ハッテンサウナではそれなりに満足した。
坂田さんに掘ってもらうことは出来なかったけど、坂田さんがタチだって分かった。
あの男の人に種付けしてもらえた。
他にも何人かに種付けしてもらった。
誰のか分からないたくさんの精液を体の中に注いでもらえた。
僕の中は精液で一杯だ。それはそれで充実している。
でも、同時に虚しさも感じる。
僕は掘られるのが好きだ。だから、掘ってもらえるなら断らない。たまに断ることもあるけど。だけど、そんな僕にも好きな人が出来た。坂田さんだ。あのハッテンサウナで坂田さんは僕のすぐ横で誰かを掘っていた。坂田さんが掘っている音も聞こえていた。それなのに、結局坂田さんに触れることも出来なかった。あの時、他の男の人に掘られるのを選ばずに、坂田さんと誰かのセックスが終わるのを待っていれば、その後、僕が掘ってもらえたかも知れないのに。
次こそは・・・・・
でも、やっぱり坂田さんがゲイだということ、そしてタチだということをこの目で確認出来たことには凄く満足もしていた。
それから数日は、セックスはしなかった。
別に自分が病気になったかも、なんて思ってた訳じゃない。むしろあれはまたやりたいなんて思ってる。
もし、坂田さんとお付き合い出来るようになったとしたらどうだろう。
もちろん嬉しいことだ。だけど、僕は坂田さんだけに種付けされるってなったらそれで満足出来るだろうか。たぶん無理だ。他の人にもたくさん種付けされたい。じゃあ、坂田さんが僕以外の人とセックスしててもいいのか。別にかまわない。またハッテンサウナに行っても構わないし、もし出来るなら一緒に行って、坂田さんが誰かを掘っている横で、僕は誰かに種付けされたい。でも、やっぱり一番好きなのは坂田さんだ。それが僕の結論だ。
じゃあ、どうすれば坂田さんとお付き合い出来るようになるだろうか。
それが今の僕の最大の悩みごとだ。
寒くなってきて、街中でクリスマスソングが聞こえるようになった頃、僕は相変わらず坂田さんの跡をつけ続けて、チャンスを伺っていた。どんなチャンスがあるのかは分からない。でも、何もしないよりはマシだろう。
夕方、坂田さんのアパートの前の公園で、坂田さんが会社から帰ってくるのを待っていた。日はすっかり短くなって、その日ももう暗くなっていた。でも、坂田さんはなかなか帰ってこない。
「今日はちょっと遅いのかな」
チラリと時計を見て、そしてアパートに目を向ける。そのまましばらく待つ。待ち続けて坂田さんが帰ってきたとしても何も起きない。ただ、姿が見れて良かったってくらいだ。
(今日は諦めるか)
そう思った時だった。
誰かが僕のお尻を触った。それはたまたま触れた、という感じじゃない。はっきりと、僕のお尻を触った感じがした。僕は振り向く。暗い公園の僕の目の前に男の人が立っていた。その人がいきなり僕を抱き締める。そのまま引っ張られて更に暗い方に連れて行かれる。
「ケツ使わせろよ」
びっくりして、どんな人なのかすら見ていなかった。その人が僕を抱き締めてキスしてきた。舌を突っ込まれる。タバコ臭いキス。キスをされている間に、横から別の人が出てきた。その人に腕を握られ、さっきの人が僕の服を脱がそうとした。
「や、やめてください」
僕は彼等の腕から逃れようとした。たいていの人とは僕はセックス出来る。だけど、タバコの臭いがする人だけは駄目だ。気分が悪くなる。
「やめろ」
でも男達は僕を離してくれない。ズボンが降ろされる。僕の後ろにしゃがんだ男にアナルを舐められる。また別の男が僕の前でフェラチオを始める。
「や、やめて」
また口を塞がれる。タバコ臭い息。嫌だ。アナルに指が入っている。
「やりたいんだろ」
指のかわりにもっと太い物が入ってきた。
(犯される)
さっきのタバコの臭いを口の中で感じる。
