(どうしたらいいのかなぁ・・・)
珍しくちゃんと机に座って問題を考えている洋平の横顔をそれとなく見つめながら、僕はずっと考えていた。このきれいな顔・・・黙ってまじめな顔をしてたら美少年って言えないこともない。
(この洋平のパンツ、欲しい)
僕の視線が洋平の下半身に移動する。今は普通にズボンはいてるから見えないけど、その奥に隠されているパンツを想像する。何度か見たことがある洋平の体・・・張りがあってつるつるすべすべの肌、少し日焼けの跡が残ってる太股、そこに真っ白なブリーフが光っている。そんな想像をすると勃起する。でも、べつに平気。洋平は気が付いていない。公平には見つかったことがある。
「センセー、なに考えてんの?」
盛り上がったズボンの股間を見つめながらそう言われたっけ。でも、それ以上なにも言わなかった。だから、大丈夫かな、とか思って・・・
それから何回か勃起してるとこ見られた。公平はそれに気が付いてもなんにも言わなかった。だから、僕は公平を教えてる時は平気で勃起させてる。ちょっとやんちゃな洋平に比べると、少しだけ大人っぽい公平。それはそれですごく気になる。その横顔を見て、やっぱり想像してしまう。少しだけ筋肉が付いてきてるような体は洋平とはだいぶ違う。そんな公平の体に白いブリーフ。そして・・・股間に黄色いシミなんかあったら・・・
実は、公平のパンツに黄色いシミがあるのを見たことがある。もっとも、履いてる時じゃないのが残念だけど。洋平が僕に見せたんだ。
「ほら、兄ちゃん漏らしたんだよ」
とか言って、僕の目の前にその白いブリーフを広げたんだ。公平は恥ずかしくて、それを洋平の手から奪おうとする。でも、それをひらりとかわした洋平は、部屋の中を走り回る。そんな騒々しい2人の前で、僕は幸せを感じていた。
(あの公平がお漏らししてシミつけてる・・・)
完全に勃起していた。そして、そのブリーフ、絶対に欲しいと思った。
もちろん、思っただけで終わっちゃったけどね。
「センセー」
洋平が僕を呼んでいるのにようやく気が付いた。
「なにぼぉっとしてるの? お母さんが呼んでるよ」
僕はあわてて振り返った。この2人のお母さんが立っていた。
「勉強中ごめんなさいね。ちょっと2人に話があるの。いいかしら?」
僕はあわててうなずいた。おばさんは2人を呼んで、部屋から出ていった。僕は部屋に一人取り残された。
(はぁ・・・勃起してるの見られたかなぁ)
そんなことを思いながら、椅子の背もたれに体を預ける。ぎしっと音がする。そのまま背中を反らせる。部屋の隅の小さなクローゼットが逆さまに見えた。
どきっとした。
(アソコニフタリノぱんつガハイッテルンダ)
どうかしてるって思うならそう思えばいいよ。でもさ・・・欲しくて欲しくてたまらないブリーフが、今、あそこにあるんだよ。そして、この部屋には誰もいないんだよ?
男なら行動あるのみだ!
僕は椅子から立ち上がって、クローゼットの扉を開いた。
クローゼットは棚で上下に仕切られている。上半分と下半分はほとんど同じ感じ。プラスチックのボックスみたいなのがあって、半透明の引き出しが3段ずつある。その横や上にはいろいろと物が詰め込まれている感じだった。特に、下の段には隙間が見えないくらいにごちゃごちゃといろいろ詰め込まれている。
(上の段が公平で、下の段が洋平だな)
ひと目で分かった。
そして、僕はしゃがみ込んで、下の段にある3つの引き出しの、一番下を開いてみた。そこには・・・
(あった・・・)
白いブリーフが折り畳まれた状態で並んでいた。お母さんが入れてるのであろうそのパンツ達は、きれいに並べられていた。その一つを手に取ってみる。そして、広げる。目の前にあこがれのブリーフが・・・ただ、残念なのは、洗った後だってこと。でも、僕はその股間の部分を鼻に押し当てて思いっきり吸い込んでみた。
残念ながら、洗濯した後のにおいしかしなかった。
元に戻そうとそれを畳む。他のパンツみたいにきれいには畳めてないけど、まぁ分からない程度には畳めたかな。そして、それを引き出しに戻そうとしたとき、半透明のプラスチックの引き出しの底のさらに下に、何か赤いものが透けて見えているのに気がついた。引き出しを抜き取ってみた。そこには赤い油性マーカーが転がっている。僕はその油性マーカーを拾ってシャツの胸のポケットに入れた。そして引き出しを戻す。
(今度は公平のだ)
目の前にあの黄色いシミがついた公平のブリーフが浮かんだ。
立ち上がって、上の段の一番下の引き出しを開く。やっぱり上の段も下の段と同じようにそこにパンツがしまってあった。一番手元に近いのを一つ取り出そうとした。
そのとき、2人の話し声が聞こえた。
僕はあわててパンツを元に戻して引き出しを閉めた。クローゼットの扉を閉じて、椅子に座ったのと2人が部屋に入ってきたのがほぼ同時だった。
「ごめ〜んセンセー」
洋平がそう言って、椅子に乱暴に座る。ぎしっと大きな音がした。
「ほら、いいから続き」
僕がそう言った時だった。
「あれ、センセー、それ・・・」
洋平が僕の胸のポケットの油性マーカーを指さした。
しまった、何となくポケットに入れたままだった。
「あっ」
公平が驚いたような声を上げた。無くした油性マーカーが見つかったからなのか、僕が持っているのを見てびっくりした感じだった。
何とか取り繕わないと・・・どこにあったかなんて聞かれたら・・・でも、あんなところに落ちてたなんて知らないだろうから、適当にごまかすことにした。
「ああ、机の下に落ちてたよ」
僕は油性マーカーを洋平に手渡した。
「ふーん、机の下にねぇ・・・」
洋平が僕の顔を見た。どきっとした。なんか、疑われてる?
でも、洋平はすぐにまた参考書に向き直った。
ちょっとどきっとしたけど、別に大丈夫みたいだった。それにしても、今日は珍しく洋平がまじめだ。と思っていた矢先だ。
「センセー、ちょっと目つぶって」
「ん、なんだよ・・・ちゃんと問題解けよ」
「もう終わったよ」
洋平がとんとんとノートの上を指で叩いた。確かに今日の課題は終わっている。
「いつもこんな風にまじめにしてたらいいんだけどな」
僕がそう言うと、少しだけ頬を膨らます。
「終わったんだからいいでしょ? 目つぶってよ」
別に断る理由もない。その通りにする。
「口開けて」
(何なんだ?)
そう思いつつも口を開く。と、何かがつっこまれた。思わず目を開く。あの油性マーカーだった。
「なにするんだよ」
少し声が大きくなってしまった。
「おいしかった?」
「おいしいわけないだろ」
洋平のにやっとした顔は、さっきまでの珍しくまじめな表情とは違い、いつもの表情だった。
「ったく・・・」
僕は洋平の頭を軽く小突いた。
その日のオナニーのネタは、当然洋平のパンツだ。
鼻に押し当てて嗅いだにおい・・・あれが脱いだすぐ後だったらなぁ・・・ちょっと酸っぱいようなにおいを想像しながらしごいた。いつもより量が多かった。
それからしばらくはそんなこともなく、普通に家庭教師をしていた。もちろん、P2ゲット大作戦に進展はなかった。
でも、ブリーフの神様は僕に微笑みかけてくれた。
それは・・・
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