終業式、その日はクリスマスでもあった。
僕等3人は終業式の後、カラオケボックスに来ていた。今日はハルちゃんの家の用事もなし。それは昨日、陽良さんにお願いしておいた。だから今日は気兼ねなくカラオケで盛り上がれる。今日のためにお小遣いもせしめてきた。いろいろ食べ物も頼んで三人だけのクリスマスパーティをした。
「彼女のこと、聞いてもいい?」
冬樹が言った。ちらっとハルちゃんと目を合わせる。ハルちゃんにはあの後、彼女がどうこう、というのは全部間違いで、あの日、初めて陽良さんの、ハルちゃんの家に行ったんだ、という話はしてあった。だからハルちゃんはその辺の事情を知っている。
「その話ね・・・全部冬樹の勘違い」
どこまで話しても大丈夫かな、とか考えながら、でも冬樹だけ勘違いしたままっていうのは可哀相だから、言えるところは言おうとする。
「いいじゃん、隠さなくても。もう別れたんだよね?」
「だから、それも全部勘違い。彼女なんて始めからいないよ」
冬樹が少し目を見開いた。
「マジか」
「マジだよ」
さて、どう説明しようか。
「な〜んだ、安心した」
冬樹が言った。
「クリスマス前にフラれた奴を、どう慰めようかって悩んでたんだよ」
「だからフラれてないって」
「フラれる前に、彼女いなかったんだもんね」
ハルちゃんが言った。
「え、ハルちゃんは知ってたの?」
「まあね」
冬樹が僕を見た。
「ハルちゃんには言って、俺には言わなかったんだ」
なんとなく、怨みがこもっている。
「いや、だから、それはお前が勝手に彼女いるって決め付けて盛り上がってたから」
「最初っからいなかったのにねぇ」
ハルちゃんが茶化す。
「どうせ、お前等は俺だけのけ者にして笑ってたんだろ」
冬樹が拗ねる。
「だけど、僕は彼女がいるなんて一言も言ってなかったよ?」
「そうそう」
「もういい!」
そこから冬樹はマイクを掴み、僕やハルちゃんが入れていた曲は全部飛ばして一人で5曲連続で歌った。

「気が済んだ?」
ハルちゃんが冬樹に言った。冬樹はコーラを頼んでからマイクを差し出した。僕が手を伸ばす。
「シュウには渡さな〜い」
マイクをハルちゃんに差し出した。
「ったくもう」
僕はハルちゃんに向けて差し出されたマイクを奪い取る。
「悪かったよ」
ぼそっと冬樹に謝った。
「まぁ、これでまたいつも通り三人でいられるんだから」
ハルちゃんがそう言う。冬樹も顔を上げた。
「そうだな、それはそれでありかな」
でも、その顔はうれしそうな顔だ。
「お前な」
冬樹にツッコむ。
「だって、シュウ、彼女に取られたら寂しいじゃん」
ちょっとだけ胸がきゅっとなった。
「なにそれ、恋?」
ハルちゃんがツッコミにくいところをツッコんでくれる。
「男の友情」
そう言いながら、冬樹が僕に抱き付いてきた。
「な、やめって」
「んん〜」
冬樹が口を尖らせる。
「それは男の友情じゃないやつだろ」
僕は冬樹から逃げた。
(いい奴等だよな、こいつら)
心の中で思う。ハルちゃんと目が合う。冗談で僕にキスしようとした冬樹。このままハルちゃんと二人で、冬樹を、なんて一瞬考える。ハルちゃんの目を見る。
(ダメだよ)
ハルちゃんの目がそう言っている気がした。



