学校を出ると、まだそんなに遅い時間じゃないのにかなり暗くなっていた。
そして、激しい雨と風。
僕は傘をさして、玄関を出た。校庭の途中まで行ったところで、風に煽られて傘が裏返る。もう全身ずぶ濡れだ。一旦玄関に戻る。傘を閉じてもう一度開こうとしたけど、ちゃんと開かない。傘の骨が曲がっていた。
「ったくもう」
雨に濡れた髪の毛から滴る水を拭いながら、曲がった骨を治そうとした。が、ぽきっと折れてしまった。
「マジかよ」
その状態で傘を開こうとする。無理矢理開くと他の骨が曲がる。
「だめじゃん」
僕は傘を諦める。
「走るか」
壊れた傘を傘立てに突っ込んで、カバンを頭の上に掲げて走り出した。
「うぐっ」
激しい風に体を押される。雨が打ち付ける。
「うわっ」
風に煽られ、ぬかるみに足を取られた。そのまま校庭で倒れて白いシャツが泥まみれになった。
「最悪」
諦めた。土砂降りの雨の中、僕は立ち尽くした。そのまま雨のシャワーを浴びる。シャツの表面の泥汚れが少しは洗い流される。玄関に戻ってカバンを放り出した。
「あぁもう、最悪」
濡れたシャツが体に貼り付いている。雨で洗い流したとはいえ、茶色くシミになっている。歩く度に靴からグシュグシュと音がする。その靴を脱いでひっくり返すと水が滴り落ちた。
「あ〜もう」
座り込んで靴下を脱ぐ。下駄箱に行って上履きを出して履く。取りあえず、教室に戻ることにした。
その日、僕の住む街は、台風の直撃を受けていた。そんな日になぜ学校に来たのか。学校からは昨日のうちに、臨時休校の連絡が来ていたのに。
だって、なんとなくそんな日はテンションが上がるよね。友達も誰か来てるかも知れない。そんな、少し上がった気分で学校に来たんだけど、誰もいなかった。鍵が掛かってて入れないかも、なんて思ったけど、鍵は掛かってなかった。教室に行って、少しの間、窓を叩く雨を眺めていた。でも誰も来ない。だから帰ろうとした。そして、傘が壊れた。
教室に戻って窓際の席に座る。ずぶ濡れの体から水が滴っている。僕は周りを見回した。もちろん誰もいない。シャツを脱ぐ。それを丸めて絞るとまるで雑巾を絞ったときのように水が染み出て来る。絞ったシャツで頭を拭う。雨に濡れた髪が少しはマシになった。もう一度周りを見回した。
「誰もいないよな」
そうつぶやいて、僕はズボンを脱いでボクブリ1枚になった。脱いだズボンも絞ってみる。やっぱりかなり濡れていた。シャツとズボンを横の机の上に広げて置いて、パンツ1枚で椅子に座る。頬杖を突く。溜め息も吐く。
「はぁ・・・」
自分の馬鹿さ加減に腹が立った。
ぼんやりと窓を見つめていた。雨はさっきより激しくなっている。きっと台風がかなり近づいてきてるんだろう。
(こんな日なんだから、スマホ持って来りゃ良かったな)
基本的に学校にはスマホを持ってきてはダメってことになっている。でも、台風なんだから、親に迎えに来てとか連絡するために持ってくるべきだった。まあ、そもそもそんな日に学校に来た僕が馬鹿なんだけど。
「あぁあ」
これからどうしようか、なんて考える。確か今朝の天気予報では、今日の夕方から夜にかけて一番近づく感じだった。ってことは、これから一番ヤバくなるんだな。
そんなことを考えていると、教室のドアが開く音がした。僕はビクッと振り向いた。
「なんでいるんだよ」
同じクラスの谷上だった。
「聞くな」
そんなに仲がいい訳じゃない谷上に、僕の馬鹿さ加減を晒す必要もない。
「まさか、台風来てるからワクワクして学校来たとか?」
しかし、同い年の男子だ。考えることは同じらしい。僕はその問いを無視してまた窓の方を見つめた。
「で、びしょ濡れになって服乾かそうとしてって感じだな」
