目が覚めた。周囲は明るい。がばっと身体を起こす。
「今日は僕だ」
僕はつぶやいた。

昨日、あれからもう一回やって、その後は・・・あんまり覚えていない。眠っていたのかもしれない、御山君のお尻になったまま。
(感じるためにお尻になってたみたいだな)
はっきり言って、セックスしていた時以外のことはあまり覚えていない。
(でも、それじゃまるで僕が淫乱みたい)
したい、と思うのは事実だ。でも、本当にできるのか。
僕のアナルに入れられそうになったときは凄く痛くて入らなかった。御山君は入れられて気持ち良さそうにしていた。そして、御山君のお尻になったとき、それが実際に気持ちいいということを知った。
(もう一回やってみたい。直接入れられてみたい)
そう考えただけで勃起していた。

その日は月曜日だ。普通に学校の準備をして家を出た。途中で子安と合流する。そのまま学校に着いて、教室に入る。御山君がいた。なんとなく顔を合わせ辛い僕は、目が合いそうになる前に顔を逸らした。そのまま自分の席に行って、座る。
なんとなく視線は感じた。なんとなくドキドキした。でも、それだけだった。いつもの通り授業が始まり、いつもの通り時間が過ぎていく。

「なんで顔逸らした?」
その日はずっと御山君のことは避けていた。でも、お昼休みに捕まってしまった。階段の踊り場の隅に連れて行かれる。
「い、いや・・・別に」
「昨日、なにしてた?」
ドキッとした。何か気づかれたんだろうか。
「べ、別に。ずっと家でブルーレイ見てゲームして」
御山君が僕を見つめている。その顔。ほんの少し、黒いオーラが出ているような気がする。
「ホ、ホントに」
言ってしまってから、聞かれてもいないのに言って失敗した、と思った。
「昨日、スマホに電話したのに」
(嘘だ)
昨日はそんなことはしていない。御山君のお父さんから僕を呼び出せって言われたけど、確か御山君は断ったはずだ。
「スマホの着歴見てみろよ」
僕はスマホを取り出した。
「ふうん、僕が嘘をついたって思ってるんだ」
(しまった)
僕は少し慌てた。けど、電話したって言われて確認するなんて、普通誰でもすることだ。
「来てない」
通知もないし、着歴にも入っていない。
「じゃ、電波届かないとこにいたんだ」
いや、別にそんなところにいたわけじゃない。
「例えば、僕のお尻とか」
「そ、そんなことないし。昨日はなってないし」
「ふうん・・・」
それっきり、御山君は何も言わない。
「僕、もう教室戻るよ?」
それでも御山君は何も言わない。僕は御山君を置いて階段を降りようとした。
「待てよ、アナル」
「だからその呼び方やめろって」
そう言って階段を駆け降りた。
「あっ」
途中で立ち止まった。恐る恐る振り返る。御山君がにやにやしながら僕を見ていた。
「どんな呼び方だっけ、アナル・・・えっと・・・」
ゆっくりと階段を降りて来た。僕は観念した。
「そうだ、精液。アナル精液だったな」
そう、その呼び方は、昨日、御山君とお父さんの二人がセックスしている最中に初めて言われた呼び方だったんだ。