僕等のささやかなクリスマスパーティが終わり、それぞれ家に向かって歩く。冬樹がまず僕等と別れて角を曲がって歩いて行く。僕はハルちゃんと一緒に歩く。そのまま、ハルちゃんの家に行く。
玄関を入って、リビングルームで僕等は全裸になった。一緒にあの白いらせん階段を上がる。あのドアを開く。すると、陽良さん達が僕等を待っていてくれた。
「メリークリスマス」
クラッカーの音がする。部屋はいつもより明るく、いろいろと飾り付けられている。奥には天井まで届くくらいのクリスマスツリー。壁には「MERRY CHRISTMAS」という文字をかたどった金色の風船が飾られている。陽良さんをはじめとして、男の人は、みんなサンタクロースの帽子をかぶり、白い髭を付けている。今日、僕等は陽良さんにもクリスマスパーティに呼ばれていたんだ。
男の人達が、僕とハルちゃんの頭にトナカイの角のような物が付いたカチューシャを着ける。そして、トナカイなのかなんなのかよく分からないけど、茶色い着ぐるみを着せられた。
(裸になった意味ないじゃん)
そう思った。ハルちゃんの着ぐるみ姿を見る。
「ハルちゃんかわいい」
よく似合ってた。なんていうか、そういう性癖の人には思いっきり刺さりそうだ。
「シュウちゃん着ぐるみフェチ?」
同じようなことを考えたんだろうか、ハルちゃんがすぐに僕に言った。
「二人とも似合ってる。犯したくなるくらいにな」
陽良さんが言った。
「どうせこのあと犯すんでしょ」
ハルちゃんだ。
「まぁな」
男の人が言った。
「でも、まずはその前に」
いつもハルちゃんが横たわっているベンチにケーキが置かれている。その横にもう一つベンチが置かれて、その上には料理とお酒のような物とグラスが並んでいた。そのお酒のような物をグラスに注ぐ。それをみんなが持ち、僕とハルちゃんにも渡される。
「じゃ、メリークリスマス」
陽良さんが言った。他の人達も声を合わせる。僕とハルちゃんもだ。
「これ、飲んでもいいやつ?」
僕は小声でハルちゃんに聞いた。
「アルコールは入ってない。心配するな」
男の人が言った。
「じゃ、いただきます」
それを飲んでみた。シュワシュワしてて、ちょっとだけ甘い。つまり、美味しかった。
「さ、食べようか」
ケーキが切り分けられ、料理が振る舞われる。ベンチの上のケーキや料理が減っていく。やがて、全部なくなった。
「じゃ、メインの料理だ」
僕の体が押された。ハルちゃんは男の人に背中から羽交い締めみたいにされている。そのまま僕等は二つ並んだベンチの上に仰向けに寝かされた。
「さあ、始めよう」
誰かが、というより、みんなが順番に僕とハルちゃんにキスをしていく。それも軽くじゃなくて、いちいち舌を入れられる。僕等はコポコポと音をさせながらみんなとキスしていく。勃起したけど、着ぐるみの下だから分からないだろう。と思っていたら、誰かが僕の着ぐるみの、股間の部分に手を掛けた。その着ぐるみは、その部分だけがジッパーで取り外せるようになっていた。
「やっぱり勃ってるな」
笑顔で言われる。
「もちろんです」
隣でハルちゃんも同じようにされている。着ぐるみからハルちゃんの勃起したペニスが突き出ている。僕も同じだ。そこから手が入ってきて、玉を揉まれる。

ハルちゃんがベンチに仰向けになる。その横のベンチに僕も仰向けにされた。
「さあ、始めるか」
男の人が、僕のペニスを掴んでゆっくりと皮を剥き降ろす。やっぱりハルちゃんも同じようにされている。僕のペニスの皮が全部剥き降ろされた。
「剥けるんだ」
隣でハルちゃんが僕のペニスを見ていた。
「うん」
僕もハルちゃんのペニスを見る。ハルちゃんも剥けている。
「小さい頃から男にされてきたんだから、剥けるだろ」
確かに。ずっと前から散々触られてきて、剥けるようになったのも小6の頃だった。
誰かがケーキに刺さっていた小さなロウソクを持って僕等のペニスに近づいた。露わになった亀頭の先、尿道口を指で開く。そこにその小さなロウソクを突き刺した。
「いつっ」
ちょっと痛みが走る。ハルちゃんが僕を見た。
「大丈夫?」
「ハルちゃんは痛くないの?」
「うん、まぁ慣れてるから」
(慣れてるって・・・ペニスにロウソク刺されるのに慣れてるのか)
ハルちゃんはきっと今まで共有物としていろんなことされてきたんだろう。
尿道にロウソクが押し込まれる。僕は声を出さないように気を付ける。そのロウソクに火が灯された。