そうだ、僕はボクブリ1枚の裸だった。でも、別に谷上に見られたところでどうってことはない。
またドアが開く音がした。
(今度の馬鹿は誰だよ)
そう思ったけど、誰なのか見もしなかった。
「いいよ、構わないし」
その誰かに谷上が言った。ようやく僕はその誰かに目を向けた。
「岩本先生」
体育の岩本先生だった。岩本先生は、僕と谷上の方に近寄ってきた。
「なんで河村がいるんだ」
それは僕ではなく、谷上に向けた質問だった。
「台風だから来たんだよね」
谷上が僕に言った。
「いいよ、先生。一緒にしちゃえば」
すると、岩本先生が僕のすぐ横に立った。その前に谷上が立つ。谷上が顔を上げて岩本先生を見た。岩本先生は谷上の頭の後ろに手を回して、谷上を引き寄せてキスをした。
「ちょっと、なにを」
二人の口が動く。少し顔を離してまたくっつく。岩本先生が谷上の口の周りを舐めるように舌を出して顔を動かす。谷上がその舌に吸い付く。
岩本先生の手が谷上の背中を撫で回している。谷上も岩本先生の背中に手を回している。岩本先生の手が谷上の背中から下がってきてお尻を掴んだ。
「河村君」
谷上が僕を見た。先生が谷上のお尻から手を離す。驚いて動けない僕に岩本先生の顔が近づき、唇が押し付けられた。
「む、ぐぅ」
僕は岩本先生を押しのけようとした。その僕の手を谷上が押さえる。僕の口の周りを岩本先生に舐めまわされる。そして、谷上も僕に口を押し付けてきた。
「なにかが起きるって思ったから来たんでしょ?」
谷上が僕の耳元で言った。そりゃ確かにそうだけど、こんなことは全くの予想外だ。
岩本先生が僕の前にしゃがみ込み、僕のペニスをボクブリの上から掴んだ。
「んぐっ」
口は谷上に塞がれていた。体がビクッと動く。
「気持ちいいでしょ、人に触られるのって」
先生の手がそのまま僕を握り、上下に動く。谷上が僕の両脇に手を差し込んで、体を引っ張り上げる。そのまま立ち上がると、先生にボクブリをずり下げられた。
「ほら、気持ちいいんでしょ」
僕のペニスは勃起していた。谷上が僕の前にひざまずいて、僕のペニスを舐め始めた。
「や、やめ・・・」
なんだかくすぐったいような感じ。オナニーの時のような感じ。でもそれとはちょっと違う。僕は谷上に口でされている・・・
「ほら、お前はケツ上げろ」
先生が、僕のを舐めている谷上の後ろに立っていた。谷上はお尻を先生に向け、両手で自分のお尻を広げた。
「どうされたいんだ?」
「先生の子を妊娠したいです」
(なに言ってんだ、こいつ)
谷上は男だ。妊娠なんてする訳がない。
「ほんとにお前は淫乱だな」
先生が勃起したペニスを谷上のお尻に押し付けた。
「ふあぁ」
谷上がとても大きな声を出した。
先生が谷上のお尻を犯している。僕は二人の横で、それを見ている。先生のペニスが谷上のお尻の穴に入っていき、そしてそれが出て来る。その度に谷上は声を、あえぎ声を出している。
「気持ちいいです、先生」
谷上が言う。わざわざ顔を僕に向けて言う。口の端から涎を垂らしながら言う。
「そうか。河村に見られながら掘られてそんなに気持ちいいか」
「最高です、先生」
僕は谷上のお尻から目が離せない。やがて先生の腰の動きが早くなり、谷上のあえぎ声も大きくなる。先生の腰が谷上のお尻に当たってパンパン音がする。その音に合わせて、谷上のお尻が波立つように揺れる。
「いくぞ」
「はい、先生」
「妊娠させてやるからな」
「嬉しい」
先生が谷上のお尻に腰を押し付ける。そのまま少しの間動かない。
「ああ、先生、出てる」
谷上が言った。
「ああ、お前の中に出してるぞ」
やがて、先生がペニスを引き抜いた。それはまだ勃起していた。