「で、昨日も僕のアナルだったんだ」
放課後、僕は御山君の家に来ていた。いや、連れて行かれた。
「お尻」
僕は訂正した。
「アナルだろ、お前は」
御山君は黒御山君だった。
「お前はこれからアナル精液だ」
「やだよ、そんな呼び方」
僕は抗議する。けど、御山君は聞き入れてくれない。
「じゃ、アナルは昨日、僕がなにしてたのかは知ってるわけだ」
うなずくしかない。
「なにしてたか言ってみろよ」
顔は笑っている。でも、黒いオーラを纏っている。
「一昨日もしたのに、昨日もしてた」
渋々そう答えた。が、御山君の黒いオーラは止まらない。
「なにをしてた?」
「アナルセックス」
そして、付け加えた。
「ところてんしたって」
「本当に僕のアナルだったんだ」
御山君が笑う。疑っていたのか・・・いや、そうじゃないと思う。ただ、僕にそういうことを言わせたいんだろう。
「ところてんって知ってるんだ」
「知らない」
食べ物のところてんは知ってるけど、絶対そういう意味じゃない。
「なんにも知らないし、なんにもできないんだな」
「でも、気持ち良かった」
言うつもりはなかったのに、そんな言葉が口から出た。
「さすがアナル、僕がやられて気持ち良かったんだ」
「別に・・・御山君がやられてたからじゃない」
何を言っているのか分からなくなってきた。でも、その話をするべきだと思った。
「御山君がやられてる時、僕も・・・僕の中でなにか感じた」
あの時のあの感触を思い出す。そして、御山君のお父さんのあれも。
「気持ち良かった。御山君もだと思うけど」
「偉そうに、アナルのくせに」
「ちゃんと気持ち良くなれるようになりたい、御山君みたいに」
御山君が急に立ち上がった。
「お前に気持ち良くなる資格なんかないんだよ、アナル精液のくせに」
そして、僕は御山君の家から追い出された。

(なんなんだ)
僕には御山君の気持ちが分からない。その前に自分の気持ちすら分からない。なぜ、あれを御山君に言うべきだと思ったんだろうか。僕も御山君と同じように気持ち良くなってるって伝えたかったんだろうか。僕も御山君と一緒だって言いたかったんだろうか。
僕は、御山君とどうにかなりたいんだろうか・・・例えば、そういうことも話し合える友達だとか、それとも・・・セックスフレンドとか。

確かに御山君と御山君のお父さんの関係は少しうらやましいとは思った。
でも、自分の父親とそういうことになりたいのかと聞かれたら、絶対に嫌だ。ひょっとしたら、御山君も本心では・・・
でも、御山君はお父さんに大好きって言っていた。それを僕は聞いていた。
(なんなんだろう・・・この気持ち)
そもそも御山君のお尻になったり、そして御山君がお父さんとセックスしてるのを感じたり、そのお父さんに入れられそうになったり・・・
自分の気持ちが分からない。自分が何をしたいのか分からない。自分がどうなるのか分からなかった。

