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鳴瀬君編(4)

「さ、着いたよ」
鳴瀬君の顔がこわばっている。僕はドアを開く。鳴瀬君の肩を押して、玄関に押し込む。もちろん、内側から鍵を掛ける。
「さ、上がって」
「お邪魔しま〜す」
荒木君はそう言って靴を脱いで上がる。でも、鳴瀬君は動こうとしない。
「さっそく逆らうのかよ」
すると、鳴瀬君は靴を脱ぐ。俯いたまま、荒木君の後について行く。僕はその後ろから鳴瀬君の肩を押す。僕の部屋に入る。
「ほら、ここ」
僕の部屋のドアのすぐ向こうに椅子を持ってくる。椅子の背もたれを壁に付けて、そこに鳴瀬君を座らせた。
「分かってるよな、俺達の言うこと聞かなきゃならないって」
鳴瀬君はずっと俯いたままだった。
「そんなに大したことじゃないよ。ちょっと動画撮影するだけだから」
僕は昨日のうちに買っておいたスケッチブックをベッドの下から引っ張り出した。
「僕等がこれに質問書くから、鳴瀬君はその質問を読んで、その後、答えればいいんだよ」
「もし答えなかったり嘘だと思えるような答えだったら、どうなるかは分かってるよな」
荒木君がスマホを取り出し、その画面を鳴瀬君に見せる。
「ほら、昨日の動画を添付したメール、もう作って、後は送信ボタン押すだけになってる」
今日、僕の家に来て、初めて鳴瀬君が顔を上げた。
「送っていいなら、言う通りにしなくてもいいよ」
「その代わり、お前のスマホに登録されてたやつ全員に昨日の動画が送られるけどね」
鳴瀬君が何か呟いた。
「え、なに?」
「やめて・・・」
今度は少し大きな声で。
「やめて下さい、だろ?」
鳴瀬君が荒木君を見た。怒りのような、怯えのような、複雑な目をしている。
「やめて・・・下さい」
僕と荒木君は目を合わせた。
「じゃ、これから動画撮るから、質問を読み上げて、正直に答えること。それから、僕等の命令には絶対従うこと。いいよね?」
鳴瀬君が頷く。
「返事っ」
荒木君が大きな声を出した。鳴瀬君の体がぴくっと動いた。
「は、はい」
そして、その他のルールを説明する。答えの中で、僕や荒木君の名前は絶対に言わないこと。時々スケッチブックで命令するから、それには絶対に逆らわないこと。鳴瀬君は何を言われても小さな声で「はい」と答えた。
「もっとデカい声で答えろ。これも命令だからな」
「は、はいっ」
鳴瀬君が大きな声を出した。
「全部、ちゃんと言うこと聞いたら、これで終わりにしてやる」
鳴瀬君は荒木君を見る。少し信じられないような顔をしている。
「本当だよ。今日がんばったら終わりにするから」
「じゃ、撮影開始な」
荒木君がスマホの画面にタッチした。動画の撮影がスタートした。