「はぁ」
谷上が床にしゃがみ込んだ。
「なにしてる、次はお前が河村を掘る番だ」
僕は先生の顔を見た。すると、先生も僕を見る。
「お前も妊娠したいだろ、谷上の子を」
「挿れる方は無理だよ」
谷上が言った。
「挿れろ」
すると、谷上が僕の前に立った。
「お尻こっちに突き出して」
僕は動けなかった。すると、先生が僕の体を反転させた。仕方無く、僕は谷上にお尻を突き出した。何かがお尻の穴に触れた。
「そうだ、お前と違って河村はまだ処女だからな。十分濡らして解してやれ」
(なにを・・・)
谷上が僕のお尻の穴を舐めている。
「そんなとこっ」
体を起こそうとしたけど、先生に押さえられる。
「入れるよ」
谷上が言った。そして、僕のお尻の穴が何かに押し拡げられた。
「うぐっ」
「力抜け」
何かが入ってくる。何かじゃない。はっきり分かってる。谷上のペニスが僕に入ってきている。
「うぅ」
谷上が僕の背中を撫でる。
「動かすよ」
ゆっくりと、谷上が僕を掘り始めた。
最初は痛かった。すると、谷上は動きを止める。しばらくしてまた動き出す。そうしている間に痛みは薄らいでいく。そして、僕の穴に入っている物の存在感を感じるようになる。
「あぁ」
僕の声が変わる。それに気付いたのか、谷上の動きが激しくなる。
「あっ、あっ」
その動きに合わせて声が出る。先生が僕の前にペニスを差し出す。僕は口を開いてそれを受け入れる。さっき谷上の中に入っていたペニス。谷上のペニスより全然太い。口に咥えると苦しいくらいだ。これでさっき谷上は掘られていた。気持ち良さそうだった。
「イきそう」
背中で谷上が言った。
「中に出して妊娠させてやれ」
谷上が僕のお尻に腰を押し付けた。僕の中で谷上のペニスがビクビク動いているのを感じる。僕の中に出してるんだろう。谷上がペニスを抜いた。
「はぁ」
谷上がしゃがみ込む。僕もしゃがみ込もうとした。でも、先生に腕を掴まれた。
「次は俺だ」
背中の方に腕を引っ張られる。手首を掴まれたまま、先生がペニスを僕に押し付けた。
「む、無理っ」
僕は叫んだ。だけど先生は入ってきた。僕の穴が拡げられる。さっきの谷上のとは大違いだ。
「ほら、入ったぞ」
谷上が僕を見ている。僕に入っている先生を見ている。意外なことに痛みはほとんど無く、それはぬるりと僕の奥に入ってきた。
「ああっ」
声が出る。
「気持ちいい?」
谷上が僕に尋ねる。
「気持ちいい」
谷上に答える。
「初めてなのに、すごいね。すごい淫乱」
僕の顔を掴んでキスしてきた。
「お前ら二人ともな」
先生が言った。
「ケツ掘られて、デカい声でよがって、種付けされて喜ぶ淫乱だ」
僕のお尻からパンパンと音がする。先生が僕の奧を突いてくる。
「ああぁ」
涎が垂れる。それを谷上が舐め取る。こんなに気持ちいいなんて思いもしなかった。
「お前は河村のをしゃぶってイかせてやれ」
谷上が僕の前にしゃがむ。僕のペニスを咥える。先生が掘るのに合わせて頭を動かす。
「ひぁっ」
気持ちいい。あまりの気持ちよさに変な声が出る。
「あああ、ヤバいっ」
体中がむずむずする感じ。それが僕の中で爆発する。
「ああっ」
谷上の口の中で射精した。
「こっちも出すぞっ」
先生が奥に押し付ける。そこでそれはビクビクと動く。
「ああ、出されてる」
さっきの谷上の時と同じように僕はそれを感じた。僕の体と心に何かが拡がった。それは充実感なのかも知れない。
その後、お互いにペニスを舐め合い、もう一度射精し合った。
台風の日。なんとなくそんな日はテンションが上がる。そして、いつもと違う何かが起きる。
いつもと違う、とても気持ちのいいことが。
<クリームパイ 2 完> |