「さて、何から始めましょうか」
栗山は、奥の壁に近づいた。そこには、あの机がそのまま置いてあった。そして、その上にはあの時にはなかったいろいろな物が並べられている。
「そうだ、あなたのお父上がお好きだったこれを使いましょう」
何かを取り上げて、幸久に近づく。
「あなたのお父上は、先代の栗山家当主の慰み者として、3年ほどこの屋敷で過ごしたことがありました」
幸久は、さっきの栗山の私室で見せられた写真を思い出した。
「まだ、あなたよりも若かったですが、大した方でしたよ、慰み者としてはね」
銀色の棒のようなものを手にしていた。ただ、それはただの棒ではなかった。
「当時、私は今のあなたより少し年上くらいでしたが、父と一緒にあなたのお父上と遊んだことがあります」
栗山がその棒に何かを塗り付ける。棒は途中で太さが変わっていて、まるで大きさの違う細長い豆が連なっているかのような形をしていた。
「その時、あなたのお父上が一番好きだったのがこれです」
棒を目の前に差し出した、表面が何かでぬめっている。先の方は細いが、栗山が握っている方は指くらいの太さだ。
「お父上が好きだったものを、あなたも気に入るといいのですが」
栗山が幸久の陰茎を掴んだ。包皮を剥き下ろす。幸久の亀頭が露わになった。その先端に棒の先端をあてがった。
一瞬、栗山が幸久の顔を見た。そして、その棒を幸久の尿道に押し込んだ。
「うぐっ」
幸久が体を硬くする。
「まだ、これからですよ」
栗山はそのまま棒を差し入れる。瘤状になった凸凹が、徐々に幸久の中に入っていく。
「うっ」
「そろそろきつくなってきましたか」
しかし、栗山は手を緩めない。今は棒の丁度中間あたり、太さは小指の半分くらいというところだろうか。
「あなたのお父上があなたくらいの時には、この一番太い所まで平気でしたよ」
幸久の尿道に入れたまま、手を持ち替え、一番根元の太い所を指した。
「まだ半分も入ってませんね。やはり、覚悟が違う、ということでしょうか」
「な、なんの覚悟、ですか?」
尿道を押し広げられる違和感と痛みをごまかすように幸久は尋ねる。
「もちろん、これから松岡家をしょって立つという覚悟です。あなたはそれを捨て去り、弟を失望させ、壊れるきっかけを作りました。でも、あなたのお父上はそうではなかったということです」
そう言いながら、栗山は徐々に棒を押し込んでいく。幸久の顔が苦痛に歪む。太さはまだ先程と大して変わっていない。それでも苦痛で声も出せない。
「おや、もう限界ですか。情けない」
ずるっと棒を引きぬく。
「くあぁ」
激しい違和感を感じる。
「では、こうしましょう」
栗山が棒を逆さまに持った。根元の太いところを幸久の陰茎に近づけた。
「む、無理です」
しかし、栗山は躊躇しなかった。その部分を押し当て、力を込める。
「うぐぁ」
幸久の尿道が裂け、血が溢れた。
「おお、さすがですね」
そのまま、棒の根元からずぶずぶと尿道に押し込んでいく。
「いぐあぁ!」
幸久が体をねじる。が、栗山はそれを押さえ付け、更に押し込む。やがて、棒全体が幸久の陰茎の中に入ってしまった。
「どうですか。あなたのお父上はこれがお好きだったのですよ」
幸久は呻いていた。やがて、血と共に尿道口から棒の先端が出て来る。栗山はそれをつまんで一気に引き抜いた。
「ぐはぁ」
幸久の体が硬直する。そんな様子を見て、栗山は笑う。
「まだまだですよ」
また机から同じような棒状の物を持って近づいた。しかし、それは先程のようななめらかな瘤が付いた物ではない。先端から根元に向かって小さなうろこ状の突起がたくさん付いている。そして、そのうろこの一つ一つが、先端側から根元側に向かって斜めに開いていた。
「さて」
それを幸久の尿道口に添える。
「いきますよ」
栗山は笑っていた。怯える幸久とは対照的だった。
しかし、先程の棒の太い部分に比べると、それは意外なほどすんなり入っていった。幸久の体から力が抜けていく。
「ふん」