「ほら、俺のもしゃぶれ」
僕のをフェラチオしていた男が僕の頭を押さえて股間に導く。僕の顔にペニスを押し付ける。むわっとした嫌な臭い。さっきのタバコの臭いとは違う、別の嫌な臭い。
「やめろぉ」
男達の手を振り払おうとした。でも、振り払ってもすぐに別の手に掴まれる。
「嫌・・・だ」
声が小さくなる。奥に入ってきている。僕は犯されている。
「ユウキ君」
声がした。
「ユウキ君、こんなところでなにしてんだ」
男の人を押しのけて、僕の手首を誰かが掴んだ。
「お前等、どっか行けよ、警察呼ぶぞ」
その声に男達が少し僕と距離を取る。
「ほら、早く服着て」
その声に促されて、急いで服を着る。
「行くぞ、ユウキ君」
やっと顔を見る余裕が出来た。そして、僕は坂田さんに引っ張られてアパートの方につれて行かれた。
アパートの階段の下で坂田さんが僕の正面に立った。
「こんな時間にあんなところにいたらダメだよ」
僕の肩に手を置いた。
「夜になったら、あそこは危険なんだ。だから、早く家に帰りなさい」
それでピンと来た。あそこはハッテン公園だったんだ。今までは明るい間しかいなかったから気が付かなかったんだ。
「あ、あの、助けてくれてありがとうございました」
目の前の坂田さんに頭を下げた。
「でも、僕はユウキじゃないです」
すると、坂田さんが少し笑った。
「知り合いって感じの方が、手を出してる奴等があきらめやすいかなって思って」
僕はうつむいた。
「ん、どうした?」
このまま別れたくない。なんとか坂田さんの部屋に上がり込みたい。
「その・・・ちょっと・・・おしっこを・・・」
トイレを借りるという手に出たつもりだった。
「そうか・・・怖かったんだな、漏らしちゃうほど」
坂田さんは勘違いをした。でも、結果的に僕は坂田さんの部屋に入れてもらえた。
「どこかであったことあったっけ?」
部屋に入って明るい照明の下で僕の顔を見て、坂田さんが言った。
「あの、銭湯で良く一緒に」
「ああ、あの時の」
坂田さんがうなずいた。僕が漏らしたと思ってる坂田さんは、お風呂を沸かしてくれる。ズボンとパンツを脱ぐように促され、バスタオルを貸してくれる。パンツは洗濯機に放り込まれる。
「ちょっと・・・かなりデカいけど、今日は俺のパンツで我慢してくれ。洗濯はちゃんとしてあるから」
坂田さんがパンツを貸してくれる。むしろ洗濯してない方が嬉しい、なんてことは言えない。お風呂に入る。いつも坂田さんが入ってるお風呂。僕にとっても結構窮屈なお風呂。坂田さんが銭湯に通う理由が分かった。
「あの、ありがとうございました」
お風呂から上がって、改めて礼を言う。
「中学生があんなことされてたら、放ってはおけないからな」
(そうだろうな、普通は)
ハッテンサウナで掘られてた僕だけど。そして、気が付いた。
「あの、僕、中学生ってなんで知ってるんですか?」
僕のことを坂田さんが知っている。僕に興味があるんだろうか。ちょっと期待してしまう。
「お風呂で近所の人と話をしてて、そんなふうに聞いたことがあったから」
(そうなんだ)
ちょっと残念に思う。君のことが気になってたんだ、なんて言ってもらえたら最高だったんだけど。そして、もう一つ。
「あの、なんで、あの公園にいたんですか?」
近所なんだから、会社の帰りにあの公園の中を通る、なんてことはあるかも知れない。でも、坂田さんの勤め先から帰ってくるのにあの公園の中を通るってのは、かなりの遠回りをしないといけない筈だ。
「ああ、まぁ、たまたまな」
なんだか嘘を吐いている気がする。あの公園はハッテン公園だ。そして、今日の坂田さんはかなり帰りが遅かった。
「ハッテンしてたんですか?」
僕はストレートに聞いた。坂田さんが少し驚いた。
「そんなこと、知ってるのか」
僕はうなずく。
