温泉旅行
−6−


部屋に帰るともう布団が敷いてあった。しばらくゲームをして、テレビを見て、とりとめのない話をして、そして、何となく会話がとぎれて、寝ようか、ということになっても、僕のちんぽは勃起したままだった。布団に入っても、体がじんじんしている。むしろ、ゲームやテレビや、あるいは「見られてる」ってことに気を取られていた間は、それほど気にならなかったけど、いざ、眠ろうとすると、体のじんじんがすごく高ぶってきて、じっとしていられない。しばらくは辛抱していたけど、もう我慢できない。トイレでオナニーでもしないことには収まりそうもない。でも、そんなことしたら、きっと陽輔や雄輔はお仕置きと言ってなにかまた恥ずかしいことを僕にさせるに違いない。それもいやだった。ずっと我慢し続け・・・三時間くらいたったころ、どうしても我慢出来ずに僕は布団から抜けだそうとした。
「どこ行くの?」
陽輔だった。そして、僕の腕をつかむ。
「こっちだよ」
雄輔も起き出してくる。僕は、障子で隔てられた部屋の向こう側、小さなテーブルと椅子が二つ置かれているところに連れて行かれた。
「座れ」
雄輔が短く命令する。その命令に従う。雄輔が僕の腕を椅子の後ろに回して押さえる。陽輔が僕の浴衣のひもをほどいて、それで僕の手を椅子に縛り付けた。
「ほら、飲め」
雄輔と陽輔が僕の前に並んで立って、白い小さな包みを二つと水のはいったコップを差し出していた。さっきと同じ薬だった。今度は二つ。
僕は素直に口を開く。陽輔が薬を口の中に入れ、雄輔がコップの水を流し込む。それを飲み下す。
陽輔が足下のテーブルを少し動かす。出来た空間に雄輔がしゃがみ込んで、僕の浴衣をまくり上げる。トランクスを脱がされる。勃起しっぱなしのちんぽに軽く手を添えて、それを口に含んだ。びりびりと電気が走る。今度は脱衣所のときのような短い時間じゃなくて、じっくりと口で刺激される。そして、もう一方の手で僕のお尻の穴をなで回し、指先でつつく。陽輔がローションとローターを持ってくる。僕の穴にローションが塗られ、ローターが入れられる。モーター音が、旅館の部屋で異様に大きく感じられる。
「う・・・くっ」
お尻とちんぽに加えられる刺激で、体がじんじんと熱くなる。大きな声が出そうになる。しかし、薄い障子の向こう側では、義幸と光輝が眠っている。声を出したら、二人が目を覚ましてしまう。僕は何とか声を押し殺した。
「気持ちいいなら、声出してもいいんだよ」
陽輔がにやっと笑いながら言った。
「ラッシュも吸わせてあげるからね」
そして、黄色い小瓶を僕の鼻にあてがった。心臓の鼓動が大きく聞こえた。息が荒くなった。

「いいね、きー坊は気持ちよくなれて」
雄輔が僕のちんぽをしごきながら言った。
「でも、僕たちもう眠いし・・・あとは一人でしてね」
「ま、待って」
布団に戻ろうとした二人を僕は呼び止めた。
「なに?」
「これ、ほどいてよ」
このまま放置されて朝になったら、義幸と光輝に見つかってしまう。手を後ろで縛られ、お尻の穴にバイブを入れられて勃起させているところが見つかったら、もう言い訳のしようがない。
「なに? 奴隷のくせに僕たちに命令するの?」
「す、すみません」
そして、雄輔が僕の背中に回り込む。腕を縛っていた浴衣のひもをゆるめる。
「ありがとうございます」
しかし、ほっとしたのもつかの間、雄輔は、さっきよりもきつくそれを結びなおした。
「そういう恰好をさらしてるのが、きー坊にはお似合いだよ」
二人そろって小さく笑うと、障子の向こうに戻っていった。
やがて、義幸と光輝、陽輔と雄輔の寝息と、そして、僕の穴に入っているローターのモーター音だけしか聞こえなくなった。ときどき、僕の押し殺したあえぎ声が、それに加わった。

     


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