温泉旅行
−3−


旅館に戻る頃には、僕のお腹は少し重い感じがしていた。このままもう少したったら、ぎゅっと痛い感じがして、うんちしたくなる。できれば、しばらくは義幸と光輝には会いたくなかった。それまでにトイレに行けたら・・・でも、部屋には義幸と光輝がいた。ま、いなかったとしても、すんなりトイレに行かせてもらえる訳がなかったけど。
「お、帰ってきた」
携帯ゲーム機で対戦していた二人が顔をあげた。
「風呂行こ、風呂」
光輝が言う。
「お前ら、風呂行ってたんじゃないの?」
僕等が探検に行っている間に、風呂に行ってるって言ってたのに・・・
「やっぱりお前らと一緒に行こうと思ってさ」
義幸が言った。
「行こ! お風呂!」
陽輔が楽しそうに言う。
「お風呂! お風呂!」
雄輔が歌うように連呼する。
「さぁ、行こう」
光輝が僕の背中を押した。両脇を陽輔と雄輔が固める。逃げようがなかった。無言の命令だった。お尻の穴にアナルプラグが入ったまま、僕はお風呂に行かなければならない。どうすれば見つからずにすむか、僕は一生懸命考えた。なるべく二人の近くに行かないようにする位しか思いつかない。その間にも、お腹は少しずつ締め付けられるような感じがしてくる。脱衣所では、光輝と陽輔、雄輔があっという間に全裸になって走ってお風呂に向かう。義幸も、さっさと脱いで入っていく。他に人はいなかった。僕は急いで服を脱いで、タオルを腰に巻いて、アナルプラグが見えないようにしっかりとガードした。

脱衣所を出ると、外に続く通路で、お風呂は露天風呂になっていた。やっぱり他には誰もいない。
「露天風呂なんだ」
何気ない振りをして、僕は義幸に話しかけた。そして、タオルをはずして、お尻が見えないように素早く湯に浸かる。光輝達は、向こうの方でなにやらはしゃいでいた。
「背中、流してやるよ」
義幸が立ち上がって言った。
「い、いいよ。いま入ったばっかだし」
僕はあわてて断ろうとした。でも、義幸が僕に近づいて、僕の手を取って立ち上がらせようとする。義幸のちんぽが丸見えだった。今までに何人かのちんぽを見たことはあったけど、その中でも一番でかいんじゃないかって思えるほどのちんぽだった。
「い、いいって」
でも、義幸は強引だった。なんとなく、いつもの義幸とはちょっと違う感じがする。僕はあきらめて、義幸にお尻を見られないように、後ろに回り込んで立ち上がって、義幸の両肩をうしろから押した。
「じゃ、僕が先に洗ってやるよ」
お腹がずんっとなる。そろそろ・・・やばいのかもしれない。早く洗って、なんとかこの場を切り抜けないと・・・陽輔と雄輔が、離れたところにいるのが救いだった。

洗い場に座ると、アナルプラグが押し込まれて、さらにお腹が痛くなる。でも、なんとか義幸にばれずにすんだ。僕の体を洗い終わった義幸が、向こうを見ている間に飛び込むように湯につかった。あとはさっさと上がってトイレに駆け込めば・・・

「ねぇ、あっちにもお風呂あるみたいだよ」
光輝の声だった。光輝と陽輔と雄輔が、向こうの岩の先を指さして叫んでいた。
「行ってみようよ」
「きー坊、おいでよ」
それは僕にとっては命令だった。
「行ってみよう」
義幸が立ち上がって彼らの方に歩いていく。僕は、仕方なく義幸の後からついていく。お腹がきりきりと痛んだ。もうそろそろ限界だ。このまま、みんなに気付かれないように途中で脇に隠れて、岩の影ででもするしかなかった。みんな、向こうのお風呂に気を取られている。義幸との間もだいぶ距離がある。今なら隠れられる、僕はそっと道をはずれて岩の影に入った。少し岩を上って、大きな岩の影に入る。ここならきっと見えないはず。僕はそこにしゃがみ込んだ。少しお尻をあげて、アナルプラグに手をかけた。
「なにしてるの?」
僕はアナルプラグに手をかけたまま、固まった。僕がしゃがみ込んだちょうどそのおしりのあたりに、義幸が顔を出した。
「あ、な、なん・・・だよ」
僕はうろたえて、そう言うのが精一杯だった。
「なに・・・それ・・・」
義幸が僕のお尻に手を伸ばしてきた。
「な、なんだよ」
僕は立ち上がって、義幸から離れようとした。
「待てよ。何だよ、それ」
「な、なんでもないよ」
義幸が僕のお尻に手をかけた。逃げようとしたけど、大きな岩の奥は行き止まりになっている。
「今のって、その・・・アナルプラグってやつじゃないの?」
(な、なんで義幸がそんなこと知ってるんだよ?)
僕はお尻を手で隠して、なんとかごまかそうとした。でも・・・
「見せろよ。じゃないと、光輝達を呼ぶよ?」
義幸の言うことに従うしかなかった。僕は義幸に背中を向ける。義幸が僕のお尻に手をかけて、開いてそこをのぞき込む。
(入ってるの、見られてる・・・)
「お前、なんで勃起してんだよ」
義幸に言われて気が付いた。勃起していた。
「な、なんだよ」
そして、アナルプラグが引っ張られるのを感じた。
「あ、だ、だめ、やめて!」
遅かった。義幸は一気にアナルプラグを引っこ抜いた。限界に来ていた僕のお腹を押さえるものがなくなって、いやらしい音とともに吹き出した。
「うわっ」
義幸は飛び退いた。けど、その体に少しだけかかってしまう。僕は義幸の目の前で漏らしてしまったことが情けなくて、恥ずかしくて、涙が出てきた。立っていられなくて、その場にしゃがみ込んだ。でも・・・僕は勃起していた。
「大丈夫かよ・・・」
しゃがみ込んで、泣いている僕の顔を義幸がのぞき込む。
「ごめん」
義幸は、責任を感じているのか、僕に対してそう言ってくれた。
「ほら、来いよ。洗ってやるから」
アナルプラグを抜いたために僕が漏らしたと思っているんだろうか・・・そして、下半身がうんちまみれになった僕の手を引いて、初めの湯船の方に戻ろうとした。
「お〜い、なにやってんだよ、早く来いよ」
そんな僕等に光輝が向こうのほうから声をかけてきた。
「ああ、忘れ物〜」
義幸はそう言って、僕の手を引いた。
「何だよ、忘れ物って」
そんな光輝の声が聞こえた。僕が振り返ると、陽輔と雄輔がこっちを見ていた。二人はにやにやと笑っていた。
「いいから、お前ら先に行ってろよ」
義幸は、かばうように僕の前に立って、三人にそう言った。

     


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