「知ってるってことは」
「僕もゲイです。実は、坂田さんのこと、ずっと気になってました」
告ってしまった。
「ちょ、ちょっと待て」
少し坂田さんが慌てた。
「じゃあ、俺は君のハッテンを邪魔しちゃったってことか?」
僕は頭を左右に振った。
「あそこがハッテン公園だってことは知らなかったし、あの人達にされたいとは思ってません」
「じゃあ、なんで」
「だから、僕は坂田さんが好きなんです」
一気に言って、僕はうつむいた。
「本気か?」
僕はうなずいた。
「まだ中学生だろ」
またうなずいた。顔を上げる。
「中学生が誰かを好きになったらダメなんですか?」
「そんなことはないけど・・・ほら、俺、デブのおっさんだし」
「だから僕は坂田さんが好きなんです」
そして、正座した。
「どうか、僕とセックスして下さい」
まっすぐに坂田さんの顔を見た。
坂田さんが目を逸らす。
「俺は・・・」
「僕は坂田さんが好きです。抱かれたいです」
坂田さんに近づく。坂田さんは動かない。腕を広げてお腹に抱き付く。想像していた通りの柔らかいお腹。
「だめだって、子供なんだから」
少しその言葉にむっとしてしまう。
「なんで子供はだめなんですか。大人ならいいんですか」
坂田さんのズボンの上からあの巨根を握った。そこは少し硬くなっていた。
「坂田さんだって勃ってるじゃないですか」
坂田さんは僕の手を払いのけなかった。それってつまり・・・
僕は坂田さんのズボンのベルトを外し、ズボンとパンツを脱がせた。巨根が完全に勃起していた。
僕の目の前に、ずっと欲しいと思っていた巨根がある。そこに顔を近づけると少し匂いがする。さっき公園の男のペニスで感じた臭いと同じような匂いだ。でも、坂田さんのは全然臭くない。そこを握る。坂田さんの顔を見る。僕を見ている。僕は坂田さんの亀頭にキスをした。
「驚かないんだな」
坂田さんが言った。
「いつも銭湯で見てますから」
「でも、勃ってるところは初めてだろ」
確かにそうだけど・・・
「想像してた通りですから」
僕は口を開いた。
それをしゃぶろうとした。けど、大きすぎて口に入らない。仕方がないので舌でぺろぺろと舐める。少ししょっぱい味がする。
「俺がゲイだって気付いてたのか?」
「ハッテンサウナに行ってましたよね?」
「お前、あそこにも行くのか?」
僕はうなずいた後に言った。
「一回だけですけどね。坂田さんが掘ってる隣で僕も掘られてたんです」
「そうか」
坂田さんはそれだけ言って目を閉じる。
「僕も坂田さんに掘られたいです」
「無理だ」
すぐに答えが返ってきた。
「どうしてですか? 僕が子供だから?」
「それもあるけど、入らないだろ、これ」
坂田さんが巨根を握った。確かに太い。確かに大きい。でも、僕はこれに犯されることを夢見てきたんだ。
「大丈夫ですよ、僕なら」
坂田さんの体によじ登るようにして押し倒す。あの柔らかいお腹の上に乗る。そこに顔を押し付けて頬ずりする。
「ずっとこうしたかったんです」
そして、顔を見る。坂田さんも僕を見る。僕等はキスをする。
「ローションありますか?」
手渡されたローションを手に取って、自分のアナルに塗り付ける。そこにいきなり指を三本入れる。でもそれではこの巨根には全然追いつかない。右手の親指以外の指を入れ、更に左手の指も入れる。
「ずいぶんと拡がってるんだな」
それを見ていた坂田さんが言う。僕は無言で坂田さんの巨根にもローションを塗り付け、その上に跨がった。それをアナルに押し付け、ゆっくりと腰を落とす。先が当たる。更に押し付ける。
「うっ」
先が少し入ってきた。更に体を沈める。僕のアナルが拡がるのを感じる。
「無理するなよ」
坂田さんが言ってくれた。でも、全然無理なんかしていない。ゆっくりと、少しずつ腰を下げる。
「おぉぉ」
