ジャニ系もどきが僕の頭を股間から引き剥がした。そして、もっと股間に顔を埋めていたい僕に言った。
「待ってて」
ジャニ系もどきはブリーフを脱ぎ捨てて、ステージの隅においてある台に向かった。そこには、若頭が言っていた"いろいろな物"が置いてある。ジャニ系もどきは、その台の上の物をいくつか手にとって眺める。ジャニ系もどきを待っている間に、僕も服を脱ぐ。ズボンの下には、部屋に置いてあったケツ割れを履いていた。観客席から少し声があがる。僕はゆっくりそれを脱いだ。僕のちんこも勃起している。観客席にそのちんこが見えるようにする。体が熱かった。脱いだケツ割れを観客席の方に投げた。少しざわざわする。そうこうするうちに、ジャニ系もどきが小さな黒い固まりと、その横にあったペットボトルの水を持って戻って来た。
「飲め」
そう言って僕に手渡した。
「これ、なに?」
「知らない。水と一緒に置いてあったから」
毒ではないだろう。若頭達がそんな簡単に僕等を殺す訳がない。だとしたら・・・
「また、薬?」
「たぶんね」
若頭達は確かにひどい奴らだ。でも、勝負の最中に殺すことはしなかった・・・今までは。ここでどっちかが死んでも勝負はなんにもおもしろくない。だったら、飲んでも大丈夫だろう。僕はそれ以上、考えるのをやめた。そして、その黒い固まりを口に含んだ。
「う・・・」
思った以上に苦かった。それをペットボトルの水で飲み下す。もうかなりの量の薬を打たれたり、飲まされたりしている。少し増えたところでどってこと・・・
視界がぐらっと揺れた。違う。僕の体が斜めに傾いていた。膝に力がはいらない。そのまま、僕はステージの上に倒れ込みそうになる。なんとか膝と手をついて、無様にこけるのだけは免れた。めまいがする。でも、気分が悪いわけじゃない。ふわふわした感じ。少し離れたところにジャニ系もどきがいる。手を伸ばしてみた。でも、手が動かない。
「はぁ・・・はぁ・・・」
自分の荒い息づかいが、大きく頭に響いた。観客のざわめきとかは、わーんという音にしか聞こえない。ジャニ系もどきがなにか口を動かしている。でも、そこから発せられているはずの音が聞こえない。ジャニ系もどきは誰かを捜すかのようにきょろきょろとあたりを見回している。誰かが僕の腕を抱えるのを感じた。そこから波紋が広がるように、僕の体にぴりぴりとした快感が広がっていく。その腕は僕を立ち上がらせる。腕を掴まれる。何かが体にまとわりつく。そして、その感触が快感に変わっていく。まるで水のなかにいるように視界がゆらぐ。その視界の中で、僕の体が縛られていくのを感じた。それは・・・
視界の端に素足が見えた。視界を少しあげると、ジャニ系もどきが立っている。手には何かを握っている。それが何か、僕には分かっていた。こうなることは、頭のどこかで予想していたんだと思う。僕は今、全裸で縛られ、両手を吊り下げられて立っている。そして、目の前には鞭を持ったジャニ系もどき。イモ系を鞭打った僕に、ジャニ系もどきが仕返しをするんだ。僕が恐怖し、泣き叫ぶことをジャニ系もどきは期待しているんだ。でも・・・
体をよじる。縄が体に食い込む。
「くふっ」
そんな刺激が僕の体には快感となって感じられる。そして、これから与えられるであろう、鞭の刺激はきっと・・・僕はそれを期待していた。こうなるだろうと予測もしていた。そして、それをジャニ系もどきも知っているであろうことも。
ジャニ系もどきは鞭を振り上げた。ジャニ系もどきが最初に僕の体のどこを狙うのか、それも分かっていた。予想通り、鞭は僕の勃起して、びくびくと脈打っている竿に振り下ろされた。
「ふあぁ」