部屋の灯りが消された。僕とハルちゃんのペニスに刺さった小さなロウソク、その二つの小さな炎だけが部屋を照らす。
「先に消えた方が負けだ」
男の人達が僕等の顔の周りに集まった。
「ほら」
まず一人目が、勃起したペニスを突き出した。僕は口を開く。口の中に入ってくる。横目でちらっとハルちゃんを見ると、やっぱり同じようにされている。
そのまま首の所を手で押さえられる。男の人のペニスが口の奥に入ってくる。喉に突き当たる。
「うぐっ」
そのまま押し付けられる。
「ごふっ」
咽せそうになる。体が動く。すると、ペニスのロウソクの炎が揺らめく。
「ほら、動くと消えるぞ」
僕の口に突っ込んでいた人が言った。
「ぐほっ」
隣でも咳き込む声が聞こえた。灯りが揺らめく。
「じゃあ、これから我慢比べだ」
ハルちゃんの方から声が聞こえた。僕の喉にペニスが押し付けられる。
「うごっ」
僕は呻く。隣でハルちゃんも同じように呻いている。
「ほら、もっと入れるぞ」
喉の奥を犯される。
「ぐえぇ」
吐きそうになる。灯りが揺らめく。部屋の中で男の人達の影が揺らぐ。さらに喉に入ってくる。
「ぐえっ」
限界だった。僕は男を払いのけて上半身を起こした。部屋が少し暗くなった。
「勝負ありだな」
ハルちゃんを見た。ハルちゃんの口には男のペニスが根元まで入っていた。

部屋の灯りが点けられる。着ぐるみの股間の周りに蝋がいくつも固まりになって付いていた。
(これがなかったら、熱かったんだろうな)
そのための着ぐるみかと思った。でも、そうじゃないということはすぐに分かった。
「じゃ、それを全部脱げ」
負けた僕は着ぐるみを脱ぐ。
「来い」
指差されたところに立つ。すると、手を後ろで縛られる。体も縛られて、天井からぶら下がっている縄に繋がれた。
「じゃ、行くぞ」
誰かが火が点いた赤いロウソクを持って僕に近づいて来た。そのロウソクは、ケーキに付いていたロウソクとは比べものにならないくらい大きい。それを僕の体の上で傾ける。
「あっつ」
僕のお腹に赤い蝋の痕が付く。さらにいくつかの痕。
「あつっあつっ」
蝋が体に垂れるごとに、僕は体を揺らして声を上げる。
「ほら、ここはどうだ」
男が僕のペニスを握った。皮を剥かれて露出している亀頭に蝋を垂らした。
「いあぁ」
熱いというより痛い。それを数回繰り返される。僕の亀頭が真っ赤な蝋で覆われる。
「それくらいにしてやれよ」
陽良さんが言った。笑っている。
「よし。じゃ、ここまでだ」
縄を解かれ自由になる。ペニスを触る。蝋がぽろっと落ちた。それを拾い上げる。僕の亀頭の形そのままだ。
視線を感じた。ハルちゃんが僕を見ている。自分の体を見てみた。赤い蝋が体に点々と付いている。それを手で擦り落とす。
「気持ち良かったか?」
蝋を垂らした男が言った。
「熱かったし痛かったです」
ハルちゃんは僕が摘まんでいる僕の亀頭の形をした蝋をずっと見ている。
「欲しい?」
半分冗談でハルちゃんに尋ねた。
「うん」
ハルちゃんが真顔で答えた。
「じゃ、あげる」
ハルちゃんに渡す。すると、ハルちゃんはそれを壁の方にあるキャビネットの上に置いた。
「これ、ここに置いたから壊さないでね」
皆にそう注意した。