坂田さんの亀頭が入った。これまで何人もの自称巨根さんに掘られてきたし、自分でも拡張してきたつもりだった。だけど、そんな僕のアナルを限界近くまで拡げても、坂田さんの巨根の亀頭部分が入っただけだ。もっと奥まで入れられたい。坂田さんのペニスに体重を掛ける。僕の体を無理矢理押し拡げ、その巨根を受け入れる。少し痛い。でもあの巨根を受け入れられた幸せの方が大きい。
「入ったよ」
すると坂田さんが上半身を起こして僕にキスしてくれた。
「動いていいか?」
「うん。でも、ゆっくりね」
坂田さんが下から僕を突き上げる。僕のアナルが巨根に占領されていく。もっと奥まで、根元まで入れられたい。僕も坂田さんの上で腰をゆっくり上下させる。
慣れて来たのか痛みはなくなった。無理矢理感もかなり薄まっている。上下の動きも早くなってきた。
「突いて」
半分喘ぎながらそう言う。
「いいのか?」
僕は答えない。その代わりに坂田さんの上から降りて、その横で四つん這いになった。
「ハッテンサウナでしてたみたいに掘って欲しい」
坂田さんが無言で、四つん這いの僕の後ろに覆い被さった。巨根が僕に入ってきた。
坂田さんの巨根は僕の中の奥の奧まで入ってくる。巨根が僕の体を内側から変形させる。お腹の一部が膨らみ、元に戻る。それが繰り返される。
「行くぞ」
坂田さんが腰を押し付けてきた。まるでアナルから喉まで犯されている感じ。そして、動く。お尻でパンパンと音がする。坂田さんが巨根を抜くと、内臓まで引きずり出されそうだ。坂田さんが巨根を差し込むと、内臓が押しつぶされそうだ。
「ああ・・・」
あの巨根に激しく掘られている。苦しいと感じる時もある。辛いと感じる時もある。でも、それを遙かに上回る充足感。僕の中は巨根で埋められている。坂田さんで埋められている。僕の体はそれが気持ちいいと感じている。
「ああ」
パンパンと音を立てながら掘られて、僕は満たされていく。気持ち良くなる。
「い、イくっ」
僕は坂田さんの巨根で掘られ続け、射精した。
そして、坂田さんも僕の中に射精してくれたのを感じた。
終わった後、僕は坂田さんのお腹に抱き付いていた。坂田さんが僕のアナルに触れる。少し指を入れられる。アナルはまだ拡がったままだ。もう元には戻らないかも知れない。それならそれで構わない。
「痛くないか?」
「大丈夫」
坂田さんが僕の頭を撫でる。
「なら良かった」
「僕のアナルはどうだった?」
今度は僕が尋ねる。
「久しぶりに本気で掘れた。気持ち良かった、凄く」
ぎゅっと坂田さんのお腹に抱き付いた。
「嬉しい」
坂田さんが僕に覆い被さって、キスしてくれた。
「お願いがあるんだけど」
それから数日が過ぎ、僕と坂田さんは時々セックスする関係になれた。
「クリスマスイブの夜、泊まってもいい?」
すると、坂田さんがOKしてくれた。
「もう一つお願いがあって・・・」
僕は持って来たリュックからそれを引っ張り出した。
「その時、これ、着てもらえないかな」
サンタクロースのコスチュームを差し出した。
「似合いそうだし、それ着て掘ってもらえたら嬉しいな」
坂田さんは上半身を起こし、全裸の上にサンタの上着を羽織ってくれた。
「うわ、サンタクロースだ」
本当に似合っていた。
「白い髭はないのか?」
「う~ん、売ってたかも」
「じゃ、今度一緒に買いに行こうか」
僕はうなずく。坂田さんを見る。
「ね・・・これから、サカタ、じゃなくて、サンタって呼んでもいい?」
僕のサンタさんは笑ってうなずいてくれた。
こうして、今年のクリスマスは僕の所に本物のサンタさんが来てくれた。
赤い服と白い髭、そして巨根のサンタクロースが。
<クリームパイ 6 完>
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