約束
−26−


涙が額の方に流れていく。何回ぐらい、太いディルドで玉を叩かれたんだろう・・・ジャニ系もどきは、目の前で、床に座り込んでいた。10センチくらいの太いディルドを床に立てて、その上に顎を載せて、肩で息をしている。そんなジャニ系もどきの姿が上下逆さまに見える。ステージの脇のモニターには、Aが1080、Bが1300、そして、残り時間が31分と表示されていた。

僕は逆さ吊りにされたままだった。頭に血が昇っている。もうどのくらいの時間、こうやって吊られているんだろう・・・このまま気絶したりするんだろうか・・・ゆっくりと僕の体は揺れていた。揺れながら、そんなことを考えていた。心臓がどきどきしていた。体の奥の方に、痛みが残っていた。玉を叩かれた痛み・・・鈍い痛み。でも、僕の竿は勃起したままだった。先走りが、竿の先からお腹に垂れて、糸を引いている。それがあの薬のせいなのか、それとも責められたためなのか、僕にはわからなかった。
ただ、今、こうしてなにもされていない瞬間が、少し物足りなかった。

ジャニ系もどきが立ち上がった。床のディルドを拾い上げようとして、少しふらつく。たぶん、あの薬のせいだ。ジャニ系もどきの竿も完全に勃起したままだった。ジャニ系もどきが台の方に行った。僕はそれを目で追いかけた。次はなにをされるのか、不安を感じた。期待もしていた。竿のあたりがじわっと熱くなった。

ジャニ系もどきは、台にディルドを戻すと、そのままステージ脇に立っている男の方に行った。なにか話している。台の方を指さし、僕の方を指さす。男が頷いた。次に、ステージを横切って、反対の脇に立っている男にも同じような感じで何か言っていた。その男は、ステージの横に姿を消す。ジャニ系もどきは台のところに戻って、何かを手にしてステージ中央に戻ってきた。

ジャニ系もどきは僕の頭の横にバケツを置いた。
「おしっこ、出る?」
僕に聞いた。僕は首を横に振った。
「そっか。じゃ」
ジャニ系もどきが僕の目の前でバケツの中におしっこをし始めた。バケツはどぼどぼと音を立てた。それを見て、ステージ脇の男が中央にやってきた。ジャニ系もどきがバケツの前から離れる。男がバケツの前に立ち、ジッパーを下ろして竿を引っぱり出す。そして、バケツに放尿した。いつの間にか、もう一人の男も来ていた。その男は手に大きなペットボトルを持っていた。二人目の男も同じようにバケツの中にする。そして、持っていたペットボトルの中身をバケツの中に注ぎ入れた。
「何かわかるか?」
何となく、想像はついてた。
「おしっこ?」
ジャニ系もどきが頷いた。
「俺らの分じゃ足りないだろうから、観客の人にもしてもらった」
バケツの3分の2くらいがおしっこで満たされていた。
「これからどうするかわかる?」
僕は首を横に振った。