『まず自己紹介』
僕が掲げたスケッチブックにそう書いてある。鳴瀬君はそれを読み上げた。僕はスケッチブックをめくる。次のページには、『名前、生年月日、年齢、住所、学校名、クラス、学級委員ってことを答えろ』とある。鳴瀬君はそれを見て答える。
「鳴瀬義弘。生年月日は・・・」
荒木君は、鳴瀬君が答えているその顔をアップにする。制服を着た鳴瀬君の顔。目が微妙に泳いでいる。
「学級委員やってます」
鳴瀬君が答え終わると、僕はスケッチブックをめくる。次の質問だ。
「好きな科目は・・・理科です」
スケッチブックをめくる。
「スマホ・・・の番号は・・・」
少し躊躇したけど、鳴瀬君は答える。僕はその番号に自分のスマホからかけてみる。鳴瀬君のポケットから着信音が聞こえた。それを確認して、僕は通話を終わらせる。
「仲のいい友達は・・・長谷川君と、西野君と、あと長岡君です」
僕はその3人の名前をメモした。
「オ・・・」
次の質問で、鳴瀬君がつっかえた。荒木君が声を出さずに『早く答えろ』と口を動かす。
「オ、オナニーは・・・週に4回か5回くらいしてます」
鳴瀬君の顔が真っ赤になる。
「好きなテレビは・・・」
オナニーの質問から急に普通の質問になる。少しほっとしたのがよく分かる。僕はスケッチブックをめくった。次のページには『上半身はそのままで下半身だけ全部脱げ』と書いてあった。鳴瀬君がえっというような表情になる。僕はスケッチブックを上下に動かして催促する。荒木君もまた口を動かす。鳴瀬君が僕を見る。助けを求めるような目だった。でも、僕はスケッチブックを鳴瀬君の方に突き出す。そして、鳴瀬君が立ち上がる。制服のベルトに手をかけ、それを外す。チャックを下ろしてズボンを下ろす。そして、少し躊躇したあと、ボクブリを下ろした。鳴瀬君のちんこが丸見えになる。僕はそんな鳴瀬君をちらちら見ながら、ゆっくりとスケッチブックをめくる。鳴瀬君が泣きそうな顔になっている。
「え・・・」
次の質問は意外だったらしい。僕はまたスケッチブックを突き出した。
「カ、カラオケは・・・あんまり行かないです」
そして次の質問。
「よく歌うのは・・・」
なんとなく鳴瀬君らしくない、女性アイドルグループの名前が出てきた。スケッチブックをめくる。『勃起させろ』と書いてある。
そろそろ、鳴瀬君も分かってきたのか、今度は素直にちんこをしごき始めた。そのまましばらく待つと、鳴瀬君のちんこが硬くなる。鳴瀬君が僕を見る。
「初めてオナニーしたのは・・・小6です」
「女と経験は全然ありません」
そして、次のページには『こっちにお尻を突き出せ』と書いてある。鳴瀬君は背中を向け、少し腰を下げて、荒木君が構えているスマホの方にお尻を突き出した。僕は鳴瀬君の横に行く。荒木君のスマホにぎりぎり映らなくて、鳴瀬君にスケッチブックを見せられる場所だ。鳴瀬君がさっき勃起させたちんこは、すでに元通りに萎えている。僕はスケッチブックの次のページを見せる。
『両手でお尻を広げて穴を見せろ』
