「ねえ、西川くん」
塾の帰り、僕は恐る恐る西川くんに声をかけた。西川くんは振り返ったけど、声をかけたのが僕だとわかったとたん、不機嫌そうな顔になる。
「あ、あのさ・・・」
「何だよ」
僕が口を開くのとほぼ同時に西川くんが言った。怒ったような声だった。
「ちょっと・・・いいかな」
最後は消え入りそうな小さな声になる。いつもスイミングスクールで僕をいじめている西川くん。僕なんかより頭がずっとよくて、かっこよくて、女の子にももてもてって噂の西川くんに、僕が声をかけることなんて、これが初めてだったかも知れない。
「んだよ・・・お前なんかとしゃべってるの、人に見られたら恥ずかしいだろ」
そんな言い方しなくても・・・それに、この塾なら、同じスイミングスクールに通ってる奴は他にはいないし・・・
「あのさ、その、啓介のことなんだけど」
「啓介?」
西川くんは誰のことかわからないようだった。
「あ、あの、スイミングスクールのさ」
僕は少しどもりながら話を続ける。
「ああ、あいつ」
僕は少し驚いた。性処理させている啓介のこと、全然気にしていないというか、ちゃんと覚えてもいないような態度に少しいらだった。
「僕、知ってるんだから」
いろいろと話す順番は昨日から考えていた。それなのに、西川くんの態度を見ていたら、そんな順番なんか、頭から消し飛んでいた。
「なにを?」
西川くんは全く心当たりがないような様子だった。
「その・・・啓介、使ってるの」
「使ってる?」
ここまで言っても、西川くんは動じる様子はない。図太いのか、ホントになにを言われているのか分かっていないのか・・・
「せ・・・性処理」
僕は小さな声でそう言った。
「ああ、あれね。それで?」
僕は唖然とした。普通なら、あんなことしてるの、人に知られたら恥ずかしいと思うだろうし、それを言われたら少しは動揺すると思うのに、西川くんは全然普通だった。まるで学校で昨日のテレビの話を友達としているような感じだ。
「そ、それでって・・・」
思わず僕は西川くんが言ったことを繰り返した。
「それでなんだよ、お前も使ってほしいの?」
「ば、な、なにを言ってんだよ」
西川くんが、僕のつま先から足、そして上半身、顔とゆっくりと眺める。まるで品定めされているような感じだ。
「啓介にあんなことするの、やめてあげてよ」
「あんなことって?」
あくまでも西川くんはしらを切るつもりのようだ。
「その、性処理だよ」
「ふぅん」
西川くんは腕を組んだ。そして言った。
「脱げ」
「え?」
「脱げよ。全部脱げ」
一瞬、西川くんの言っていることが理解できなかった。塾の教室を出たところの廊下で、他に誰もいないのは分かっているけど、こんなところでそんなことを言われているなんて、言葉としては聞こえてるけど、頭の方が理解できない。
「な、なんて?」
「裸になれって言ってんだよ、ばか」
ようやく、頭が言葉を受け入れた。西川くんは、僕に全裸になるように命令しているんだ。
「や、やだよ」
スイミングスクールでさんざん脱がされたことはある。でも、こんなところで、何で僕が裸にならなきゃいけないのか、僕には理解できない。
「いいよ。じゃ、明日からお前と一緒に啓介にも楽しいことしてやる」
楽しいこと・・・それはつまりいじめってことだ。
「な、なんでそうなるんだよ、嫌だよ」
「お前が言うこと聞かないなら、啓介をみんなで性処理に使ってやる」
西川くんは、少しにやっと笑いながらそう言った。
「卑怯だよ」
僕は少し涙目になっていた。
「卑怯? どっちが卑怯だよ。人に頼み事しておいて、俺の頼み事は断るのは卑怯じゃないのかよ」
(た、頼み事って・・・あれが頼み事だって言うの? あれは脅しでしょ?)
