異変・・・
とにかく、体が動かなかった。
なにも見えなかった。
(ど、どうなってるの?)
そう言うこともできなかった。
男の人の声が聞こえた。誰かと会話している声だった。
(テレビ?)
僕が寝ちゃったから、テレビを見ているのかもしれない。ひょっとしたら、僕はまだ夢の中なのかもしれない。体が動かないのも、なにも見えないのも、夢なのかと思った。
「お目覚めみたいだぜ」
声がした。誰かがベッドに上がったのか、少し揺れる。
「どうだ、気分は」
急に目の前が明るくなった。僕は目隠しされていた。目隠しが少し持ち上げられて、誰かが僕の顔をのぞき込んだ。
亮さんではなかった。
別の・・・目つきの鋭い男だった。もし、この顔の写メをもらってたら、会うのはやめておこうっていう、そんな感じの顔だった。
「う、ふご・・・」
言葉にならなかった。口になにかはめられている。
「しっかりお目覚めのようだな、西村慎也君」
なぜ僕の名前を知っているのか、そのときはそんなことに気が付かなかった。僕は体を動かそうとした。男が目隠しをはずした。僕は自分の手足が、体が縛られているのに気が付いた。
「あんまりあばれるなよ、城南中2年の西村君」
そう言われて、初めて僕の名前と学校、学年をその男が知っていることに気が付いた。
「ふごっ」
口が塞がれていることを忘れて、なぜ知っているのかを尋ねようとした。
しかし、その疑問はすぐに説けた。男が手に持っている小さな手帳に気が付いた。僕の・・・生徒手帳だ。
「あの時間じゃ学校から直接来ないと間に合わないもんな」
他に、僕が持ってきていた鞄の中身がベッドの上にぶちまけられていた。ソファに亮さんが座っているのにようやく気が付いた。亮さんは、僕の携帯を手に持っていた。
「君が眠っている間、退屈だったからこんなことしちゃったよ」
目の鋭い男が、僕の胸の上にノートパソコンを置いた。その画面には、僕が写っていた。僕が全裸で亮さんの物をくわえている画像、そして、全裸で縛られている画像、足を思いっきり広げて、お尻の穴とかが丸見えになっている画像。僕の生徒手帳の画像もあった。学校と学年と名前と住所が写っていた。
「これ、ネットにアップしてあるんだよな」
男がパソコンを操作しながら言った。
「この『公開』ってボタンクリックしたら、この画像、公開されちゃうよ」
男がカーソルを『公開』ボタンの上に動かす。カーソルが指の形に変わる。
「そしたら、お前の学校のホームページにそのURL書き込んで、みんなに見て貰おうか?」
僕は男がなにを言いたいのかわからなかった。ただ、こんな画像を人に見られたくなかった。僕は顔を横に振った。
「そうだよな、こんな恥ずかしい画像、人に見られたくないよな」
男がパソコンをぱたんと閉じて、ベッドから降りる。亮さんが僕に近寄る。右手にはビデオカメラ、左手には僕の携帯をつかんでいる。亮さんは、ビデオカメラを僕の足下に置くと、僕に向かって携帯を構えた。
「ほら、お前の恥ずかしい画像、この携帯で撮ってやるよ」
ポロン、と電子音がした。2回、3回と亮さんは僕を写す。そして、携帯を置き、ビデオカメラを取り上げ、構えた。
「さて、じっくりと楽しませてもらおうかな」
目つきの鋭いほうの男が裸になっていた。物がいきり立っている。それを僕の口に近づける。亮さんが、僕の口を塞いでいたのをはずす。そして、物が近づけられる。
「い、嫌」
僕はそれを拒否した。
「ふうん・・・嫌、か」
男はあっさりとベッドから降りた。
「嫌なんだな?」
男がにやっと笑った。
男がソファに置いてあったノートパソコンを持って、僕の横に座る。
「公開して欲しいんだな」
パソコンを開くと、さっきの画面のままだった。僕に見えるようにして、カーソルをもう一度『公開』ボタンの上に動かす。
「な、舐めます」
「なんだって? 聞こえねーな」
男がゆっくりと指をタッチパッドの下のボタンに添えた。
「口でさせて下さい!」
そして、僕は口を開いた。男が近づいてきた。男の物と、亮さんのビデオカメラが僕の顔に近づいてきた。僕はビデオに撮られながら、男の物を口に含んだ。
男は、僕の胸の上に馬乗りになって、僕の口の中に物をつっこんできた。
「うげぇ」
僕ははきそうになる。でも、男は気にしなかった。むしろ、はきそうになると、さらにつっこんでくる。苦しい・・・はきそうになる。涙が出てきた。
