温泉旅行
−7−


「ん・・・」
誰かの声がした。
「おしっこ・・・」
光輝の声だった。僕は体を堅くして、口をしっかつぐんで、声がもれないようにした。布団がずれる音、そして足音。ドアが開いて、閉じる。じょぼじょぼって音。トイレを流す音。光輝がトイレから出てきて布団に戻る。僕の布団が空なのには気が付かなかったようだ。僕は少しほっとした。
「ん・・・なに、この音」
光輝の声がした。ローターの音に気がついたのだろうか・・・僕は、少しでもローターの音が小さくなるように、ぎゅっとお尻の穴を閉めてみた。しかし、音は変わらない。光輝がこっちにくる気配がする。障子に光輝の影が写り、それが近づいてくる。
(も、もう・・・だめ・・・)
すっと障子が開いた。その隙間から、光輝が顔をのぞかせた。

「ん、公彦」
半分寝ぼけた感じの声だった。
「なにやってんの、こんなところで」
そして、僕をまじまじと見つめて・・・僕が前をはだけて勃起させていることに気が付いた。
「お前・・・変態か?」
その目は僕の勃起したちんぽをまっすぐに見つめていた。僕はなにも言えずに視線を落とすしかなかった。
「風呂行った時も勃起してたじゃん・・・」
光輝の手が勃起したちんぽに触れた。びくっと体が動く。光輝には初めてさわられた。でも、考えてみたら義幸に触られたのもさっきが初めてだった。今までいつも一緒にいたこいつらに、今日、初めて触られたんだ・・・
「なに、これ」
光輝が、僕のお尻の穴から出ている、ローターのコードに手を伸ばした。。
「あっ駄目!」
僕は小さな声で言った。けど、光輝の手はコードをつかんでそれを引っ張る。僕の中から、ローターがころんと飛び出して、低いうなり音が大きくなった。
「こういうの、自分で入れたんだ」
僕はなにも答えられない。アナルプラグの時もそうだったけど、陽輔と雄輔に入れられた、なんて言える訳はないし・・・
「俺達が寝てる間にこんなことしてるんだ」
光輝が僕の前にしゃがみこんだ。勃起して揺れている僕のちんぽとお尻の穴が丸見えだ。
(見られてる)
そう思うと、ますます体が熱くなってくる。
「こんなところで、自分でこんなことして、楽しい?」
光輝の声から、少し軽蔑されているような感じがする。
「うん」
体がじんじんしていた。息も荒かった。そして、光輝にこうして見られて軽蔑されることで、ますます体が火照り、息が荒くなる。僕の意識がどこかにふっとんだ。
「光輝・・・入れて」
僕はそう言って、椅子の上でお尻を振った。お尻の穴がうずいた。体が光輝を欲しがった。
「光輝のちんぽで犯して」
光輝の表情が変わった。
「変態・・・」
そして、浴衣の前をはだけて、トランクスをずり下げた。光輝のちんぽが堅くなって上を向いていた。
そして光輝が僕の中に入ってきた。

ぐしゅ・・・ぐしゅ・・・
光輝が僕のお尻でいやらしい音を立てる。乱暴に動く光輝に合わせて、椅子がぎしぎしときしむ。眠っている義幸に聞こえるとか聞こえないとかは気にしていないようだ。光輝が突き上げるたびに、声が出そうになる。でも、僕はそれを押し殺す。義幸に聞こえるのはまだいいけど、陽輔と雄輔には聞こえてほしくなかったから・・・
光輝の汗が僕の体の上に落ちる。やがて、動きが止まる。光輝の体が小さくふるえる。僕のお腹の中にじんわりと暖かい感触が広がる。その瞬間、僕のはちきれそうになっていたちんぽから、精液が吹き出して、それは光輝の目の前を通り過ぎて僕の顔にまで飛び散った。
光輝はなにも言わなかった。無言のまま僕の中から引き抜いて、隅にあったタオルでそこを拭って、そのまま障子を開けて布団に戻っていった。光輝が障子を閉めていかなかったので、体に精液が飛び散ったままの僕の体が丸見えになっている。僕のちんぽはまだ堅いままびくびくと揺れていた。

     


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