それがはっきりしたのは、御山君からの呼び出しがあったからだ。
僕の方が、御山君の、他の人に知られたら困るようなことをたくさん知っている。それなのに、御山君は僕に命令する。僕をアナル精液なんて呼ぶ。そして、僕はそれを断れない。その理由は・・・
またホテルの入り口で、御山君と御山君のお父さん、そしてもう一人知らない少し若い人が僕を待っていた。
「来たな」
御山君のお父さんはそういうと、僕をエレベータに乗せて部屋に連れていった。
「この人は若狭君、俺の部下だ」
その名前に聞き覚えがあった。確か・・・すごいデカい人。体はそんなにデカくない。顔つきも若そうで、そんなデカいっていう感じじゃない。でも、御山君がデカ過ぎって言うくらいにデカいんだろう。
僕は少しだけ頭を下げた。
「この子が例の春きんの友達?」
「そう」
御山君のお父さんが答えた。
「違う」
御山君が否定した。若狭さんが僕を見る。
「まだ入らないんだよね」
御山君のお父さんがうなずいた。
「壊しちゃってもいいの?」
「今日はまだだめ」
御山君のお父さんとこの若狭って人はほぼタメ口だ。確か、部下って言っていたのに。
「じゃ、とりあえず脱ごうか」
若狭さんが僕に言った。僕は御山君のお父さんを、そして御山君を見た。
「脱ぎなさい」
御山君のお父さんが言った。
「お前も」
そして、御山君にも言った。
「やだよ。アナルだけ脱げばいいだろ、今日はアナルを犯すんだから」
そして、僕に向かう。
「ほら、早く脱げよ」
三人が僕を見ている。そんなところで僕だけ裸になるのは嫌だ。でも、手が勝手に動いた。着ていた服のボタンを外す。シャツをたくし上げる。
「いいね、中学生の体ってのは綺麗で」
僕を舐めるように見ながら、若狭さんが言った。その途端、僕のペニスが勃起し始めた。
「下も脱ぎなさい」
ズボンを脱いだら、勃起しているのが知られてしまう。それは恥ずかしい。僕は御山君のお父さんの顔を見た。
「早く」
「脱げよ」
御山君親子が言った。それでも僕は動かなかった。少し時間が経って、ようやく僕の手が動いた。
「勃ってる」
最初にそれを言ったのは御山君だった。僕は真っ赤になる。
「恥ずかしがってかわいいね」
若狭さんが言った。
そして、僕は三人の前でペニスを勃起させながら全裸になった。
「次は」
御山君のお父さんが言いかけたところで御山君が服を脱ぎ始めた。
「さすが、変態春きんだ」
「変態じゃない」
そして、御山君も全裸になった。
「そういや、この子の名前は?」
「アナル精液」
すぐに御山君が答えた。
「なに、それ」
「阿南・・・誠一君、だっけ?」
御山君のお父さんが言った。僕はうなずいた。
「そうか、だからアナル精液か」
若狭さんが笑う。
「それだけじゃないけどね」
御山君が言った。でも、若狭さんはそれを聞き流したようだ。僕に近づき、後ろに回り込む。後ろから僕の胸に手を回して体を撫で始めた。
「すべすべで最高だね、中坊の体は」
そのまま手が股間に降りていく。
「毛は生えてるんだ。でも、まだ少しだし、柔らかい」
その部分を撫で回す。そのまま、僕の勃起したペニスを握る。
「春きんと同じくらい?」
「僕の方が大きい」
御山君が主張する。
「アナル君の方がほんの少し大きいかな」
御山君のお父さんが言った。
「並んでみて」
若狭さんが御山君の腕を引っ張った。僕らは向かい合って立った。お互いのペニスを並べる。僕の先が御山君の体に当たっても、御山君の先には少しだけ隙間があった。
「アナル君の勝ちだね」
若狭さんが言うと、御山君が僕のを強く握った。
「痛つっ」
僕が腰を引く。その僕の後ろに御山君のお父さんが立っていた。そして、アナルにローションが塗りつけられた。
「前は入らなかったけど、今日はどうかな」
その言葉を聞いた時、僕の中で何か音がした。僕のスイッチが入った音だ。
「あ、あの・・・」
「怖いか?」
御山君のお父さんは、僕の気持ちを勘違いしている。
「入れられたいんだろ?」
御山君が言った。御山君のお父さんが御山君を見る。
「こないだの日曜日、また僕のお尻になってて、その時気持ち良かったんだって」
「お尻になるって?」
若狭さんが御山君に尋ねた。
「その説明は後で」
御山君のお父さんが言った。
「そうか。君も春樹のようになりたいんだな」
そして、ベッドに押し倒される。
「だったら、じっくりと拡げてやるよ。気持ち良くなれるようにな」
ベッドの端で、四つん這いにされた。
「アナルには若狭さんが入れて、お父さんは僕に入れてよ」
御山君が言った。
「この子にはまだ無理だろ、あれは」
「そうなの?」
そして、若狭さんは服を脱いだ。
「うわ」
僕は思わず声を上げた。御山君のお父さんも太いけど、それよりも見ただけで分かるくらい太い。太いだけじゃない、デカかった。
「デカ過ぎ・・・」
御山君がそう言っていたのを思い出した。そして、その意味を理解した。
「僕も無理だって、デカ過ぎ」
「前入ったろ」
若狭さんは、それを僕が聞いているということを全く気にしないようだ。
「無理。きつかったんだから」
「じゃ、春きんも拡げてやるから二人並べ」
御山君が僕の隣に同じように四つん這いになった。
「二人とも、気持ち良くしてやるからな」
そして、御山君のお父さんの指が、僕のアナルに入ってきた。