そんな僕の様子はすべてビデオに撮られている。撮られたくない、そう思う瞬間、その瞬間をビデオカメラはきっちりと撮影していた。
男に口をさんざん犯されたあと、舌で竿を舐めさせられる。亀頭の先を舌でちろちろと舐めさせられ、先走りが男の物と僕の舌の間で糸を引くのも撮影される。男の物が、僕の唾液でぬめぬめと光る。それを僕の顔に押しつけて、顔中にこすりつける。僕はそれを追いかけて舌を伸ばす。
「ふん」
男が笑って、僕の胸から降りた。そして、僕の横に座ると、今度は剃刀を僕の股間に押し当てた。そして、僕の顔を見る。
「剃って欲しいよな?」
僕はちらりとソファの方を見た。ノートパソコンの画面はスクリーンセーバーになっていた。でも・・・
「はい」
小さな声でそう答えるしかなかった。男はまだ僕の顔を見ていた。男が僕に要求しているのがわかった。
「剃って下さい、お願いします」
男はにやりと笑うと、ゆっくりと僕の股間の毛をそり始めた。
僕の両手はベッドの横の壁にある明かりに縛り付けられていた。右手は右の方の明かりに、左手は左の方の明かりに。そして、足を縛ってある縄は、ベッドの横から下の方に消えている。たぶん、ベッドの足に結ばれているんだと思う。ベッドの上で上半身をおこして、両手をあげて、両足を開いた状態で縛られている僕を、亮さんが足の方から撮影している。僕の股間で、男が毛を剃っている。物も、玉も、顔も全部写されている。恥ずかしかった。恥ずかしくて、顔を背けると亮さんに怒鳴られる。
「こら、顔を背けるな。こっちを見ろ」
会った時の優しそうな感じは全くなくなっていた。
そうやって、僕の毛がなくなっていく様子をすべて撮影された。
「さて・・・」
僕は縛り直されていた。今度は足も手と同じように明かりに縛り付けられている。体が変に折り曲げられていて、お尻の穴が丸見えになっていた。背中が痛かった。
男が乱暴にローションを塗りつける。
「久夫、壊すなよ」
ビデオカメラを構えながら、亮さんが男に話しかけた。久夫と呼ばれたほうの男が、僕が心の準備をする前に、いきなり指を突き刺した。
「うっ」
うめき声とは裏腹に、僕の穴は男の指をすんなりと根本まで受け入れる。
「ほお・・・開発済みか?」
久夫さんが僕の顔を見た。さっきのうめき声が苦痛ではないことを悟ると、僕のお尻を指でかき回し始めた。
「うぐ・・・」
亮さんがその様子を撮影する。穴をかき回す指を、かき回されている僕の顔を、そして、かき回されて勃起している僕の物を、全部ビデオカメラが記録する。
「気持ちいいんだろ、勃起させやがって」
久夫さんがそう言いながら、さらに深く指を入れてくる。
「んっ」
恥ずかしかった。でも・・・僕の物から先走りがあふれて、僕の顔に糸を引いて垂れてくる。
「ケツ穴かき回されて喜ぶなんて変態だよな、西村慎也君は」
久夫さんが指をずぼずぼと出し入れしながら言った。
「ほら、言えよ。西村慎也は変態ですって」
指が3本に増える。
「あ、あぁ・・・」
思わず声が出る。
「言えよ、ほら」
久夫さんが指を引き抜き、また根本まで突き刺す。それを繰り返され、僕の頭はおかしくなる。
「に、西村慎也は・・・変態・・です」
さらに激しくずぼずぼとされる。
「気持ちいいんだろ? え?」
「き、気持ちいいです!」
そして、僕はビデオカメラの前で、お尻の穴をずぼずぼされながら、自分の物には手も触れずに射精してしまった。
精液が自分の顔に飛び散った。その様子をしっかりとビデオカメラに納めながら、男達はあきれたように笑った。
「お前、思った以上だな」
そして、顔にかかった精液を指ですくって口に近づける。
「口開けろ」
僕は素直に従った。久夫さんの指で集められた自分の精液を、自分で舐めとる様子をビデオに撮影された。
「これから、俺達がお前と遊んでやるよ」
亮さんが言った。
「俺達の命令を聞くならよし、逆らうなら、画像とビデオを公開する」
もう、わかっていた。僕はこの人たちの言うなりになるしかないことを。
僕はそれをあっさりと受け入れていた。
「お前なら、俺達と一緒に楽しめると思うぜ」
久夫さんがにやっと笑いながら言った。
縄をほどかれた僕は、亮さんから約束通り3万円もらって、一人でホテルを出た。また来週のこの時間にこのホテルに来るように約束させられていた。
来週・・・その日は涼君の誕生日だった。
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