クリスマスが過ぎて、その年も終わろうとしていた。
あれから陽良さんとはホテルで1回、陽良さんの家でハルちゃんや男の人達と1回会って、セックスした。
「ね、お正月はどうするの?」
陽良さんの家でのセックスの帰り、ハルちゃんはコンビニに行くと言って、僕と一緒に家を出た。
「ウチはいつも、家で過ごすよ」
僕はそう答えた。
「ハルちゃんの家は?」
なんとなく実家で、なんてことはないだろうと思っている。
「旅行なんだ」
そういえば、今年のお正月もハルちゃんはどこかに行ったって言ってたっけ。
「まぁ、実際はセックス旅行なんだけどね」
(なるほどな)
ということは、たぶんあの3人も一緒なんだろう。
「じゃ、お正月は出来ないんだ」
「うん。それでさ」
ハルちゃんが少し声をひそめた。周りを見回す。別に誰かいる訳じゃない。
「その、お正月までに、二人でしたいな、なんて」
そういうことか。何となく理解出来た。
最近、陽良さん達とする時でも、ハルちゃんは僕と絡むことが多い。最初は陽良さんや男の人に言われて僕と絡んでたんだけど、ここ数回は何も言われなくても僕と絡もうとする。てっきり、どうせ言われるから、言われる前に絡もうとしているんだと思っていた。でも、そうじゃなかったということだ。
「近親相姦?」
少し茶化す。
「血は繋がってないし、まだ近親でもないし、いいでしょ」
「血が繋がってるお父さんともしてるじゃん」
別に拒否するつもりは全くない。というよりも、僕もハルちゃんとするのは好きだ。だって、ハルちゃんは僕の大切な陽良さんのDNAを受け継いでいるんだし、よくよく見ると、意外と陽良さんに似ているところがある。見た目も、性格も、行動も。
だから、浮気とかじゃなくて、父親の方を好きになったら、その息子の方も好きになっちゃってたって感じだった。
「まあ、僕もハルちゃんは好きだし」
「その好きはどういう意味の好き?」
「そうだなぁ」
少し考えて答えた。
「カレーが好きっていうのと同じ意味の好き」
ハルちゃんが僕の頭を軽く叩く。
「んだよ」
「僕は真剣に言ってるのに」
ちょっとふざけすぎたみたいだ。
「ごめん」
素直に謝った。
「僕もハルちゃんは好きだよ。陽良さんと同じように愛してる」
「ホントに?」
でも、それはちょっと違うかな。
「でも、一番は陽良さんだからね」
「まあ、そうだろうな」
機嫌を直してくれたようだ。
一緒に歩く。ハルちゃんの横顔をちらちらと盗み見る。
(やっぱり似てる)
鼻の先が少し丸まっているところとか顎のラインとか、陽良さんと同じだ。
「なに見てるの?」
ハルちゃんが前を向いたまま僕に言った。
「別に」
なんだか少し良くないことをしている気がする。
「さっきからじろじろ見てるくせに」
ハルちゃんが立ち止まる。
「そんなに僕の顔が見たいなら、見せてあげるよ」
そう言って、僕の顔を真っ正面から見る。僕の目を見る。
しばらく頑張った。でも、僕は目を逸らす。
「そんなまっすぐ見られたら、恥ずかしいだろ」
少し顔が火照っている。
「ったく。お父さんには平気で愛してるぅとか言うくせに」
「な、なんで知ってんだよ」
「ふぅん、ホントに言うんだ」
完全に玩具にされている。
「そんなことばっかり言ってたら、犯すぞ」
「いいよ」
僕はハルちゃんの掌の上だった。
近くの公園に二人で入る。
「この公園、覚えてる?」
ハルちゃんが言う。
「シュウちゃんが僕を襲った公園だよ」
そんなことは覚えている。
「咥えさせただけだろ」
「あの時は驚いたねぇ」
「それはこっちのセリフだ」
ハルちゃんは、目隠しされてしゃぶっただけの僕のペニスを覚えていた。
僕はハルちゃんの手を引いて、トイレに行く。
「またしゃぶらせるの?」
何も言わずに二人で個室に入った。
