8.サンタの食卓(2)

「体調はどう?」
ルドルフが僕等に尋ねた。
「そ、それより、な、鳴・・・」
三田が焦っているのがよく分かる。話をしようとしているけど、焦りすぎて言葉が出て来ないようだ。
「相談したいことがあるんだけど」
僕が代わりに言う。
「まず、僕等、誘拐現場にいたってことは分かってると思うし、そこから逃げ出せたのも知ってるだろうけど」
「鳴瀬君がっ」
三田が言い掛けたのを僕は制して話を続けた。
「もともと、あそこには誘拐されてた鳴瀬って奴がいたんだよ」
「そりゃそうだよね。誘拐現場なんだから」
テーブルに座っていた中の一人が言う。その時、別の少年が食べ物を運んできた。
「あ、起きてたんだ。これから朝食なんだけど、食べるでしょ?」
「僕等二人はこうして逃げてきたけど、元々誘拐されてた鳴瀬は取り残されたままなんだよ」
無視して僕は話し続けた。
「助けに行かないと殺されちゃう」
三田が続けた。
「Ho−Ho−Ho!」
サンタクロースが部屋に入ってきた。
「そんなこと、わし等には関係ない」
そう言って、正面の真ん中の席にどかっと座る。
「でも、放って置いたら」
「最初から誘拐されてたんだ。お前等は関係ないし、わし等にも関係ない」
「でも・・・」
他の少年達を見る。でも、皆無関心そうに、朝食を食べ始めている。
「それよりも、体が大丈夫なら、昨日の続きを」
「出たよ、エロ親父」
「Ho−Ho−Ho!」
(だめだ、こいつら)
確かに誘拐そのものには関係ない。でも、あの場にいて、あの状況に巻き込まれて、自分達だけが助かって、それでいいとは思えない。
「そ、それでいいの? 人としてそれでいいの?」
「僕等、一応天使だから、人じゃないし」
すると、三田が口を開いた。
「待って。僕、まだ鳴瀬君にプレゼント渡せてない。サンタクロースの代理のお仕事果たせてない」
少年達が顔を上げて三田を見た。サンタクロースだけは平然と食事を続けている。
「君達の気持ちは分かる」
ルドルフが言った。
「でも、僕等もこれでも心配している。みんなあんな言い方をしてるけど、あの場に戻ってただで済む訳がない。君達、殺されるよ?」
「でも、逃げる方法はもう知ってる」
三田がテーブルの端を掴んで、身を乗り出してルドルフに言った。
「それに、あの場がヤバいって分かってるから、なにか持って行けば」
「それがダメなんだよ」
ルドルフが立ち上がった。部屋の隅にある箱から、あの白い袋を取り出した。
「あの場所に戻る方法はある。でも、それには条件がある」
白い袋を持って、僕等に近づいた。
「もう一度、これを裏返して被ればいい。ただし、あの時と同じようにね」
「同じって?」
「君達、二人全裸でセックスしてたよね、あの時」
その言葉に反応してサンタクロースが顔を上げた。
そうだ。あの時、僕と三田はセックスしてた。あの時、僕は三田に入れられていたし、三田も男に入れられていた。
「それと同じように、全裸でセックスした状態だったらあの場所に戻ることは出来る。でも、あの時君達はこれ以外なにも持っていなかったから、ここからなにかを持って戻るということは出来ない」
白い袋を振った。
「つまり、全裸で抱き合って、全く無防備であの場に戻るってこと。それでどうやって助けられる?」
僕も三田も黙り込んだ。
「一つ方法がないこともない」
サンタクロースが言った。
「お前もあの時掘られてた、つまり、ケツに入ってたんだろ?」
三田に言う。
「はい」
三田は頷く。
「だったら、なにかがケツに入ってるってのはOKだ」
「なにかって、なにを入れるつもり?」
ルドルフがサンタクロースに言う。
「Ho−Ho−Ho! なにが入るかは、どれくらい拡がってるか次第だな」
サンタクロースが楽しそうに笑った。