鳴瀬君の顔が歪む。昨日お尻にされたことを思い出したんだろう。僕はまた鳴瀬君に向けてスケッチブックを突き出す。鳴瀬君は手をお尻に当てて、そこを開いた。
『そのまま足を広げて股の間からスマホを見ろ』
鳴瀬君はその通りにする。荒木君のスマホには、鳴瀬君のお尻とお尻の穴、玉、そして逆さまになった顔が映っている。僕は荒木君の横に移動して、次のページを見せる。
『好きな女子の名前』
鳴瀬君が答えるまで少し時間がかかった。そして、鳴瀬君はお尻の穴を晒したまま、クラスの女子の名前を挙げた。
「・・・斉藤さんです」
『一番最近オナニーしたのは』
「最近オナニーしたのは・・・一昨日です」
『その時のネタは?』
「その時のネタは・・・」
そして真っ赤になる。
「斉藤さんでやりました」
僕はスケッチブックを背表紙から開いて、白紙のページに次の質問を書いた。
『どんなこと想像してオナニーした?』
「斉藤さんにキスして、斉藤さんとセックスしてるのを想像してやりました」
また質問を付け加える。
『セックスって、もっとくわしく』
「そ・・・その・・・斉藤さんのまんこに、僕がちんこ入れてるのを想像しました」
また書き加える。
『斉藤さんにお尻の穴に指突っ込んで欲しいって言って』
「さ、斉藤さんにお尻の穴に指突っ込まれたいです」
鳴瀬君のちんこがいつの間にか勃起していた。僕はベッドの下からローションを取りだした。昨日、荒木君が持って来たやつだ。それを鳴瀬君の足下に転がす。
『それを使ってお尻の穴に指入れろ』
鳴瀬君がローションを拾う。指に出す。その指をお尻の穴に当てる。
『声出せ』
「ああ・・・」
あまり感情がこもってない声だ。
『奥まで指入れろ』
「うぅ」
今度の声は、自然と出たような声だった。
『長谷川君のちんこ入れられたい』
「長谷川君のちんこ・・・入れて欲しいです」
そして、さっきの仲のいい友達3人の名前を呼びながらお尻の穴でオナニーさせる。
『気持ちいい』
「気持ちいいです」
やはり余り感情はこもってない声だ。でも、ちんこは勃起し続けている。鳴瀬君が僕を見る。何かを訴えている。僕には鳴瀬君の気持ちが分かった。しごきたいんだ。ちんこをしごいて、いきたいんだ。荒木君を見る。荒木君と目が合う。そして頷く。僕はスケッチブックに書き加えた。
『斉藤さんと、長谷川と、西野と、長岡の名前叫びながらオナニーしろ。でもまだいくな』
鳴瀬君は一瞬困ったような顔をして、その後すぐに目を閉じてオナニーし始めた。
「あぁ・・・斉藤さん・・・長谷川君・・・入れて・・・西野君にも、長岡君にも入れられたい・・・みんなとキスしたい・・・みんなとやり合いたい・・・」
鳴瀬君がスマホで撮影されながらオナニーしている。僕は小さなコップを鳴瀬君の足下に転がしてから、スケッチブックを見せる。
『その中に射精しろ』
鳴瀬君がコップを拾い上げる。すぐにそのコップにちんこを突っ込むようにして、僕等に見られながら、動画を撮影されながら射精した。鳴瀬君の精液がコップに溜まっていった。