栗山が笑った。そして、幸久の陰茎を握り、その棒を引き抜いた。
「うぐあ!」
幸久は一瞬叫び、そして動けなくなる。うろこが尿道の内側の柔らかい部分を荒々しく擦り、引っ掻き、傷付けた。
「うぅぅぅ」
幸久は少し腰を引き、その状態で固まったまま呻いている。その陰茎を再び栗山が掴む。
「も、もう・・・勘弁して下さい」
幸久が弱音を吐いた。それくらい、この責めは幸久にとってこれまで感じたことがない種類の痛みだった。
「ふん、そんな覚悟だから松岡家は崩壊し、弟を死なせることになるのです」
また棒を差し入れ、抜き取る。それを何度も繰り返す。
「ぐあぁ」
幸久が叫ぶ。棒が血に染まる。
「おやおや。これが松岡家の嫡男ですか。情けない」
栗山は手にしていた棒を投げ捨てた。そして、再度陰茎を掴むと、そこに人差し指をねじ込んだ。
「ぐあぁ」
尿道が引き裂かれる。溢れる血が潤滑剤となり、栗山の人差し指が根元まで入る。そのまま指をひねり、出し入れする。
「う、うがっ」
やがて、幸久の陰茎に変化が現れた。そこは、徐々に固くなり始めていた。
「どうしたんですか、これは」
栗山が尋ねる。が、幸久には答えられない。幸久にも、何故、今、自分が勃起したのか、その理由が分からない。
「蛙の子は蛙、いや、慰み者の子は慰み者ということでしょうか」
栗山が笑った。笑いながら、更に指を激しく動かした。そして、一気に指を引き抜いた。
「ううっ」
その瞬間、幸久の尿道口から血と混ざって精液があふれ出た。
「おやおや、痛みでいくなんて、さすがですね」
その血と精液を人差し指で拭い取り、それを幸久の肛門に塗り付ける。
「こっちはどうですか」
そして、栗山も全裸になると、勃起した陰茎を幸久の肛門に突き入れた。
「うぐあっ」
すでに何度か使われてはいたが、いきなり奥まで突き入れられ、幸久の肛門は簡単に裂け、血が溢れる。その血を潤滑剤代わりにして栗山は幸久を犯す。
「ほら、どうですか」
かろうじて足が床に付いていた幸久の体が、栗山の体の動きに合わせてまるで飛び跳ねているかのように上下した。
「ぐあ、あがっ」
幸久の呻き声が変わっていく。
「う・・・くっ、あぁ・・・」
「気持ち良くなってきたのですか?」
徐々に幸久の声に溜め息のようなものが混じり始めている。
「気持ちいいですか?」
栗山が尋ねる。しかし、幸久は答えない。
「答えないのなら・・・こうです」
手を前に回し、勃起している陰茎の尿道口から人差し指を差し入れた。
「うがぁ」
その痛みに、幸久の陰茎が萎える。しかし、栗山は体の動きに合わせて指を動かす。
前から後ろから幸久は同時に犯されている。そして、一瞬萎えた陰茎がまた硬くなっていた。
「ほら、どうなんですか、気持ちいいですか?」
栗山は同じ質問を繰り返す。
「あ・・・き・・・気持ち・・・」
そこまで口から出たところで、幸久は言葉をなんとか飲み込んだ。すると、更に激しく腰と指が動く。
「うあぁ」
幸久が体を仰け反らせる。足が宙に浮く。栗山が後ろからその足を抱え上げ、更に奥まで突き入れる。
「ふあぁ・・・気持ち、いいです」
ついにその言葉が出てしまった。
「ああ、いいです」
幸久の腰の辺りがびくっと動く。
「ほお。またいってしまいましたね」
栗山が陰茎から指を抜く。そこから精液がどろっと滴り落ちる。
「さすが、慰み者の血をしっかり受け継いでいますね」
そして、栗山は幸久の肛門から陰茎を引き抜いた。
「でも、これでは処罰になりませんね」
そして、壁際の机に向かった。
栗山は、机の上に置かれていた様々な責め具を、腕で払いのけた。それを見た柏木が、幸久の縄を解く。幸久は、床に膝を突き、大きく肩で息をする。
「ここに来なさい」
その命令に従う。ゆっくり立ち上がり、机の前に立った。
「ここに体を付けて、手を左右に広げなさい」
栗山が机を指差した。その通り、幸久は机に腹と胸を付け、手を左右に広げた。
「さて、これからが処罰ということになります」
