太陽の視線に気付いた僕は、股間を両手で覆った。
「今更だな」
佐伯さんの声だった。
「興奮してるの、まる分かりだったからな」
今度は今宮さんだ。
太陽が一歩僕に近づく。
「お願い・・・舐めさせて」
そう言いながら、もう一歩近づいた。
「おっと」
椎名さんが背中から太陽を羽交い締めにして押さえた。
「今日は見せるだけでなにもしない、そういう約束だろ?」
少し太陽が抗う。でも、すぐに大人しくなる。ちんこは全然大人しくないけど。
「ほら、代わりに俺のを舐めさせてやる」
今宮さんが僕の目の前で股間を突き出した。太陽はひざまずいてその巨根を咥える。目は僕を見ている。太陽が僕に見られるんじゃなくて、僕が太陽に見られている。
「それって口の奥まで入るんですか?」
こうなったら太陽の気を逸らせるしかないのかと思った僕は、今宮さんに聞いてみた。
「試してみるか」
今宮さんが太陽の後頭部に手を掛けて、頭を股間に引き寄せた。
「うご」
太陽の喉から音がする。
「ほら、諒君がどこまで行けるか見たいんだってさ」
さらに押し付ける。
「んぐっ」
太陽は僕を見て、今宮さんの腰に手を回して自分で顔を押し付けた。
「そうそう、喉を開く感じで」
少しずつ今宮さんの巨根が太陽の口の中に入っていく。太陽の手が緩み、今宮さんのお腹の辺りに添えられる。その手に力が入る。
「もっと行けるだろ」
今宮さんが押し付ける。太陽の手は今宮さんのお腹の辺りでその体を押し留めようとする。そんな太陽の両手が今宮さんに握られ、さらに押し付けられる。
「うごご」
太陽が体を揺らす。
「苦しそう・・・」
僕は太陽を見つめる。他の男の人達は僕を見つめている。
「もっと」
僕はソファから身を乗り出し、つぶやいていた。
「ほら、もっとだって」
今宮さんが太陽の頭の後ろに手を添えて引き寄せる。ちんこが根元まで口の中に入ったように見える。太陽の目から涙がこぼれ落ちている。
「すげぇ」
今宮さんが僕を見る。
「抜いてもいいか?」
今宮さんが僕に尋ねた。
「もっと」
他の二人が笑った。
「ほら、喉開け」
太陽の手が今宮さんの体を叩いた。今宮さんは太陽の頭から手を離す。
「ぐはっ」
太陽が体を折り曲げて咳き込んだ。口から涎が垂れる。
「せっかくもっとって命令してもらえたのに、だらしないやつだな」
今宮さんに言われて太陽は顔を上げた。
「ほら、もっとだ」
そしてまた口に巨根を突っ込んだ。
僕の目の前で、椎名さんが太陽の両腕を、佐伯さんが体を押さえ付け、今宮さんが巨根を太陽の口の奥まで突っ込んでいた。
太陽は体を捻り、大人達の手から逃れようとしたけど逃げられなかった。今宮さんは腰を動かし、奥まで突っ込み、そこで体を押し付け、体を引き、また突っ込んだ。
「うげっ」
太陽が苦しそうな声を出しても3人とも止めなかった。やがて、太陽が少し吐いた。それでようやく3人は太陽を解放した。
「ほら、口濯いでこい」
佐伯さんが言うと、太陽は洗面所に向かった。
「諒君も意外と楽しんでそうだな」
太陽が部屋から出て行くと、椎名さんが少し小さな声で言った。
「まさか・・・」
でも、股間を指差される。
「ずっと勃ちっぱなしだろ?」
確かにその通りだった。
「さっきもあいつが苦しそうなのに、もっとって、かなりのSっぽさだった」
今宮さんが笑う。すると、太陽が戻ってきた。
「それ、きれいにしろ」
佐伯さんが太陽が吐いた床の物を指差す。
「雑巾の場所、知ってるよな?」
太陽は何も言わずにもう一度部屋から出て行く。
「いっそ、今日、君も太陽を犯すか?」
佐伯さんも小さい声で言う。
「今日は、あいつとは君にはなにもしない、見せるだけって約束だったんだけど、もし、君にその気があるなら」
僕は首を左右に振った。
「僕は、いいです」
「そうか」
あっさりと佐伯さんは提案を取り下げた。
「でも、もしやりたくなったらいつでも言ってくれ」
それには僕はうなずいた。
太陽が戻ってきた。全裸のまま雑巾で床の物をきれいにする。それを持ってまた部屋から出て行った。
「君は男同士ってのに抵抗はないみたいだな」
また佐伯さんが言う。
「そうでもないですけど・・・」
「でもかなり興味津々で見てただろ」
それは確かにそうだ。ずっと勃起してるし、気が付いたらソファから身を乗り出して見ていたりしてた。それをここにいる人はみんな気付いてたんだろう。だからといって女の子に興味がない訳じゃないし、もしこれが太陽相手じゃなくて誰かクラスの女子だったら、「一緒に犯すか?」って聞かれたら、ひょっとしたら・・・
僕は首を振ってその考えを追い払った。
「まぁ・・・分かんないです」
本当に自分の心がよく分からなくなっていた。
「分かんないか。君くらいの年齢なら、その辺がまだはっきりしてないかも知れないな」
太陽が戻ってきた。
「はぁ」
太陽が大きな溜め息を吐く。
「なんだ?」
太陽は何も答えない。ただ、僕の前の床に寝そべって、まだ勃起しているちんこを握った。