僕はテーブルの上で全裸で四つん這いにされていた。サンタクロースが僕のお尻の穴に指を突っ込んでいる。
「全然ダメだな。これじゃあ、鉛筆くらいしか入らないな」
サンタクロースの横には、ピストルを持ったルドルフが立っている。
「これが入るようになるには、何年かかるか」
そう、サンタクロースは僕のお尻の中にピストルを入れようとしているんだ。そんなの無理だ。でも、鳴瀬君を助け出すには何か武器は必要だ。
「他に、入りそうな物は・・・」
「ナイフとか?」
「尻が切れる」
「バット」
「無理だろ」
「鉄パイプ」
「だから長いの無理だろ」
「ダイナマイト」
「そんな物、ここにないだろ」
少年達が口々に言う。まるで楽しんでいるようだ。
「ほら、護身用の小さい銃ってあるでしょ。あれなら」
「だから、そんな物はここにはないって」
「ミサイル」
「入るかっ」
すると、キューが小さな声で言った。
「花火、とか」
「花火が武器になるかっ」
誰かが言う。
「いや、イケるかも」
ルドルフが言う。
「いきなり火花が噴き出したら、ちょっとパニックになるだろうから、その隙に助け出す、なんてことは可能かもしれないな」
「尻から火花」
笑い声が上がる。
「花火なら、年が変わる時に御祝いで打ち上げるやつがあるでしょ」
「あれ、けっこう太いよ」
「持って来て」
その間にも、三田のお尻の穴にはサンタクロースが指を入れている。今は太い指が三本。
(あそこから火花が噴き出すのか)
想像する。僕等は真剣だ。真剣だけど、ちょっと笑いそうになる。
「これだよ。かなり太いよ?」
ダンサーが花火を持って来た。確かに太い。
「ちょっと持たせて」
それを握る。握った手の、親指と人差し指が全然くっつかない。直径7、8センチくらいあるだろうか。
「これ、入る?」
三田に見せた。
「入るよな、友達を助けるんだから」
サンタクロースだ。いつのまにか全裸になっている。
「これで拡張してやろう。お前の友達のためにな」
その股間に、前に見たサンタクロースのちんことは全然違う、これまで見たことがないような巨大なちんこがそそり立っていた。
「Ho−Ho−Ho!」
「本気モードかよ・・・」
誰かがつぶやく。
「こ、これって・・・」
三田がその巨大なちんこを見て少し怯えた。
「Ho−Ho−Ho! お望みなら、もっと太いので拡げてやろうか?」
すると、そのちんこがさらに太く大きくなった。
「Ho−Ho−Ho! お前等も入るようになったんだ。こいつもすぐ入るようになるさ。友達を助けるんだもんな」
そして、サンタクロースがテーブルに上がった。

