ステージの上で、ジャニ系もどきは横になったまま、身動きしなかった。あれだけ立ちっぱなしだった竿も萎えていた。
(これで終わりなんて)
立ち上がった僕は、ジャニ系もどきを見下ろしていた。
(もっと・・・もっと)
僕は客席の方を振り返った。
ステージの端の方に、客席に降りる小さな階段がある。僕はその階段を降りた。まばらな客席の真ん中のほうに、数人のシルエットが見える。そこに近づいてみた。かなり近くまで行って、ようやく一番前に座っているのが久夫さんだと気がついた。僕は久夫さんの前にしゃがみ込んで、久夫さんのズボンのジッパーを下ろし、その中に手を差し込んだ。
「ステージの上で見られてるだけじゃ満足できないのか」
久夫さんが僕に言った。僕は顔を上げて、こくっと頷いた。
「しょうがない奴だな」
亮さんの声がした。そこで初めて、久夫さんの横に座っているのが亮さんだと気が付いた。
「ほら、しゃぶれよ」
久夫さんの竿がズボンから出ていた。僕はそれにむしゃぶりついた。そして、左手で亮さんの股間もまさぐる。
「ほんと、淫乱だな」
亮さんは僕の手を払いのけたりはしなかった。
久夫さんと亮さんのを口で処理し終えた僕は、次に久夫さんの後ろの人影の横の通路にしゃがみ込んだ。客席と客席の間が狭く、股間の前にしゃがみ込むのは無理だった。股間に手を当てる。でかかった。その物を取り出す。そして、口に含む。
(若頭だ・・・)
口に含んだその物の感触で、それが若頭だって気が付いた。僕はその太い物が欲しかった。穴がうずいた。自分で竿をしごきながら、若頭の太い物を口で奉仕する。
若頭が僕の頭をつかんだ。そして、僕の体を客席の上に引っ張り上げようとした。僕は客席の肘置きの上に膝を乗せる。若頭は、隣の客の股間に僕の頭を押しつけた。その客は勃起していた。
「口でやってやれ」
若頭が頭の上から命令する。僕はその客のジッパーを下ろす。竿を取り出して、口に含んだ。若頭が僕の頭をそれに押しつける。僕は根本までそれをくわえ込んだ。
「ほら、いかせてやれよ」
僕は頭を動かした。肘掛けに膝を乗せて、若頭の膝に手をつきながら、頭を上下させた。腰が痛かった。でも、若頭は僕の頭を押さえたまま離してくれなかった。
「ぐふっ」
物が喉を突く。そして、口の中に暖かいものが広がると同時に、あの臭いと味がした。若頭は、その客がいったと気付くと、僕の頭を押さえていた手をどけた。僕は若頭の上から席の横の通路に降りて、しゃがみ込んだ。
「おいしいか?」
若頭が僕に聞いた。
「はい」
僕はうつむいたまま、答えた。
「次、あっちだ」
若頭は、少し後ろの席を指さした。そこにも誰か座っているようだった。暗い客席で、シルエットだけが浮かんでいた。どんな男なのかは全くわからなかったけど、僕はその男に近づいた。
僕が近づくと、その男はすでに竿を立てて待っていた。僕はその竿にむしゃぶりついた。
(5人目・・・)
久夫さん、亮さん、そして出してもらえなかったけど若頭、若頭の隣の客、そして、この人。若頭の隣の客は、顔も見なかった。顔も見ずに口で奉仕した。この人も・・・
ちらっと顔を見上げた。でも、ほとんど真っ暗な客席では、どんな人なのかも分からなかった。竿をくわえながら、若頭の方を見る。ステージを照らしている明かりで、そっちは少し明るかった。明るいステージの上から暗い客席に降りたばかりで、さっきは久夫さんすらわからなかったのに・・・
(目が慣れてきたのかな)
でも、ここからでは若頭たちの後ろ姿しか見えない。
ステージの上を見る。ジャニ系もどきは、ステージ上に横たわったままだった。モニターを見る。残り時間が2分を切っていた。点数は・・・Aが1780点、Bが1930点だ。さっき、ステージから降りる前が、確かAが1600点、Bが1920点だったから・・・Aが180点増えて、Bは10点しか増えてない。ジャニ系もどきは何にもしてないから・・・僕がAだ! そう気付いた瞬間、残り時間が1分を切った。
(負ける!)
僕は必死で頭を動かした。舌を絡ませ、早くいかそうとした。こうして口でして回って、少しでも得点を入れてもらおうとした。でも・・・
「終わりだ」
若頭の声がした。僕は顔を上げてステージの方を見た。若頭がステージの上に立っていた。モニターは・・・・・・モニターの表示は消えていた。
僕は、ふらふらと立ち上がった。ふわふわしていた。客席の間から通路に出ると、そこに座り込んだ。動けなかった。亮さんが近寄ってきた。僕を抱き起こす。でも、足に力が入らない。
「負けた・・・負けたんだ・・・」
気が付かない間に、僕はそうつぶやいていた。僕は亮さんに抱きかかえられるようにして、ステージの上に連れ戻された。
「僕・・・負けたんだ・・・」
ステージの上でも、立っていることができなかった。
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