個室に入ったとたん、抱き付いて口を押し付けてきたのはハルちゃんだった。がちっと歯と歯がぶつかる音が頭に響く。そのまま舌を入れられる。個室のドアに背中を押し付けられて、僕は口を貪られる。口を離して耳を舐められる。
「ああ、シュウちゃん」
服の上から僕のペニスを弄られる。
「シュウちゃん」
撫でられる。ぎゅっと掴まれる。僕の前にしゃがみ込む。
「シュウちゃん」
僕のズボンのジッパーを下ろす。ズボンを降ろされる。ボクブリの上から僕のペニスを舐める。
「あっ」
声が出た。ハルちゃんが僕を見上げる。
「気持ちいい?」
僕はうなずく。ハルちゃんが僕のボクブリを下ろす。僕のペニスを握る。それに顔を近づける。
しゃぶられるのかと思った。でも、ハルちゃんはそれに鼻を近づけ、匂いを嗅いだ。
「ああ、シュウちゃんの匂い」
なんだか少し恥ずかしい。皮を剥かれる。また匂いを嗅がれる。
「すごい匂い」
自分のペニスの匂いが、僕の鼻の所まで漂ってきた。
「いい匂い」
さっきからハルちゃんは僕の匂いを嗅ぎまくっている。
「匂いフェチかよ」
照れ隠しにそう言った。
「うん、僕はシュウちゃんの匂いフェチ」
ペニスの付け根に鼻を押し付ける。玉も匂いを嗅がれる。
「向こう向いてよ」
僕の体を反転させる。僕のお尻を手で広げ、そこに鼻を突っ込む。大きく息を吸う音が聞こえる。
「ああ・・・シュウちゃんの匂い」
なんだか一人で盛り上がってる。
「僕の匂いはケツの穴の匂いかよ」
「そうだよ。自分じゃ分からない?」
(今日はお風呂で思いっきり体洗おう)
そう頭の中にメモをした。
「シュウちゃん」
ハルちゃんの声が少し下の方から聞こえる。僕のアナルをハルちゃんが舐めている。
「ああ、シュウちゃん」
さっきから僕を呼び続けている。アナルを舐め、匂いを嗅がれる。
「恥ずかしいって」
でも、ハルちゃんはやめない。それどころか僕の穴に指を入れてきた。
「あっ」
入ってくる。そこにハルちゃんを感じる。手を前に回して僕のペニスを握る。
「勃ってる」
穴に指を入れながら、僕のペニスを扱く。指を抜いて穴を舐める。穴の中に舌を入れてくる。
「ああ、シュウちゃんの穴、おいしい」
立ち上がって僕の耳のそばで言う。
「脱ぐから待っててね」
後ろを振り向くと、ハルちゃんが上半身裸になり、ズボンとパンツも脱ぎ捨てた。
「シュウちゃんも全部脱いで」
服を掴んで脱がしてくる。脱いだ僕のシャツを丸めて自分の鼻に押し当てる。
「シュウちゃんの匂い」
僕を見て笑う。
「するかよ」
「自分の匂いは分からないんだよ」
そういえば、前に僕の部屋で陽良さんにもそんなことを言われたのを思い出した。ハルちゃんの服を拾って鼻に押し当てる。
「あっ」
(ハルちゃんの匂いだ)
ハルちゃんが僕を見ている。僕は思わず目を逸らした。
「匂いなんてしねーよ」
ハルちゃんは笑顔だ。笑顔で便座の上においてあった僕のボクブリを手に取った。それを丸めて自分の鼻に押し付ける。
「ああ、いい匂い」
僕を見て言う。
「この、匂いフェチが」
急にハルちゃんが僕の腰を掴んで力を入れて引き寄せた。体を捻って僕を便座の上に座らせる。足を取り、あっという間に靴を脱がされ、靴下も剥ぎ取られた。
ハルちゃんがにやっと笑った。
「や、やめ」
僕が言い終わる前にハルちゃんが僕の足の匂いを嗅ぎ始めた。
「や、やめって、変態かよ」
僕を無視する。匂いを嗅ぎ、足の指を舐める。
「ひゃっ、くすぐったいって」
僕は身もだえした。
「でも勃ってる」
ハルちゃんが僕のペニスを咥えた。手は僕の足の指と指の間を撫でている。
「うぅぅぅ」
ハルちゃんが上目遣いで僕を見ている。
「やめろって・・・」
僕の声が小さくなる。急にハルちゃんが立ち上がった。
ハルちゃんが僕に入ってきた。
「あっ」
ハルちゃんに散々舐められた僕のアナルは、ハルちゃんをすんなりと受け入れる。
「すごい、シュウちゃん。ローションなしで入るんだ」