栗山は、細い釘を何本かと、金槌を持っていた。
「あなたは私の責めに耐える、と約束しましたよね」
3つ目の選択肢を選んだということはそういうことになる。幸久は頷いた。
「では、これからあなたの指を1本ずつ、机に釘で打ち付けていきます。もちろん、あなたには避けることや逃げることは許されません」
そして、机の上に置かれた幸久の左手の小指に細い釘の先を当てた。
「さあ、これからですよ」
栗山が金槌を軽く振り下ろした。釘の先端は爪に小さな傷を付ける程度だ。が、幸久は思わず手を引っ込めた。
「おやおや。松岡家の嫡男ともあろう者が、そんなに臆病者だったのですか?」
幸久はもう一度手を伸ばす。が、微かに震えている。
「こんな小さな釘、あなたが殺した使用人の手足に打ち込まれていた釘に比べれば」
そう言って、金槌を振り下ろす。今度は、釘が幸久の左の小指の爪を貫き、少し中に食い込んだ。
「うぐっ」
一瞬、手が引っ込みそうになった。それをこらえる。
「ふん」
栗山は鼻で笑う。そして、また金槌を振り下ろした。
「ぐっ」
釘が指を貫通し、その先端が机に突き刺さった。栗山は軽く釘を叩き、半分くらいまで机に打ち込む。
「では、次です」
今度は薬指だ。釘の先が爪に触れる。
「いぃぃぃぃ」
幸久が呻く。栗山が金槌を振り下ろす。
「いぐあぁ」
2本目が、左手薬指を貫通する。
「いぃぃ」
幸久は呻き続ける。
「痛いですか? 逃げたいのであれば、逃げても構いませんよ」
栗山が優しい口調で言った。が、既に指2本が机に釘付けされている。逃げるということは、その指を引きちぎるということになる。出来る訳がない。
「逃げないということは、続けてもいいということですね」
次は、先に親指に釘が打ち込まれた。そして、残る人差し指、中指も同じように机に固定された。
「こんな細い釘ですからね。これくらいでは、あなたは勃起しないでしょう」
栗山が幸久の股間に手を差し入れ確かめる。確かにそこは勃起していなかった。
「じゃあ、次は右手ですね」
右手は親指からだった。次が小指。そして中指。
「残り2本。このまま続けますか?」
幸久は顔を机に押し付け、呻き声を上げ続けている。
「ふん」
薬指が釘打たれる。そして、最後に残った右手の人差し指を握る。
「これは・・・」
そして、人差し指を手の甲の方に無理矢理曲げた。こりっとした感触、呻き声。人差し指は完全に折れ曲がった。
「柏木」
栗山が柏木を呼ぶ。柏木は栗山に何かを手渡す。それを右手人差し指の根元にあてがった。
栗山は、金槌を指にあてがったノミに振り下ろした。
「あがっ」
ノミが骨に食い込む。指が体から離れるまでには、更に4回、金槌を振り下ろさなければならなかった。
「うがぁ・・・」
机に突っ伏した幸久の体が震えている。右手の親指と中指の間に、その体とは別の物となった人差し指が転がっていた。栗山はその人差し指をつまみ上げる。それを持った手を、幸久の背後から股間に回した。
「これは・・・自慰ということになるのでしょうか」
その切り離された指を、幸久の尿道に差し込み、奥まで押し込んだ。
「うぐあぁ!」
幸久が仰け反る。すると、釘で打ち付けられた指が引っ張られ、血があふれ出す。
「おやおや、そんなことをすると、傷が広がりますよ」
栗山が楽しそうに言った。
「さて、少し休憩しましょうか」
栗山は部屋の中央の椅子に戻り、そこに座る。
「柏木、お茶の準備を」
「かしこまりました」
部屋の入口で控えていた柏木が一礼する。
「幸久さんの分もお願いします」
「かしこまりました」
柏木が部屋から出て行く。幸久は、尿道に自らの人差し指を差し込まれたまま、壁際に置かれた机に釘付けになっていた。
「旦那様、準備が出来ました」
柏木と男二人が入ってきた、一人はお茶のポットを持ち、もう一人は小さな丸テーブルを抱えていた。そのテーブルを栗山のそばに置き、その上にお茶を準備する。
「ほら、幸久さん。あなたもこちらに」