「じゃ、次」
ワゴンが僕等の前に運ばれた。二つ、白い箱のような物が伏せておいてある。箱にはリボンの絵が印刷されていた。
「好きな方のプレゼントを受け取れ」
僕とハルちゃんが顔を見合わせる。
「さっき負けたから、お前に先に選ばせてやる」
男が僕に言う。僕は少し迷って、右側の箱の上に手を置いた。
「そっちか。じゃ、晴人はこっちだ」
男がそう言いながら、左側の箱を持ち上げた。そこには透明な物が入っていた。ハルちゃんがそれを手に取る。
「ディルド?」
「そうだ」
男が答えた。ディルドといっても、直径が10センチくらいありそうな丸い玉に、土台が付いただけ、みたいな形だった。
「重い」
ハルちゃんが言う。
「ガラスだからな」
男が僕を見た。
「じゃ、秋矢はそっちだ」
僕も箱を持ち上げた。グラスが入っていた。
「これって」
少し悪い予感がした。
「分かるだろ、お前なら」
陽良さんが言った。
「前にも飲んだことあるもんな」
「おしっこ・・・」
「その通り。この中の誰かのおしっこだ」
僕は男達の顔を順番に見た。
「じゃあ晴人はそれをアナルに入れる。秋矢はそれを飲んで、誰のおしっこかを当てる。どっちが早いか競争だ」
パン、と手を叩いた。
ちらっとハルちゃんの顔を見て、僕はそのグラスを掴んだ。少し暖かい。グラスの8割くらいまで黄色い液体が入っている。顔をそれに近づける。間違いなくおしっこの匂いがした。
ハルちゃんが、あのディルドを手に持ったまま僕を見ている。
「ほら、早くしないとまた負けるぞ」
グラスを口に近づける。
「うっ」
胸がぐるぐるする。男がハルちゃんにローションを手渡した。
(あんなの、入るんだろうか)
ハルちゃんなら入る気がする。僕は息を止めてグラスに口を付けた。やっぱり飲むのには抵抗がある。でも、また負けたくはない。一旦グラスを顔から離す。息を吸い込んで止める。グラスに口を付け、中のものを一気に飲み込んだ。
「うわ、飲んだ・・・」
ハルちゃんがつぶやいたのが聞こえた。咽せそうになるのをなんとかこらえて全部飲む。もちろん味なんて分からない。おしっこの味としか言えない。口を腕で拭って男の顔を見回した。
ハルちゃんがローションを手に取った。股の間から手を差し入れて自分のアナルに塗り付ける。あのディルドにも塗る。ベンチにそのディルドを置いて、その上にしゃがみ込んだ。
「あ、えっと・・・」
僕は男の顔を見渡した。

「くっ」
ハルちゃんがディルドを入れようとしている。入っているのかどうかとか、僕には見えない。ハルちゃんの後ろを男が覗き込んだ。
「もうすぐ入るぞ」
その人が僕を見た。

「この人」
僕はワゴンを運んできた人を指差した。
「ほお、正解だ」
その人が言った。

ハルちゃんのアナルにディルドが入ったようだ。
でも、僕の方が早かった。この勝負、僕の勝ちだ。

「おしっこ出るか?」
陽良さんが僕に尋ねた。
「うん、たぶん」
すると、男が僕が飲み干したあのグラスを手渡した。
「これにおしっこしろ」
言われる通り、そのグラスにおしっこをする。グラスから溢れそうになるくらい、ほとんど一杯になった。
「罰ゲーム、分かるよな?」
ハルちゃんが男に言われる。ハルちゃんが立ち上がって僕の前に来た。手を伸ばす。僕はグラスを手渡す。
「親友のおしっこだ。飲めるな?」
陽良さんが言った。ハルちゃんが僕の顔を見た。そして、グラスの中の僕のおしっこを一気に全部飲み干した。

その後、僕等はキスをした。おしっこ臭いキス。そのまま男達が順番に僕等を犯す。僕等はキスをしたままお尻に入れられ、その奥に射精される。キスをしながら喘ぐ。ハルちゃんもだ。お互いの体を押し付け合う。ペニスを押し付け合う。
「入れて」
ハルちゃんが小さな、おしっこ臭い声で言った。僕は黙ってハルちゃんの後ろに回る。ハルちゃんのアナルに指を這わす。そこはもう、ぬるぬるとしていて緩く開いている。その穴にペニスを差し込んだ。

僕はみんなの精液をお尻の奥に出してもらい、ベンチの上に横たわっていた。ハルちゃんも同じだ。ただ、ハルちゃんのお尻の奥には僕の精液も入っている。それがみんなからのクリスマスプレゼントだ。それはそれで満足した。でも、まだもう一つ欲しいと思っている。僕は横のハルちゃんの顔を見た。
「まだ勃つでしょ?」
ベンチから下りて、ハルちゃんに近寄る。ハルちゃんのペニスを握る。そこがむくむくと堅くなる。そのペニスの上に跨がる。
「入れたことはある?」
ハルちゃんに尋ねた。
「ない」
「そっか」
僕は腰を沈める。ハルちゃんのペニスが僕に入ってくる。
「ああっ」
そのまま動く。やがて、僕はハルちゃんから童貞というプレゼントも奪い取った。


      


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