別室に行く途中で、僕たちは久夫さんに連れられてシャワールームに行った。狭いシャワールームに3人で入る。自然と僕とジャニ系もどきが体を洗い合うことになる。イモ系は一人で黙々と体を洗っていた。
「名前は?」
ジャニ系もどきが僕に尋ねた。
「慎也」
僕は短く答えた。
「俺は雅人。お前は?」
イモ系にも尋ねる。
「・・・勇太」
「勇太か・・・お前らいっしょくらい?」
ジャニ系もどきは自然にそんな話題を振ってきた。こんな状況じゃなかったら、きっと仲良くなれるんだろうけど・・・
「中2」
「僕も」
僕とイモ系が答える。ジャニ系もどきみたいに自然な感じには答えられない。
「お前らも、犯られたんだろ?」
僕等は二人とも頷いた。
「俺もだよ。何回も使われて、ケツだけでいけるようにされた。お前らは?」
まるで自己紹介のように話す。普通ならあり得ない内容の自己紹介だけど・・・
「僕は・・・亮さんと掲示板で知り合って、そのあと久夫さんや若頭に犯されたり・・・剃られたりした」
顔が熱かった。
「そういや、毛、ないもんな」
ジャニ系もどきが突然僕の毛があったところを触ってきた。一瞬、腰を引く。お尻がイモ系の体に当たって、その体を突き飛ばす形になる。イモ系は一瞬僕を睨んだけど、なにも言わない。
「そんなにびびるなよ・・・もう、お互いの・・・あんなことされてるのとか見てるんだし」
ジャニ系もどきが笑う。
「お前はどうなんだ?」
イモ系はなにも答えずに一人で黙々と体を洗っていた。
「んだよ・・・暗いなぁ」
文句を言うジャニ系もどきをちらっと見て、イモ系はさっさとシャワールームから出ていった。
「ねえ・・・」
僕は二人っきりのシャワールームの中で口を開いた。
「ん?」
「何でそんな平気でいられるの?」
すると、ジャニ系もどきがまた笑った。
「平気なわけないじゃん。話したら、少しは怖くなくなるかもしれないだろ?」
そう笑顔で話すジャニ系もどきの目が笑っていないことに初めて気が付いた。
僕はしばらく動けなかった。
そして、衝動的にジャニ系もどきの体に抱きついた。
「お、おい」
頭を押しつけて、表情を見られないようにする。
怖かった。
ジャニ系もどきも怖いんだと知って、それを紛らわせるために・・・
「おい、大丈夫か?」
ジャニ系もどきが僕の体を引き離して、僕の顔を見た。
僕はそんなジャニ系もどきに強引にキスをした。
「ん、ん・・・」
ジャニ系もどきの体に腕を回す。そのままシャワールームの壁に体を押しつける。ジャニ系もどきも僕の体に腕を回し、そして、その腕がお尻のところに下がってくる。
二人とも勃起していた。
「いつまでかかってるんだ、早くしろよ」
久夫さんの声がした。僕等は体を離し、体に残っている泡を洗い流した。
「もう若頭がお待ちだぞ」
僕とジャニ系もどきがシャワールームから出ると、久夫さんが待っていた。
「お前ら・・・なにやってたんだ」
僕等二人とも勃起させているのを見て目を丸くしていた。
「こんな状況で・・・たいした奴らだな」
(きっと若頭に報告するんだろうな)
僕はそう思った。
僕等の着替えが準備されていた。それはタキシードだった。僕等のそれぞれの名前が書かれた札が付いていたから、それぞれの体に合わせて作ってあるんだろう。そんなものを着た経験は3人の誰にもない。準備してある下着(いわゆるケツ割れってやつだった)を着て、そして、タキシードを久夫さんに手伝ってもらいながらなんとか着る。ネクタイは久夫さんにしめてもらう。髪の毛を整えてもらって、鏡を見る。どう見てもコスプレしてるとしか思えない。さっきまでケツの穴にディルドをはめられて、誰が一番早く射精するか競争していたなんて思えない。
ジャニ系もどきは案外似合っている。やっぱり、基本的に顔の作りがいい(けどどっかでバランスが崩れてるけど・・・)から、こういう服も似合うんだと思った。イモ系は・・・僕の勝ちだと思った。僕はコスプレだけど、イモ系は七五三だった。お互いがお互いのそういう姿をじろじろと見合っている。きっと、この二人も同じようなこと考えてるんだろうな・・・
そして、久夫さんに連れられて食堂に向かった。
広い食堂だった。
