ヒーロー

7 新天地

目を開くと、何もかもがなくなっていた。
かろうじて、建物の低い部分、地面から1、2メートルくらいのところは残っている。そんな残ったところにたくさんの人が転がっている。僕の周りには僕を犯していた人と、たぶん僕の腕を押さえていた人が倒れていた。でも、二人とも肩の辺りから上がなかった。僕は立ち上がった。肩が痛む。そして、右手が動かない。でも、そんなことは気にならなかった。僕の周りは見渡す限り何もかもなくなっていた。ロボットも消えていた。
「ビーム?」
そうつぶやいた。確かにあの時、僕のペニスを何かが駆け上がった。かろうじて動く左手で下腹部の辺りを拭ってみる。生暖かい精液が付いている。手に付いたその臭いを嗅ごうとした。でも、左手が持ち上がらない。それでも僕には分かっていた。
「いっちゃったんだ」
あの瞬間の強烈な射精感。間違いなかった。自分では触っていなかったのに、それどころか誰にも扱かれていなかったのに、僕は、いったんだ。
でも、この街の様子は異様だった。ビームならあの時ロボットが向いていた方向、その方向だけが蒸発するはずだ。でも、今は僕を中心として、全ての方向の街が消えていた。
「み、みんなは」
僕は慌てて周りを見回した。少し離れたところに僕の服が落ちている。それをかき集めて、なんとか身に着け、そして深呼吸する。少し目を閉じて、心を落ち着かせてから頭を上げた。
僕を犯していた人とかは首がなくなっていた。僕等を取り巻いていた人達は皆吹っ飛ばされて転がっている。誰も動かない。少し先にかろうじて下の方だけが残ってる建物がある。そこまで行ってみる。その間にも多くの人が倒れていた。が、誰も動かなかった。呻き声も聞こえない。風の音以外は無音の世界。建物は近くまで行くと一階部分はほぼ残っているようだ。壊れた入口から中に入る。中にも人が転がっている。階段があったので上がってみる。階段の踊り場から上は消えていた。踊り場に立って周囲を見渡す。が、見渡す限り、ほとんど何もなかった。
「なに・・・これ」
あの、いった瞬間の赤い光。きっとあれが、こうなった原因なんだろう。
「街が・・・新天地が・・・なくなった・・・」
足が震えて立っていられない。僕はその場にしゃがみ込んだ。
「僕が、僕がやったんだ・・・」
僕は射精してしまった。扱かれていないけど、触っていないけど射精してしまった。そして、あの光。あれはいつものビームよりもっと強力なビームだったんだろうか。
(たぶん、そうなんだろう)
体が震える。僕は踊り場で吐いた。
(異獣じゃないのに・・・みんな、人だったのに)
吐き続けた。涙もにじむ。
(僕は・・・僕は・・・)
膝を突く。両手をコンクリートの床に突いた。
「みんな、ごめんなさい」
僕は、誰もいない、何もないその場所で土下座した。
「僕が、全部、悪いんです・・・ごめんなさい」
涙を流しながら、頭を床に押し付けた。


どれくらいそうしていたのか。どこかで戦闘機が飛ぶ音がした。軍が状況を確認しに来たんだ。それでも僕は動かなかった。音がどんどん大きくなって、床で土下座したままの僕の上を通り過ぎていく。しばらくするとそれは戻ってきて、そして飛び去った。
「行かなきゃ」
僕はそうつぶやいた。階段を降りて周りを見回した。建物がなくなっただけで自分が行くべき方向が分からなくなっていた。なんとなく見覚えのある建物の残骸が目に入る。僕等がいた学校代わりの軍の施設の方向は大体分かった。そっちに向かって歩き出す。1時間近く歩いただろうか、それらしい建物が目に入る。が、ほとんど跡形がない。土台の部分だけかろうじて残っている。その辺りを歩き回ってみた。生徒と思われる人の体がいくつか。どれもまともに形を留めていない。他の生徒達は瓦礫の下に埋まっているんだろうか。誰か特定できるようなものは何もなかったのは僕にとっては良かったんだと思う。手とか足とかが落ちているだけだと、なぜかそれが現実とは違う、どこか別の世界の出来事のように思えたから。
僕は軍の本部を目指した。ここからいつも車で20分くらい。歩くとどれくらいかかるのかよく分からない。でも、そこに行ってみなければならないと思った。あそこには黒木さんがいて、そして、あのロボットがあるはずだ。あそこがどうなっているのか、僕は見に行かなければならない。