「休憩はいらないみたいだな」
椎名さんが笑った。
「よし。じゃ、そろそろ始めるか」
佐伯さんが太陽を立たせた。
「始めちゃっていいの?」
今宮さんが言う。
「いいんじゃないか? 来るかどうかも分からないし」
そういえば、そんなことを言っていたのを思い出した。佐伯さんが部屋の時計を見る。
「じゃあ、あと、15分だけ待つか」
そして、太陽に言う。
「その間、お前が時間を繋げ。いいな?」
「はい」
太陽はうなずく。
(時間を繋ぐって、なにをするんだろう)
太陽が部屋を出て行く。僕はその背中を目で追った。
「準備しに行ったんだ」
佐伯さんが言う。
「あの・・・皆さんは、今までにも、ああいう・・・その」
ちょっと言いよどんだ。
「ああ、もう何回もあいつとはセックスしてる。セックスっていうか、調教だな」
椎名さんが言う。
「なかなか面白い奴だぞ、あいつは」
僕を見た。
「いろんなガキとやったけど、あんな変態は初めてだ。お前もそう思うだろ?」
僕にはなんて答えればいいのか分からない。そもそも、セックスだってしたことないんだし。
「表の顔と裏の顔、あんなに違う奴は珍しいのかもね」
今宮さんが言う。
「ウチの道場にも中学生やら高校生やら来るけど、あんなどMはまぁいないな」
「プロレスの道場に、Mガキが来るんだ」
「見学とかね。意外とみんな、実はMだったりするよ」
太陽が戻ってきた。カゴのような物を両手で抱えている。
「こいつだって、本性は超がつくほどのどMだし」
「犯されるの大好きだし」
「それを見られるのも大好きだし」
「しかも、好きな奴に見られたいっていうんだから」
みんなが口々に言う。言われながら、太陽はカゴの中の物を床に並べる。
「ほら、こんなの持ってくるし」
今宮さんが床に並んだ物の中の一つを手に取った。それは腕の太さくらいあるちんこの形をした物、ディルドだった。
「それで太さ足りるのか?」
佐伯さんが太陽に尋ねた。
「お前のケツマンコ、拡がりまくってるからな」
「それ入れてるとこ、こいつに見られたいのか?」
しかし、太陽はそれらの声が耳に入らないかのように淡々と並べていく。時々順番を入れ替えたりもする。
「大きさ順か」
太陽が顔を上げて僕を見た。
「諒君、ちょっと腕出して」
僕は太陽に向かって腕を突き出した。太陽は僕の腕を見て、並んでいる中から一つ取り上げた。それを僕の腕の横に掲げる。一旦戻して、その隣のディルドを同じようにする。
「この子の腕と同じ大きさのを探してるんだ」
椎名さんが少し笑いながら言った。
「そんな七面倒くさいことせずに、腕入れてくださいって頼めばいいのに」
今宮さんは腕を組んで見ている。
「ほら、また頭おかしいとかって言われるから」
「でも、言われたら言われたで興奮するんだろ、あいつは」
三人が笑う。太陽は最初に選んだディルドより二回り大きいディルドを僕の腕の横に当てていた。
「これ、入れるの?」
僕が尋ねると、太陽はうなずいた。
「こんなの入るの?」
またうなずく。
「変態だね」
それでも太陽はうなずく。
「ほら、やっぱり」
誰かが言う。
「僕の腕、入れられたいの?」
うなずく。
「頭おかしいよね」
誰かがこらえきれずに笑い声を上げる。
「うん。でも、諒君に入れてもらいたい」
「入れないよ、気持ち悪い」
他の二人も大笑いする。
「変態で、気持ち悪くて、頭おかしいだってさ」
笑いながら言う。
「なかなかあの子も分かってきたじゃないか」
そうだ。僕も少し分かってきた。分かって言ってる。太陽を責めれば、太陽は気持ち良くなる。僕も少し興奮する。あくまで遊びだ。僕は太陽とは違う。
太陽が床に仰向けに寝そべり、足を持ち上げた。僕にお尻が見えるように体の位置を少し変え、その状態でローションをお尻の穴に塗り付ける。
「指、入ってるの、見て」
クチュクチュと音がし始める。
「なにしてんだよ、変態」
そんな太陽を見て言う。
「ほら、こんなの、簡単に入るよ」
一番手前にある小さいディルドをお尻に入れた。奥までぬるっと入る。
「ねえ諒君、抜いて」
僕を見て言う。
「やだよ、変態」
そう言われるのが分かっていたのか、太陽は自分でそれを抜く。並んでいた場所に戻す。一つ飛ばしてちょっと太いのを握る。
「端折った」
椎名さんが言った。そのディルドが太陽の中に入る。
「んっ」
小さな声を出す。そのディルドを半分くらい抜いて、また押し込む。
「諒君・・・」
僕は太陽の顔を見た。だけど、太陽は僕を見てはいなかった。少し口を開いてディルドを動かす。
「諒君・・・」
太陽は僕に犯されてるのを想像しているんだろうか。たぶん、そうなんだろう。
「やめろ、気持ち悪い」
3分の1は本心、3分の1は太陽がきっとそう言われたいだろうから。
でも、残りの3分の1は・・・・・
その時、インターホンが鳴った。
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