食堂の真ん中に大きなシャンデリアがあって、その下にテーブルがある。テーブルには真っ白なクロスがかかっている。そこに、若頭と僕たち3人だけが座る。真っ白だと思っていたクロスを間近で見ると、白い刺繍がいっぱい入っていた。シミとかは一つもない。椅子も、なんだか見たこともないような椅子。そんなところで、コスプレみたいなタキシードを着た僕たちと、和服に着替えた若頭が向かい合って座った。
「ちょうどいい大きさだったみたいだな。特注で作らせたが、なかなか似合ってる」
若頭にそんなことを言われる。どう考えても似合ってる訳がない。3人とも恥ずかしさにうつむいた。
「ほら、顔を上げろ。食事を始めよう」
そして、食事はたぶん豪勢なものだったんだと思う。少なくとも、今までこんな食事はしたことがない。
前菜とかスープとか魚料理とか肉料理とか・・・たぶん、フルコースって奴なんだろうと思った。
若頭は次々と料理を平らげる。でも、僕等は食事が進まない。
「どうした? 遠慮せずに食べなさい」
そう言われても・・・せいぜいスープとサラダくらいしか喉を通らない。ましてや肉料理なんて・・・正直、肉料理を見るまで忘れていた。シャワーを浴びる前までは覚えていた・・・あの刑事の孫のことを。
あれから1時間は経っていると思う。ということは、あのドリルの歯がもう45センチくらい体に突き刺さって、切り裂いているはずだった。肉の固まり・・・滴る血・・・吐き気を催す。他の二人も同じだった。肉料理を前にして、顔色が悪かった。
結局、僕等は肉料理と魚料理には口を付けられなかった。
「デザートを」
料理を全部平らげて、若頭が給仕している男に命じた。僕等の前のほとんど手つかずの料理が下げられていく。そして、小さなケーキと小さなアイスクリーム、コーヒーが運ばれてきた。それには僕等は手を付けた。アイスクリームの冷たさが気持ちよかった。
「お前ら、シャワールームで何かしてたようだな」
食後の軽いおしゃべり、みたいな感じで若頭が突然話しかけてきた。僕とジャニ系もどきは一瞬目を合わせて、そして赤くなった。
「勃起させてたそうじゃないか」
追い打ちをかけるようにそう言う。
「なにをしていたのか聞かせてくれ」
若頭は楽しんでいる、そう感じた。ということは、逆に言えば言うことを聞かなかったら機嫌を損ねるということ。
「あ、あの・・・」
僕が切り出した。
「キスして抱き合ってました」
ジャニ系もどきがはっきりとそう言った。僕はびっくりしてジャニ系もどきの顔を見た。ジャニ系もどきはまっずぐに若頭の方を見ていた。
「ほぉ・・・こんな状況なのに、か?」
「こんな状況だから・・・怖かったから」
ジャニ系もどきが質問に答えた。前に座っている若頭には分からなかったが、横に座っている僕には、彼が膝の上で拳を堅く握っているのがわかった。
「今、同じようにして見せてくれ」
「え・・・」
今度はさすがのジャニ系もどきも絶句した。
「シャワールームでしたことを、ここで同じようにしてくれと言ってるんだ」
あのときは、怖くてあんなことをしたけど・・・ここには、若頭やイモ系がいる。その他にも、給仕してる人とかを合わせたら、5人くらいの人が見ている。その人達の目の前で・・・
「昼間、あんなことをしてたんだ。今更恥ずかしいでもあるまい?」
そうだけど・・・やられるのと、自分でするのでは大違いだ。
「ほら、やれ」
少し声の感じが変わる。逆らうな、ということだ。ジャニ系もどきが立ち上がる。それをみて、僕もしぶしぶ立ち上がった。ジャニ系もどきが僕の前に立つ。僕はその顔を見つめて・・・そして顔を寄せて唇にキスをした。人に見られながら・・・
「シャワールームと同じようにしろと言ったはずだ。お前ら、服着たままシャワー浴びたのか?」
一瞬、二人の体が固まった。こんなところで、見られながら裸になれと言うのか・・・逆らえないことは分かっていたけど、体が動かない。
「早くしろ」
ジャニ系もどきが意を決したように服を脱ぎ始める。ケツ割れ一つになって、それに手をかける、一瞬躊躇して、それを一気に脱ぎ捨てる。僕は突っ立ったまま、それを見ていた。全裸になったジャニ系もどきが僕を見る、それでも僕は動けない。ジャニ系もどきが僕の服を脱がせてくれる。上着を脱がせて、ネクタイをはずして、シャツを脱いで、ズボンを脱いで・・・