軍本部らしきところにたどり着いたのは、もう日が傾きかけたころだった。やはり、何もなかった。誰かが生きている気配もない。少し歩き回った。一つだけ頭が転がっていた。でも、後頭部しか見えない。僕はそれには近づかずに避けて歩く。いつも僕等が出入りするのに使っていたところのドアが見つかる。大きな、金属の重いドア、それが折れ曲がって転がっていた。角の方は溶けたようになっている。そのドアをまたいで建物の中だった方に向かう。途中で足を止める。地面が大きくえぐれていた。そこが机や椅子、いろんなもので埋め尽くされていた。その奥にチラリと白い何かが見える。崩れそうな瓦礫や色々なものを足場にしながら、僕はそのえぐれたところに降りてみた。
「やっぱり」
白いのはロボットだった。ロボットは何もなかったかのようにそこに横たわっている。少し瓦礫を押しのけて、ロボットの横に小さな空間を作った。そこにうずくまり、頭を抱えた。
「なんで、こんなことに」
ロボットは微動だにしない。
「僕さえいなければ、こんなことには・・・」
涙が出てきた。そして、疲れ果てた僕はいつのまにか眠っていた。

翌朝、明るくなるのと同時に僕は目が覚めた。瓦礫の壁を、辺りが見回せるところまでよじ登る。やっぱり、見渡す限り何も残っていないし、何も動かない。
「どうしよう・・・」
僕はつぶやいた。おそらく、ロボットと一緒にいるのが一番いいんだろう、と思う。そうすれば、すぐに軍が助けに来るだろう。
でも・・・
(チャンスかもしれない)
こんなことになった原因は僕だということは明らかだ。軍に救助されたとしても、それは軍に捕まり、軍にまた拘束され、また男に犯される日々に戻るということだ。そして、そうやってロボットを操縦したとしても、僕はあの人達から非難される。非難され続ける。偽物のヒーローと言われ、騙されたと言われ、謝れと言われる。そんな日々に戻るのがいいのか・・・
分からない。分からなかった。僕はその場にうずくまることしかできなかった。

「春田君?」
声がした。僕は反射的に頭を上げた。
「やっぱり春田君だ。無事だったんだ」
誰かが瓦礫の壁を滑るように降りてきた。柚木君だった。
「柚木君・・・無事だったんだ」
柚木君が僕に駆け寄り、そしてしゃがんでいる僕に覆い被さり、抱きしめられた。
「良かった・・・良かった」
そう言いながら僕を抱きしめる。
(良くなんかない)
そう思った。いや、そうつぶやいていた。
「良くなんかない」
僕を抱きしめる手が少し緩む。
「僕のせいだ」
僕はつぶやき続ける。
「僕のせいでみんな死んだ。僕のせいで街がなくなった」
声がだんだん大きくなる。それを自分で抑えられない。
「僕が・・・僕が・・・僕がっ」
叫んでいた。
「僕が、みんなを殺したんだ、僕が、新天地を破壊したんだ!!」
嗚咽が止まらない。土下座し、頭を地面にこすりつける。
「ごめんなさい、ごめんなさい!!」
そして、頭を打ち付ける。
「ごめんなさい、ごめんなさい!!」
そんな僕を柚木君が羽交い締めにするようにして止める。
「春田君のせいじゃないって」
それでも僕は暴れた。体が止まらない。
「春田君!」
柚木君が僕の頬を平手で打った。僕はようやく動きを止めて、柚木君の顔を見た。
「柚木・・・君?」
「ああ、僕だよ。心配してた」
そして、改めて僕を抱きしめた。
「もう大丈夫だから」
僕は泣いていた。