その衝撃に膝が崩れた。立っていられない。痛かった。いや、痛いというよりも熱かった。でも、それよりも、快感が僕の体を支配した。その瞬間、僕は狙いやすいように腰を突き出していた。まるで「ここを鞭打って下さい」とでも言っているかのように、ジャニ系もどきに竿を差し出した。これが僕・・・あのとき、イモ系を鞭打ち、その後に久夫さんに打たれた時の僕とは違っていた。
2回目の鞭が飛んできた。それは僕の背中から脇腹に当たる。切り裂かれるような痛み。そして3回目、4回目と続けてその痛みが襲ってくる。でも、僕はそれを受け入れるしかない。それを受け入れて、それを望み、それで勃起させる変態なんだ。そしてその通り、僕はずっと勃起させていた。
何度となく背中とお尻を鞭打たれ、その後、ジャニ系もどきは僕を反転させ、真っ赤になっていると思われる背中とお尻を観客の方に見せる。そのまま、また何回か鞭が飛んできた。その度に僕は体を捩り、そしてうめく。しかし、やめてくれとは言わなかった。やめて欲しくなかった。僕は鞭打たれる奴隷なんだ。大勢の人に見られながら、仲間を鞭打った罰として同じ目に合わされるんだ。みんなに蔑まれ、罰を与えられるんだ・・・僕はみんなの玩具なんだ。そんな想像が・・・現実が、僕の意識を支配していた。
やがて、ジャニ系もどきが疲れたのか、鞭を放り投げた。また回りをみて、何か言っている。誰かが僕の体の縄をほどいた。僕は縄から解放された。でも、立っていることが出来ず、ステージの床に横たわった。背中も、お尻も、おなかも胸も痛かった。所々皮膚がさけて血が出ていた。でもずっと勃起していた。鞭打ちが終わってほっとした・・・残念にも思っていた。あのままずっと鞭打たれて、そのまま死んでしまってもいいと思っていた自分に気がついた。傷口を指でなぞる。痛みが走る。でも、僕はさらに力を込めて傷口に指を押しつける。僕の中では痛みも快感も同じだった。すべてが僕にとっては快感だった。縛られることも、吊り下げられることも、鞭打たれることも、皮膚が裂けて血が流れることも、そしてそういうことをされて、さらし者にされることも。
「立てよ」
ジャニ系もどきが僕の横で言った。僕は素直にその言葉に従う。そして、ジャニ系もどきが僕の体をステージのほぼ真ん中に引っ張っていく。途中、ちらりとモニターを見た。Aが310、Bが280になっていた。
(逆転してる)
どっちがどっちかはわからない。でも、さっきまではBの方が点数が高かったはずだ。そして、残り時間は1:15:51になっていた。
ステージの中央は、半円形に観客側に出っ張っている部分があった。そこに僕は立たされる。みんなの視線が集まっているのを感じる。僕はまた勃起する。
「手を頭の後ろに回せ」
その通りにした僕の手に、手錠がかけられた。
「座れ」
観客を間近に感じる。でも、その半円形の出っ張りのすぐ前に照明があり、顔は見えない。照明の熱さをよりいっそう感じる。
男がステージの上に座った僕を横たわらせる。そのまま足を開いて、膝のところにロープを結ぶ。ロープのもう一方の端をステージの上にあるフックのようなものに結びつけた。僕は仰向けで、足を上げて開いた状態でステージ上に固定された。竿と玉と穴が観客に丸見えだった。
ジャニ系もどきが何かを抱えて僕の足下のほうに跪いた。半円形のステージの出っ張りの縁に、抱えていた物を並べていく。台の上にあったディルドだ。それを小さい物から順番に並べていた。時々、並べてみて順番を入れ替えたりしている。小さいのは片手でいくつもつかめるような大きさだけど、大きいのは、片手ではつかめないようなものまである。
「お前も広げられたんだろ? どこまで広がったか試してやるよ」
そう言って、最後に僕の横にローションの瓶を置いた。
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