「まずは一本目」
隣で若狭さんが言った。
「一本は平気だろ?」
御山君のお父さんの質問に僕はうなずいた。
「じゃ、二本目」
アナルが少し拡がる感じがする。前は確かここまでだった。少し体に力が入る。
「力入れない。リラックスして」
「はい」
「こっちは楽々入ってく」
隣で若狭さんが言った。
「さすが、変態春きんだな」
「変態言うな」
こっちの二人は余裕みたいだ。僕は少しドキドキしながら力を抜く。御山君のお父さんの指が入ってくるのが分かる。拡がっている感じはするけど、前よりきつくない気がする。
「大丈夫か?」
僕はうなずく。
「よし、じゃ、三本目」
入ってくる。それがはっきり分かる。拡げられていることもはっきりと感じる。
「痛い?」
「大丈夫です」
本当のことを言えば、もう結構きつい感じがする。
「春樹、コツを教えてやれ」
御山君のお父さんが言った。
「えぇ、やだよ」
「教えて、やれ!」
若狭さんの声だ。
「あっ」
御山君の声。僕はそっちに顔を向けた。
「見んなよ」
僕は顔を元に戻す。
「ほら、こっちは三本くらい平気でズボズボできる」
もう一度、恐る恐る顔を向けた。そして、首を捻って御山君の後ろの若狭さんを見た。
「これじゃあ見えないか」
若狭さんが御山君のお尻を叩いた。
「ほら、逆向きになれ」
若狭さんが僕の頭の少し先に移動した。御山君が体の向きを変える。僕の頭の横に御山君のお尻、僕のお尻の方に御山君の頭。そして、若狭さんが指を三本揃えて御山君のお尻に当てた。
「ほら」
そう言って、その手を動かす。
「ん」
御山君が息を漏らす。
「アナル君も奥まで入れるよ」
御山君のお父さんの指が入ってくる。
「くっ」
僕が声を出すと、その指が抜かれる。そしてまた入ってくる。
「ゆっくりやるからな」
「了解」
御山君のお父さんと若狭さんが話している。僕の穴に御山君のお父さんの指が入ってくる。お尻に手が押し付けられる。
「奥まで入ってるよ」
僕の中でその指が動いているのを感じる。
「分かる? 動かしてるの」
うなずく。隣で御山君も同じようにされている。僕に入っていた指が抜かれていく。そしてまた入ってきて、それが繰り返される。少しずつ早くなる。それに合わせるように、僕の奥がむずむずし始める。
「勃ってる?」
御山君のお父さんが四つん這いの僕を横から覗き込んだ。
「うん」
「感じ始めてる」
若狭さんが言った。
「さすが、変態春きんの友達だ」
今度は御山君は何も言わなかった。きっと、御山君も気持ち良くなってきてるんだろう。横を見ると。御山君も勃起している。
「入れてみる?」
御山君のお父さんが言った。僕は右手を顔の前にかざして、指を三本合わせてみた。御山君のお父さんのペニスはもっと太かったように思う。
「もうちょっと拡げて」
「すごい子たちだね」
若狭さんが笑った。
「じゃあ、もう一本」
指が増える。僕は後ろを見てみる。御山君のお父さんが両手で僕のお尻のところで何かしている。顔を戻すと、若狭さんが僕に向かって右手を突き出した。その手の指を三本合わせて、さらにもう片方の手の指を重ね合わせた。今、僕の穴にそんなふうにして指四本が入ってるんだろう。それがまたゆっくりと出入りし、奥まで入れられて、そしてその手を捻られる。御山君も若狭さんに同じようにされている。
「ああ」
御山君が声を出す。
「あぁ」
僕も同じように声を出した。御山君と同じようにされているのがなんだか少し嬉しいような気がする。
「そろそろいけるかな」
若狭さんが言った。その手を御山君から抜いて、その股間のデカいものを僕に見せつけるように握る。
「太い・・・」
僕はつぶやいた。
「握ってみる?」
僕はそれに手を伸ばした。太い。握った手の指が全然届かない。まるで、棒だ。太い棍棒のようだ。
「よし。じゃ変態春きん、入れるよ」
若狭さんの太い棒が御山君のお尻に押し付けられた。
「んんっ」
御山君がうめく。そのまま、若狭さんが体を押し付けた。その時、同時に僕のお尻からも指が抜かれ、指とは違うものが入ってきた。
「あっ」
「痛い?」
僕は首を左右に振る。そして言う。
「入れて」
そして、僕は目を閉じた。

