そろそろ年末の大掃除を始めようかという頃、惣一は裕太をテーマパークに連れて行った。裕太の母親からもらった臨時収入を、実際に成績が上がった裕太にご褒美として還元するための、二人だけのお出掛けだった。
なんとなく、裕太はあまりこういう場所は得意じゃないかも知れない、と惣一は思っていた。が、意外にも裕太は上機嫌だった。広いそのパーク内を、裕太に手を引かれあちこち連れ回された。普通に街中なら手を繋いで、なんてことは恥ずかしいだろう。しかし、このパークの中では皆が幸せそうに手を繋いだり、腕を組んだりして歩いている。そんな中ではむしろ普通だった。
「ね、惣ちゃん、次これ」
折りたたまれたパークのマップを広げ、それを指差す。ずぶ濡れになると噂のライドだ。
「濡れるよ?」
もう12月も終わりだ。風邪をひくかも知れなかった。
「大丈夫だって」
手を引かれ、何人もの行列の後に並ぶ。しばらくして彼等の番がやって来た。裕太は惣一の手を引いて、一番前の席に座った。
「前の方は濡れますから」
そう言われてビニールの合羽のような物を手渡される。惣一はもぞもぞとそれを着る。
「ほら、お前も着ないと濡れるぞ」
だが、裕太は着ようとしない。言ってる間にライドが動き出した。最初はのんびりとした動きだったが、少しずつ早くなる。
そして、最後の池への急降下。
「うわっ」
隣で裕太が水を被っている。
「だから言ったろ?」
でも、裕太は笑顔だ。
「ほら、次」
また手を掴まれる。
「風邪ひくぞ」
服が濡れたままでも裕太は平気そうだった。
「ほら、次、これ」
それは二人乗りのライドで古い屋敷内を巡るという、少しお化け屋敷の要素を含んだアトラクションだ。
「ね、知ってる? このライド、乗ってる人は他からは見えないんだよ」
裕太がキラキラした目で惣一を見て言う。
確かに彼等が乗り込んだライドは球形をしており、乗客はその球の中に入るようにして乗り込む。これでは周りからはほとんど見えない。ライドに乗った人が、周りに気を取られずにアトラクションに集中するための配慮なんだろう。
二人が乗ったライドが動き出す。薄暗い建物に入り、ゆっくりと進む。
「ね、惣ちゃん」
裕太が惣一の手を握る。
「キスして」
裕太の顔を見る。暗いアトラクションの中では、いっそう白く華奢に見える。
「なに言ってるんだ」
少しどきどきしながら惣一は言う。
「僕のこと、嫌い?」
「好きとか嫌いとか、そういうのじゃなくて」
裕太が惣一の太ももに手を置いた。
「僕は惣ちゃんに抱かれたい」
その手が股間に近づいて来る。
「ダメだって」
その手を払いのける。
「じゃ、キスして」
裕太が惣一の方に身を乗り出す。
「危ないって」
ライドの中で立ち上がろうとした裕太を抱き締める。
「キスして。いいでしょ?」
惣一を見上げる。
「ほら、早く」
惣一は周囲を見回す。ライドの壁に囲まれて、前以外は見えない。
「いいんだな?」
惣一は、裕太に唇を押し付けた。
ライドから降りると裕太は普通に惣一の手を引く。
「今度は何に乗るんだ?」
手を引かれながら惣一が尋ねた。
「今度はここだよ」
そこはトイレだった。
「なんだ、おしっこか」
「行こ」
裕太はそのまま手を引いてトイレの中に入った。広いトイレに人はいなかった。
「こっち」
裕太が個室に入る。
「外で待ってるからな」
言い終わる前に惣一は手を掴まれ、個室に引き込まれた。裕太が惣一に抱き付き、キスをする。唇を強く押し付けてくる。
「惣ちゃん」
そうささやきながら貪る。手は惣一の股間を弄っている。
「ダメだって」
しかし、裕太は唇を押し付ける。
「惣ちゃん、抱いて」
「ダメだって」
「ご褒美でしょ?」
惣一は裕太の肩を押さえた。
「僕のこと、嫌い?」
惣一を見上げ、尋ねる。
「だから、ここじゃだめだ」
