僕を見た。
「有田、抱いてくれ」
お父さんならそう言うんじゃないだろうか。
「能美」
有田さんが口を押し付けてきた。今までのキスよりも激しい。体を抱き締められる。服を脱がされる。露わになった上半身に有田さんの唇が這い回る。
「能美」
乳首にキスされ、そこを舌で愛撫される。
「あっ」
声が出る。
「乳首、感じるんだね」
「はい」
もう一方の乳首を摘ままれる。摘まんだ指に少し力が入る。
「ああっ」
軽く体を仰け反らせる。
「有田、気持ちいいよ」
有田さんの息が荒くなっている。ズボンを脱がされる。ブリーフの上から勃起したペニスを撫でられる。
「能美の・・・意外と」
その先は言わなかった。僕のペニスは大きい訳じゃない。そんなに太くもない。たぶん、普通サイズだ。今まで抱かれた人にも大きいとか太いって言われたことはない。だから、有田さんが意外とどう感じたのか知りたかった。
「意外と・・・何なの?」
有田さんの手に、ブリーフの中のペニスを押し付ける。
「いや、その・・・」
有田さんの手がブリーフの中に入ってきた。
「もっとデカいと思ってた」
(お父さんのことだよな)
有田さんにとって、今の僕は学生時代のお父さんだ。
「想像してたの?」
有田さんがうなずく。
「僕のこと・・・お父さんのこと、好きだったんだ」
またうなずいた。思った通りだ。
「僕を、お父さんだと思って抱いて」
有田さんにブリーフを脱がされる。
「でも、きれいなペニスだ」
大きくも太くもないペニスを何とか褒めてくれる。
「有田の、握りたい」
そう言うと、有田さんが服を脱いだ。まず上半身、そして、下も。
「有田の、太い」
その股間を見て言った。
「そうかな」
少し恥ずかしそうに言った。
「うん」
僕も一旦起き上がって、脱がされかけていた服を全部脱いだ。
「有田、抱いて」
有田さんにしがみつく。体温が気持ちいい。
「能美・・・」
そのまま僕は押し倒され、足を持ち上げられた。
「きれいなアナルだ」
僕の足を持ち上げ、穴を見られる。
「恥ずかしいよ」
実は、穴を見られるのには慣れている。でも、そう言った方が相手は興奮するということをこれまでの経験から知っていた。有田さんは僕の穴に顔を近づける。そして、そこを舐める。
「ああっ」
僕は穴を舐められるのに弱い。喘ぎ声が出て、体が反り返る。そんな僕の穴を舐め続ける。
「気持ちいいよ、有田」
足をぎゅっと抱える。軽く力を入れて、穴を開く。有田さんの舌がそこに入ってくる。
「ああ、有田」
有田さんが僕を見る。
「有田の、舐めさせて」
僕は体を起こす。有田さんが座る。その股間に近づく。それを握る。
「やっぱり、太い」
顔を見る。有田さんが顔を寄せてくる。僕も顔を寄せてキスをする。舌が入ってくる。有田さんのを握ったまま、僕も舌を入れる。
「んん」
舌を絡め合う。口の端から涎が垂れる。それを有田さんが舐め取ってくれる。もう一度有田さんの顔を見る。そのまま頭を下げて、有田さんのペニスに近づける。それを握ってその横に顔を押し付ける。匂いを嗅ぐ。雄の匂い。いい匂いだ。
「有田の匂い」
僕は独り言のようにつぶやき、それを口に含む。
「ああ」
有田さんの声が聞こえる。そのまま頭を動かす。少し口を離して、先を舌でペロペロと舐める。
「能美・・・気持ちいい」
有田さんが僕の頭を股間に押し付ける。喉の奥まで入ってくる。太いペニスで口の中が一杯になる。
「あっ イくっ」
有田さんが喘ぐ。ペニスが僕の口の中で脈動した。僕の口の中に、青いあの匂いと味が広がった。
そのまましばらく頭を動かさずに、有田さんの射精が終わるのを待つ。そして、またゆっくりと頭を動かしながら、そのペニスを吸う。
「あぁ」
気持ち良さそうな声が聞こえる。少し様子を見ようと、一旦顔を上げた。その途端、僕の頬を両手で押さえられた。少し強引にキスされる。僕は慌てて口の中に出された有田さんの精液を飲み込んだ。
キス。口の中に舌が入ってきて貪られる。顔を離す。
「飲んじゃったの?」
僕はこくっとうなずいた。
「大丈夫?」
「有田の、おいしかった」
そう言うと、また頭を押さえられ、キスされる。しばらくそのままキスをし続ける。僕は手を有田さんのペニスに伸ばす。
「まだイケるよね」
そして、僕はベッドに仰向けになった。有田さんが僕の足を持ち上げようとした。
「待って」
僕は枕元からローションのボトルを取って、それを有田さんに渡す。
「有田に掘られたい」
有田さんが僕を見つめる。
「有田が好きだよ」
お父さんになりきったつもりでそう言う。
「その前に、有田の穴、舐めさせて」
有田さんが僕の顔の上に跨がった。目の前の穴に舌を伸ばす。そこに触れる。舌の先に皺を感じる。そこに舌を這わせる。
「ああ、能美」
丹念に舐め回す。顔をお尻に押し付け、穴の奧に舌を差し込む。
「有田の味がする」
そう言うと、有田さんが僕の顔の上に少し体重を掛けてくる。押し付けられたお尻も舐める。また穴を舐める。手で太ももを撫でる。肌を撫でる感触が気持ちいい。
有田さんのお尻が少し浮く。有田さんは上半身を倒して、僕のペニスを咥えた。
「あっ」
僕は声を出す。有田さんが僕のペニスを口で扱く。僕は有田さんの穴を舐める。ピチャピチャという音がする。気持ちいい。ずっとそうしていたい。
「そろそろ入れてもいいか?」
有田さんが言った。
「もちろん」
足が持ち上げられる。僕の穴にキスされる。ローションが塗られる。
「入れるぞ」
僕はうなずく。有田さんが僕の穴に押し付ける。少し力を抜く。僕の穴がゆっくりと拡げられる。少しずつ、有田さんが入ってくる。
「ああ、有田の、入ってきた」
有田さんが僕に覆い被さる。更に僕に入ってくる。
「ああ、太い」
「痛い?」
僕は首を左右に振る。
「有田、奥まで入れて」
僕は体の奥まで有田さんに占領された。

「気持ち良かったよ」
有田さんを兵舎の玄関まで見送って、別れ際にもう一度キスを交わす。有田さんの背中を見て、部屋に戻る。
「クラウス」
クラウスが目を開く。
「次は?」
「1時間後だね」
「分かった」
僕はベッドからシーツを剥がし、部屋の隅のクローゼットから新しいシーツを取り出して交換した。そして、お風呂に向かった。


      


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