アナルに熱いものが押し付けられる。そして、その太いものに合わせて拡がっていく。
「ああ」
太いところ、たぶん、亀頭が入った。そのまま奥に来る。
「ああ、入ってくる!」
僕は声を上げた。自分でも驚くほど大きな声だった。そのまま、それは僕の奥を侵略する。
「ああ、入ってる」
さっきよりは少し小さな声で言う。隣では若狭さんが御山君の中に入っている。僕には御山君のお父さんが入ってる。
「ああ・・・」
「動くぞ」
僕の中の御山君のお父さんと、僕の横の若狭さんが動き始めた。

その感触。あの御山君のお尻として感じたあの感覚と同じだ。いや、違う。こっちはもっとはっきりと、御山君のお父さんを感じる。そりゃそうだ。今、僕は、僕のアナルに、直接、御山君のお父さんのペニスを入れられてるんだから。
「ああっ」
僕は腕を突っ張って御山君のお父さんにお尻を押し付ける。
「おあ」
奥まで一杯になる。
「気持ち、いい・・・」
隣で若狭さんがずっと僕を見ている。僕を見ながら体を動かしている。と、御山君のアナルからペニスを引き抜いた。
「ほら、体の向き変えろ」
御山君の頭が僕の頭の横に並ぶ。
「ああっ」
そして御山君が声をあげる。御山君のアナルにあの太い棒がまた入ったんだろう。僕の中にも入っている。僕らは二人並んで、それぞれアナルに入れられている。
「ああっ」
僕も喘ぐ。御山君のお父さんが僕に腰を打ちつける。奥を突かれる。
「気持ちいい」
そうつぶやいて、御山君の顔を見る。御山君が顔を背ける。
「ほら、見つめ合えよ」
そんな御山君の顔を若狭さんが掴んで僕の方に向ける。顔を掴んだまま、僕に近づける。
「お前もだ」
御山君のお父さんが僕の顔を掴んだ。御山君の顔の方に向けられ、そして近づけられる。
「んっ」
顔を押し付けられる。御山君の唇が僕に押し付けられる。僕の唇が御山君に押し付けられる。僕らの初めてのキスだ。その最中も、二人とも僕らのアナルを突き上げる。僕らの荒い鼻息がお互いの顔にかかる。よだれが垂れる。それをキスしながらすすり上げる。
「んんん」
声が出る。お尻を御山君のお父さんに押し付ける。急に御山君のお父さんは僕の穴からペニスを引き抜いた。
「仰向けになれ」
僕はそれに従う。御山君のお父さんが僕の足を持ち上げ、穴の奥まで一気に入ってきた。
「ああっ」
僕は喘いだ。体が仰け反る。手が宙を掴む。
「いいっ」
隣で御山君も同じように仰向けになる。ぱんぱんと御山君の方で音がした。
「はぁっ」
御山君の声がする。気持ち良さそうに喘いでいる。うらやましい。
「僕も」
知らず知らずのうちに口走っていた。
「お前も打ち付けられたいのか」
僕が何かを言う前に、御山君のお父さんが僕に腰を打ち付け始めた。僕のお尻の方でも音がする。御山君も音がする。僕らは二人並んでパンパンと腰を打ち付けられた。

「ああ、ヤバいっ」
僕は口走っていた。何がヤバいのか、自分でも分かっていなかった。ただ、僕の体がヤバかった。
「ああっ」
そして、それが身体中を満たした。体に電気が走ったみたいに痙攣する。同時に、僕のペニスからそれが飛び出す。
「おお、いきやがった」
そう言ったのは若狭さんだった。僕は御山君のお父さんにお尻の中に入れられて、それでいってしまったんだ。若狭さんにも見られながら、御山君の横で僕はいってしまった。
「すげぇな。初めてなんだろ?」
若狭さんに言われて僕はうなずいた。
「初めてでところてんとはな」
(そうか、これがところてんなのか)
ようやくその意味を知ることができた。