「そうか・・・そんなことがあったんだ」
僕と柚木君は、ロボットの横で、二人並んでロボットに背をもたれ掛けさせながら座っていた。そして、あの時に何が起きたのかを全て話した。
「でも、春田君はこれまで何度も戦って、たくさんの人の命を救ってきた」
僕は小さく頷いた。
「でも」
「みんな身勝手だよ」
僕が言いかけたことを言わせないかのように、柚木君が大きな声で言った。
「春田君がこれまで、どんな辛い思いをしながらみんなのために異獣と戦ってきたと思ってるんだ!」
今度は柚木君が興奮し始める。
「異獣が出るたびに、犯されて、いかされて、それが、どういうことか、みんな分かってない!」
僕は少し呆気に取られて柚木君を見つめた。
「僕は、僕は・・・」
急に柚木君が僕を抱きしめた。
「僕は、春田君が、好きなのに・・・」
「え、ちょ、ちょっと」
僕は一旦柚木君から離れようとした。でも、柚木君は手を緩めてくれなかった。
「好きなんだ・・・春田君のことが」
そして、頭を押し付けてきた。
「だから、これ以上、春田君が犯されるの、僕は嫌だ」
「で、でも・・・」
柚木君の腕の力がすっと抜けた。僕等は体を離した。
「分かってる。いや、分かってた。異獣を倒すためだから仕方ないって」
僕の中のある思いが大きくなる。僕はそれを意識の外に追いやった。
「でも、春田君が辛い思いしてるの、誰も分かってない」
両手を僕の方に伸ばす。
「誰も感謝していない。それが、許せない」
そして、僕の口に口を押し付けてきた。しばらく、僕は動けなかった。
「まだ君は、あんな奴等のために、犯されるの?」
僕を見ながら言った。
「僕は、嫌だ」
また抱きしめられる。
「でも、僕がやらないと」
「でも、誰も感謝してくれない。それどころか、あんなことに」
「・・・うん」
僕は抱きしめられたまま何も言えなくなった。そして、そのままそっと押し倒された。

押し倒された僕の目を、柚木君が真っ直ぐに見る。僕は少し恥ずかしくなって、目をそらす。
「見て」
柚木君が言う。僕は少しおどおどしながら柚木君の目を見た。
「キス、してもいい?」
僕に尋ねる。
(こんなこと言われるの、初めてだ)
これまでに何十回、何百回とキスはした。いや、キスされた。無理矢理。キスってそういうもんだ、みたいな気になっていた。
「どうしたの?」
少し考え込んだ僕を見て、柚木君が言った。
「あ、えっと・・・うん」
僕は目を閉じた。柚木君が近づいてくる気配を感じる。ふっと、顔に柚木君の息がかかる。そして、唇にかすかな感触。僕は目を開ける。柚木君が僕を見つめている。
「キスって・・・こんなんじゃないって思ってた」
僕が言うと、柚木君が少し首をかしげる。
「今までは、無理矢理されるもんだったから」
すると、柚木君の顔が少し曇った。
「春田君は・・・」
その先を言わずにまたキスをする。そのまま手を僕の首の後ろに回して抱きしめられた。
「僕は春田君が好きだ」
耳元で言われた。
「僕とセックスしてくれる?」
心臓の音が大きく聞こえた。