「なんでだめなの?」
「とにかく、出るぞ」
裕太の返事を待たずに惣一はトイレの個室から出る。そのまま裕太の手を引いて、テーマパークから出た。
「まだ時間あるのに」
だが、惣一は何も言わずに裕太の手を引き続ける。
「もう、なんなんだよ」
裕太が不機嫌な声を出した。
「ウチに帰る。ウチに帰って、お前を抱きたい」
惣一が言った。
「え?」
「お前を抱きたい。だから、急いで帰りたい。あんなトイレじゃなくて、ちゃんとウチでお前を抱きたい」
「惣ちゃん・・・」
今度は裕太が惣一の手を握った。
「分かった。早く帰ろ」
二人は急いで家に帰った。
「惣ちゃん、早く」
惣一の家に帰った瞬間、まだドアに鍵も掛けないうちに裕太は服を脱ぎ始める。
「ちょっと待てって」
惣一はカバンから小さな包みを取り出した。
「お前のお母さんにお土産渡してくるから」
そう言って背を向ける。
「そんなのいいじゃん」
「お土産買ってくるのは、大人の世界じゃ常識なの」
そして、後ろ手にドアを閉めようとした。
「今日はここで寝るって言っておいて」
裕太が惣一の背中に言った。
美和子にお土産を手渡し、裕太は今日は下の自分の部屋で寝ると告げた後、惣一は家に戻った。寝室を覗くと布団が敷いてあった。
「裕太」
声を掛けたが、布団に包まった裕太は反応しない。
「寝たのかよ」
ふっと溜め息を吐き、惣一は服を脱ぐ。ボクサーブリーフ1枚になって、裕太が包まっている布団にもぐり込んだ。
「惣ちゃん」
寝たと思っていた裕太が抱き付いてきた。
「寝たんじゃなかったのか」
「眠れる訳ないでしょ」
惣一のお腹の辺りに熱い物が押し付けられた。
「握って」
裕太のペニスががちがちに勃起している。惣一がそれを握ると、裕太も惣一のボクブリの中に手を入れて、惣一のペニスを握った。
「意外と太いんだ」
「意外と、は余計だ」
二人は互いのペニスを握り合った。惣一が裕太に覆い被さりキスをする。裕太がその口に吸い付き、舌を入れてくる。惣一は裕太のペニスを握っていた手を離し、その頭を抱き寄せる。激しいキスをする。お互いの体を撫で回す。裕太の乳首に唇を這わせる。
「ああっ」
裕太が声を上げる。
「乳首、感じるんだ」
「うん」
今度は首筋にキスをする。
「んん」
まだ小さい、小学生のような体が軽く仰け反る。腕を掴んで上げさせる。無毛の脇にも舌を這わせる。
「ああっ」
裕太が体を捩って喘ぐ。神々しいまでに白い体。その体にほんのりと赤味が差している。手を太ももの内側に差し入れ、そこを撫でる。
「んっ」
そのまま裕太の睾丸を手のひらで包み込む。軽く握って指先をアナルに伸ばす。
「あぁ・・・」
喘ぎ声。そして、唾を飲み込む音。
「裕太・・・」
惣一はつぶやく。裕太のペニスを握り、それを咥える。
「ああっ」
裕太が身もだえる。体をずらして裕太も惣一のペニスを咥えた。
「ああ、裕太」
裕太の白い太ももを撫でながら、口の中のペニスを舌で愛撫する。
「惣ちゃん」
裕太が惣一の上に四つん這いになる。惣一は頭を持ち上げ、裕太のアナルを舐める。
「ああっ」
惣一は裕太の美しい尻に顔を埋める。
「気持ちいい」
裕太が喘ぐ。尻を上げ、惣一の太ももに頭を押し付ける。
「惣ちゃん、入れて」
「分かった」
惣一はローションを取りに、一旦裕太から離れた。
その時、外から車の音がした。
(裕太が帰らないって分かって、早速引っ張り込むのか)
少し呆れながらも、急いでローションを持って布団に戻る。ローションを使う前に裕太を仰向けにし、足を持ち上げ、アナルを舐める。
「ああっ」
裕太が声を出す。
(裕太の声で、母親のあの声が聞こえなくなるといいんだけど)
そう思った途端、上から微かに喘ぎ声がし始める。
「ここ、気持ちいいんだろ?」