心の中でそう思った。そう思ったけど、それを口に出したら殴られそうな気がした。
「脱がないならそれでもいいよ。そのかわり、明日からお前じゃなくて啓介が標的だからな」
西川くんは、そう言って僕に背中を向けた。
「明日から、お前のせいで啓介がいじめられるんだ。じゃ」
僕は歩き出した西川くんの背中にあわてて声をかけた。
「ま、待ってよ」
僕は西川くんに走り寄った。
「なに?」
西川くんは冷たい目をしていた。
「その・・・ト、トイレでなら・・・」
僕はようやくそう言った。
「トイレで何するって?」
僕に追い打ちをかけてくる。
「トイレでなら、脱ぎます」
そして、僕は西川くんに肩を抱きかかえられてトイレに向かった。
「案外いい体してるじゃん」
全裸になった僕の体をなめ回すように西川くんが見ている。今は、僕の背中を見ている。狭いトイレの個室の中で、僕は西川くんの前にすべてをさらけ出していた。
「いっつも脱がせてたけど、じっくり見るのは初めてだな」
西川くんが僕のお尻に触れた。僕は思わず腰を前に突き出すような感じでその手から体を離そうとする。
「逃げるな。自分の手でケツを広げろ」
僕は西川くんの言うとおりに、自分の手でお尻を開いた。西川くんがしゃがみ込む。
(お尻の穴を見られている)
そう思うと、なんだか体の奥が熱くなってくる。
「ひっ」
何かがお尻の穴に触れた。それはゆっくりと僕のお尻の穴の周囲をなで回し、そしてその中心部分に入ろうとしてくる。
「力抜け」
その何かが一旦僕の体から離れて、西川くんの声がする。そして、またその何かが僕のお尻の穴を刺激する。
「ううっ」
その刺激にあわせて、声が出てしまう。僕は手を壁に突いて、お尻を突き出すような恰好にさせられる。僕のお尻のところに西川くんがしゃがむと、またあの感じがする。そして、西川くんが立ち上がり、僕のお尻の穴に何かが押しつけられた。
「入れるぞ、力抜け」
それは、僕のお尻の穴に強引に入ってきた。
「い、いつっ」
「声を出すな」
僕がうめいたのと同時に西川くんが言った。そして、お尻の痛みがもっと強くなった次の瞬間、何かが僕の体の中に入ってきた。
「いい感じだ」
僕の背中で西川くんがつぶやいた。一瞬、痛みが楽になる。でも、次の瞬間、また痛みがやってきた。僕はなんとか声を押し殺してその痛みをこらえた。
僕の腰のあたりをつかんで、西川くんは体を動かしていた。その動きに合わせて、僕の中に入っているものも動く。
(西川くんに犯されてる)
もう分かっていた。アナルセックスされてるって。僕もそういう知識はある。
「うっ」
やがて、西川くんが僕の背中に覆い被さって動かなくなった。
(いったんだ・・・)
そう思いながら、僕は西川くんの体温を背中で感じていた。
「これからは啓介の代わりにお前を性処理に使ってやる」
トイレから出たあと、僕は西川くんにそう言われた。こうして、僕は西川くんのいじめの対象でありながら、性処理道具にもなった。啓介がこれで西川くんから解放されるのなら・・・そう思った。
「ほら、早く立てよ」
後藤くんが命令する。僕のクラスの奴らがみんなプールサイドに座っていた。啓介も座っていた。西川くんはにやにや笑っていた。そして、宮宮コンビが僕をみんなの前に引きずり出す。
みんな、なにが起きるのか知っているようだった。11人が僕を見つめる。この11人の中の誰よりも身分が低い僕を見つめている。みんなの前で、僕がさせられる瞬間を。
そして、その瞬間はそんなに遠くはなかった。もう時間の問題。さっきからずっと僕はその時が近づいてきていることを感じていた。そして、みんなの期待が高まってきていることも。
「あ、あの・・・もう」
「いいから、早くしろよ」
今宮が言った。さっきからもうみんな待ちくたびれている。
「あ、ああ・・・」
僕はみんなの前でもじもじと足をこすり合わせる。柊くんが笑っている。西川くんも笑っている。他のみんなもニヤニヤしている。啓介だけは顔を伏せている。
「も、もう・・・だめ」
僕は体の力を抜いた。じゅぅって音がした。僕の水着の前が一瞬膨らんだ。そして、太股を伝ってがまんしていたものが流れ落ちる。今日スイミングスクールに来てからずっと我慢させられていたおしっこが・・・
「出た出た〜」
宮本がはやし立てる。拍手までしているやつもいる。この中で一番年上の一人である僕が、こうしてみんなの前でお漏らしさせられる。そして・・・
「脱〜げ、脱〜げ」
みんなが声を合わせる。僕は、水着に親指をかける。そして、目をつぶって水着を下ろす。
「おぉ〜」
歓声が上がる。少し生えかけた陰毛が、僕のおしっこで皮膚に張り付いている。僕は手をどけて、そこがみんなに見えるようにする。僕はそうするように教えられている。
「毛、じゃま」
「今度、剃らせようか」
宮宮コンビが言っていた。そんなことを聞きながら、僕はまっすぐに立ったまま、みんなの視線に晒されている。
「もう、もらしちゃって・・・汚いなぁ」
小5の竜也が言う。
「山崎先輩、ちゃんときれいにして下さいよ」
こんな時だけ敬語で今宮が言った。
「舐めろ、舐めろ」
今度はそんなコールがわき上がる。僕はそのコールを浴びせられながら、もたもたと四つん這いになる。そして、みんなに見えるように舌を出して、僕が立っていたところに出来ている水たまりに顔を寄せる。おしっこのにおいがする。それを舌で舐め、そして啜るようにする。
「うわぁ・・・舐めてる」
小5で一番チビの優希が言った。こんな奴にまで僕は馬鹿にされる。
「抜〜け、抜〜け」
そして、いつものコール。僕は、自分のちんこを右手で握りしめる。優希が真剣な目で僕を見ていた。僕はいつものように目を閉じて、自分のちんこをしごき始めた。そして、それが終わったら解放される。それもいつものことだった。
いつもと違ったのは、みんなの前で射精して、みんなが更衣室に引き上げた後だった。まだ全裸のままの僕は西川くんに呼び止められた。
「壁に手を突け」
僕はその通りにした。西川くんが僕の後ろにしゃがみ込む。また穴にあの感触。そして、西川くんが入ってくる。みんな更衣室に引き上げたとはいえ、誰でも入ってくることが出来るこのプールサイドが、僕の性処理道具としてのスタートの場所になった。
そして、そんな僕等を啓介が見つめていたことには気が付かなかった。
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