理由(わけ)
【公彦編】


好奇心なんてものは誰にでもある。
もちろん、僕にも好奇心はある。それに、興味もあった。
そういう世界がある、ということは知っていた。いや、むしろ僕もそういう世界の中の一人だと思っていた。そして、そういう人は他にもいて、でも、たぶん僕の周りにはいなくて・・・陽ちゃんがそうだったらいいのにな、なんて思ったりもした。だけど、陽ちゃんはきっと違うだろう。だから、そういう人と会ってみたいって思っていた。

ネットで見かけた募集の書き込み。そこに書かれていた地方は、僕が住む街から電車で少し行ったところだった。
(近いな)
ただ、そう思った。その時はそれだけだった。

それだけだったのに、僕は毎日それを思い出す。夜、寝る前とか、もしあそこに書き込むとしたら僕なら何をどう書くだろうとか、そして、あの書き込みにメッセージ送るとしたら、どんなメッセージにするか、とか。
でも、実際には書き込んだりメッセージを送ったり、なんてことはしなかった。
その時は、まだ。

オナニーしてる最中、突然その気になった。
僕は寝る前にオナニーをしている。オナニーを覚えたのは小5の時だ。それからほとんど毎日欠かさずしている。最初はちんこを扱くだけだったけど、そのうちに玉を揉んだり、自分で乳首を触ったりもするようになった。
もちろん、お尻の穴も。
初めはお尻の穴の周りを撫でたり、指を押し当てる程度だった。そして、その指の匂いを嗅ぐと興奮した。友達のお尻の穴もこんな匂いなんだろうかとか想像しながらオナニーしていた。
すぐに指を入れてみるようになった。
正直、気持ち良くはなかった。でも、お尻の穴に指を入れている自分に興奮した。こんな姿を誰かに見られたりしたらどうなるのかとか想像して興奮していた。
やがて、ネットで男同士のセックスの動画を見るようになった。動画ではお尻の穴に太いちんこが入っていた。僕は自分のお尻の穴にボールペンを入れてみた。普通に入る。2本目を入れる。少し痛い。動画のちんこはこれよりもっともっと太い。そして、入れられている方は気持ち良さそうな声を出している。
(僕もされたら気持ち良くなって、こんな声出すんだろうか)
あの書き込みにメッセージを送ってみたのは、ちょうどそんな時期だった。

返事はすぐには来なかった。
僕も送ってしまった後に冷静になって、やっぱり止めときゃ良かったな、なんて思ってたからちょうど良かった。
でも、数日経った時に、返信が来た。その途端、僕の心臓がドキドキし始めた。
僕はその人と会ってみることにした。

指定されたホテルに行って、指定された部屋のドアをノックした。手が震えている。
ドアが開く。男の人が立っている。
「Kくん?」
男の人が僕に尋ねた。声が出ない。喉が渇く。体が震える。
僕は、ただ頷いた。
「どうぞ」
男の人が体を廊下の端に寄せた。僕は部屋に入る。その人が鍵を掛ける。そして、僕は後ろから肩を押されて、部屋の奧に連れて行かれた。

部屋のベッドの上には、もう一人別の男の人がいた。僕は少し驚いて立ち止まる。
「どうしたんだ?」
後ろの男の人が言った。
「二人って・・・」
後ろの人にぎゅっと抱き締められた。いや、動けないようにされた。ベッドの上の人が立ち上がって僕の前に来る。そのまま、僕にキスをしてきた。
「んん」
僕は顔を背けようとした。前の人は僕の頬を掴んで顔を押さえ付ける。そのままキスされる。唇を押し付けられて、その唇が開いて、舌で僕の唇を舐めまわす。その舌が僕の唇の間に入ってくる。僕は歯を食いしばる。すると、その人は顔を離して僕の顔を舐めまわした。
いつの間にか、後ろの人の手が僕の股間を撫でていた。
「んん〜」
僕は体を捻ってその人達から逃げようとする。でも、逃げられない、後ろの人の手が僕のシャツを捲り上げて、手を入れてきた。直接僕のお腹に触れる。胸を撫で回し、乳首に触れる。
「んっ」
その手から逃れようとした。
「ほお、もう乳首感じるんだ」
そして、両方の手で、僕の左右の乳首に触れる。指先で乳首の先を撫でられる。
「あっ」
声が出てしまう。すると、前の人がまたキスをしてくる。
「右の乳首の方が感じるのか?」
指先で右の乳首を撫で回される。
「ああ」
声が出る。すかさず前の人が僕の口の中に舌を突っ込んできた。
「んん」
ぼってりとした舌の感触。それが僕の口の中で動き回る。その人がキスをしながら僕の背中に手を回す。服の下に手が入ってくる。背中を撫で回される。
「んん」
口を口で塞がれて息が出来ない。僕は口を開いた。前の人の口が僕の口に合わさる。また舌が入ってくる。
「永田公彦君か。だから、Kくんなんだな」
突然、僕の名前を呼ばれた。それと同時に、前の人が僕を抱き締めていた手を離した。僕は後ろを振り返った。僕の後ろにいた人が、椅子に座ってカードを見ていた。
「あっ」
僕はズボンのお尻のポケットを探った。そこに入っていた筈の財布がなくなっている。そして、財布が椅子の横の小さなテーブルの上に置かれていた。
「返せ!!」
僕は少し大きな声を出した。
「騒ぐな、永田公彦」
その人は、財布に入れてあった僕のポイントカードを見ていた。
「お前、興味あるんだろ?」
確かに書き込みへのメッセージにそう書いた。
「こんな画像まで送ってきたよな」
男がスマホの画面を見せた。僕の勃起したちんこが映っている。
「ほら、脱いでお前のちんぽ見せてみろよ、永田公彦」
僕の耳元で囁いた。
「どうせ興奮してんだろ?」
男が僕の股間をさすっている。そう、僕のちんこは勃起していた。
「ほら、どうした。見られたいんだろ?」
男が僕のベルトを緩めた。ジーンズのボタンを外してチャックを下ろされる。
「ほら、ここから先は自分で脱げ」
二人の男が前後から僕を見ている。僕のちんこは勃起している。
(この二人にされるんだ)
僕の中のどこかでそれを期待している。それを感じていた。だから勃起している。だから心臓がドキドキしている。だから・・・
手を持ち上げて、ジーンズをゆっくりと下ろした。