柚木君の手が、シャツの下に入ってきた。滑らかな手が僕の体をそっと撫でる。撫でながら、柚木君は僕を見ている。僕も柚木君を見つめている。服の上から柚木君の手に僕の手を重ねる。柚木君の手が止まる。その手に少しだけ力を入れる。すると、柚木君が手を滑らせて、シャツの上の僕の手に直接手を重ねた。そのまま僕の手を握る。指を絡める。僕は手を返してその手を握る。見つめ合う。キスする。握ったままの手を顔に近づけ、僕の手の甲にもキスをする。同じように、僕は柚木君の手の甲に唇を当てる。柚木君が笑う。キスをする。少し長めにキスをする。そして、僕の口に柚木君の舌が入ってくるのを感じた。少し口を開いて舌を受け入れる。舌と舌が触れ合う。指を絡めるように舌も絡める。口を開いて押し付け合う。再び柚木君の手がシャツの中に入ってくる。ゆっくりとその手が動く。僕の胸を撫でて、そして乳首に触れる。
その時、何かが僕の体の中で起きた。
「んっ」
くすぐったいような、ピリピリするような感じ。
「ああっ」
柚木君が僕の乳首の先を撫でる。ピクッと体が反応し、声が出る。いつの間にか、僕は腕を柚木君の背中に回していた。柚木君が少し体を起こす。その体に抱きつくように僕も体を起こす。僕等は向かい合って座って、そして顔を寄せる。キスをする。
「脱がせてもいい?」
僕は頷いた。柚木君に僕のシャツを脱がされる。乱暴に脱がされたことや、服を引き裂かれたことなら何度でもあった。でも、こんなふうにゆっくりと、丁寧に脱がされるのは初めてだ。そして何より、僕は柚木君に脱がされることがなんだか嬉しい。そして、柚木君も上半身裸になる。二人とも上半身裸で抱き合う。肌が触れ合う感触、伝わる暖かさ。初めてそれを心地いいと感じる。
「今までと全然違う」
そう柚木君に伝える。すると、柚木君が僕を抱きしめる腕に力を込める。
「今まで、春田君は道具だったから。僕はそんなことしない」
背中を撫でられる。
「僕は、春田君を愛してるから」
(道具だった・・・)
その言葉が心にちくっと刺さる。
「僕は・・・道具・・・」
「春田君が今までしてきたセックスは、あのロボットを動かすためのセックスだったから」
柚木君が僕の肩を掴んで少し体を離した。
「今からするのは本当のセックスだ。だから、あれは起動しない」
柚木君がチラリとロボットの方を見た。そして僕を見る。キスをされる。いや、今までのキスとは少し違った。口を口で覆われるようなキス。舌が入ってきて、僕の歯をなぞる。さらに奥で僕の舌に絡みつく。ズボンの上から僕のペニスに手を這わせる。口を離して頭を抱えられるようにして、僕の耳元で荒い息の中で言う。
「愛してる」
その言葉は僕の力を奪う。嬉しい言葉。体を柚木君に預ける。ズボンも脱がされる。そして、柚木君もズボンを脱いだ。
「白くて綺麗な体」
僕の白い体の上に、柚木君の少し浅黒い体が重なる。その背中に手を回す。柚木君が股間を僕に押し付ける。下着越しに熱くて硬いものを感じる。きっと、柚木君も同じように感じているんだろう。触れ合っている体から感じる体温と、その部分から伝わる熱さ。僕も、柚木君も同じものを感じているはず。
「熱いね」
柚木君が言う。
「硬いね」
僕も言う。そして、その部分を押し付け合う。二人とも息が荒くなっている。そんな荒い息をキスで交換する。柚木君が僕の乳首にキスをする。僕の腕を上げて脇にもキスをする。おへそにも、そして、下着をずらせて、毛が生えている部分との境目にもキスをする。
「ああっ」
キスをされるたびに声が出る。体が熱い。体中ピリピリする。柚木君の手が僕の太ももを撫でる。その手が太ももの内側に移動し、それが股間に近づいてくる。下着の上からそれを握られる。柚木君に握られる。柚木君が、僕を握っている。
「脱がせて」
