お風呂はまるで戦争だった。お湯の掛け合い、水の掛け合い、シャンプーの泡爆弾。洋平のまったくの無防備な股間は何度もさりげなく触れることができた。
一方、公平の方は、初めはそうでもなかったけど、偶然のふりをして何回か触ると、意識したのかそのあとは少しガードが堅くなる。僕はもちろんしっかりガード。でも、最後にはみんな触り合いになる。夢のような時・・・そんなささやかな幸せを感じていた僕の股間が勃起しそうになって、その幸せな時間をあわてて打ち切った。
「ほら、いつまで遊んでるんだよ」
僕は2人の体についた泡をシャワーで洗い流して先に風呂から上がらせる。最後に自分の体をゆっくりと洗い流す。そして、浴室に飛び散っている泡も流して、後かたづけをする。
脱衣所にはすでに2人の姿はなかった。体を拭いて、パンツを履く。洗濯機のふたをもう一度開けてみる。バスタオルが無造作に放り込まれている。ブリーフがなくなっていることには気が付かなかったろうか・・・
(きっと大丈夫)
僕は家から持ってきたパジャマを着て、彼らの部屋に戻った。
部屋に入って、僕はびっくりした。2人とも、ブリーフ一枚だった。
「お前ら・・・パジャマくらい着ろよ」
2人のブリーフ姿を見ながら、僕は心にもないことを言う。一応・・・お兄ちゃんとしてはそう言わないと・・・
「いいじゃん、涼しいし」
「風邪ひくだろうが」
なにが涼しいだ。そりゃ、お風呂から上がったばっかりで体は暖まってるけど、涼しいとかって季節じゃない。僕は2人の横に座り込んだ。
「もう・・・」
洋平がぶつぶつ文句をいいながら立ち上がる。公平も僕の目の前で立ち上がった。公平のブリーフに包まれたお尻が目の前にあった。
突然、洋平が公平のブリーフに手をかけて一気にそれを下ろした。目の前の白い布が一瞬でなくなり、白い公平のきゅっとしまったお尻が現れた。
「な・・・な、なに・・・」
言葉が出てこなかった。目の前に公平のお尻。生尻がある。僕はそこから視線をはがすことができない。
「ほら、やっぱりお兄ちゃん、お尻見たかったんだ」
洋平の声が聞こえた。
(や、ヤバいって・・・)
僕は一生懸命冷静になろうとした。しかし・・・
「あ、これなに?」
いつの間にか、洋平が僕の鞄の中を探っていた。そして、小さく丸めたコンビニの袋を手に持っている。
「こ、こら、なにやって・・・」
僕はあわててその袋を奪い取ろうとした。でも、僕が手を伸ばしたところに運悪く公平が移動する。僕の手が公平のお尻をつかむことになる。その感触・・・すべすべしていて、弾力があって、柔らかくて堅くて・・・こんな時じゃなかったら、僕はそこから手を離すことができなかったろう。
僕は公平のお尻から無理矢理手をひっぺがして、洋平の方に手を伸ばした。しかし、洋平はすでにその袋の中身を取り出し、広げていた。
「あれ、なんで僕と兄ちゃんのパンツがこんなとこに?」
「そ、それ、僕ん家で洗濯しようと思って」
訳の分からない言い訳がとっさに出てきた。
「なんでパンツだけお兄ちゃんが洗うの?」
洋平がすぐに突っ込んできた。
「あ、いや、だから・・・その・・・」
なにも言えなかった。
「じゃ、僕がお兄ちゃんのパンツ洗ってあげるから、交換しよ」
そう洋平が言ったのを聞いて、僕はほっとした。
(なんとか・・・ごまかせたかな)
ここで断ると話がややこしくなりそうだったので、僕は素直にさっき脱いだ着替えを入れていたコンビニの袋からブリーフを取り出した。
洋平は僕のブリーフを受け取った。
「ほら、お兄ちゃんのパンツ」
洋平は、それを公平に手渡した。公平はブリーフを膝まで下ろした恰好のままで、それを受け取る。
「ほら、早く」
公平が僕のブリーフをつまんで広げる。次の瞬間、それを頭にかぶった。
「お、おい」
僕は思わずそのブリーフを奪い取ろうとした。でも、洋平が公平の腕をつかんで引っ張ったため、僕の手は空を切った。
「ほら、お兄ちゃんに見てもらいなよ」
そして、洋平は公平の体を反転させた。公平は・・・勃起していた。
「な・・・」
言葉が出てこない。公平のちんこはぴくぴくと脈打つように揺れている。
「こっちも見せなよ」
もう一度、洋平が公平の体を反転させる。そして、少し前屈みにさせ、お尻に手をかけて、そこを開いた。赤い何かが公平のお尻のところにあった。
「自分で開いて」
洋平が公平に言う。公平は自分の手でお尻を開く。まるで洋平の言いなりだった。
「ほら、お兄ちゃん。これ、なにか分かる?」
公平のお尻の穴のところにあった小さな赤い物を洋平がつまむ。そして、それを引っ張ると、公平のお尻の穴から・・・
「あ・・・」
油性マーカーが出てきた。あのとき、僕が見つけたあの赤いマーカーだった。
僕がそのことに気が付くと、洋平はそのマーカーを公平の穴に押し込む。
「うっ」
公平が小さな声を出した。
「ほら、自分でしなよ」
洋平にそう言われて、公平は自分の手で油性マーカーを握る。そして、ゆっくりとそれを中に押し込んでいく。
「ほら、大好きなお兄ちゃんに、いやらしいオナニーしてるの見てもらいなよ」
公平はこっちを向いて床に座り込んだ。そして、足をあげて、僕に穴に入っている油性マーカーが見えるようにする。右手でマーカーをゆっくりと引き抜きながら、左手で勃起したちんこをしごいている。頭に僕のブリーフをかぶったままだった。
「お、おい・・・なにやってんだよ」
「なにって、いつものことだよ」
固まっていた僕がようやく尋ねた質問に、洋平は簡単に答えた。
「お兄ちゃんだって、同じようなことしてるんでしょ?」
「な、なんでだよ」
僕はあわてて反論する。
「僕は・・・僕は変態じゃない」
そう言ってから、これって公平を変態って言ってることになるってことに気が付いた。
「そ、その・・・」
言い直そうと思ったけど、なんて言えばいいのかわからなかった。
「僕等のブリーフ、欲しかったんでしょ?」
洋平が言った。
(な、何でバレてるの?)
焦った僕は、ますますなんて言えばいいのか分からなくなる。
「わかってたんだよ、前にお兄ちゃんが僕等のブリーフ盗ろうとしたこと」
「盗ろうとした訳じゃない」
そう言ってしまってから、罠にはまったことに気が付いた。
「あの赤いペンね・・・ボックスの下にあったでしょ?」
赤い油性マーカーは、確かにプラスチックのボックスの半透明の引き出しの下にあった。
「あそこに隠してたんだよ、兄ちゃんの道具。なんでお兄ちゃんはそんなとこ開けたの?」
僕はなにも言わなかった。いや、なにも言えなかった。
「兄ちゃんはね、パンツかぶってオナニーするのが大好きなんだよ」
僕は公平の方を見た。公平は、さっきからなにも言わずにひたすら赤い油性マーカーを動かしながらしごき続けていた。
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