僕はボクブリ1枚だけになっていた。それを最初の男の人がスマホで撮影する。ボクブリの、盛り上がっているところにシミが出来ている。そこも撮影される。
「興奮してるんだな」
僕は唾を飲み込む。
「じゃ、その興奮しているちんぽ、晒せ」
僕は俯く。
「ほら、早く」
ドキドキする。今から見られるんだ。そして、その後、きっと・・・
僕はボクブリを下ろした。

「お前、小6だっけか?」
僕は全裸で頷く。
「まだ毛も生えてないのか」
また頷く。
「オナニーはしてるんだよな?」
頷く。
「毎日してるのか?」
頷く。
「犯されたいのか?」
少し考える。
「犯されたいのかって聞いてるんだよ」
すると、僕の後ろから声がした。
「まあ、まだ小6だからな。犯されたいかどうかなんて、分からないよな」
僕は頷いた。
「じゃあ、なんでここは勃ってるんだ?」
前の人が僕のちんこを指差した。
「そ、それは・・・」
それは正直自分でも分からない。だけど・・・
「興奮してる・・・から」
小さな声で答えた。
「つまり、犯されたいってことか?」
その、犯されるというのがどういうことなのか、僕には理解出来ていなかった。
「僕は・・・・・してみたい・・・・・です」
どんどん声が小さくなる。
「え、聞こえない。もっとデカい声出せ」
「してみたい・・・です」
後ろの人が僕のちんこに手を回してきた。
「なにを、どうしてみたいんだ?」
「そ、その・・・・・セックス・・・されてみたいです」
前の人は僕にスマホを向けていた。
「どんなセックスをしたいんだ?」
「そ、その・・・ア、アナル、セックスとか」
たぶん、言わない方がいいんだろう。理性では分かっている。だけど、もしここで何かされるんだったら、経験してみたい。
「アナル犯されたいのか?」
僕は頷いた。
「じゃ、俺達に頼んでみろよ。僕を犯して下さいって」
喉がカラカラになっていた。体が震えている。でも、ちんこは完全に勃起している。
「僕を・・・僕を犯して下さい」
言ってしまった。男の人二人が、僕の前と後ろに立った。前の人は僕にキスをしてきた。後ろの人は僕のお腹に手を回してそこを撫で回した。
「口、開けて舌を出せ」
言われた通りにする。男の人の舌が入ってくる。僕の舌に絡みつく。後ろの人がまた乳首を撫でる。
「んん」
さっきとは違う感覚。僕の体が僕のものじゃない感じ。僕のちんこが握られる。その手がちんこをゆっくりと扱く。くちゅくちゅと音がする。
「すげぇ先走りだな。そんなに興奮してるのか」
キスされながら僕は頷いた。

ベッドの上で、僕は四つん這いにされていた。僕の口の前には、前の人のちんこがある。
「きれいなケツだな」
後ろでは僕のお尻を広げられている。
「処女アナル、丸見えだぞ」
恥ずかしい。でも、興奮する。
「小6で、初めてで、こんなに興奮するなんて、お前、淫乱だな」
前の人に、顎に手を掛けられて顔を上げさせられる。
「ほら、口開けろ」
ちんこが近づいて来る。
「初めてのフェラチオだな」
そのちんこが口に入ってくる。むわっとした、汗のような匂い。僕はそれに舌を絡める。
「なんだ、知ってるじゃないか。初めてじゃないのか?」
「初めてです」
僕はちんこが口に入ったまま答える。
「お前は口も淫乱なんだな」
男の人が笑う。
「じゃあ、こっちも最初から感じるとか」
僕の穴に何かヌルッとしたものが塗り付けられた。そこに何かが入ってくる。
「指1本くらいは余裕か。さすが、アナルも淫乱だな」
「こいつ、自分で指入れてるそうだからな」
メッセージのやり取りの中で、そういう話はしていた。
「だったら、いきなりでも大丈夫か。なんせ、犯されたいんだからな」
後ろの人が言うと、前の人が僕の口からちんこを引き抜いた。
「いいんじゃないか? 犯されたいんだし」
小さな瓶を僕の鼻の前にかざす。ツンとした臭いがした。頭が少しクラッとする。
「じゃ、初貫通してやるよ。嬉しいよな?」
そして、僕のお尻の穴に入ってきた。


      


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