すると、柚木君はゆっくりと僕の下着をずらせた。僕のペニスがぴんと跳ね上がる。僕は思わず顔を背ける。
「恥ずかしい?」
柚木君が尋ねる。僕は顔を戻して柚木君を見る。
「嬉しい」
柚木君に脱がされることが嬉しい。そんなことを感じるなんて思わなかった。これまでは無理矢理脱がされ、犯されるだけだった。あるいは、クラスみんなの前で裸にされ、恥ずかしかった。でも、今は嬉しい。柚木君になら、見て欲しい。
「綺麗なペニス」
柚木君が僕を握る。僕は目を閉じる。柚木君が僕の手を取って、それを自らの股間に導いた。
「脱がせて」
僕は体を起こす。柚木君が仰向けになる。下着に手をかけると少し腰を浮かせた。柚木君の下着を下ろした。僕と同じようにそれが跳ね上がる。僕はそれをじっと見つめた。
「あんまり見られると、少し恥ずかしい」
柚木君が言った。でも、僕はそこを見続ける。
「柚木君の・・・見られて嬉しい」
そこを握り、顔を近づける。そして、これまで何度も男達にさせられてきたことを、今、柚木君にしたいと思った。僕は柚木君のペニスを口に含んだ。
「あっ」
柚木君が声を出した。僕はそれを口で包み込み、舌を這わせた。
「気持ち、いい」
柚木君が言う。
(僕は柚木君のペニスをフェラしてるんだ)
これまで感じたことのない幸せを感じる。柚木君のペニスを口に含むことでそれを感じる。それを柚木君に伝えたいと思う。
「すっごく、幸せ」
ペニスから口を離して柚木君の顔を見て言う。すると柚木君は体を起こして僕を仰向けにし、僕のペニスを口に含んだ。そのまま足を僕の頭の方に向ける。僕の目の前に柚木君のペニスがある。それを口に含む。柚木君は僕のをフェラしたままだ。僕等はお互いのペニスを咥え、お互い腰を動かした。
「いきそう」
先にそうつぶやいたのは僕だった。柚木君は動きを止める。
「春田君に入れたい」
僕は何も言わずに四つん這いになった。
「いいの?」
僕は頷く。僕のお尻の方に柚木君が回り込む。そして、僕のお尻を両手で包み込むようにして撫で回した。
「はぁ」
ただ撫で回されるだけなのに気持ち良かった。他の男に犯された時とは全然違う。手から思いが伝わってくるようだ。
「すべすべで気持ちいい」
そして、お尻を広げられる。
「お尻の穴、すごく綺麗」
急に恥ずかしくなる。これまでいろんな男に何度も何度も犯されてきた僕のアナル。それを柚木君は綺麗だと言ってくれる。こんな僕なのに、柚木君は愛してると言ってくれる。
「あっ」
アナルに暖かいものが触れた。僕のアナルに柚木君が顔を寄せている。僕のアナルを舐めてくれている。
「汚いよ」
僕が言うと、柚木君は顔を上げる。
「綺麗だって言ったろ」
そしてまた舐めてくれる。
「ああ・・・幸せ」
そんな言葉が口を突いて出た。柚木君が、これまでされてきたことを忘れさせてくれる。そして、指が入ってくる。
「痛くない?」
柚木君は僕に気を使ってくれる。
「大丈夫だよ。今まで何度も犯されてるから」
そして、付け加えた。
「いきなり入れても大丈夫」
それは事実だ。これまで、異獣との戦いの中で僕は何度もいきなり入れられてきた。もう、慣れっこだ。
「そんなの、もったいないよ」
(もったいない?)
「せっかく春田君と一つになれるんだから、ゆっくり、時間をかけないともったいないよ」
柚木君の気持ちが嬉しかった。
「僕は、早く柚木君に入れられたい。今すぐ一つになりたいよ」
「だぁめ」
柚木君の目が笑っていた。そして、また指が入ってくる。
「意地悪」
それだけ言って、頭を地面に押し付けた。
「僕等には、時間は十分あるんだから」
そう言いながら、柚木君は僕のアナルの奥まで指を入れた。

      


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