「はい、一旦終了」
荒木君が録画を止めた。その途端、鳴瀬君が椅子に座って両手で顔を覆った。
「なに、恥ずかしいの?」
鳴瀬君が頷く。
「昨日、もっと恥ずかしいことしたくせに」
荒木君が昨日の動画を再生した。
「別に、僕達以外誰も見てないし、言うこと聞けば動画も誰にも見せないんだから」
「ほんとに?」
鳴瀬君が顔を覆ったまま言う。
「何で俺達が嘘言わなきゃなんないんだよ」
荒木君が少し大きな声で言う。
「あ、ご、ごめんなさい」
鳴瀬君はもう完全に萎縮している。
「とりあえず、その斉藤さんにさっきの動画送ってみようか」
「や、やめて!」
「嘘だよ、ば〜か」
完全に荒木君のペースだ。
「じゃ、そろそろ続きだ」
僕と荒木君が制服を脱いで全裸になった。
「お前も全部脱げ」
3人とも全裸になる。鳴瀬君を床に跪かせ、僕と荒木君がその両側に立つ。
「今から俺達を口でいかせろ」
そして、録画を再開した。

鳴瀬君が僕のちんこを右手で、荒木君のちんこを左手で握る。僕のちんこに顔を近づけた。口を開く。でも、そこで固まる。
「フェラ、初めてだっけ?」
荒木君が言った。
「はい」
そして、意を決したように目を閉じて、僕のちんこを口に入れる。でも、口は開いたままだ。僕は鳴瀬君の頭を僕の股間に押し付けた。
「んぐっ」
鳴瀬君が僕の太ももに手を当てて、頭を離そうとする。でも、僕はそうさせない。そのまま腰を突き出して鳴瀬君の口にちんこを突っ込む。
「おげっ」
苦しそうな声を出す。
「ほら、ちゃんとしゃぶれよ」
荒木君も鳴瀬君の頭を僕の股間に押し付ける。僕の太ももに当てていた手から力が抜ける。鳴瀬君は僕のちんこを唇で包み込み、頭を前後に動かし始めた。
「やり方は知ってるんだね」
「はい」
一瞬口を離し、僕を見て答えた。またすぐにちんこを咥える。
「さすが学級委員、何でも知ってるんだ」
「だったら、もっと激しくしたほうが気持ち良いって知ってるよな」
そして、荒木君が鳴瀬君の髪の毛を掴んで、頭を前後に揺さぶり始めた。
「おげっ」
鳴瀬君が苦しそうな声を出す。でも、僕もその口の更に奧にちんこを押し込む。少しずつ気持ちが良くなる。でも、すぐにはいきたくない。
「ほら、交代」
僕は鳴瀬君の口からちんこを抜いて、鳴瀬君の髪の毛を掴んだ。次は荒木君の番だ。荒木君はすぐに僕の代わりに鳴瀬君の口にちんこを押し込んだ。
「げほっ」
鳴瀬君が咳き込む。でも、荒木君はやめない。昨日、荒木君が僕のお尻に腰を打ち付けたように、今度は鳴瀬君の顔に腰を打ち付ける。
「ぐぼっぐぼっ」
鳴瀬君の口からそんな音が漏れる。目から涙が流れている。
「ああ、気持ち良い」
荒木君が呟く。僕は荒木君を見る。荒木君が僕のちんこに手を伸ばす。僕のちんこが荒木君にしごかれる。先走りが滴る。鳴瀬君の頭の上で、僕は荒木君とキスをした。濃厚なキス。舌を入れ合い、唾液を交換する。口から唾液が溢れる。それが鳴瀬君の顔に滴り落ちる。僕はちんこの先を鳴瀬君の顔に擦りつける。先走りが鳴瀬君の顔に塗り広げられる。鳴瀬君の顔は、涙と、僕等の唾液と、僕の先走りでぐちゃぐちゃになっている。
「こ、交代」
荒木君が鳴瀬君の口からちんこを抜いた。僕はその口にすぐに突っ込む。荒木君と同じようにして腰を打ち付ける。鳴瀬君が苦しそうに呻く。でも、僕は動きを止めない。それどころか、もっと強く鳴瀬君の喉にちんこを押し込む。もっと奧に突っ込む。僕もいきそうになる。
「交代」
また荒木君に代わる。荒木君は左手に鳴瀬君の精液が入ったコップを持っている。もうすぐいきそうだ。鳴瀬君の口に数回突っ込んだあと、ちんこを引き抜いてコップに向けた。
「ああ、いくっ」
荒木君のちんこからコップの中に精液が注がれる。僕はそれを見ながら鳴瀬君の口に突っ込む。僕もそろそろいきそうだ。荒木君に手を伸ばす。コップを受け取る。
「あ、いくっ」
僕も鳴瀬君の口からちんこを引き抜き、コップの中に射精した。

僕等は精液がまだ滴るちんこを鳴瀬君に口で掃除させた。鳴瀬君は僕等のちんこをしゃぶりながら、荒木君を見て、僕を見て、そして3人の精液が入ったコップを見た。
「はぁ」
僕と荒木君は立ったまままたキスをした。鳴瀬君は跪いたままだ。荒木君が僕の背中に手を回して僕を引き寄せる。僕も荒木君の背中に手を回す。僕等二人の間に跪いている鳴瀬君が邪魔だ。
「邪魔」
僕は鳴瀬君の体を足で蹴る。鳴瀬君が横にずれる。僕は荒木君を強く抱き締め、激しいキスをした。鳴瀬君が僕等のキスを見上げていた。ちんこが勃起している。
「なに勃起してんだよ」
すると、鳴瀬君は顔を伏せる。荒木君が僕から離れ、鳴瀬君の前にしゃがみ込んだ。
「お前もキスしたいのか?」
鳴瀬君は答えない。
「返事は!」
荒木君が大きな声で言った。
「は、はい・・・わ、分から・・・分からないです」
最後は消え入るように小さな声になる。
「鳴瀬君は斉藤さんとやりたいんでしょ?」
「分からない・・・です」
僕の質問にも同じ答えだ。
「つまり、男でも女でもいいってことか?」
「・・・分からないです」
僕は荒木君と目を合わせた。たぶん、鳴瀬君は僕等みたいなゲイじゃない。昨日まではそう言えたと思う。でも、昨日、僕等に犯されて、今日、こうやって使われて、鳴瀬君もそれが嫌なことなのか、それとも興奮することなのか分からなくなってきているんだろう。
でも、僕等の仲間には入れたくない。
「荒木君」
僕は荒木君に頷く。荒木君も頷いた。
 
      


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