僕はさっきより少しだけ高いところで吊り下げられていた。頭の下には、あのバケツがあった。ジャニ系もどきと、ステージ脇の男の人と、そして、どんな人なのかも知らない観客のおしっこが入ったバケツが。
ジャニ系もどきは、また台に向かう。箱を持って戻ってきた。
「これ、なにか分かる?」
箱を僕に見せた。その箱に書かれたイラストは、誰が見てもすぐにそれと分かる物だった。
「か、浣腸・・・」
「正解」
ニッと笑って、ジャニ系もどきは箱を開ける。
「12個入りだから・・・何個欲しい?」
一つを取り出して、僕の目の前に差し出した。イチジク浣腸ってやつだ。僕にはそれが大きな涙の形に見えた。
「もちろん、全部欲しいよね」
ジャニ系もどきが僕の後ろに回った。
「じゃ、一つ目」
お尻になにかが触れる。注入されるという感触はなかった。ジャニ系もどきが僕の目の前に、空になってつぶれた浣腸の白い容器を差し出す。そして、それを床に捨てる。
「次、二つ目ね」
二つ目、そして三つ目も同じような感じだった。でも、四つ目から、少し違和感を感じる。
「五つ目」
ジャニ系もどきも面倒になってきたのか、いちいち僕に見せずにどんどん入れる。少しずつ、お腹の奥の方が締め付けられるような、かき回されるような感じになる。
「十個目」
「くっ」
お腹がグルグルいっていた。出そうだった。ジャニ系もどきが僕の前にしゃがみ込んで、顔をのぞき込んだ。
「ヤバい?」
僕を心配している顔じゃなかった。明らかに楽しんでいた。
「舐めろ」
立ち上がると、手を後ろで組んで、勃起した竿を僕の顔の前に差し出した。僕は、それを口に含んだ。ジャニ系もどきが腰を引き、そして突き上げる。僕の体はワイヤーで吊り下げられている以外、なにも支えがなかった。喉の奥にジャニ系もどきのものが突き当てられる。ジャニ系もどきの腰の動きで僕の体が振り子のように揺れる。その揺れにあわせて、ジャニ系もどきはさらに僕の口の中に突っ込んで来る。体の揺れと相まって、喉の奥に無理矢理入ってくる。お尻に力を入れながら、僕はそれに耐えようとした。
「げぼっ」
喉の奥からこみ上げてきたものを押さえることが出来なかった。僕はジャニ系もどきに口を使われながらそれを吐いた。それは、僕の顔を伝ってバケツの中にしたたり落ちた。鼻の中にも吐いた物が入ってくる。咳き込み、さらに吐いた。
「ったくもう・・・汚いなぁ」
ジャニ系もどきは僕の口から竿を引き抜くと、僕の吐いた物で汚れた股間に僕の顔を押しつけた。
「ちゃんときれいにしてよ」
僕は舌を伸ばしてジャニ系もどきの股間を舐める。でも、全部はきれいにならなかった。ジャニ系もどきは無言で台の方に向かう。そして、何かで股間を拭って戻ってくる。
僕の後ろでジャニ系もどきはため息をついた。
「こっちももらしてるじゃん」
パンッ、と僕のお尻を叩いた。
「栓をしてあげるからちょっと待ってて」
また台の方に行く。その間にも、僕のお腹は重苦しい感じになっていく。お尻に力を入れる。気を抜いたら出そうだった。
「これ・・・じゃ小さいかな」
ジャニ系もどきが持ってきたのは、細いアナルストッパーだった。
「お前の穴は、これじゃだめだよね」
(わざとやっているんだ)
僕を焦らせるために、絶対にわざとやっているとしか思えなかった。
「これ・・・行ける?」
今度はソフトボールくらいありそうな太いストッパーを持ってきた。そして、それを僕の穴に押し当てる。
「だ、だめ!」
穴が広がった瞬間に出てしまいそうだった。
「ったく・・・」
ジャニ系もどきはゆっくりと僕の前に回り込む。腰に手をあてて、少し頭を傾ける。
そして、ようやくゆっくりと台に向かう。
「これならいいでしょ?」
少し太めのアナルストッパーを持って戻ってきた。それなら、たぶん・・・
「うっ」
穴に入れられるとき、やっぱり出そうになる。ストッパーが入った。少しだけお尻の力を緩めた。
「じゃ、これの続きね」
ジャニ系もどきが床に置いてあった鞭を手に取った。
「漏らすなよ」
そして、僕の体に鞭が振り下ろされた。

鞭の痛みに備えようと体に力を入れると、ストッパーが抜けそうになる。あわててお尻にぎゅっと力を入れる。その瞬間、鞭が僕の体に食い込んだ。
「ぐあっ」
ジャニ系もどきが再び鞭を振り下ろす。
「うぅぅ」
それが何回も続く。ジャニ系もどきの鞭を振り下ろす間隔が、どんどん短くなっていく。僕は、鞭の痛みとお腹の辛さの中で、どこに力を入れてこらえればいいのかが分からなくなってくる。
そして、何回目の鞭打ちだっただろうか・・・
「ぐあ!」
その瞬間、ずぼっと音がしたように思った。ストッパーが抜けたのが分かった。そして、その後は・・・音と臭い、そして一旦解放されたお尻の穴を、僕はもうどうすることもできなかった。ステージの床と、そして僕の体に僕のお尻から吹き出したうんちが飛び散った。僕の体を伝って流れてくる。背中の方だけじゃなく、お腹の方にまで飛び散って、伝い落ちてくる。顔にも垂れている。ジャニ系もどきは僕から少し離れたところに立っていた。僕がステージにうんちをまき散らす様子を笑いながら見ている。
「すっごいなぁ」
あきれたように僕に言った。僕の顔にへばりついたうんちを指ですくい取って、その臭いを嗅ぐ。
「くっせぇ」
わざと大きな声で言う。その指を僕の口に近づける。
「舐めろよ」
僕は口を開けた。口の中に突っ込まれたジャニ系もどきの指を舐めた。苦い味がした。
体のあちこちにへばりついたうんちを、ジャニ系もどきは丹念に指ですくって、それを僕に舐めさせた。ステージ脇にいた男達が、ステージの上に飛び散ったうんちを、ちりとりみたいなものでかき集める。そして、その集めたうんちを僕の頭の下のバケツに入れた。その後、男達は雑巾のようなもので、ステージの上を掃除した。
バケツの中は、ジャニ系もどきと男達、観客のおしっこと僕が吐いた物、そして僕のうんちでほぼ一杯になっていた。

「こんなにまき散らして・・・みんなに迷惑かけたから、罰を与えないとね」
ジャニ系もどきが、僕を吊り下げているワイヤーを操作するリモコンを手に取った。

      


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