声を掛けて裕太の気を逸らそうとする。
「うん・・・入れて」
惣一はまず指を一本そこに入れる。特に痛みは感じないようだ。二本に増やしても表情は変わらない。
(じゃあ、これなら)
右手の人差し指、中指、薬指を揃えて差し入れた。
「んっ」
裕太が声を上げたが、それは苦痛の声ではない。
「早く、惣ちゃんの、入れて」
それどころか催促して来た。
「分かった」
惣一は膝立ちになり、四つん這いになった裕太の尻ににじり寄った。
「ああぁ」
惣一が動く度に裕太が喘いでいる。
「ああっ」
それに被さるように声がもう一つ。
(上で母親が、下で息子が、か)
どんな家庭だよ、と思わないでもない。が、上は男と女、大人の関係。下が男と男。中学生と大学生の関係。それをしているのは自分。何か言える立場じゃない。
惣一は目の前の白い美しい尻を見ながら思う。その尻に、自分のペニスが出入りしている。惣一が腰を引くと、裕太のアナルの周りがペニスにまとわりつく。奧に押し込むと、中でそれを受け入れる。
「ああ」
裕太の声。
「気持ちいいよ、裕太」
惣一の声。
「ああん」
裕太の母親の声。
そして、低く、くぐもった野太い声。
(邪魔な声だ)
惣一はそんな声をかき消すかのように、裕太の尻に腰を打ち付け始めた。
「ああっ、ああっ」
裕太の喘ぎ声が大きくなる。尻を突く。激しく、力を込めて突く。裕太の大きな喘ぎ声が続く。が、上でも同じように声が続いている。
裕太が口を噤み、少し動きを止めた。惣一も腰を止める。
「でっかい声」
その声を聞いた裕太がつぶやいた。
(なんの声かは分かってるんだろうな)
その惣一の想像通り、裕太は言った。
「お母さん、声デカすぎ」
それを聞いて惣一は笑った。
「なんで笑うんだよ」
裕太には笑った理由は分からないだろう。
「お前の声もよく聞こえてるよ」
体を倒し、耳元で教えてやると、裕太は真っ赤になった。
「マジ?」
「まじ」
「こんなに聞こえてるの?」
「今聞こえてるのと同じだよ」
裕太が溜め息を吐いた。
「あっちからの声が聞こえるんだから、こっちからの声も聞こえるんじゃないか?」
惣一はそう言って、裕太を掘るのを再開した。
「ああっ、ああっ」
裕太が喘ぐ。それも、さっきより大きい声で。
(こいつ、わざとだ)
裕太は少し冷めた目で惣一を見ていた。
(じゃあ、本気で喘がせてやる)
惣一は腰を出来るだけ早く動かし、そして強く突き入れた。
裕太は車が走り去る音を、正常位で惣一に入れられたまま聞いた。足音が階段を上っていき、ドアが閉まる音も聞こえる。
「やってるの、まる聞こえだったんだ」
「お前、知ってたんだ」
「なにを?」
「あの男と、お前のお母さんのこと」
惣一が知っているということも、もう隠す必要はないだろう。
「してるとこ、見たことあるし」
普通なら驚くところだが、裕太ならきっとそうだろう、と心のどこかで納得する。
「あの男、何者だ?」
「田所さんだよ、お母さんの男」
裕太が簡潔に答えた。惣一はそうだろうとは思っていた。
「お母さんの勤めてるところのオーナーさん」
深く知るつもりはない。裕太の口を手のひらで覆った。
「別にそこまで知りたくない」
すると、裕太が言った。
「僕の男でもあるよ」
裕太は悪戯っぽい表情で惣一を見上げていた。
「それは知ってる。声が聞こえてるから」
惣一がそう言うと、また裕太は赤くなった。そんな裕太を惣一は抱き締める。そのまま、二人は全裸で抱き合った。
惣一は、隣で軽くいびきをかいている裕太の横顔を見つめていた。
(この子とやれたんだなぁ)
裕太と一つになれたこと。それを思うと顔が緩んでしまう。
(今、俺、幸せなんだな)
裕太が寝言で何かつぶやいた。
惣一はその口に軽くキスをし、目を閉じた。
<クリームパイ Final-04 に続く> |