「じゃ先生、よろしくお願いしますね」
おばさんがなんだか仰々しく僕に言った。おばさんの向こうの玄関のドアは開いてて、その向こうにおじさんが車の運転席で待っている。
「わかりました。大丈夫です」
僕がそう言うと、おばさんは玄関から出ていく。ドアが閉まる音。やがて、車の音。
おじさんとおばさん、つまり公平と洋平の両親は、今日から親戚の家に行く。帰ってくるのは明後日の午後らしい。ちょうどこの三連休の真ん中の日に、その親戚のところの子供が結婚するらしい。公平と洋平も連れて行きゃいいのに、なぜか置いていく。そして、その面倒を誰が見るのか・・・僕に白羽の矢が突き刺さったというわけ。
はっきり言ってこの話を聞いたときは面倒なことになったと思ったよ。だって、あの2人と3日間も一緒にいて、しかも面倒を見なきゃならないなんて・・・
でも、さぁ・・・そうだよ、チャンスだよ。ついにP2ゲット大作戦、コンプリートのチャンスがやってきたんだ!
そんなわけで、いろいろと作戦を練った。
といっても、脱ぎたてパンツをお風呂の時に手に入れるってだけなんだけどね。
その日、僕はコンビニの袋に1日分ずつの着替えを入れたのを2つ準備した。それをバッグの中に入れる。そして、2人の家に来た。
おじさんとおばさんは、僕が来るとすぐに出発した。そして、この家に3人だけになったってわけ。
「じゃ、お風呂入ろうか」
いや待て、今何時だ? まだお昼にもなってないじゃん・・・
僕は涙を飲んで、そのせりふを飲み込んだ。
とりあえず、お昼までDVD見て、お昼は近くでハンバーガー食べて(一応、おばさんからお金渡されてたし)、そして午後は洋平の希望で近くの河原で軽くキャッチボール。というよりは、僕がボールをぶつけられる。
この3人の中では、洋平がダントツで運動神経がいい。普通以上の運動神経だ。公平はまぁ並かな。僕は並以下・・・って言ったら並に失礼かもしれない。
それを知ってるから、公平はキャッチし易いように投げてくれる。でも、洋平は容赦なしだ。いや、むしろ僕にぶつけようとする。
(むしろイジメ?)
そう思わないでもない。でも、夜には今履いてるパンツを・・・
「うが・・・」
勃起したところにモロにボールが当たった。僕は股間を押さえてしゃがみ込んだ。公平と洋平が駆け寄ってきた。
「大丈夫?」
そう声をかけてきたのが公平。そして、洋平が僕の股間をまじまじと見つめる。
「ごめんね、つぶれてない?」
そう言いながら、僕の股間を握ってきた。
「あ、こら」
「お兄ちゃん、勃起してる〜」
でかい声でそう叫んだ。僕は真っ赤になった。
河原でのキャッチボール(羞恥プレイ)が終わると、3人ともうっすらと汗をかいていた。家に戻って夕食までの間はゲームをする。夕食はおばさんが作っておいてくれたものを電子レンジでチンするだけ。そして、待望のお風呂タイムだ!
口の中が乾いている。唾を飲み込んで、僕は言った。
「お、お風呂入る?」
「お湯入れたの?」
「へ?」
そう、お風呂入るにも準備がいるよね、普通は。それを忘れるくらい、僕は舞い上がっていたんだ。
「お風呂準備しといてよ」
洋平がリビングのソファに寝転がってテレビを見ながらそう言った。
「なんで僕がしなきゃならないんだよ」
「だって、お兄ちゃんが僕等の面倒見てくれるんでしょ?」
(そりゃそうだけど・・・)
「僕等の面倒見るってことは、僕等の召使いじゃん」
「おい」
さすがにちょっとむっとした。でも、洋平はおかまいなした。
「ほら、早く」
ここで言い合いになってお風呂入らない、なんてことになったら大変だ。P2ゲット大作戦が台無しになる。僕はこらえてお風呂の準備をする。公平が手伝ってくれた。
「ほら、お風呂入れるよ」
お風呂に手を突っ込んで湯加減を確かめながら、僕は叫んだ。洋平はあれからずっとテレビを見っぱなし、公平は夕食後の皿を洗ってくれた。
「ちょっと洋平、がつんとやらなきゃなぁ・・・ったく」
僕は浴室でそうつぶやいた。そのとたん、どたどたという音が洗面所に響く。次の瞬間、浴室のドアが勢いよく開いて、洋平が最初に、その後に公平が飛び込んできた。2人は勢い余って僕の体にぶつかった。僕は浴槽の中に倒れ込んだ。
「あ〜あ、お兄ちゃん服着たままなにしてんだよぉ」
洋平が少し不満げな声をだす。僕はごほごほと咳き込んだ。
「なにやってんだって、こっちのせりふだろうが」
僕は本気で怒った。でも、次の瞬間、その怒りを忘れた。洋平も公平も全裸でそこに立っていた。全く隠すこともなく、全部さらけ出していた。
2人の裸ならいくらでも見たことはあった。でも・・・それはあくまでもちらっと見える程度。今、目の前に2人のちんこがぶら下がっている。僕は思わずまじまじとそれを見てしまう。
「どこ見てんだよ、もう」
はっと我に返った。
「お前ら、少しはおとなしくしろよ」
しかし、そう言った端から、洋平がどぼんと浴槽に飛び込む。お湯があふれ出て、濡れた僕の服をさらに濡らす。
「へ〜んだ」
そして、両手でお湯をすくって僕にかけてくる。
「こらぁ」
僕はあわてて浴室から避難した。
浴室のドアを閉める。ドアの向こうから、公平と洋平が話している声が聞こえてきた。洗面所には洗濯機が置いてある。そして、さっきの2人の全裸が脳裏に浮かぶ。
(ってことは・・・)
僕は音を立てないように注意しながら洗濯機のふたを開けた。中をのぞき込む。
(あった)
心の中で叫んだ。他の服の下になってるけど、絶対、ブリーフだ。
まだこの状態では洋平のものか、公平のものかは分からない。
「お兄ちゃん何してんの?」
浴室の中から、洋平の声がした。僕はあわてて自分の濡れた服を脱ぐ。
「お前が濡らした服を脱いでるんだよ」
そして、僕は洗濯機の中のブリーフを摘んで引っ張ってみた。
(やっぱり・・・)
そして、その下にもう1枚。
その2枚のブリーフをひっつかんで、僕は洗面所を出た。
2人の部屋で、僕はそのブリーフを広げてみた。真っ白いブリーフが少し小さかった。それよりもちょっとだけ大きい方のブリーフは、ゴムの部分に青いラインが入っている。
(こっちが洋平の・・・)
白い方の股間の部分を鼻に押し当てて大きく息を吸い込んだ。少し甘酸っぱいにおいがする。
(そしてこっちが公平の・・・)
青いラインの入ったブリーフを目の前で広げてみた。股間が少し黄色くなっている。僕はその部分を鼻に押し当てた。
いつまでもずっとそうしていたかった。でも、僕もそろそろお風呂に行かないと・・・
僕は2枚のブリーフを丁寧に畳んだ。そして、自分の着替えを入れてきたコンビニの袋から着替えを取り出し、その中に畳んだブリーフを入れる。袋を鞄の底に大切にしまう。
そして、僕はブリーフ一枚になって、浴室に向かった。
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