「お、お前が、舐めるからだろ」
ハルちゃんがゆっくりと奥まで入ってくる。
「気持ちいい」
奥まで入った。それでもさらに体を押し付けてくる。
「シュウちゃんと一つになってるんだね」
僕を見下ろして言う。
「ねえ、お父さんとじゃなくて、僕と結婚しよ」
「はあ?」
何を言ってるんだ、ハルちゃんは。
「だって、僕と結婚したら、シュウちゃんはお父さんの息子になるんだよ?」
体を引く。僕の穴の奥からシュウちゃんが出ようとする。
「ぼ、僕が好きなのは陽良さんだ」
「分かってるって」
また奥に入ってくる。
「だから、どっちでもそんなに変わらないでしょってことだよ」
また腰を引く。次はずんっと入れてきた。
「でも、僕と結婚する方が、自然だと思わない?」
「だから、僕は」
腰を引き、また奥を突かれた。
「それ以上言わさないよ」
ハルちゃんが腰を僕に打ち付ける。トイレでパンパン音がする。
「や、やめって、聞こえるって」
「もう聞こえてるよ」
さらに強く、激しく僕を掘る。
「僕等が愛し合ってるところ、みんなに見てもらおうよ」
ハルちゃんが個室のドアの鍵を外した。
「な、バカ、やめろ」
ハルちゃんがドアを開いた。
僕の位置からは、ドアに遮られて外が見えない。でも、何か声は聞こえる。誰かいる。
「ほら、ドア開いちゃったよ」
僕を掘る。
「誰かに見られちゃうよ」
パンっと僕に腰を打ち付ける。
「うれしいよね、シュウちゃん」
「は、早くドア閉めて」
「ったく、照れ屋さんなんだから」
ハルちゃんがドアを閉め、また僕に腰を打ち付けた。
「見られちゃったね」
僕を掘りながらハルちゃんが言った。
「学校で噂広まっちゃうね」
「だ、誰がいたんだよ」
ハルちゃんが悪い顔をした。悪いハルちゃん発動だ。
「冬樹」
「えっ」
僕に腰を打ち付ける。
「だから、冬樹」
「マ、マジかよ」
掘られている場合じゃない。慌ててハルちゃんの体を押さえようとした。
「嘘だよ。誰もいなかったよ」
足を持ち上げられる。
「このまま中で出すからね」
掘られる。ぐちゅぐちゅと音がする。僕の体にじんわりとその気持ち良さが広がる。
「ああ」
声が出た。
「気持ちいい?」
うなずく。
「僕に掘られて気持ちいいんだ」
またうなずく。
「そっか。うれしい」
腰を打ち付ける。
「ああ、シュウちゃん、イきそう」
ハルちゃんの腰の動きが早まった。
「ああ、イくイくイく!」
その瞬間、ハルちゃんはペニスを引き抜き、僕の顔にそれを突き付けた。
「ああっ」
目の前のハルちゃんのペニスから、精液が僕の顔面に飛び散った。
トイレの手洗い場で、ハルちゃんの精液まみれになった顔と髪の毛を洗う。
「ったく・・・」
ブツブツ言いながら、ハンカチで拭う。
「気持ち良かったでしょ?」
「それはお前だけだろ」
僕はイってない。盛大に顔射したのはハルちゃんだけだ。
「うん、僕は気持ち良かった」
意味ありげに言った。
「だから、次は」
ハルちゃんが僕の手を引いて、また個室に行こうとした。
「やめろって」
手を振りほどいた。そのまま僕はハルちゃんに抱き付き、その体を個室に押し込んだ。
「はぁ、気持ち良かったねぇ」
僕等が個室を出たころには、辺りはすっかり暗くなっていた。
「結局シュウちゃん、3回もするから、すっかり真っ暗じゃん」
確かにそれはその通りだ。
「だって・・・当分会えないだろ?」
「まぁね」
別に陽良さんとだって毎日会っていた訳じゃない。なのに、お正月の数日会えないだけで、こんなに一緒にいたいと思うとは。しかも、その相手はハルちゃんだ。
「僕と結婚するって話、考えといてね」
「まだ言うか」
ハルちゃんが僕を抱き締めキスをした。
「じゃ、次会うのは来年ね」
「うん」
「良いお年を」
二人同時に言った。
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