栗山が声をかけた。が、もちろん幸久は壁際の机に釘付けされたままだ。
「私の誘いを断る、というのですか?」
「で、でも・・・これでは・・・」
かろうじて幸久が声を上げた。
「机ごと、こちらに来なさい」
冷たい声で栗山が命じた。
「は・・・い」
幸久は、彼の背後、部屋の中央に座っている栗山の方に机を引きずろうとした。が、机は簡単には動かない。更に指を釘で打ち付けられ、机を抱えることも掴むことも出来ない。釘付けされた指先が裂けるのを覚悟して、机を引きずるしかなかった。
「ぐあぁぁ」
しかし、机は全く動かない。指先からぴゅっと血が迸る。
「くぅぅぅ」
呻く幸久の背後に栗山が近づいた。
「そんな机も運べないとは情けない」
そして、机の上に置かれていたノミと金槌を手にした。
「では、動けるようにしてあげましょう」
栗山は金槌を振り上げ、指を1本ずつ、根元から切断し始めた。
「ぐあ!」
痛みで身もだえする幸久を他所に、栗山はその作業をこなしていく。最後に左右の親指だけが残る。
「指がなくなったら、何も出来なくなりますね。そうなると、腕も必要ありませんね」
栗山が机の下を覗き込んだ。
(あの斧だ・・・)
幸久は直感した。あの斧は、あの時どうしただろうか・・・あの時の記憶は断片的にしかない。斧はどうしたかなんて覚えていない。たぶん、机のところに・・・
そして、栗山が斧を見つけ、それを手に取った。
「さあ、これで、あの使用人の気持ちが少しは分かるようになるのではないですか」
栗山は、斧を右肩に軽く当てた。
幸久の脳裏に、あの時、幸久のすぐ横を通り過ぎていった手足のない少年が浮かんだ。手足がなくなり、死ぬしかなかったあの使用人。突然訪れた死。それは和久も同じだ。どんな気持ちで、どんな思いで・・・
急に、幸久の体が震えだした。
(い、いやだ)
涙があふれ出す。
(まだ、まだ死にたくない)
幸久の頭の中から、それ以外の感情が消し飛んだ。
「ど、どうか・・・」
震える声で言った。
「どうか・・・お助け下さい」
顔を栗山に向けた。その顔は涙と涎で汚れていた。
「はっ、弟を絶望させ、そして死に追いやり、私の使用人を殺し、松岡家の名誉を守ると言っていたのに、命乞いですか?」
栗山は幸久の髪の毛をつかみ、その顔を無理矢理持ち上げた。
「情けない。本当に情けない」
そして、顔を机に打ち付けた。
「助けて下さい、お願いします」
震えながら幸久は懇願した。栗山は、無言で斧を振り上げた。
「助けてください、お願いし」
そして、斧が振り下ろされた。
「ぐあぁぁぁ」
右腕がなくなった幸久は、体を翻し逃げようとする。が、左手の親指は机に釘付けされたままだ。
「あなたの弟は正しかったということですね」
机の前でのたうち回る幸久を見て、栗山が冷たく言った。
「柏木」
柏木が二人に近づく。そして、のたうつ幸久の右足を掴み、机の上に持ち上げた。幸久が小便を漏らした。その小便で汚れた足の付け根めがけて斧が振り下ろされる。一度では切断出来ない。3度目で、ようやく右足が体から離れた。
「ひ、ひぃぃ」
今度は左足を持ち上げる。栗山はその付け根に斧を振り下ろす。そして、幸久は左手だけで机にぶら下がった。
「もう、生きることを諦めなさい」
栗山が斧を幸久の左肩に当てた。
「い、いやだ・・・」
「本当に・・・」
そして、栗山が斧を振り上げた。
「いやだぁ!!!」
栗山の足下に、幸久が転がった。
「情けない」
栗山はその体を抱え上げて机の上に置く。
「あなたにはもう何の価値もありません。もちろん、松岡家の嫡男の資格など、全くない」
そして、両足の付け根の間にある穴に、陰茎を挿入した。そのまま腰を振り、その奧に射精する。
「命だけは助けてあげましょう。あなたの望み通りに」
体を幸久の血で染めたまま、栗山は部屋を出た。
呻き声とも泣き声ともつかない幸久の声だけが、後に残された。
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