「自分でする」
ケツ割れだけになった僕は、小さな声でそう言った。そして、それを下ろした。
全裸になった二人は、また顔を見つめ合った。さっきは何にも感じなかったのに、なんだかすごく恥ずかしい。それは全裸でこれからキスをして抱き合うのを見られるからじゃない。ジャニ系もどきと見つめ合っているのが恥ずかしい。これからジャニ系もどきとキスをするのが恥ずかしい・・・顔が近づく、心臓がどきどきしているのがわかる。そして、唇が触れ合うと同時に、ジャニ系もどきが・・・雅人君がぎゅっと僕を抱きしめた。
(さっきと違うじゃん)
そう思ったけど、僕も同じように雅人君の背中に腕を回してぎゅっと力を込めた。股間に熱い物を感じる。雅人君が勃起していた。僕もあっと言う間に勃起した。長いキス、その間、お互いの背中とお尻をなで回し合っていた。
「もういい」
若頭がそう言っても、僕等は離れなかった。若頭が男に命じて僕等を引き離した。
「お前ら、たいしたもんだな」
僕等は勃起させたまま、突っ立っていた。イモ系や、他の人たちに見られながら。
食事が終わると、僕等は寝室に案内された。それぞれ、一人ずつ部屋が与えられた。
部屋の中には広いベッドと置時計、小さな机、それから電気スタンドとメモが置かれていた。奥にドアが一つ。そのドアを開くとトイレと洗面所になっていた。
メモには『9時に食堂で朝食』とだけ書かれていた。
そのメモをぼんやりと見て、それからトイレに行く。
トイレから出てくると、部屋を出るドアを開こうとしてみた。案の定、鍵がかかっている。この部屋には窓がないから、外がどうなっているのか、明るいのか暗いのかもわからない。たぶん、まだそんなに遅い時間ではないはずだった。でも、この部屋ではなにもすることはない、寝る以外には・・・
そう思って、ベッドに入ろうとして布団をめくると、そこにディルドと小さなローションの瓶が置いてあった。
「これ使えってこと?」
僕はそれを手に取ってつぶやいた。
ディルドは一番太いところが、今日の昼間に入れられていたのより少し太い感じだった。そして、根本が細くなっている。ローションの蓋をはずして、少し手に出す。それをディルドに塗りつける。自分のアナルにも少し塗って、ディルドをアナルに押し当てた。
すんなりとは入らない。少し指で慣らして、もう一度ローションを付けて入れてみる。ゆっくりと、息を吸ったり吐いたりして、徐々に押し込む。一番太いところを越えるのにかなり時間がかかる。でも、それを越えてしまうと、あとは勝手に中に引っ張り込まれる感じで、根本の細くなっているところまで入ってしまう。その部分でアナルがきゅっと締まる感じになる。僕はそれをもう一度引き抜く。そして、また奥まで入れる。何度か繰り返す。無意識に勃起した物をしごいていた。
(今出したら、明日きっとまた射精競争とかさせられるからヤバいって)
頭の中でそうつぶやく。でも、手が止まらない。お尻のディルドの出し入れが早くなっていく。一番太いところも楽に越えられるようになる。
「ん・・・」
声が出る。何度も何度ディルドを出し入れする。しごく手のスピードも上がる。
「くっ」
(だめ!!)
頭の中の声が僕を止めようとした。でも、遅かった。
精液が顔にまで飛んできた。お腹の上にたっぷりと出したあとも、僕はディルドを入れたままにしていた。
しばらくそのまま動かなかったけど、飛び散った精液を拭こうとして部屋を見回した。でも、ティッシュペーパーとかは見あたらない。
(自分できれいにしろってこと?)
仕方なく、指ですくって舐め取る。ある程度きれいになってから、僕はベッドから降りて、洗面所に行く。タオルは1枚しかなかった。それで精液を拭くのはいやだったので、トイレットペーパーで体を拭く。
(する前にトイレットペーパー持ってっときゃよかったな)
そう気がついた。
そして、今度は本当にベッドに潜り込んだ。アナルにはディルドが入ったままだった。
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