いった後も僕のペニスは勃起したままだった。
「交代だ」
御山君のお父さんが僕の足を離した。代わりに若狭さんが僕の足を握る。
「すっかり拡がってるな」
僕のアナルを覗き込んで言う。
「こっちもガバガバだ」
御山君のお父さんも御山君のアナルを見る。
「ほら、入れるぞ」
そして、今度は僕が若狭さんに、そして御山君がお父さんに入れられた。

若狭さんのは太かった。もちろん握ってみて太いというのは分かっていた。でも、お尻で感じるそれはもっと太い。御山君のお父さんのペニスより太いということを、そこではっきりと感じる。
「ううっ」
それが入ってくる。
「ああ、入ってくる!」
御山君のお父さんが入っていたところのもっと先まで入ってくる。お腹の中で、どこかに押し付けられている感じだ。
「お腹がいっぱいだよぉ」
もちろん、満腹という意味じゃない。僕のお腹の中が、若狭さんのでいっぱいいっぱいだ、という意味だ。そんな状態で若狭さんに動かれたら、きっと僕は裏返ってしまうんじゃないかと思った。そして、若狭さんが動き出した。
「ああっ」
身体中が若狭さんを受け入れている感じ。その身体中に若狭さんのデカいペニスが擦りつけられている感じ。身体中がアナルになった感じ。僕は御山君のお尻になったことはある。でも、もちろんそれとは意味が全く違う。
「い、いくっ」
いつの間にかそれを口走っていた。何度も何度もそれを繰り返す。いつの間にか、そんな僕を御山君と御山君のお父さんも見ていた。
そして、僕はいった。つまり、気を失った。

誰かが僕の頬を叩いていた。
「んん・・・」
僕は頬を叩くものを掴んだ。それは、太いものだった。
「あ・・・え?」
自分がどうなったのか、思い出すまで少し時間がかかった。
(そうだ、僕はデカすぎるやつで掘られて、気持ち良くて)
「気がついたか?」
御山君のお父さんだ。
「射精しながら気を失うなんて、初めて見た」
御山君が言った。
「そんなに気持ち良かったか?」
若狭さんが、柔らかくなったそのペニスを僕の顔にペチペチと当てている。
「え・・・あ・・・はい」
まだあまり思い出せない。僕は曖昧に返事した。そして、すぐにあの時のことを思い出す。
「頭が真っ白になって・・・」
「すごい叫んでた。いくぅ、いくぅって」
御山君がにやにやしながら言った。
「さすが変態アナルだ」
御山君がベッドに飛び乗って、仰向けになっていた僕の顔を見下ろした。
「この、変態」
「変態じゃない」
一応、僕は言い返した。でも、力が入らない。
「でも、本当にすごかったな」
御山君のお父さんが、若狭さんと顔を見合わせた。
「あんなに叫びながら、連続してところてんし続けるなんて初めて見た」
「え、そんなに?」
僕は体を起こしてあぐらをかこうとした。でも、体が動かない。体に力が入らない。
「腰が抜けたってやつだな。いいからそのまま寝てな」
そして、僕が寝ているその横で、四つん這いの御山君を前後から二人で犯し始めた。

「なかなか面白い子を見つけましたね」
セックスを終えて、若狭さんと御山君のお父さんが話していた。僕と御山君は二人とも全裸でベッドに横になったままだ。御山君の体のあちこちに二人の精液が付いている。僕の方は体には付いていない。でも、口の中と体の中に出されていた。
「類友ってやつですかね。変態は変態を呼ぶ、みたいな」
「そうだな」
僕らはそれに言い返さなかった。もう、言い返す力が残っていなかった。
それになにより・・・そうなのかもしれないって自分でも思ってしまったから。

その日のセックス、僕は覚えてないけど六回くらい射精したらしい。若狭さんが数えていたそうだ。
それは全部ところてんで、そのうちの四回は、若狭さんに掘られて気を失う前に連続していったそうだ。
ちなみに御山君は三回。若狭さんに掘られて一回、御山君のお父さんに掘られて二回目。ここまではところてんだそうだ。
そして最後の一回は、みんなに見られながらオナニーで。
僕の口の中に。


      


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