それは拡張というようなものではなかった。
サンタクロースは三田のお尻にその巨大化したちんこを押し付けると、一気に突っ込んだ。
「ぎゃあっ」
三田が叫ぶ。いや、絶叫した。
「逃げるな。友達助けるんだろ?」
サンタクロースは三田の腰を掴んで激しく揺さぶる。テーブルに血が滴る。
「いぃぃぃぃ」
三田はテーブルに顔を押し付け痛みに耐える。
「ほら、どうだ。気持ち良くなっただろ」
「いい・・・わけ、ない・・・だろ」
無理矢理犯されながら三田が言った。
「そうか。じゃ、やめるか」
サンタクロースがちんこを引き抜いた。血でべったりと染まっている。少年の一人がタオルをサンタクロースに手渡すと、それでちんこを拭う。タオルが真っ赤になった。
「いっつぅ」
三田がお尻を手で押さえる。
「これじゃ、お前の友達ってのは死ぬな、Ho−Ho−Ho!」
サンタクロースが腹を揺らして笑った。流石にムカついた。
「お前」
「もう一回お願いします!」
僕が怒りの声を出しかけた時、三田が言った。改めて四つん這いになってサンタクロースにお尻を向ける。
「Ho−Ho−Ho!」
サンタクロースは全く躊躇せずに、その巨大なちんこを三田の血塗れの穴に根元まで突っ込んだ。
「ぐああぁ」
三田が呻く。サンタクロースが激しく掘る。ぐちゅぐちゅと音がする。さらにサンタクロースは腰を引き、一旦ちんこを引き抜くと、またすぐに奥まで突っ込んだ。それを何度も繰り返す。ぐぼぐぼと音がする。三田の声が小さくなっていく。
「ほら、もうほとんど抵抗なく入るようになったぞ」
抜き差ししながらサンタクロースが笑う。
「それ、貸してみろ」
僕に手を差し出す。その手に花火を渡す。
「どうだ、花火、突っ込まれたいか?」
「は、はい、お願いします」
三田がかすれた声で言う。
「Ho−Ho−Ho!」
サンタクロースがちんこを引き抜き、代わりに花火を突っ込んだ。
「うっ」
三田は小さく呻いたが、花火はすんなりと奥まで入る。
「Ho−Ho−Ho! わしのおかげだな」
花火を抜き、またちんこを奥まで突っ込む。
「Ho−Ho−Ho!」
そのまま激しく腰を打ち付ける。三田の体が小刻みに揺れる。
「Ho−Ho−Ho!」
やがて、サンタクロースが体を三田に押し付けて動きを止める。
「幸運を呼ぶサンタクロースの精液を、たっぷりと与えてやった」
ずるっとちんこを引き抜く。
「さあ、あとはお前等次第だ」
僕のお尻を叩く。そのままぎゅっとお尻を掴まれた。
「無事に戻って来いよ。そしたら、お前も掘ってやる。Ho−Ho−Ho!」
(ゲス野郎)
そう思ったが今は何も言えなかった。

「行こう、三田」
テーブルの上で這いつくばったままの三田に声を掛けた。が、三田は動かない。
「あんなのでされたんじゃ、しばらく動けないよ」
ルドルフが言う。
「それが分かってて、あんなにするんだから」
サンタクロースの方を振り返る。
「Ho−Ho−Ho!」
サンタクロースは笑う。そして、部屋の隅の箱から何かを取り出し持って来た。それを三田と僕に差し出す。
「これを飲めばすぐに元気になる」
錠剤だった。
なんで僕も、とは思ったけど、これからのことを思うと、ちょっとでも元気になった方がいいだろう。それをもらって飲み込んだ。
「じゃ、お前が四つん這いになれ」
サンタクロースがテーブルの上を指差す。そこに上がって全裸になり、四つん這いになる。
「お前がこいつのケツに入れる」
三田が体を起こして僕の背後に回る。でも、まだちんこは萎えたままだった。
「お前は掘られないと勃たないのか?」
三田のお尻の穴にあの花火を差し込んだ。すると、三田のちんこがむくむくと勃起する。
「Ho−Ho−Ho!」
「ちょっと待って」
ルドルフがたこ糸のような物を持って来た。
「導火線、長くしないとすぐ発射しちゃうから」
三田のお尻の穴から突き出ている花火の導火線にそれを結び付けた。
「これで、たぶん1、2分くらいは持つと思う。君等が移動する瞬間に火を点けるから、あとはうまくやって」
「ありがとう」
僕はルドルフに礼を言う。
「いや、僕は・・・」
なんだか微妙な表情をする。
「牧野君」
耳元で三田がささやいた。三田が僕のお尻に入ってくる。
「うっ」
三田が僕を掘る。
「じゃ、火、点けるよ」
三田に掘られてなんだか体が熱くなる。
「じゃ、行ってこい」
僕等の視界が白くなった。そして、引っ張られる感触・・・いよいよだ。


白い中で、僕は牧野君を抱き締めた。牧野君も僕を抱き締める。なんだか体が熱い。ちんこが痛いくらい勃起している。頭も少し朦朧としている。キスをする。お尻に入れる。掘る。腰の動きが止まらない。止められない。
「ああ、気持ちいい」
「うん、気持ちいいよ」
僕等は抱き合い、お互いを貪り合った。
やがて、床を感じた。コンクリートの感触。僕等はあの場所に戻ったんだ。

      


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